植物豆知識の頁 12


(1)夏 眠 植 物

写真の草花は何でしょう


1月、本格的な冬の寒さはこれからである。冬のさなかに青々とし

た葉をつけている。川の堤防や田んぼのあぜ道などに見ることがで

きます。

これは、ヒガンバナの葉、あの彼岸の頃に真っ赤な花を見せていた

ヒガンバナの冬の姿なのです。これが、ヒガンバナの葉なのかと思

われる人が多いかと思います。ヒガンバナは花の咲く時期には葉は

出ていません。花が枯れて秋が深まる頃にこの葉が出てきます。そ

して、寒い時期に青々と元気なのです。春がやってきて、様々な花

が咲き乱れる頃には枯れてしまいます。そして暑い夏の時期は球根
        
で秋の来るのをじっと待っています。夏の時期に活動をお休みする

植物、冬眠に対して夏眠植物なのです。スイセンなどもそうですね。 



(2)ロゼット rosette

冬の時期、すべての草花が枯れたように見えますが、川の堤防や野

原を気をつけて観察すると前述のヒガンバナやスイセンなどの他に

ノアザミやヒメムカシヨモギ、タビラコなどの草花が枯れた草に混

じって緑の葉を見せています。葉は地面にへばりつくようにして、

四方に広がっています。また、互いの葉は重なり合わないようにし

て太陽の光を少しでも多く受け取る工夫が見られます。

この地面にぴったりついて葉を広げる姿をロゼット(rosette)と言い

ます。rosette を英和辞書で調べるとバッジまたは賞などとして上

着につける(リボンなどの)ばら結び、ばら飾り、建物の円花飾り、

rose window などとあります。ばら(rose)の形を語源にしたものと
             
考えられます。
             
ノアザミのロゼット