208:いなべエンデューロ・クロス第1戦('14/6.5)    

 4月30日には、いなべエンデューロ・エンデューロクロスの第1戦があった。
イナベのコースは、いつも練習しているところなので、この大会には毎年出来る限り出ている。
特にショウゴは、この大会で活躍したことがバイクの楽しさの再認識に繋がったほどだ。
タカも嫌々出ていた割には、毎回一番楽しんでいた。
父ちゃんも後一歩というところまでいくが、いつも運に見放される。(まだ言うか!←関係者一同)

そんなこんなでお気楽三人衆は、そろってエントリー。
今回も勝つ気満々のショウゴといよいよエンデューロに足を突っ込んでしまったタカ
「ひょっとして100分のFUNクラスよりも3時間のCOMPの方があっているのではないか?
と何故か急に思い出した父ちゃんがいた。

それぞれの思いを胸に、イナベに着いた脳天気三人衆。
エンデューロクロスのコースは、前とほとんど同じ。
前回、勝負所となった岩がゴロゴロと置いてあった岩場は、
今回は、岩と岩の間に小さな石が置かれていて、少し走りやすくなっていた。
「これなら、ラインが三本くらいある!」とショウゴとタカは、もう勝ったも同然!とした顔つきだ。

田中さんが来てもスタートで前に出られれば逃げ切れる!」と自信満々のショウゴと
そろそろショウゴを抜いちゃおうかな〜!」と人生と兄をなめきっているタカ、
オレは、3時間なら結構、行けるぜ!」とすでに脳内麻薬が回り始めている父ちゃん。

しかし、肝心の田中選手は、遅刻で現れず。
その代わりに前回の悔しさを「倍返し!」(by半沢直樹)どころか
100倍返し!」と気合いの入ったハマちゃんがいた。

まずは、エンデューロクロスの第1ヒート。
ホコリが立つくらいのコンディションだったので、少し散水があった。
それでも岩場や石ゴロゴロの登りには、散水しなかったので、ベストコンディション!でしょう。

クラッチスタートで一斉にスタート!
なんと、「そろそろオレの時代だぜ〜!」と根拠のない自信を持ち始めたタカがホールショット!
ショウゴは第1コーナーは3番手だが、その後の丸太で2位に上がる。
逃げるタカ。追うショウゴ。

しかし、小さな時からタカに勝ち続けているショウゴは、絶対の自信を持って追いまくる。
岩場でタカが振られる間にすかさず前に出る。
頑張って付いていくタカ。そのまま離れずにショウゴに食らいつく。
こりゃ、分からんぞ?ショウゴのワンミスで逆転もあり得るぞ??
と思っていたところでタカが岩場で転倒。
すぐ後ろに付けていたハマちゃんにも抜かれる。
結局、ショウゴが1位で2位にハマちゃん、3位がタカだった。


(ホールショット!は、24タカ!!)(05ショウゴは、丸太の突っ込みで2番手に!)

(ワンミスでショウゴに抜かれたタカ)(前に出れば余裕で逃げ切るショウゴ)

        (今度こそ、ショウゴに勝つつもりだったタカ。その夢はいつ実現するか?)

パドックに帰ってくるとショウゴが首をかしげる。
リアブレーキが効かないときがあった!何回か、コーナーから飛び出しそうになった・・」
ちきしょー!今日こそはショウゴに勝てると思ったのに!」と悔しがるタカを無視して
早速、二人でリアブレーキの点検だ。

スタンドにバイクを乗せてリアブレーキを踏めばちゃんと効いている。
ホントに効かなかったのか?」と不審がる父ちゃんに
「急にスコンと抜けるときがあったんだ!」と言い張るショウゴ。
確かにリアディスクは、少し曲がっているが、前からそうだし、
リムが曲がっているのも前からそうだし・・。
岩にリアディスクをぶつけた可能性もあるので、
予備に持ってきたモトクロス用の19インチのタイヤ(ホイール付き)に替えてみる。

スタンドの上でバイクのエンジンを掛けてリアブレーキを踏んでみる。
「効くじゃん!」と父ちゃん。
「ちょっと向こうに行って乗ってくるわ」とまだ信じないショウゴ。
少し乗って帰ってくると「やっぱり、効かないときがある!」
「バイクを貸せ!」と今度は、父ちゃんが乗ってみる。
リアブレーキを踏めば「効くよ、効く!」
ショウゴの野郎、惚けているのか?と思っていると突然ブレーキベダルがスコン!と入る。
あれ?何じゃいこれは??

