晩秋、紅葉していた公園の木の葉が木枯らしに舞い散るようになると枯れ葉のついた小さな枝(画像)が地面に 落ちているの見ることがあります。これはケヤキの枝先なのです。落葉ではなく落小枝なのです。なぜ小枝が落 ちているのでしょうか。私は、強い風が吹いて枝先が折れたのかなと思っていました。ところがそうではなかっ たのです。落下には風も一役買っていますが、ケヤキは自ら枯葉のついた枝先を落下させているのでした。画像 をよく見ていただくと小さな実(種)がついているのがわかると思います。大木のケヤキにしては種が小さいで すがこの種には遠くへ散布される仕組みがありません。モミジやマツのように羽根もありません、動物の餌にな るほど大きくもありません、はじけて飛ばす仕組みもありません。小さいので多少は風に乗って飛ばされるかも しれませがあまり遠くへは飛ばないでしょう。ケヤキはそのハンディを小枝の枯れ葉で補っているのでした。種 のついた小枝の葉を落とさずに小枝ごと切り離すと言う技を持っていたのでした。勿論、ケヤキの紅葉した葉も 落ちていますので他の落葉樹と同じような仕組みで枝から切り離されるわけですが、恐らく種のついた小枝の葉 にはこの仕組みは無いのでしょう。でなければ葉の無い小枝の落下では種子は遠くに運ばれませんから・・・。 種子を少しでも遠くに散布させる仕組みはいろいろありますが、枯葉つきの小枝で風に運ばせる仕組みがあると は知りませんでした。植物の仕組み、自然界の技は実に巧妙であることを再認識しました。 |