出来るって楽しい!(2005/5)  

 先日の中部戦での転倒は痛かった。
骨こそ折れていなかったが、次の日の月曜日は、箸も持てず、何をするにも倍以上の時間が掛かる始末。
時間が掛かっても出来ればいいのだが、利き腕の右手が全然使えない(左手も打撲)状態では、出来ない事も多い。
朝起きてズボンを履こうとしたが、なかなか出来ない。
ウンウンと唸りながら苦しんでいる姿を哀れに思って母ちゃんが助けてくれたぞ。
もう、この日は、母ちゃんの介護なしではとても仕事なんて出来なかった。
保育園で一緒に仕事していてホント良かったと思うぞ。
「父ちゃんが惚けたり寝たきりになった時の介護の練習が出来た!」と前向きに考えてくれる母ちゃんは仏様のようだった。
もちろん、回りからは「もうトシなんだからやめろ!」という声が圧倒的だったが・・。トホホ。
しかし、月曜日には、箸も持てなっかた右手だが、火曜日には、箸ぐらいは持てるようになった。
水曜日は、まだまだ腫れは引かないが、ノートぐらいのものが持てるようになった。
一週間経った時にお尻を右手で拭けた時は感動したなぁ〜、生きてるって気がしたぞ!

こうやって一日一日出来ることが増えていくというのは、気持ちの良いものだ。
44歳にもなると、出来なくなることばかりだからだ。
ホント、こういう気持ちというのは久々だったなぁ〜。
体はガタガタで回りからも散々に言われていた時期だったが、母ちゃんがいつもより優しかったのと
この“日々出来ることが増える楽しみ”で結構生き生きしていた一週間だったのだ。(笑)

そう言えば、子どもたちというのは、いつもこんな感じだろうと思うと羨ましい。
保育園の子どもたちも昨日出来なかったことが今日出来るなんて事は日常茶飯事だ。
何回やっても出来なかった逆上がりが、偶然出来たと思ったら、すぐにクルクル回っているなんて事もある。
モトクロスでもそうだ。
やればやるほど遅くなるなんて子はいない。
(父ちゃんは、加速度的に遅くなっていると言われている)
時には、練習もしていないのに、体が大きくなった分だけ速くなるやつもいる。
この前までデカイ85ccに乗っていたと思ったら
すぐにその85ccで抜かれ、125クラスに上がった頃には、
後ろ姿さえ見えなくなってしまうなんて事も何回も経験している。
“若いって事は素晴らしいこと”だとあらためて思ったぞ。
(まぁ、実際、自分だって若い時があったが、その時にはそんなことは思わなかったんだが・・)

今回の怪我で、出来るようになるすばらしさと、子どもたちの成長を感じた。(あと、母ちゃんの思わぬ優しさも!)
子育てでいろいろ悩む親も多いと思うが、子育てほど楽しいものはないと思うぞ。
子どもは、ドンドンいろいろなことが出来るようになるし、常に成長していく。
親として、子どもの成長を身近に見られるというのは幸せなことだと思う。
そして、もし子育てで悩んだとしても一年後には、たいてい笑い話になる。
歩くのが遅い、言葉が言えない、おむつがとれない・・。
その時には、それなりに不安になったり心配したことが、一年も経てば、みんな忘れている。
しかし、また違う悩みが出てきたりするのだが・・(笑)。
「子どもって素晴らしいものだな」とあらためて感じた一週間だった。