[今シーズン開幕!]('11/10.19)
 

 早いもので、もう今年も10月の中旬。
全日本もすでに7戦を消化してしまった。あ〜早い!
年を取るごとに月日が矢のように過ぎていく。あ〜悲しい!!

と言うわけで、もう全日本も終盤に掛かっているのだが、ここでは、'11シーズン開幕だ〜〜〜〜〜。
震災の影響で序盤戦の九州と関東の全日本が延期になり、今年の第1戦は、広島の弘楽園だった。
39番という固定ゼッケンを一生分の“運”で勝ち取ったショウゴ。
さぞかしこの第1戦を楽しみにしているかと思えば「広島まで一人で行ったことがないのでエントリーしない」と言う。

実は、この日が保育園の親子遠足に重なっているので「父ちゃんは行けない!」と言ってあったのだが、
本当の理由は、ラムソンジャンプが飛べないからだろう。
我が息子ながら情け無い!
レディースのハルナちゃんは、ラムソンジャンプを飛ばなくてもIBクラスの予選を通り、
ポイントまでゲットしたんだぞ。
別にラムソンを飛ばなくたって他の部分が速ければ予選くらいは通れるはずだ。

しかし、ショウゴは、「固定ゼッケンが飛ばないのは恥ずかしい!」とでも思っているようだった。
何を今更、恥ずかしがる!
「僕は、ラムソンジャンプが怖くて飛ばない固定ゼッケンです!」とヘルメットに書いておけ。
そうすれば、みんなも気をつけてくれるぞ。
タカも「スタートがベリの口先番長です!」とヘルメットに書いておけ。
父ちゃんは、「年寄りを大切にしましょう!」とヘルメットに書いておくぞ。

その第1戦の広島では、中部勢のウキョウやタカシ・怪我あけのタイチが活躍し、
ルーキーのユウトやイブキ・マサヤもなかなか良い所を走っていたようだった。
もちろんヒサや奥村弟・ヒロシも頑張っているぞ。
お〜タカと一緒の大学のタクミもついに初予選突破だ。
みんな頑張っているな〜。

と言うわけで、父ちゃんたちの全日本第1戦は、6月11・12日の近畿大会(名阪)からになった。
全日本では、中部大会がないので、この名阪スポーツランドが唯一まともに練習できるコースだ。
そして、今年は全日本の開幕が遅くなった分、例年よりも少し練習することが出来た。

やはり、ショウゴやタカのレベルだと練習すれば練習するほどコースにも慣れてタイムも良くなる。
あのタカでさえ、そこそこ荒れたコースでも昨年の予選通過ラップぐらいは出るようになった。
ショウゴは、決勝に出てもポイントを取れるくらいのラップだぞ。
父ちゃんは、多少荒れていても下のコースのでかいステップアップジャンプが飛べるようになったぞ。

「結構、良いタイムが出たじゃん!」とショウゴとタカに言えば「ニヤ!」と笑う二人。
「ジイさまも道路脇のでかいテーブルトップジャンプ以外は飛べたな〜」とショウゴ。
「ニヤ!」と笑う父ちゃん。

う〜ん、良い感じだぞ。
これはひょっとして、兄弟そろって予選通過か?
ひょっとしてひょっとしたら親子三人予選通過か??
そうなればひょっとしてひょっとしてひょっとしたらバイク雑誌で紹介されるかも???
その上、ひょっとしてひょっとしてひょっとしてひょっとしたらテレビにも出られるかも????
う〜ん、ますます「夢見る夢子ちゃん」状態になるトンチンカン親子。

と言うわけで、父ちゃん一家は、全日本第2戦近畿大会を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、近づくにつれて天気予報が悪くなっていく。
週間予報では、予選の土曜日が曇りだったのが、前日の金曜日になれば「雷を伴った激しい雨!」
「おまえらの普段の行いが悪いからこうなったんだ!」と父ちゃんが叫べば、
「少しぐらいぬかるんでいた方がチャンスがある!なんて言っていたジイさまのせいだ!」と反論するバカ息子たち。
名阪スポーツランドに向かう車のフロントガラスに突き刺さる雨の中、
すでに父ちゃん一家はヒートアップだ。

何とか夜の11時ギリギリにコースに着き(11時でパドックを閉められてしまう)
土砂降りの中、びしょ濡れになりながらテントを出す。
しかし、こんな時間にパドックに来ても第2パドックのアスファルトの上に場所が取れる。
パドックを見渡せば、まだまだ空いているところもある。
ほんの4〜5年前には、父ちゃんたちはいつも一番下の第三パドックの奥だった。
(今は、フリースタイルの練習場所があるところだ)
こんな雨の中の第3パドックならテントを出す前に車がスタッグしていただろう。
エントリー数が減ったというのは、ありがたいのか寂しいのか?

