[JNCC第4戦爺ヶ岳!]('13/7.20)
  

 2013年6月9日第4戦-/ジョニエル-G 爺ケ岳/信越全国大会

エントリー数総数 535台・COMP 227台・FUN 288台・キッズ & トライ 20台
エントリー状況FUNは2時間、COMPも即日定員締切り実施!
大会会場長野県大町市平4819 爺ガ岳スキー場 特設会場(標高 900〜1200m )
コース長COMP 6.0 km・FUN 5.5 km・キッズ & トライ 3.5 km
 コースレイアウター宮島進 (2013-夏・2012-AAGP・2012-夏・2011
コース設営JNCC
天候:キッズ & トライ/ FUN〜快晴・最高気温:21.5° COMP〜快晴・最高気温:26.0°
    
(*ドライになり埃が酷い場所もあった)
観客JNCC一番人気の大会を反映してかなり多かった。
コース実際難易度COMP 90%・FUN 80%
コース予想難易度COMP 90%・FUN 80%

 やってきました、ジジガタケ(ホントは、爺ガ岳:ジイガタケ)!
昨年の11月にコテンパンにやられた、あのジジガタケに帰ってきたぞ。
しかし、右も左も分からなかった、あの時のショウゴと父ちゃんではない。

ショウゴのリヤタイヤは、なんとダンロップのAT81の新品!
ショウゴとタカが80ccの頃の美杉のモトクロス合宿でもお世話になった
“なやっち”こと納屋望くんが開発したと言われているタイヤだぞ。
空気圧だって思い切って0.8だ!
(やっぱり、エンデューロライダーのようには、落とせないな・・)

父ちゃんに至っては、ボロボロ’06CRF250Rから
総額100万近いKTM200EXCwithリクルスにバージョンアップ!
なんと、なんと、リヤタイヤにあのあのあの噂のIRCのGEKKOTAの新品を履いてきたんだぞ!
まぁ、いつものようにフロントは中古だが・・。

これを聞いただけでも、ショウゴと父ちゃんの気合いの入りようが分かると思う。
特にGEKKOTA(通称ゲタ!)は、触った人は分かると思うが、
モトクロスタイヤを普段いじっている身としては「アンビリーバブル!
自転車のタイヤのように柔らかいんですよ。
ブロックが手で簡単にグニュって曲がるんですよ。
タイヤ交換だってサイドウォールがグニャグニャなんで、
あっという間に出来ちゃうんですよ。

でも、これで本当に大丈夫?
パンクとかしないの??
ブロックが吹き飛ばないの???
ちゃんと走るの????
といことで、ショウゴには、怖くてこのゲタを履かせなかったのだ。

といっても久々の新品タイヤ、それもGEKKOTA(通称ゲタ!)を履いた嬉しさは隠しきれず、
会う人会う人に「今度のジジガタケでは、ゲタ履くんですよ!」と自慢ばかりする父ちゃん。
あげくに、保育園の園児にまで「園長先生のバイクにゲタ履かせたんだ!」
と言えば、
「ぼくのじいちゃんもゲタはいてるよ!」と言われる始末。

金曜日の夜に、ジジガタケに出発!
そして、なんと・なんと「暇だから付いてきた」というタカと、
「行きに安曇野においてって!」とウキウキしている母ちゃんとナホまでいるではないか!
自ずとテンションが上がる父ちゃん!

今回は、二度目のジジガタケということで、道も間違えませんでしたよ。
いつものコンビニでも「ジジガタケって秘境でも何でもなくて、町から近いんですよ
と店長や店員さんに聞かれもしないのにしゃべくりまわる父ちゃん。

こうなると、全日本の北海道遠征の時の(JINー仁)祭りに続いて
「ゴッドタン 芸人マジ歌選手権」祭りが始まる。
(タカが、ゴットタンのDVDをたくさんレンタルしてきた!)

この 「ゴットタン」という番組。
知っている人もいると思うが
7~8年前からテレビ東京系列で深夜に放送されているバラエティ番組で
タカが1年ほど前からハマリ、時々見せてくれていたものだ。
その中の“芸人マジ歌選手権”っていうのが、ホント面白いんですよ!
特に父ちゃんたちが、この頃ハマっているのが、マキタスポーツ(芸人)

興味のある方は、
20121229 ゴッドタン 芸人マジ歌選手権」で検索してみてください。
この動画の37分から芸人“マキタスポーツ”のビジュアル系ロックバンドが歌う
ヴァージンマリー 聖母マリア」が聞けますよ。
一度聞いたら耳から離れませんよ。
もうジジガタケに着くまで(母ちゃんとナホは、安曇野まで)、
“芸人マジ歌選手権”祭りですよ。



