[JNCC(爺ヶ岳)2]('13/2.10)
 

 今日は、2月10日、日曜日。
良いお天気です。
日曜日の保育園は、いつもの騒がしさが嘘のように静かです。
園庭では、羊のムフランがメェ~メェ~と寂しげに泣いています。

今日は、仕事が貯まりに貯まっているので一日保育園でお仕事です。
でも、年のせいかすぐに疲れてしまうので、気晴らしにこれを書いています。
(年のせいじゃなく、ただの怠け癖でしょ!←母ちゃん)

昨日、天竜川のコースに練習に行ったら、「コース整備で一日走れない」と言うことで、
急遽、その上流にあるエンデューロコースに親子三人で行ってきました。
前々からその存在は知っていたものの、やはり天竜川まで来ると
いつものモトクロスコースで練習していたので、今回が初めての走行でした。

第二東名の橋の下のあるコースを走ってみると、こりゃホントにエンデューロコース!
石がいっぱいあって、狭くてクネクネしたコースをひたすら走る走る。
いったいどれくらいあるの?と思うくらいコースが長~い。
木々の間を走っているので、自分がコースのどこを走っているのさえ分からない。
アクセルを開けるところもない。
もうモトクロスライダーにとっては、ひたすら辛抱我慢・辛抱我慢のコースです。

タカも父ちゃんも1周走っては、休憩。
(1周が10分以上かかる)
そんな中、すっかりエンデューロライダーのショウゴは、
あの重たいCRF450で(モトクロスコースを走る予定だったので)ひたすら走っている。
あきれて見ている父ちゃんとタカ。

半日くらい走っていると最初は全然走れなかったタカも
アクセルを開けられるところはしっかり開けて、結構いい音させて走れるようになりました。
父ちゃんは、最後までダメでした。トホホ・・

明日は祝日なので、三人でイナベに練習に行く予定です。
楽しみ、楽しみ・・。



ということで、仕事もせずにジジガタケのパート2です!

迷子になって遭難しかけた父ちゃんたちは、何とか明け方に爺ガ岳スキー場に着いた。
(タカは、臨床心理士の講演を聞きたいからといって来なかった)
パドックオープンまでの臨時駐車場みたいな所で、ちょっと一休み。

そろそろパドックが開く時間だと思っていれば、
ゲートではない駐車場の奥の方からテープを切って車が次々と入っていく。
すげ~、もう場所取りのレースが始まっているのか?」と感心していると
やっと係員がゲートを開けてくれた。

寝ているショウゴをたたき起こし、バイクをおろしてサイドオーニングを開けようとすれば
隣の人が「今回は、エントリー数が570台を超えているそうなんで、
車のスペースしか使えないみたいですよ
」と教えてくれる。
「お~すげ~」とただただ感心する父ちゃん。
でも、見ていると車のスペース以外に結構テントを張っているライダーも多い。

JNCC二戦目の父ちゃんたちには、分からないことだらけだった。
しかし、この雰囲気は、なんかワクワクする。
モトクロスでもそうだが、実際のレースが始める前から、実はレースが始まっているんだな。

リョウスケやノリ(どちらも中部のIAモトクロスライダー)もまだ来ていないようだし、
ショウゴと二人でコースの下見に出かける。
といっても、まずスタート位置が分からない。

このへん?と思うところからコーステープに従って、ひたすらスキー場のゲレンデを登る。
コース幅も広いが、長さもすごい!
全日本モトクロスもこんな所で出来たら世界選手権やアメリカのナショナルのような豪快なレースになるのに・・。

そんな豪快なゲレンデを登っていくとウッズセクションが現れた。
その後には、川底のような石がゴロゴロした所。
そして、リョウスケが言っていたガレクライム。
う~ん、これはなかなか手強いぞ!
ちょっとビビっている父ちゃんを尻目に「この程度のガレクライムなら行ける!」とやたらと強気なショウゴ。
ホンマかいな?

