['10中部選第1戦]('10/7.29)
 

 う〜ん、暑い、暑いぞ〜〜〜!
雨ばかりの梅雨時期(九州や岐阜では大きな災害にもなった!)から7月中旬になってからは、酷暑の毎日。
しかし、ここではまだ2月の中部選シリーズ第一戦の話だ。(申し訳ない!)

この時期は、大学受験のタカと高校受験のナホのおかげで我が家もピリピリ。
父ちゃんとショウゴは、コソ泥のように「抜き足・差し足・忍び足〜」とコソコソとバイクを積む。
家の窓からは、タカが四谷怪談のお岩さんのように恨めしそうな顔をしているが無視して天竜川へGo!

やっぱり2月の天竜川は寒いぞ〜。でも、雪が降っていない分ましだな。
トヨタショックの不況でエントリー台数も少なくなっているのではないか?と心配していたが、思ったよりパドックに車が停まっていた。
といっても河川敷に車が溢れていた時期を知っているだけにちょっと寂しいが・・。

受付・車検にいけば、久々にエントリーしている顔見知りもチラホラ。
この天竜川は、砂地のコースなのでとにかく疲れる。また、すぐに荒れてくるから、またまた疲れる。
そこで、頭の良い父ちゃんは、午後からのIBオープンクラスだけのエントリーにしだぞ。

みんながIB2のレースでヘトヘトになったところで元気いっぱいの父ちゃんがIBオープンに登場!
豊富な経験が父ちゃんを勝利の方程式に導く・・
これをショウゴに自慢すると「どこまで姑息な爺さまだ!」とあきれられる。
「若い者は、まだまだ人生が分かっとらんの〜」とタイムスケジュール見れば、IBクラスに45台!予選があるじゃん!!
ってことは、15台予選落ち?
悪夢がよぎる父ちゃん・・・。

エントリーリストを見れば固定ゼッケンも豪華だぞ。
3番のダイキ。
4番のリョウスケ。
そして、5番のリュウジ。その後も7(白石くん)・10(上佐くん)・19(タイチ)・22(タカシ)と続く。
これだけでも凄いメンバーなのにその他にも天才ヨッシーの弟タッツーを始め、
アッキーやウキョウ、ヒサといった固定ゼッケン組に絡んでくるのではないか?と思われるルーキーたちもいる。
もちろん、ノリやオオバくんといった若年寄たちも負けてはいない。おっさんの星トクチさんもいるぞ!

う〜ん、今年の中部も燃えているぜ〜!
しかし、豊富な経験が父ちゃんを不幸の方程式に導く・・
どう考えたってこのメンバーでは、予選落ちじゃん!!!
落ち込む父ちゃん、勝利の方程式が遠のいていく・・。
IB4年目で今年に掛けていたショウゴもメンバーを聞いて一緒に落ち込む。
背も小っちゃいが人間も小っちゃいショウゴが益々小さく見える。

そんな背中を丸めた小さな親子に今年IBに上がったヒサが声を掛けてきた。
家が近いヒサを初めて見たのは、いつだっただろうか?50の頃だろうか?
河川敷で、父親に怒られながら走っていた小僧が、今では父ちゃんを見下ろすくらいの立派な好青年になっている。
「もうスピードはあるんだから、20分なんて考えずにガンガンいけよ!
でも、スタートと第1コーナーだけは気をつけろ、IBは引かないからな!」と忠告。
素直に聞いている(うちの子どもたちは、父ちゃんの言うことなんて聞かない!)ヒサの隣でオヤジがにこやかに立っていた。
オヤジも丸くなったな〜、余裕が感じられるぞ!と人生まるっきり余裕のない父ちゃんは感じたぞ。

少しするとユウヤ親子がパドックに覗きに来てくれた。
ユウヤは、タカと同級生だ。やっと就職が決まったという話だった。
このユウヤ、NB時代には、全日本(名阪)のNBクラス決勝であの山本くんに離されはしたが、
必死に食らいつき堂々の2位だったこともある実力者だ。
(ちなみにこの時、山本くんが出したベストラップは、IA1でも10番前後のタイムだった!)
「いつレースに復帰するんだ?」と聞けば、「お金もないし、全然練習してないから無理!」とユウヤ。
「これからは、自分でお金を貯めて走ってもらわないとな〜」とオヤジ。

うちの子どもたちがユウヤやヒサと小さなバイクで近所の河川敷のコースで走っていたのは、つい最近の気がする。
ユウヤもそうだが、金銭的な理由でエントリーしてない子も何人かいた。
聞けば父親の経営している会社が傾きかけていてエントリーできない子もいるようだ。
そういえば、固定ゼッケン組を初めとして、タイヤだって新品を履いていない子たちも多い。
やはり、不況の影響は、ジリジリと来ているんだな〜。
ショウゴやタカも自分で働くようになったら「エントリーできるだけでも幸せ!」って事に気づくのだろうか?