1時間クラスのエンデューロの間、「もうちょっとで抜けたのに〜!」と騒いでいるタカを無視して
二人で「あ〜だ・こ〜だ」と思いつく限りを試してみる。
リアディスクを叩いたり・押したりして、だいぶ振れはなくなった気がする。
ヒート2は、「もう、これで行くしかない!」と覚悟を決める。

そして、ヒート2。
ヒート1とコンディションを替えた方が良いとでも思ったのか?
散水車が、コースの至る所に水を大量に撒く。
石ゴロゴロの登りや絶対に水を撒いて欲しくない岩場にも大量に撒く。
こんなに天気が良いのにコースのあちこちが水たまりだらけだ・・。
いっきに難しくなるコース。
こりゃ、あちこちで転倒者が続出するぞ!

そして、ヒート2のスタート。
今度は、ハマちゃんが根性のホールショット!
あまりの反応の良さに、置いてけぼりにされたショウゴとタカは、ほとんどベリ!(笑)

(根性のホールショット!111ハマちゃん)(遅れる05ショウゴと24タカ)

       (111ハマちゃんを追う05ショウゴと24タカ)

ラインを変えながらどんどん抜いていくショウゴ。
タカも一緒に上がっていく。
水を撒かれたコースでみんな苦戦している。
こりゃ、トップでも安心できんぞ!

すぐにハマちゃんの後ろに張り付くショウゴ。
何回か、コーナーでオーバーランしそうになっているので、やはりリアブレーキは直っていないようだ。
ショウゴの後に付いていたタカもついに濡れた岩場で転倒。

トップのハマちゃんは、この難コースをミスなく走りきって1位。
ショウゴは、ずっと裏に付いていたが、追い抜けずに2位。
2位・1位のハマちゃんが、総合優勝だった。

「このコンディションなら絶対にミスすると思って付いていたんだけど、
ハマちゃんのリアタイヤは、岩に吸い付くように走っていた!」とショウゴ。
後で聞いた話では、ハマちゃんのリアタイヤはゲコタで空気圧が0.3!
今回は、ハマちゃんの勝ちに対する執念に完敗だな。

みんながゴールする中、タカの姿が見えない。
見れば丸太の二連で泥だらけになって転がっている。
ヨタヨタとバイクを起こして、走ってきたので怪我はないようだが・・。
「最終ラップで、ハンドガードが外れて、それが丸太を飛び越えるときに右足に引っかかって転倒した、
もう、死ぬかと思った!」とタカ。
ハマちゃんとショウゴの勝負に気を取られている裏でタカは、大変だったらしい・・。

タカのバイクを調べてみると、岩場で転倒したときにハンドガードのボルトが折れてしまい、
ブラブラになったハンドガードが丸太の二連で足に絡みつくという不運だったようだ。
ハンドルが大きく曲がった泥だらけのバイクを見て、
「怪我をしなかっただけでも良かったじゃん」と思ったぞ。


(エンデューロクロスの表彰式、1位がハマちゃん。2位がショウゴで、5位がタカ)
ハマちゃんの子どもがとっても嬉しそうに表彰式を見ていたそうだ。
子どもの前でいいところを見せられて良かったじゃん!」とショウゴとタカ。
父ちゃんは、一度も子どもたちの前で良いところを見せた記憶がない・・