(これが、マキタスポーツのビジュアル系?ロックバンド)

♪ジーザスの涙、悲しみのワイン・・♪
♪ゴルゴダの丘にたたずむ・・ ダークネス!♪
・・
♪マリア・・Oh!マリア・・♪
♪トゲある言葉に溺れる♪
♪僕は真珠の涙をこぼす♪

♪お母さんに怒られた♪
♪お母さんの名前はマリア♪
♪ちゃんと風呂に入るから♪
♪お願い・・怒らないで・・お母さん♪

ここからサビに入ります。

♪自転車に乗れないOh!マリア♪
♪お父さんよりお母さん♪
♪お母さんの兄弟は、みんなお母さん似だ♪



(ここでドラムの内野くんが、
猿ぐつわをはめたままコーラスを歌うという斬新な演出もあります)

そして、フィニッシュ!は、
・・
♪汚い手で おちんちん触って ごめんなさい・・♪

で終わるんですよ。
ホント、一度聞いてみてください。
ハマる人は、ハマります。
ハマらない人は、単なる悪ふざけにしか見えません!(笑)

散々、“芸人マジ歌選手権”祭りをして着いたジジガタケ。
コースの下見をしても覚えているぞ、覚えているぞ!あの屈辱のコースを!!


二度目のコースというのは、ずいぶんと精神的に楽だな。
もう、山で迷うこともないぞ。
コースを逆走することもない。
コースも一部変わってはいるが、全体で見れば大きく変わっているわけではない。

これならいけるかも?
ショウゴも父ちゃんも考えることは一緒だ。
初めてのタカも「そんなに言うほど難しいとは思わないな!」と言う始末。

前回の捨てられた子犬のように不安げに山の中で迷っていたショウゴと父ちゃんは、
もはやここにはいなかった。
そして、やけに強気なタカまでがいる。

まずは、父ちゃんが出場するFUNクラス。
スタート地点から第1コーナーまでの距離こそ短いが、
KTM200EXCwithリクルスがあれば、問題ない!
前回の鈴蘭高原でさえ、2位で第1コーナーに入って行けたぞ。
(その後すぐに転倒するが・・)

そして、スタート。
第1コーナーに1・2位くらいで入り、その後の第2コーナーを1位で立ち上がる。


(第2コーナーをトップで立ち上がる父ちゃん!)

いける、いけるぞ~~~!
すっかり調子に乗る父ちゃん。
もう怖いもんなんか何もないぞ!

二番手を引き離しながら第3コーナーもトップで回り、
ますます調子に乗って第4コーナーに突っ込む。
と同時にフロントタイヤが滑る。
あっという間に転倒する父ちゃん。

やっちまった!
その横を何台かのバイクが追い抜いていく。
幸いエンジンは止まっていなかったので、すぐに再スタート。
順位は、6・7位か?

そのまま一番の難所のガレクライムに突入する。
前回は、1周目のここで転倒。
エンジンがなかなか掛からなくって、手こずった場所だ。
しかし、今年の父ちゃんは、転倒もせずにトップグループに着いていく。


(ガレクライムを激走?する)

そのまま、トップグループの後姿を見ながら“GーWOOD”と呼ばれるウッズに入っていく。
ここは、幅が50メートル以上あって、ラインが何本もある。
というより、FUNーAクラスが木々の間を走り、草むらにラインを作っていく。
(レースで始めて走るのがFUN-Aクラス)
この草むらに隠れて木の根っこがあったり、太い枝が落ちていたりするからやっかいだ。

トップグループが慎重に走っていく中、「チャンス!」とばかりにラインを変える父ちゃん。
2番手や3番手を走っている人たちも次々とラインを変えていく。
父ちゃんの右側のラインを走っている4・5番手あたりのバイクが転倒して草むらに消える。
前を走っている2・3番手あたりの人も草むらに隠れている何かに当たって前転しながら草むらに消える。
次々と消えていくバイク。

ひょっとして2位くらいか?
いける、いけるぞ~~!
慎重に走る前のライダーを抜ければトップ?
一気にラインを左に変えて抜きに掛かる!と思った瞬間、
ハンドルが急に横を向き、草むらの中に叩きつけられた。
「いて!いててててて・・!!」
肩に激痛が走る。

急いでバイクを立てようとするが、肩が動かない。
折れた?
ゆっくり回してみる。動いた!
折れてはないぞ!
激痛が走るが、何とかバイクに跨り走り出す。
ヘロヘロになって1周目が終わる。
順位は、14位。

無理をせずに2・3周走っているとだいぶ痛みもとれてきた。
始めは、オドオドと走っていたロックンロールリバーの下り
(川底のように石がゴロゴロあるところ)
も怖がらずに行った方が上手く行けることが分かった。
コツらしきものも分かってきたぞ!
その時、急に頭の中で音楽が鳴った。

♪ジーザスの涙、悲しみのワイン・・♪
♪ゴルゴダの丘にたたずむ・・ ダークネス!♪


数台のAクラスライダーを抜き10位。
ガレクライムで転倒してしまったが、セルがあるおかげですぐにリカバリー出来たぞ。
また、音楽が聞こえる!

