リンゴ、ナシ、モモなどの果樹の栽培には花の時期に適切な受粉が必要であります。自然界では本 来、昆虫や風の働きで花粉が運ばれ受粉がなされていましたが、商品果物として効率よく確実に受 粉がなされる為には人工的な操作が必要となります。いわゆる人工受粉です。人工受粉は開花した 花から花粉を採取しそれをひとつひとつの花のめしべにつけていく作業です。めしべに花粉をつけ るには長いめん棒のようなものに花粉をつけ、それをめしべにこすりつけていくのです。このとき 多量の花粉が必要になりますがめしべにつけられる花粉は決して多ければ好いと言うものではなく 多すぎては花粉が無駄になるばかりではなく花粉そのものの発芽率にも影響するのだそうです。そ こで登場したものが「花粉増量剤」なるものです。その正体は石松子(リポコジューム)です。石 松子は胞子植物であるヒカゲノカズラ(以前は寿司屋さんのカウンターケースの中に彩りよく入れ てあった植物)の胞子です。花粉と石松子を1:1または1:2程の割合で混合したものを受粉に 用いるのだそうです。勿論この希釈の程度は栽培果樹によって異なり10倍程度の希釈になること もあるようです。これによって花粉を無駄にすることなく人工受粉が行われることになります。 私は、なぜ石松子が使用されるのかは知りません。どなたかお教え願えませんか。 なお、石松子は指紋の検出に使用されたり標準粉体として物理的な実験検査にも使用されています。 |