[いなべエンデューロ第3戦]('13/12.31) 

 秘策第2弾も簡単に吹っ飛んだ!父ちゃん。
しかし、俺は懲りない男!
ちゃんと秘策第三弾を用意しておいたのだ。

それは、今年最後のレースになる12月1日の「いなべエンデューロ&エンデューロクロス」。
元々、「エンデューロクロスには出たい!」と言っていたタカを
3時間エンデューロに引きづり出して、コテンパンにやっつけるのだ。

3時間を一人で走ったことがないタカは、初めに張り切ってしまい、
途中でヘロヘロのパーになるに違いない。
ペース配分だって分からないだろう。給油だって2回しなくてはいけないし・・。

初めに先行させておいて、疲れたところを抜き去る!
これぞ「ウサギとカメ作戦!」(ウサギとカメの話は、みんな知っているな!)
う〜ん、ワクワクするぜ。

「俺は雨でもエンデューロとエンデューロクロスに出る!」というショウゴに
雨ならエンデューロクロスも出ないからギリギリまでエントリーせんといて!」という根性なしのタカ。
この大会のエントリー締め切りは、大会二日前まで。
確かに雨が降ると父ちゃんも嫌なので(笑)まずはお天気の様子見だ。

大会の週の水曜日に週間天気を見れば、木曜日に少し雨が降りそうだが、
その後は、月曜日まで“晴れ時々曇り”と言うことだった。
これは秘策第三弾で行くしかないでしょう!

タカに「日曜日のお天気は良さそうだぞ」と言えば、
「それじゃ、エンデューロクロスだけにエントリーしておいて」という返事。
「エンデューロクロスは、午前中に終わってしまうから、午後の3時間エンデューロも走ったら?」と聞けば
何が悲しくて3時間もひとりで走らなければいけない?」とにべもない。

「別に一人で走らんでもいい、俺と組んでこの頃いい気になっているショウゴをやっつけないか?
と父ちゃんが誘う。
何が悲しくてじぃさまと組まなければいけないの?一人で走った方がよほど速いぞ!」とタカ。
「バカタレ!30分交替で走れば、モトクロスと一緒だ、絶対にショウゴに勝てるぜ!」
いいや、それでもじぃさまが足を引っ張るから嫌だ!
「そんなに言うなら一人で走ってみれば?」
じぃさんと組んで走るくらいなら一人で走るぜ!

ホッホッホ・・、引っかかりおったな〜〜〜!と内心喜ぶ父ちゃん。
「ホントだな、それじゃエントリーしておくから」と平静を装う父ちゃん。

ということで、3時間クラスにそれぞれでエントリー。
ショウゴとタカは、エンデューロクロスにもダブルエントリーだぞ。
(ダブルエントリーは、プラス3000円でお財布にもやさしいんですよ)

で、やってきました、『2013 DIRT FREAK 杯 いなべエンデューロ&エンデューロクロスレース
三人とも3時間を走るので、20リットルの携行缶が二つに
10リットルの混合ガソリン用携行缶(父ちゃんのKTM200用)をひとつもって出発。
夜中の12時に出ても、たった2時間でイナベに到着。
(このぐらいで行けるレースがもっとあればいいのに・・)

朝6時に起きて、まずは薄暗い中をエンデューロコースの下見だ。
コース自体は、よく分かっているので勝負所だけを丹念にラインを探る。
(やっぱり、慣れているってすばらしい!)

「それじゃ、俺たちは、エンデューロクロスのコースに行ってくるから」
とショウゴとタカはサッサと行ってしまった。

バイクの準備をしていると
じぃさま、大変だ!エンデューロクロスのコースに岩場が出来ている!」とタカが言う。
「エスケープも出来ないので行くしかない!」とショウゴ。
見れば、とても父ちゃんでは行けそうもない難しい岩場がコースの真ん中ぐらいに出現している。
エントリーしなくて良かった!と胸をなで下ろす父ちゃん。
明らかに動揺が見えるタカ。
そんな中、ひとりラインを探るショウゴ。

実は、ショウゴは、このエンデューロクロスに燃えていた。
それは、参加できなかった第2戦で、あの田中太一選手をハマちゃんが破っていたからだ。
(youtube 2013.9.29 いなべエンデューロクロス ヒート2 田中太一選手参戦(ゲストライダー) )