♪マリア・・Oh!マリア・・♪

ガレクライムも調子よく登れるぞ!

♪トゲある言葉に溺れる♪
(そういえば、母ちゃんもよくトゲのある言葉で父ちゃんを叱るぞ!)

♪お母さんに怒られた♪
(そういえば、毎日母ちゃんに怒られているぞ!)

♪お母さんの名前はマリア♪
(母ちゃんの名前は、”みなこ”だ!)

♪ちゃんと風呂に入るから♪
♪お願い・・怒らないで・・お母さん♪

(ちゃんと仕事をするから怒らないで母ちゃん!)

もうロックンロールリバーの石ゴロゴロが怖くないぞ!

(サビが始まる!)
♪自転車に乗れないOh!マリア♪
(ロックンロールリバーで思わず声に出して歌い出す父ちゃん

♪お母さんの兄弟は、みんなお母さん似だ♪
シャウトする父ちゃん!

回りのライダーは、歌いながらロックンロールリバーを走るオヤジにビックリしたに違いない。
決して、疲れで頭がイカれたわけではない。
父ちゃんは、ノっていたのだ。

マラソンなどで長時間走り続けると気分が高揚してくるランナーズハイ!ってのがあるが、
まさにライダーズハイ!だな。

気が付けばゴール。
19台中10位だった。
ゴールと同時に肩に激痛が走る。
ショウゴとタカが寄ってきて
「あそこのコーナーが遅かったな、ここの下りは良いラインを走っていたぞ!」
と口々に言う。

その言葉を遮って「マキタスポーツのヴァージンマリーが聞こえたんだ、
最後は、ずっと歌っていたんだ!
」と言う父ちゃん。
「このじぃさま、転倒して頭を打ったな?」と訝しげに見るショウゴとタカ。

こうして父ちゃんの2回目のジジガタケが終わった。
そうそう、GEKKOTA、全然大丈夫でしたよ。
まだ、3レースは行けそうです(笑)
2サイクルだからか?父ちゃんがアクセルを開けてないからか??
謎ですが・・。

ただ、「いつものモトクロスタイヤとどう違う?」と問われれば・・
「はっきり言って分かりません!」(笑)

土質やガレの具合だってその時々で違うし、
アクセルの開け方ひとつでも違うし、
リア加重の掛け方だけでもずいぶんとグリップって変わるんですよ。
高速コーナーで「タイヤがよれる!」って言う方もいますが、
父ちゃんレベルでは、分かりません!(笑)

心配だった、パンクやブロックが吹き飛ぶこともなく完走出来たので、
それだけで満足ですよ!
GEKKOTAを履いているだけでグリップしている気が?しますからね。
新品タイヤっていうだけで速く走れる気が?しますからね。
人生だってそんなもんでしょ?


午後からは、ショウゴのCOMPクラス。
まずは、AAクラスのスタート。
迫力いっぱいのスタートで全日本モトクロスのIA1にも参戦している
“まちゃ”が第1コーナーで弾き出される。


スタート直後の第1コーナーで弾き飛ばされる“まちゃ”。
ボーとしているタカ(白・赤のウェアー)がひかれそうになるが、
抜群の反射神経(タカ:談)でよける!

そして、Aクラスのスタート。
少し出遅れたショウゴが、突っ込みでトップ集団に追いつく。
その瞬間、誰かが転倒!
砂煙の中、バイクを起こしているのはショウゴだった!

あちゃ~!
また、やってもうた~~~!!
父ちゃんは、この瞬間にジジガタケでの敗北を悟った。

だって、この時点でほとんどベリって事は、
この後の凄い砂煙の中をベリから追い抜いていかねばならないし、
(これだけでも転倒の危険性が大きいぞ!)
何より、ガレクライムやロックンロールリバーの登りを
数ある転倒者を避けながら行かなければならない。

これが難しいんだな~。
クリアーだったら難なく行けるところも、転倒者が1台いるだけで行けないことだってある。
ましてや、苦手のジジガタケ。
父ちゃんは、もうショウゴが完走することに目標を変えましたよ。


① スタートで出遅れるが、突っ込みで並ぶ    ② いいポジションで第1コーナーに入る

③ 後ろからぶつけられてフロントが滑った!と言い張るショウゴ 
④ でも、どう見てもフロントが先に滑っているぞ!