そうこうしているうちに、またまた迷子になる。
いったいどっちに行けばいいの?ここはどこ??私は誰???
コースが雄大すぎて逆走かどうかさえ分からない。

年季の入った父ちゃんくらいになると
モトクロスコースならギャップの出来方やジャンプの形状でどんなコースでも逆走かどうかぐらいは分かる。
しかし、ここでは、ひたすら迷う父ちゃんとショウゴ。

昨夜から迷ってばかりの父ちゃんは、疲れてへたり込んでしまう。
空を見上げれば「あんたは、人生も迷ってばかりじゃない!」という母ちゃんの声が聞こえた?気がする。
爺ガ岳の綺麗な紅葉が目にしみるぜ。

そんな父ちゃんに見切りを付けたショウゴは、一人で山の奥に消えていく。
しばらくすると今度は、外人さんと一緒に帰ってきた。
その出で立ちを見ただけで「こいつはただ者じゃない!」と感じる父ちゃん。
「この人も迷子になっていた」とショウゴ。
ショウゴは、外人さんとコース図を見ながらまた山奥に消えていった。
後で分かったが、その外人さんは、GNCCのトップガンと言われている招待選手のG・キアーニーだった。

ショウゴと分かれて一人トボトボとパドックに向かう父ちゃん。
やっとの思いで車に着き、死んだように眠る。
気持ちよく寝ていると「じいさま、じいさま大変だ!」とショウゴが起こす。
母ちゃんごめん!」と飛び起きる父ちゃん。

「じいさま、なに寝ぼけているんだ?」
ショウゴが続ける。
「あの後、外人さんと別れて、コースの奥の方に行ったら
ガレクライムなんか比べものにならないくらい難しいところがあったんだ
それもド長くて、行けども行けどもゴロゴロした石が続くんだ、あんな所はとても走れん」
(ロックンロールリバーという超難所だった)

前回のSUGOでは、難所がカットされてモトクロスライダーに有利になっていた分、
今回の爺ガ岳は、いつも以上の難所を作ったか?
すっかり気落ちしているショウゴに遅れてきたリョウスケが話しかける。
今回のコースは、そうとうヤバイらしい

二人の話を聞いていると
今回のコースは、トライアルマシンで走った方が速いじゃない?と思うようなコース設定のようだ。
「リョウスケは、どんなマシンで出るの?」と父ちゃん。
「今回借りたマシンは、オートクラッチが付いているんですよ」とリョウスケ。

オートクラッチ?
「スクーターみたいなヤツです」
オートクラッチのなにが良いの?
「とにかくエンストしないんですよ、ガレ場なんかでは助かりますよ
それにクラッチ握らなくてすみますから、スタックした時なんか、
リアタイヤを持ち上げながらアクセル回したり、
時には、バイクの前に回ってアクセル操作しながらフロントタイヤを引っ張ったりと
とんでもないことも出来るそうですよ」
そうですよ?
「まだ、このバイクに一回しか乗ってないから、よく分かんないですけど・・」とリョウスケ。
ほ~。

オートクラッチと聞いた時には、その昔、ホンダがモトクロスのワークスマシンに
オートマチックミッションを組み入れたCR250を走らせていたのを思い浮かべたが、
そんなに複雑なヤツではなく、
ホント、スクーターなんかで使われている遠心力を利用したヤツみたいという事だな。

う~ん、世の中は変わっているんだな~。
モトクロスマシンも4サイクルになってずいぶんとクラッチの使い方も変わってきたが、
でも、クラッチがあってこそのバイクを操る!というものじゃないかい?