近くの小川に洗車機を持っていけば、昔から知っているNBの親子に会った。
「タカくん出ますか?うちの子も高校受験で半年間バイクに乗ってなかったんですよ、
この前、久々にバイクに乗ることが出来たんで、クラッチどっちか分かるか?って聞いんですよ〜
タカくんの話を聞いていたので、もしかして?って思ってね。
そうしたらこいつもやっぱり忘れていて大笑いですよ〜」と話してくれた。
「初戦なんであまり無理するなよ!」と子どもに声を掛ければ、ニコッと笑って素直にうなずく。
お〜、どうして他人の子はみんな素直なんだ〜〜〜。
久々の中部戦なので、みんなとも近況報告から話が弾む。

そして、IB予選。スタートで出遅れたショウゴは何とか10位で予選通過。
19番のタイチは、またもや転倒で予選落ち。(去年も全日本でも中部戦でも良いところで転ぶんだよな〜)
スピードは、折り紙付きなのだからもう少し落ち着けよ。

いよいよ、IBオープンの予選だ。父ちゃんのスタートグリッドの近くには、04番のヒサや22番のタカシもいるぞ。
特にタカシは、すぐ隣だ。
「タカシ、お前はスタートがうまいからブレーキを遅らせてアウトにはらめ、
俺は、お前の斜め後ろをついていき空いたインを狙うからな」と命令して最後まで悪あがきをする父ちゃん。

5秒前の合図が出る。この瞬間が気持ちいいだな〜、タカシの空いたインを悠々と曲がっていくイメージが出来上がる。
バーが降りてスタート!した瞬間、もうタカシが前にいる。
これが、全日本レベルのスタートなんだな〜と感心しながら第1コーナーに向かう。
作戦だとここでタカシがアウトにはらんでインが空くはずだ。
しかし、タカシが速すぎて間に何台も入ってくる。
アウトではガチガチに当たり合っている。と思った瞬間、空中に人が飛んでいく。
その空飛ぶウェアーに見覚えが?
そのまま落ちてバイクに引かれて転げ回っているヘルメットを見ればヒサだ!
だから第1コーナーに気をつけろ!っていったのに・・。さよなら〜ヒサ〜!

でも、引かれて転げ回っているヒサにかまっている暇はない。
どう考えても父ちゃんの後ろには何台もいない。
前を走っている何台かが転ぶはずだ!と淡い期待を寄せながら走っていたのだが、
転ぶどころか、後ろからドンドン抜かれる有様。
三分の二周ほど過ぎたときであろうか。
バカに元気な音をさせながら近づくバイクがある。あっという間に追いつかれあっという間に抜かれる。
その後ろ姿はヒサだった。
ヒサのレースは、終わった!と思っていたのに凄いやつだ。(怪我もなさそうでホッとしたぞ)
そして、父ちゃんのレースは終わってしまった・・。(予想通りの予選落ちだ)
ショウゴは、今度も10位くらいで予選通過。ヒサも予選を通ったぞ。

パドックで準備をしていると「あれ、父ちゃん、モトクロスウェアーを脱いでどうするの?」
とタイチの父ちゃんが予選落ちをからかってくる。
「でも、うちの小僧も予選落ちですわ、わっはっは〜」と笑いながら遠ざかる。
タイチは、この父ちゃんの血を引き継いだな?

いよいよ、IB2の決勝。スタートしてみれば、やはり固定ゼッケン組が速いぞ。
ストレートを3番・4番・5番がこの順序で走ってきたときには、ここは全日本か?と鳥肌が立ったぞ。
しかし、この集団にウキョウやタッツーがついていく。ホント凄いぞ!
結果は、トップを走っていたダイキがマシントラブルでリタイヤ、
1位はなんとウキョウ、2位はリョウスケ、3位がリュウジ、4位がタッツーだった。

IBオープンの1位はなんとタッツー、天才ヨッシーの弟は、やはり天才だった!
2位は、リョウスケ、3位にウキョウ、4位にはなんとヒサが入った。
このメンバーで4位は立派だ。オヤジも嬉しそうだったぞ。
ショウゴはどちらも11位だった。まぁ、こんなもんでしょう。

ということで今シーズンのレースもそれぞれの悲喜こもごもをのせながらスタートしたのだった。

PS
父ちゃんが走ったのは、たったの4周!ここは全日本かい!