そういえば、子どもたちが小さい頃は、父ちゃんが必死になって全日本の予選を走っているときに、
ショウゴたちは、第3パドックの山で泥だらけになって遊んでいたな〜。
少しくらいはオヤジの背中を見て成長せんか!
(ジィさまの背中なんか見ていたら、いつまでも遅いままだ!←子どもたちの反論)

あの頃は、ただ楽しくて50や60のバイクに乗っていた頃だったな〜。
まさか親子三人で全日本の予選に出られる日が来るとは夢にも思わなかったぞ。
小さいときからバイクに乗っていればもう少し速くなる予定だったが、まぁそれも仕方がない。
それよりもこうして親子でひとつの夢に向かっていける幸せの方が嬉しいな。

予選の土曜日は、父ちゃんの行いが良いおかげで、雨も降ったり止んだりといった感じだった。
それでもコースは全周にわたってグチャグチャ。
と言ってもよく整備されていたので、思ったよりは走りやすかったぞ。

そして、IBの予選。
エントリー数が少なくなったと言っても予選は3クラス、それもどのクラスもほぼフルグリットだ。
ショウゴは、スタートで隣の子と接触して出遅れて、ほぼベリ、その後すさまじい追い上げを見せたが13位で予選落ち。
(3クラスなので、予選通過は各組10位まで)
タカは、相変わらずのスタートで中盤まで追い上げたがそこで終わり。
すでにテンションが落ちまくっていた父ちゃん一家だったが、
ここで一家の大黒柱(と本人だけが思っている)父ちゃんが奇跡を起こす。

スタートでそこそこ出た父ちゃんが、第2コーナーで絡んで転けている子たちを上手くかわせば何と7位!
速い子たちがすごい勢いで抜いていくが、轍にハンドル取られて次々と転けていく。
ほぼそのままの順位で道路脇のフープスに行けば、これまたすごい轍の1本ライン。
こうなれば父ちゃんお得意の奥義:バタバタ走行(両足をばたつかせながら進むワザ)だ。
そんな父ちゃんを隣から無理矢理抜いていく若い衆たち。
案の定、吹っ飛んで泥人形だ。まだまだ若いの〜。
こういうコンディションは、勢いだけではダメなのだよ〜。
ねちっこく、慎重に走らないとね。

そんなねちっこいバタバタ走行の父ちゃんをまたまた何台か抜いていったのだが、
3周を過ぎても10位ぐらいにいた。
場内放送では、何回か父ちゃんの名前を言っていたらしい。
それを聞いていた一部のオヤジたちは、「おい、父ちゃんが予選を通ってしまうぞ!」
「何か悪い事でも起きなければいいが・・」「ついに東海地震がくる前触れか?お〜神よ!」
と騒ぎ始めていたようだった。
しかし、やっぱりラスト一周になると何台かに抜かれてしまい、結局13位だった。
ホントはもうちょっと攻められたのだが、ねちっこく安全走行しすぎたな〜。

IBオープンは、得意のロケットスタートも出ずにそのまま撃沈。
タカもやはり撃沈。
父ちゃん一家の最後の望みはショウゴだけになってしまった。
しかも、ショウゴのバイクは450スタートだけは有利だぞ。

この450では、2年前の名阪でも雨の中でホールショットを取り、2周目までは2位だったこともある。
結局、転倒して予選落ちしたが、
あれからの2年間で背も人間も小っちゃいショウゴでも、ずいぶんと速くなった。
スタートさえミスらなければ、まず予選は通れるだろう。
「ショウゴ、スタートだぞ!」タカがスタート位置につくショウゴに声を掛ける。
「もし、出遅れても焦るな、スタートで20位以内なら絶対に10位くらいには上がれるから」と父ちゃん。
ショウゴの小っちゃい目がキラリと光ったぞ。

スタート位置をややインよりを選ぶショウゴ。
ショウゴよ、勝負に出たな。
この名阪では、速い子たちは、アウト側よりもイン側にスタート位置をとる。
しかし、それは「スタートで出られる!」という自信から。
出遅れたらイン側はもうどうしようもない場所だぞ。
450なのだから固定ゼッケンや速い子がいない無難なアウトからの方がいい気がするが、
本人が選ぶのだからしょうがない。
いけ、ショウゴよ!
その450で第1コーナーに真っ先に飛び込んでいけ!!

そして、5秒前のボードが傾く(スタート5秒前の合図だ)
いっきにエンジンの回転数が上がる。ちらっとタカを見れば、タカの目も光っているぞ。
スタートバーが降りた。すぐに反応するショウゴ。みんなよりいい反応だ!
いけ、ショウゴよ、ホールショットだ!と思った瞬間、ショウゴが目の前から消えない。
何が起こったのか理解できない父ちゃん。
タカを見れば口を開けて固まっている。

え、何が起こったの?エンジントラブル??
スタッフが走ってくる。
よく見ればスタートバーに前輪が食い込んでいる!
(スタートバーが落ちるきる前にスタートしてしまうとこうなってしまうのだ)
スタッフが二人で外そうと思っても外れない。
さすがは450のパワーだ!と感心してもいられないので、
失格覚悟で父ちゃんもスタッフと一緒にタイヤを押し出す。

やっとタイヤが外れてスタートしたときには、トップグループはすでに半周ほど走っていた。
そこからショウゴは頑張った。
4周の間に20位くらいまで上がってきたが、それまでだった。
あわよくば親子で予選を通ってテレビに出る計画も今となっては夢物語・・。

落ち込む父ちゃん一家。
しかし!!!
父ちゃん一家には、まだまだ夢の続きがあったのだった。(次回につづく・・)

PS
今回は、雨の予選だったので、中部勢の速い子たちも何人か予選落ちしてしまった。
IB2の決勝では、ルーキーのユウトが終盤まで2位を走るという力走だ。
しかし、84番の近藤くんと抜きつ抜かれつしている中で転倒リタイヤ。
もったいないぞユウト!
ついこの前まで、多度のコースでウキョウたちと泥だらけになって遊んでいたのになぁ〜。
同じくルーキーのイブキが6位でマサヤが15位。すごいぞ!
大場くんも17位で初ポイントだ。
ヒロシもオープンで19位になり、来シーズンも固定ゼッケンだ。
みんな、いいな〜。