ハマちゃんは、その昔、父ちゃんとモトクロスIBで一緒に走っていたこともある大ベテラン。
今は、いなべのエンデューロでマーシャルもやっている。
田中太一選手は、JNCCやエルズベルグで活躍している元トライアル世界選手権ランカーの有名人。

いくら遊びで出たからと言っても、あの田中太一選手にハマちゃんが勝ったものだから
その快挙は、地元はもちろん、全国的にも評判になった。
それを聞きつけたショウゴが、本気で「俺も勝つ!」と意気込んでいたのだった。
(といっても、田中選手は招待選手だが・・)

真剣にラインを探る参加者たち。
その中に、ひとり並々ならぬ闘志がオーラのように出ているハマちゃんの姿があった。

練習走行が終わってライダーが、スタート位置に付き始めた頃、
朝の苦手な田中太一選手が遅れてやってきて、
2〜3周軽く流してからスタート位置の一番アウトの空いているところに入ってきた。

ショウゴは、一番真ん中のベストポジション、その両脇にタカとハマちゃん。
田中選手のスタート位置は明らかに不利だぞ。
ショウゴとタカに「午後の3時間があるので、バイクだけは壊すなよ!」と声をかける。
そして、ヒート1のスタート。

「ヒート1」

好スタートを切り、一番で丸太をクリアーする126ショウゴとそれに続く54タカ。

ショウゴがトップで2位にタカ、田中選手が一番アウトから切り込む。

ショウゴがトップでゴロゴロ石の登りへ!
続くタカと追う777田中選手と松原さん。

トップ走行中に丸太の二連でリアが跳ね上げられて吹き飛びそうになるショウゴ。
(ホント、このときは冷や汗もんだったぞ!)

逃げるショウゴと追う田中選手
この後、ショウゴが岩場でミスをした隙に抜かれる。

意外と無難に走っていたタカ。

結局、ヒート1の優勝は当然のごとく田中選手(賞点外)で、2位にショウゴ、3位に松原さん、
4位にタカで5位が気合いが空回りしてしまったハマちゃんだった。

続くヒート2。
ヒート1で田中選手に抜かれた後もきっちりとついて行けたショウゴは、
メラメラと細い目を燃やしている。
次は行ける!とタカも手応えをつかんでいる。
ハマちゃんも気合い十分だぞ!

ヒート2スタート

またもやホールショットのショウゴ。
イン側のタカをアウトから田中選手が回り込んで2位に!
タカ曰く「めちゃ、うめ〜!

1位ショウゴ、2位田中選手、3位争いをするタカとハマちゃん

ヒート1では、ひょっとしたミスで田中選手に抜かれたショウゴ。
ヒート2は、2位の田中選手との距離を測りながら慎重に走っているのが分かる。
タカとハマちゃんも田中選手に食らいついているぞ。

周遅れが出だした中盤、
田中選手が、ゴロゴロ石の登りで周遅れをラップするためにラインをアウトに変えた。
その隙を突いてイン側から田中選手を抜きに掛かるタカ。
あわや接触!というところでタカが引く。

後で聞けば「モトクロスだったら当てたけど、無理はせんかった!」とタカ。
世界の田中選手相手に無鉄砲にもほどがあるぞ!

そして、ショウゴが1位でゴール!
小さくガッツポーズをするショウゴは嬉しそうだぞ。
2位に田中選手で3位にタカ、4位がハマちゃんだった。

田中選手がゴール後に寄ってきてくれて「おめでとう!」って言ってくれたと
嬉しそうに話すショウゴ。

父ちゃんも嬉しかったが、こんな背もちっちゃいが人間もちっちゃいショウゴに
ゴール後すぐにそんな風に言える田中選手の凄さの方に感心したぞ。
やっぱり、世界クラスは、人間性も世界クラスだわ!


