前回、社会的な見方を鍛えるための提案をしました。今回は、考え方。
(1)思考ツールを活用した比較、分析、総合、因果、発展などの思考類型の経験
その成功体験が、自力解決の時にも使えるようになる。一例を示す。

【比較思考】(ベン図)
対象の共通点、相違点を比べて考える、子供にとって考えやすい基本的なツールである。「平安時代と鎌倉時代を比べてみよう」が基本形だが、「公立、市立、半公のものに分類しよう」などの分類にも
使える。
【分析思考】【多面的・多角的思考】(Yチャート、Xチャート、くま手チャート、フィッシュボーン図)
物事を分析したり、複数の視点から見て情報をまとめたりするときに使う。教師の側から3つ、あるいは4つの視点で指定するなら

YチャートやXチャート、数が不定ならくま手チャートが使いやすい。
フィッシュボーンは、いくつかの要因に分け、さらに具体的に細分化するときに便利である。
例「応仁の乱はその後にどのような影響を与えたか」
この課題を魚の頭に記入する。


次に「ひれ」の上下に「中央政権」「地方政権」「文化」「民衆」と記入する。
そして、「ひれ」の内部に、さらに書き込んでいく。
こうして、応仁の乱の影響を、4つの視

点で分析することができる。
【総合思考】
分析の逆で、いくつかの要素(足)を総合してまとめた結果を頭の中に書き込むことで、総合するものである。
矢印の向きを逆にすることで、課題をいくつかの視点で考えさせることができる。

【因果思考】(キャンディ・チャート)
仮定、予想、推論、見通しなど、因果思考に利用できるツールである。
例えば、「もし信長が本能寺の変で討たれていなかったら」を左側に書き、中央に結果、右側に根拠を書く。いろいろな答えが出てくるであろう。
【発展思考】【関連思考】(ウェビング)

中央にお題を書き、どんどん線でつないでいくものである。
イメージを広げたり、アイデアを出したりするときにも有効である。タブレットのアプリにもあり、グループ活動でもよく使われている。
(2)全体指導の中でツールを活用

東長良中学校では、板書もYチャートになっている。


生徒はグループごとに、ホワイトボードでYチャートにまとめながら話し合っていく。
(3)自力解決の中で、子どもが自由に活用
前回の見方シートの下に、その日に使えそうなシンキングツールを貼っておく。
また、ノートに貼るためのシートを、大量に印刷して児童生徒が自由に使えるように準備しておく。
仮課題「製鉄所は海に隣接しているのに、自動車工場が内陸部に多いのはなぜか」に対して
「製鉄所と自動車工場をベン図で比較してみます」
「製鉄所と自動車工場をマトリックスで、原材料、輸送をまとめてみます」
などと、各自がツールを使って自力で解決していく。