そんなこんなで、土曜日はあっという間に過ぎていった。
いつもの全日本ならお風呂に入って美味しい晩ご飯を食べに行くのが楽しみなのだが、
今回は、遭難してもいいようにとお菓子だけではなく、カップラーメンも大量に買ってしまった。

爺ガ岳スキー場は、秘境でもなく、ちょっと走れば、温泉やコンビニもたくさんあるが、
「こんなにカップラーメンを持ち帰れば、絶対に母ちゃんに怒られる」と
お風呂にも行かずにパドックでラーメンをすする父ちゃんとショウゴ。
(結局、日曜日の朝と昼もラーメンだった)

そして、やってきました日曜日。
午前中は、父ちゃんのFUNクラス。
父ちゃんは同じ過ちを繰り返さない男だ!」とクラッチレバーも可倒式を付けてきましたよ。
’06CRF250のタイヤもリアだけは、タカが全日本で使ったミディアムタイヤの山八分目だぜ。

ゼッケンを呼ばれてスタート位置に着けば、前回よりも明らかに落ち着いている。
俺はやる時には、やる男だ!
そう言えば、106歳になる大ババには、
「アキちゃん(父ちゃんのことだ)は、やれば出来る子だよ!」とずっと言われ続けていたな~。
(気づけば、ちゃんとやったこともなく51歳になってしまったが・・)

そんな51歳のオヤジが物思いにふけっている間にも、次々と後ろにバイクが並んでいく。
振り向けば、ゲレンデの下の方までバイクがいっぱい!
すげ~~~~。

お姉ちゃんが、出てきて国歌斉唱。う~ん、気分が盛り上がるぜ!
すっかりレースモードの父ちゃんにショウゴが叫ぶ。
じいさま、トランスポンダーが付いてないぞ!

全日本モトクロスでは、前々から使っているトランスポンダー(自動計測器)。
このJNCCでは、なんと呼んでいるか分からないが、付けなければ集計されない。
車検がないので、気づかなかった!!

スタートまであとわずかだ。
すぐに取ってくる!」とショウゴがゲレンデをダッシュで下る。
しかし、パドックまでは遠い。

そろそろエンジンスタートの合図だ。
「気温が低いので、暖機運転を2分取ります」
エンジン音が紅葉で綺麗な山々に響き渡る。

父ちゃんもキックしてエンジンを掛ける。
今回は、前回のSUGOの時と違い、キック2発でエンジンが掛かるが、
俺は、あきらめることを知らない男だ!」と言いふらしている割にすでに半分あきらめモードの父ちゃん。

バイクを押してコース外に出ようとした時、ショウゴが真っ赤な顔で走ってきた。
(背は小さいくせに、でかしたぞショウゴ!)
急いで左フロントフォークにトランスポンダーを付ける。
すぐに、スタート。

相変わらず出遅れる父ちゃん。
でも、前半のゲレンデコースはコース幅もハンパなく広いので、今日のコースコンディションなら抜けるはずだ。
なんてたってタイヤもコースコンディションも前回より断然良い!

第1コーナーを終盤で回れば、第2コーナーまでは下りだ。
ここで一気に中盤グループに追いつく。
第2コーナーを回るトップグループでは緑色のバイクが吹っ飛ぶのが見える。
すげ~、みんな燃えているじゃん!

中盤グループでゲレンデを4速・5速全開で登っていく。
モトクロスでは味わえないホントの全開走行が続く。気持ちいい~。
前に見えるバイクは、4,5台か?
排気量はこっちのCRF250の方が大きいはずだが、なかなか追いつけない。

そうこうしているうちに問題のガレクライムだ。
初めは上手く行けたが、最後で前輪が石にヒットして真横を向いてしまう。
転倒こそ免れたが、エンジンが止まってしまった。

経験がある人は分かると思うが、坂でモトクロッサーのエンジンを掛けるのは大変だ。
なんとか足が着く姿勢にするだけで一苦労。
その後に必死になってキックするのも一苦労。
やっとエンジンが掛かって坂を登ろうとしてもリアタイヤが空転して一苦労。
結局、1周目のガレクライムだけで5分以上のタイムロスをしてしまった。
その後もコースミスはするわ、木の根っこに引っかかって転倒するわ、とドタバタ。