この様子は、(youtube 2013.12.1 いなべエンデューロクロス ヒート2 #26田中太一ヘルメットカム )にあります。
良かったら見てください。


総合1位のショウゴに2位のタカ、3位の松原さん、
気合いが空回りしてしまった4位のハマちゃんは、“無我の境地”のような顔だぞ。

上出来の成績でエンデューロクロスを終えた父ちゃん一家。
午後からは、いよいよ本命の3時間エンデューロだ。
エントリー表を見れば、城北カワサキRTのツートップ:AAライダーの得地さんに
FUN-Aクラス2年連続チャンピョンの鉄人山本さん、
現役IB固定ゼッケンの5番タイチと18番モリナガがヌマザワのおっさんと組んでいるわ、
元固定ゼッケン組のリュウジとダイキが組んでいるわ!と豪華メンバー。
他にも名前を見たことがある強者も何人かいるぞ。

お昼休憩は、1時間。
パンを食べる前に「ピットの準備だけはしておこう!」という父ちゃんとタカに
「まだ、時間はあるので、後で良いじゃんか!」と怒るショウゴ。
「エンデューロクロスで勝ったぐらいで、いい気になるなよ、
そんなちっちゃな男には、罰が当たるぞ!」と父ちゃんも言い返す。

渋々動き始めたショウゴが、バイクにガソリンを入れ、タカがピットの準備を始めた。
父ちゃんは、3台の空気圧を最終チェック。
と、その時ショウゴのバイクのリアタイヤがパンクしていることに気づく。
おい、本当に罰が当たってしまったぞ!

へ?と驚くショウゴ。
こうなるともう昼食どころの騒ぎではない。
今回は、三人とも一緒の三時間に出るし、急いで夜中に出てきたこともあり、
スペアタイヤを持ってこなかった。
スペアのチューブがあるはずだから」と車の中を探せば、
出てきたのは、19インチ用のチューブだけ。
ショウゴのCRFは、エンデューロ用にリアタイヤが18インチに替えてあった。

こりゃ、まずいぞ!まずよぞ〜〜!と騒ぐ父ちゃんを見て、
「知り合いがいるから借りてくる!」とダッシュするショウゴ。
とりあえず、リアタイヤを外していると
「ダメだ、みんなモトクロスをやっているヤツばかりだから、
18インチのチューブは持ってないって!」とショウゴ。
「得地さんなら持っているんじゃない?」とタカ。
聞けば「あるよ!」と快く貸してくれた。
ありがとう〜、得地さん〜〜!
さすがは、中年の星だぜ!

時間は十分あるので、ゆっくり作業すればいいものを、
あわてん坊の父ちゃんの血が騒ぎ、アタフタとやってしまう。
「じぃさん、焦ってチューブを咬むなよ」とショウゴが言うが
先ほどの怒りが収まりきらない父ちゃんは、
お前がエンデューロクロスでバカみたいに岩に突っ込むからだ!」とヒートアップ。
先ほどまでの祝賀ムードが一転して修羅場に変わる。

何とかチューブを換えて、
ショウゴが小さな空気入れでシュコシュコと空気を入れはじめてもタイヤのビートが出てこない。
「じぃさんが急ぐからチューブに穴が空いたんだ!」とショウゴが怒る。
「うるさい!いざとなったら19インチのチューブを無理矢理入れる手もあるんだ、バカたれ!」
醜い言い争いが続く中、
「もう一度、得地さんに聞いてみる!」とタカが行こうとする。
その時に「ノーマルで良ければ、これ使いな!」と鉄人山本さんが見かねて声を掛けてくれた。
ありがたや〜〜!
やっぱり鉄人は、心も鉄人ですよ〜!」と感心する父ちゃん。

今度こそは落ち着いてチューブを交換する。
山本さんもよほど心配なのか、
「レバーは、90度以上曲げたらあかん!」といろいろとアドバイスをしてくれる。
空気を入れようとすると「こっちに持ってきて!」とコンプレッサーも貸してくれた。
あっという間に空気が入って、ビートもきれいに出た。
コンプレッサーって素晴らしい!

昼食を食べる暇もなく、テンヤワンヤだったが、何とか無事にスタートラインに立てた。
みなさん、ありがと〜!

スタート位置に付くと隣に山本さんが来て「ここのスタートはどうやるの?」と聞いてくる。
恩もあるので親切丁寧に説明する父ちゃん。

そして、スタート。(モトクロスのような横並びのクラッチスタート)
2,3番で第1コーナーに突っ込むが、
ショウゴやタカだけではなく、インから何台ものバイクが突っ込んでくる。
思わずアウトに追い出さられる父ちゃん。
(これじゃ、モトクロスじゃん!)

