植物豆知識の頁 22

柊(ヒイラギ)のお話


  2月3日は節分です。節分の豆まき「鬼は外、福は内」の声は、今年も
  わざわいなくして幸福を招く願いの行事ですが、ヒイラギの小枝に焼い
  たイワシの頭を刺して門に置く風習は見られなくなりました。
  ヒイラギの棘が鬼の目を刺し、焼いたイワシの異臭が鬼を寄せ付けない
  と言う言い伝えからなのです。

  ところで、ヒイラギは漢字で「柊」または「疼木」と書きます。「疼」
  はうずくとかヒリヒリする、ズキズキするの意味ですから、ヒイラギの
  名前は、葉の刺にささって痛み疼く木、ひいらぐ木なのです。

  さて、最近は赤い実のなるヒイラギをよく見かけます。これはシナヒイ
  ラギ、西洋ヒイラギ、アメリカヒイラギなどであってヒイラギとは別の
  仲間になります。ヒイラギはモクセイ科ですが、西洋ヒイラギの仲間は
  モチノキ科です。葉のようすがヒイラギの葉に似ていることから西洋ヒ
  イラギ、アメリカヒイラギのように名前がついたのです。
  クリスマスになるとアメリカではアメリカヒイラギをヨーロッパでは西
  洋ヒイラギの実を飾ります。どちらもホリーと呼ばれています。

  ヒイラギは香のよいキンモクセイやギンモクセイの仲間、モクセイ科で
  11月頃に小さな白い花をつけますがやはりほのかな芳香があります。
  勿論、赤い実はつきません。翌年の6月頃に黒紫色の果実はできます。
  ヒイラギと言えば、葉の両側の棘を親指と人差し指で支え息を吹きかけ
  風車のように回す遊びをしたものです。、
   
西洋ヒイラギ