2周目のガレクライムに行けば、すでに渋滞が始まっている。
1周目の悪い記憶が読みがえり、迷わずエスケープする。
その後のガレクライムも迷わずエスケープ。

でも、今回は、エスケープのコースが長いのでこれが裏目に出る。
何とか完走は出来たが、14台中の11位。
ホント、情けないです。

後にJNCCのホームページに載った映像(COMP:Aクラス)では、
1周目のショウゴが3番手争いでこのガレクライムをすごい速度で登っていた。
自分との違いにすっかり気落ちする父ちゃん・・。
まぁ、みんなには、’06CRF250の調子が悪かったということにしておこう。

そして、午後からは、COMPクラス。
あのチョー難所のロックンロールリバーの登りが待ち受けている。
その後には、ジュラシックパークと呼ばれている難所もあるそうだ。
いったい、どんな所じゃい?

AAクラスがスタートして、Aクラス(ショウゴ)のスタート。
ショウゴも前回のようにホールショット!とはいかないが、3,4番手当たりでコースの奥に消えていった。

しかし、ここからが長い。
モトクロスのようには、ライダーがすぐに帰ってこない。
全日本モトクロスなら1周が、2分くらいから長くても2分半。
JNCCならAAクラスでも10分以上。
ましてやショウゴは、15分以上かかる。

それでも1周目は何とか中盤で帰ってきたが、2周目からは30分以上も帰ってこない。
4周目でピットインすれば、すでに1時間半近く経っている。
見ればラジエターの右側がつぶれて、ラジエターのサブタンクも空になっている。

「どうだ、ショウゴ?」と聞けば、
「ロックンロールリバーが全然走れん、10m進んでは転倒、10m進んでは転倒を繰り返している
キャメルバッグを付けていないショウゴは、水もがぶ飲み。
急いでラジエター液を入れて、給油をして送り出す。

その後も1周するごとにピットインしてラジエター液を入れて水をがぶ飲み。
2時間半過ぎのピットインでは、「もうダメ、少し休む」と突っ伏してしまった。
10分ほど経ったので「無理せずにリタイヤしようか?」と言えば、
「あと1周だけ走るから・・」と苦しそうに言う。

レースが始まって2時間40分くらいが経った。
2時間45分を過ぎてトップがゴールすればレース終了だ。
「俺、行ってくるわ」とボロボロのショウゴがピットから出て行く。
ラスト1周だ、いってこい!」と背中を押す。
背は小さいくせに逞しくなった背中にちょっとビックリする父ちゃん。

もう1周目のような勢いもなく、バイクにしがみつくようにゲレンデを登っていく。
小さな頃には、いつも笑顔でバイクに乗っていたショウゴ。
50ccのJR50に乗って庭を走り回っていたのが昨日のようだぞ。
こんなに嬉しそうに乗ってあげれば、バイクも幸せだな~っていつも思っていた。
85ccのジュニアの頃は、「レース中でも歌を歌いながら走っているんだ!」って言っていた。

ショウゴもIB(国際B級)になって、早6年。
いつの間にか笑顔でバイクに乗っている姿も見なくなっていた。
当たり前の話だが、レースの世界って楽しいだけじゃやっていけないんだな。
でも、バイクが好きで今でも週末になると家族で練習にいく。

このジジガタケでは、父ちゃんもショウゴも叩きのめされたが、バイクが好きな気持ちは誰にも負けていないぜ。
待っていろよ、ジジガタケ!
来年は、きっとこの借りを返しに来るからな!!

そのためには、まずはピカピカのバイクが父ちゃんには必要だな!
とすっかりバイクのせいにする父ちゃんでした。

PS
はやり、今回のコースは、モトクロスライダーには難しく、
リョウスケやノリも良い成績を残せませんでした。