⑤ すぐ後ろのライダーは、ビックリしたと思うぞ! ⑥ みんなに迷惑を掛けまくるショウゴ
(前にモトクロスライダーはバカだ!と言ってしまいましたが、訂正します。
モトクロスライダーがバカ!なのではなく、ショウゴがバカ!なだけです!!
次回もこんな事がありましたら、後ろのライダーは、遠慮なく轢いてやってください)

AAクラス1周目の1位は、矢野君。
Aクラスの1位は、ノリ!
ノリ、がんばれ~~~!!
もう、ノリを応援するしかないか?

ショウゴの1周目は35位くらいか?
その後もなかなか順位が上がらない。
ゲレンデの見える部分は速いが、
はやり、ガレクライムやロックンロークリバーで手こずっているのだろう。
「オレは、ガレクライムの上の方に行ってくる」とタカも行ってしまった。

ひとり、取り残される父ちゃん。
ショウゴは、前回のジジガタケのようにいつまで待っても帰ってこない!
という事もなく、12~3分で計測地点に戻ってくる。
ショウゴなりに進歩しているんだな~。

1時間20分で早めの給油。
転倒を繰り返しているので、やっぱりラジエター液が空だった。
「どうだ?」と聞けば、
やっぱり難しいや、でも、帰って来られるようになった!」と
前回よりは明らかに元気に答える。
「よし、それじゃ、もうひとがんばりしてこい!」と送り出す。

2時間15分過ぎにもう一度ピットイン。
ラジエター液とオイルを補充する。
そして、2時間59分でゴール。

「29位だぞ」と言うと
赤い顔で「前回の42位から、少し速くなったから・・」と小さな声で答える。
それよりもじぃさま、オレも“マキタスポーツの 聖母マリア”が聞こえたぞ、
途中は、歌いながら走っていたんだ!


今回も負け犬親子になってしまったが、マキタスポーツのおかげで?
本当のエンデューロの楽しさが分かってきた気がするぞ。
2人で最終戦のジジガタケを頑張ろうな!

ひとりでピットの片づけをしているとすっかり忘れていたタカがノコノコと帰ってきた。
「あれ、お前どこに行っていたの?」
「オレは、ガレクライムの一番上まで行っていて、みんなを応援していたんだ、
応援するとほとんどのライダーが応えてくれて面白かったぞ!」

タカが続ける。
「オレはJNCCを一日見ていて気づいたことがある、
じぃさまやショウゴは、エンデューロってものが、全く分かっていない!
そもそも、モトクロスとエンデューロは、全く別のスポーツだぞ。

モトクロスは、多少の無理をしても抜くしかない時もある、
でも、エンデューロは、そんなことをしていてはダメだ、
いかに自分を制御出来るかに掛かっているんだ。
モトクロスは、他人と闘うスポーツで、
エンデューロは、自分と闘うスポーツなんだ!!!!!」


「そんなことは、お前に言われなくてもちゃんと分かっているわ!」
と力なく反論する父ちゃん。

「じぃさんは、トップを走っていて転倒するわ、
ショウゴは、第1コーナーで転倒するわ、
エンデューロのレースをやっているとは思えん!

うるさい、この“ミスターエンデューロ!”に意見するとは、10年早いわ!!
タカに思わぬ事を言われて少し動揺してしまった父ちゃん。

ピットの後かたづけをタカに任せて、車に戻る。
ショウゴは、ウェアーを脱いでボ~と座っていた。

「ショウゴよ、ちょっと話がある。
お前は、エンデューロというものが全然分かっていないぞ、
モトクロスとエンデューロは、全然違うスポーツなんだ、
いいか、よく聞けよ、
モトクロスは、他人と闘うスポーツだが、
エンデューロは、自分と闘うスポーツなんだ!!!!!」

父ちゃんは、鼻の穴を広げて説教してやった。

ショウゴが反論した。
「トップ走っていてすぐに転倒しているヤツにエンデューロが分かっているとは思えん」
「うるさい、お前だって、いつも第1コーナーでころんでんじゃないか!」

他のチームがライダーをねぎらっている中、
醜い仲間割れをしている父ちゃんチーム。

こうやって、2回目のジジガタケが終わりました。
チャンチャン!

PS
帰り道は、また“芸人マジ歌選手権”祭りだった。
母ちゃんとナホを安曇野で乗せれば

「楽しかった~、泊まったペンションのオーナー夫婦がいい人でね~・・」
と話が止まらない・・。
でも、みんなが今回の旅をそれぞれに楽しんでいたから、よかった・よかった!