ということで、ホントはゆっくりとお昼ご飯を食べたかったのだが、
前回に引き続き、バイクを洗ったり、ショウゴとタカのバイクを直したりと大忙し。
「ホント、怖かったぜ、オレでなければ死んでいた!」と大騒ぎするタカを無視して
何とか、午後の3時間のスタートに間に合うように修理。
結局、ショウゴのリアブレーキはそのままの状態で、タカのハンドガードは右側だけないという状態だ。

今回の3時間は、今までのコースと道路を跨いだコースで行う。
だからエンデューロクロスのコースやフラットなダートトラックのコースも使えるという豪華版だ。
ただし、道路を渡るために行きと帰りに2回もバイクのエンジンを切ってバイクを押さなければいけない。
これが、どうレースに影響するのか?

イナベのエンデューロは、横一直線のクラッチスタート。
ただし、1周目は、マーシャルカーが入るので、それを抜くことは出来ない。
今回は、モトクロスのシーズン中と言うこともあり、モトクロスライダーがほとんどいない。
こりゃ、本当に父ちゃんにもチャンスがあるぞ!(三時間の方が向いている気もするし・・)

今回もいいスタートを切る父ちゃん。
前回では、第1コーナーでモトクロス組に弾き出されてしまったが、今回は違うぞ!
根性を入れて突っ込む。
すると、イン側からショウゴ、アウト側からタカが突っ込んでくる。
少しは、オヤジを立てんかい!と思うが、今では母ちゃんを始め誰も立ててくれない・・。
ナホには、「このへこき虫!」と尻を蹴り上げられている。

それでも3番手でフープスを抜け、なかなか良い位置で例の道路に掛かる。
マーシャルがエンジンを切って道路を渡っていく。
行きは、道路を渡ると登りがあるのでなかなか辛いぞ!

エンデューロクロスのコースも走るので、ゴロゴロ石の登りも行く。
ちょっとJNCCみたいで面白いぞ!
走ったことのない、フラットなダートコースを攻めれば、今度は帰りの道路。
行きほど登りではないが、押す区間がだいぶ長い。
最後にバイクに跨がってセルを回す。
やっぱり、セルがあると楽ちんだ!でも、毎回セルを回していてバッテリーが持つか?

1周目が終われば、マーシャルが抜けてレース開始。
この時点でショウゴ、タカ、カワセさん、あと1台に続く5位。
まぁ、3時間もあるので、ゆっくり行きましょう!

1周目の難所の登りで、タカが転んでいる。
まだまだ、甘いのん!お前の時代は、ずっと先だぞ!
もう、一カ所の難しい登りでもう1台を抜く。
この時点で3位。

ショウゴとはどんどん離れていくが、カワセさんにはそこそこ付いて行ける。
何とか、離されないように頑張るが、やはり役者が違う。
少しずつ離される父ちゃん。

しかし、行きと帰りの道路の横断で思ったよりも近づくことが出来る。
カワセさんのマシンは、KTM350EXC-F。
200EXCの軽さが生きてくる。
コースでは離されるが、道路を渡るバイク押しで近づく父ちゃん。

いけるぞ、いけるぞ〜!
タカは、あちこちで転んでいるらしくいっこうに追いついてこない。
2周目を3位で回った父ちゃんは、カワセさんに少し離されつつもコース後半に向かう。
その時、コーステープが切れているのに気づく。

あれ、コースはどっちだったけ?
迷う父ちゃん。
その時、マーシャルのハマちゃんが「こっち、こっち」と手を振る。
その指示通りに走ると後から来たライダーがショートカット。
あっという間に追い抜かされてしまった。
あれ?あれれれれれれれ・・??