あっという間に12,3位になってしまった。
それでも、ここから頑張った!
難所を無転倒で走りきり、なかなか良いペースで周回する。
このKTM200EXCの乗り方もだいぶ分かってきたぞ!
いい感じ、いい感じ。
KTM200EXCって軽くて、そこそこパワーもあって良いバイクじゃん!


    (いいペースで周回する父ちゃん)

あっという間に1時間半が経つ。
ラップされた感じからすると1位がショウゴで少し離れて得地さん。
また、少し離れてタカといった感じだ。
う〜ん、思ったよりもタカが頑張っている。
おかしいな〜。

それでも、そろそろ疲れてくる頃だろう?
さて、ウサギとカメ作戦を遂行しましょうか!

タカは、ノーマルタンクなので2回の給油が必要だ。
もう給油しただろうか?
父ちゃんも給油するためにピットイン。
三台分のポリタンクを見れば、タカの分が減っていた。
ショウゴは、まだこれからのようだ。

ほとんど転倒もなく(やっぱり慣れたコースは安心して走れます)2時間が過ぎた。
父ちゃんもこの時点では10位以内を走っていた気がする。
このメンバーで10位以内なら上出来でしょう!
このまま3時間走りきるぞ!と気合いを入れる。
そろそろタカもバテてくる頃だし・・。ウッシッシ〜
よし、ウサギとカメ作戦開始〜!

この頃になると難所の登りが滑りやすくなり、転倒者が激増する。
それまで、転倒者が少ない一番イン側のあえて難しいラインを選んでいたが、
さすがの父ちゃんも疲れてきたので、みんなが登っているラインに行ったのが間違いだった。
転倒者も多く、しかもイン側より滑る滑る。

リアタイヤが横を向いてあっという間に転倒。
登り切るのはあきらめて下に降りようとすれば、今度は木に引っかかる。
これがなかなかとれない。
やっと下に降りて同じラインで再挑戦すれば、またまた転倒。
もう、怒ったぞ〜!絶対にこのラインで登ってやる!!
意地になる父ちゃん。
3回、4回と挑戦する。
その度に転倒。

こんな事をしていてはダメだ!とやっと気づき、イン側から登る。
さっきまでの元気はどこへ?すっかりヘトヘトになる父ちゃん。
そのままヘロヘロ・クタクタでゴール。
ラスト1時間で見事にみんなに抜かれて22位だった。
なんてこった!(みんなもウサギとカメ作戦を考えていたのか?)

淡々と走ったショウゴが優勝で、少し離れて得地さんがゴール。
3位を走っていたタカが、ラスト1時間でヘロヘロになって、4位でゴール。
鉄人山本さんは、初めてのコースに手こずり7位。
(山本さんも人間だったんだ!)

こうして、父ちゃんの秘策第三弾も木っ端みじんに吹き飛びましたとさ。


(1位のショウゴに2位の得地さん、3位の森さん)(今回はショウゴばかりが目立ったが、タカも地味に頑張った!)

「ラスト1時間は、頭がガンガンに痛くなって、もうやめようと思った!」というタカに
「もう、あかん、ヘロヘロのパーで運転も出来ない!」という父ちゃん。
結局、帰りは元気なショウゴが一人で運転して帰った。

家に着けば「ショウちゃん、すご〜いじゃん!」と母ちゃんがお出迎え。
「タカも頑張ったね〜!」とねぎらいの言葉。
父ちゃんは、スルーでした。トホホ・・

こうして、父ちゃん一家の今年のレースも終わった。
大きな怪我もなく、無事に過ごせただけでも良かった!良かった!!

あと5時間ほどで、今年も終わります。
来年もあちこちのコースに出没すると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
それでは、みなさん、いい年をお迎えください。

PS
今年もいろいろなことがありましたが、
なんと言っても一番嬉しかったのは、保育園で飼っているイシガメが赤ちゃんを11匹産んだことです(笑)

(生まれたばかりのイシガメの赤ちゃんを手にして喜ぶ父ちゃん!)