合同授業 B
韓国地方自治団体職員コース研修生との質疑

Q 学校のいじめ、不登校について
A 韓国では、共働きが増えて少し問題がある。しかし、いじめは少ないと思う。
A 身体の不自由な子、貧乏な子がいじめの対象になっている。
A 大都市では、いじめ問題は大変な問題。このごろの学生は、凶悪化している。先生の手に負えない学生が増えている。
A 一年中スカートをはいているだけでいじめの対象になる。深刻な問題。

Q 日本では幼児虐待や池田小学校の事件があったが韓国ではどうか。
A 池田小の事件は韓国でも有名な事件。そこまで大きな事件はまだないが、離婚家庭がふえて社会問題になっている。

Q 女性の社会進出の状況は?
A 女性の社会進出が増えている。資格を持って社会生活を送っている人は多い。女性の局長(日本の部長級)もいるが、課長もまだ少ない。女性に対する不平等は残っている。
A 今の金大統領は女性を登用する方針。女性を昇進させるケースが増えている。私の県でも、前はなかったが、このたび2人課長になった内の一人は女性だった。プサン市役所で昇進した3分の2が女性だった。
A 実力もない人が女性だと言う理由で昇進することもある。それで困っている。
A 女性の国会議員はあまり多くはない。選挙区選挙では朴大統領の娘が選ばれただけ。しかし,比例区ではけっこういる。

Q 韓国の産業支援の様子は?
A ソウルでは、中小企業の支援のため、資金を集めて融資している。中小企業課という部署もある。
A プサンでは、企業支援課、経済通商課がある。企業支援課は補助金で支援している。経済通商課では、博覧会を開く場合など補助金を出したり、海外で博覧会を開き、外国企業と契約をしたりしている。
A 韓国の農業政策は,10年前には、農業をする人に80%以上の補助金を与えていた。今は、融資として1億ウォンあったが、返済の時期が近づいてきたので、難しくなっている。WTO加盟にともなって農民の危機感になっている。
A 税金半額の政策なども行っている。

Q 自治体レベル・個人レベルでの日本との交流は?
A プサン市役所の国際交流課にいた。アジア太平洋福祉サミットがあった。下関・福岡市と姉妹都市なので、会議などの時は、両市から招待している。料理フェスティバルの時も、博多ラーメンなどが人気があったら。下関からは太鼓のチームが公演をして人気があった。九州各地からプサンに来て国際会議が開かれた。
A 公州市では、滋賀県守山市、山口市、菊水町と姉妹提携している。百済文化祭の開催も決まっている。今年は、熊本県の太鼓の団体が公演をする予定。その前は、山口市から仮装行列が百済文化を再現する。交流が盛んになっていて、文化だけでなく、産業も交流している。
A ウルサンは萩市と姉妹都市。日本と韓国の最初の姉妹都市。初めの頃は人口が同じくらいなのに、今は差が開いて(ウルサンは100万人)、難しくなっている。ウルサンは、現代自動車の本拠地、梨も有名。萩のミカンとウルサンの梨を産業交流しようと考えている。

Q 日本の地方公務員は行政改革で職員の数が減らされている。韓国ではどうか?
A 大統領の基本政策がスモール政府なので、公務員の数を減らそうとしている。10%以上減らすことが目標になっている。
A 韓国でも行政改革のために10%以上減らして、2002年度までに達成したいと考えている。
A 97年にIMFにより、韓国は経済危機になった。そのときに、政府と地方公務員の数が減り、失業対策などに税金を回すようになった。
 国務院の行政自治部が公務員を減らすように指導している。
A 韓国は、日本よりずっと国の指導・監督が強い。政府と地方自治体が完全に分離していない。法律的には独立しているが、交付金などで縛られている。
A 公務員を減らすと補助金が出る。
A 国からの交付金の割合が多いので、韓国の自治制度自体が難しくなっている。
A ソウル市は独立財源なので中央政府から独立している。ソウルへの一極集中が問題になっている。

Q 小泉総理大臣の行政改革はどうなっているか。
A 国レベルの行政改革と、地方自治体レベルで進めている行政改革がある。国は、特殊法人を民営化しようとしている。地方自治体の行政改革はそれぞれの地方自治体の予算規模で考えられている。
A 日本の場合も韓国と同じで、地方のお金が足らなくなってきている。職員の給料や人を減らししている。

Q 日本では市町村合併がすすんでいるが?
A 韓国では、市と郡の合併が進んでいる。農村を発展させようという目的がある。

Q 日本の階級はどうなっているか? 
A 団体によって違うが、一般的には、
一般職員 主任(主査) 係長 課長補佐  課長 部長