いっきにヒートアップする父ちゃん。
何とか追いつこうとアクセルを開けまくる。
もう、3時間のことはすっかり頭から消えていた。
モトクロス並みにオラオラオラ〜〜!とコーナーを攻めていく。

そのライダーも自分がショートカットをしてしまったことに気づいたのか?
変なオヤジがスゴイ形相で追いかけてくるのにびびったのか?
帰りの道路を渡るところでエンスト。

もともとエンジンを切らなければならないのだから焦る必要はないのだが、
チェンジがなかなかニュートラルに入らない。
ガチャガチャと手でも入れようとするが、入らない。

チャーンス!
ここぞ!とばかりにバイクのエンジンを切り、押しまくる父ちゃん。
この道路横断区間は、追い越し禁止なのだが、バイクが止まっていれば抜いたって良いでしょう!

今日のオレは、いけてるぜ〜〜〜〜!
オラオラオラ〜〜〜!
スゴイ勢いでバイクを押す父ちゃん。
しかし、止まっているショートカットライダーを抜こうとした瞬間に
右足ふくらはぎがプチ!っと音がし、同時に走る激痛。

うおうおうォォォ〜〜〜〜〜〜〜〜
思わずバイクにもたれ掛かる父ちゃん。
スゴイ形相をして追いかけてきたオヤジが、それ以上の形相でウゴゴゴォォォ〜〜〜〜〜!
と叫んでいるので、ショートカットライダーも「どうしました?大丈夫ですか?」と心配してくれる。
脂汗を流しながら「大丈夫ですよ、先に行ってください・・」と答えるのが精一杯。
スタッフも心配してきてくれたが、「リタイヤします・・」とバイクにもたれながら坂道を下ってパドックに帰った。

この右足ふくらはぎの肉離れは以前にもやったところ。
この痛さから考えると、当分はバイクに乗れそうもない・・。
なんてこったい!
あんなに乗れていたのに!!またも“”がなかったぜ!
激痛が走る中、足を冷やしながらコースをぼ〜と眺めることしかできない父ちゃん。
あ〜、情けない・・。
また、母ちゃんに怒られるだろうな〜・・。


(ほとんどフロントブレーキだけで走るショウゴ)(ついにタカの時代が来るか???)

レースの方は、トップをショウゴが走っている。
あんなリアブレーキでよく走っているな?
2位は、やはりカワセさんだ。相変わらず上手いな〜。
3位は?
タカだ!タカがいつの間にか上がってきてカワセさんに追いついてきている。

給油だけは、手伝ってやろうとひょこひょことピットエリアまで行く。
タカが1回目の給油に入ってきた。
「あれ、じぃさん、どうしたの?」
「ふくらはぎの肉離れだ・・」
「ちゃんとストレッチをやらないからだ!」と偉そうなことを言う。

30分ほどするとショウゴが入ってきた。
「じぃさん、リタイヤか?」
「ふくらはぎの肉離れだ・・」
「体操をいつも怠けているからだ!」と説教をたれる。

何もやることがないので、ぼ〜とピットエリアでいすに座って、みんなの応援。
オレの人生ってなんだろう?」またまた人生について考え出す父ちゃん。

結局、2時間くらい経ったところで、タカは、カワセさんを抜き、そのまま逃げ切ってしまった。
スゴイぞ、タカ!
といっても、最後の1時間は、いつものように頭が痛くなってきて、「もうやめよう〜!」と思っていたそうだ(笑)

今回も“運”に見放されてしまった父ちゃん。
いったい、いつになったら実力が発揮出るのか?(それは一生ないぞ!←関係者一同)


(優勝は、ショウゴ。タカもついにカワセさんに勝つ!)
父ちゃんは、あっという間に終わってしまったので、写真もありませんでした。(トホホ・・)

PS1
ショウゴのリアブレーキの不調は、岩場でマスターシリンダーをぶつけたために内部が壊れたようだった。

PS2
今回の帰りも一人元気なショウゴが運転していった。
「やっぱり3時間はいやだ〜!」と文句をたれるタカと、
足を冷やしながら「母ちゃんに怒られる〜」と嘆く父ちゃん。
「転ばないように走ってばかりいたから、欲求不満!」と言うショウゴ。
お気楽三人衆レースの旅はまだまだ続くのであった・・。