生徒の実践的コミュニケーション能力を高める英語科授業

−テープおこしと自己会話分析を通して−

 
刈谷東中学校 犬塚章夫


主題設定の理由

 早期英語教育が始められ、中学校の英語授業では、「実践的コミュニケーション能力」の育成が求められている。では、「実践的コミュニケーション能力」とはどのような力なのであろう。文法が理解でき、語彙も覚え、正しい英文を作り出すことができれば、「実践的コミュニケーション能力」が高まるのであろうか。やはり、それだけでは不十分である。実際に外国人と英語で会話ができて始めて「実践的コミュニケーション能力」がついたと言えよう。最近の実践では、生徒がALTと1対1で会話をする授業も多く見られるようになってきた。しかし、会話に必要な語彙を覚えさせ、会話の話題に使われる表現を覚えて会話をさせても、今一つ会話がうまくいかない。何かが足らないのである。それが、コミュニケーション方略と呼ばれる、会話でのつまずきをいかに回避していくかの力であることがわかってきた。

 そこで、私は「実践的コミュニケーション能力」を高める鍵となるコミュニケーション方略を習得するには、会話を録音したテープを自分で分析することが有効であると考えた。本論文では、2年「2分間英会話」の実践を通してこのことを考えていきたい。

 

 

2 コミュニケーション方略とは何か

(1)コミュニケーション能力

研究の概要を述べる前に、本論文で扱う「コミュニケーション方略」がどんなものであるのかを、先行研究に基づいて定義しておきたい。コミュニケーション方略とは、いわゆるコミュニケーション能力の一部である。ここで言うコミュニケーション能力は、文部科学省の学習指導要領にうたわれている「実践的コミュニケーション能力」と同義であると考えてよい。そこでまずコミュニケーション能力を定義しておきたい。もっとも知られているのは、Canale and Swain (1980) のモデルである。彼らによれば、コミュニケーション能力は4つの構成要素を持っている。彼らはコミュニケーション方略を、方略的能力と名づけている。以下にその4つの構成要素をあげる。

 

1, 文法能力Grammatical competence   

語彙の知識や、形態論・統語論・意味論・音韻論の規則に関わる能力 

 

2, 談話能力Discourse competence

文と文との関係に関わる能力       

 

3, 社会言語学的能力Sociolinguistic competence

言語が使われる社会的状況の理解のための能力 

 

4, 方略的能力Strategic competence  

会話が途中で途切れてしまうような場合にそれを回避するための能力 

 

Bachman (1990) は、「言語能力」と呼ばれる別のモデルを提案している。言語能力は2つの下位分類である構造的能力と語用論的能力に分けられる。それぞれの下位分類はさらに次に示すように2つの構成要素を持っている。

 

言語能力Language competence

 

  A  構造的能力Organizational competence

   1. 文法能力Grammatical competence 

    - 語彙, 形態論, 統語論, 音韻論

   2. テキスト形成能力Textual competence

    - 結束, 修辞構造

  B  語用論的能力Pragmatic Competence

   3. 発語内能力Illocutionary competence

    - 言語の機能的側面

   4. 社会言語学的能力Sociolinguistic Competence

    - 礼儀正しさ, 比喩表現, 言語の文化的側面

 

初めの2つの能力、文法能力とテキスト形成能力は、Canale & Swain (1980)の最初の2つの構成要素と同じ能力だと考えられる。Canale & Swainの3つめの能力、社会言語学的能力がBachmanのモデルでは、2つの構成要素に分けられ、発語内能力と社会言語学的能力とに定義されている。そして Bachman は方略的能力を言語能力のまったく別の要素として定義しているが。方略的能力は、話者の持っている背景知識とともに言語能力を使う際の最終決定に用いられる力だとしている。

これらのコミュニケーション能力の2つのモデルは、方略的能力を違ったように捕らえているが、どちらもその重要性を述べている。次に多くのコミュニケーション方略を含んだこの方略的能力を定義したい。

 

(2)コミュニケーション方略

Tarone (1977)は、コミュニケーション方略を次のページの資料のように分類している。

 

1. 言い換えParaphrse  

a. 近似Approximation      

…学習者が正しいかどうかわからない語や文構造を用いたいとき、話者が知る限り意味の特徴を示すような語を代わりに使うこと (e.g. pipe for water pipe )

b. 造語Word coinage   

…学習者が伝えたい概念を示すのに新語を作ってしまうこと  (e.g. airball for balloon )

c. 遠まわしな言い方Circumlocution  

…学習者が学習言語の適切な語や文構造の代わりにその物や行動が示す特徴的な要素を描写することでその語を言い表そうとすること(e.g. She is smoking something.  I dont know whats its name. ) 

2. 借用語Borrowing

a. 文字通りの翻訳Literal translation 

…学習者が母語から直訳をして表現しようとすること  

b. 言語転換Language switch    

学習者が訳すこともせずそのまま母語を使おうとすること

c. 援助要求Appeal for assistance 

学習者が正しい語を尋ねること (e.g.  What is this?  What called? )

d. マイムMime 

学習者がその語を示す非言語の方略を使用すること

3. 回避Avoidance   

a. トピック回避Topic avoidance 

学習者が単純に学習している言語でその事を知らないとき、その話題を避けること

b. メッセージ放棄Message abandonment 

…学習者が発話したとたん続けることができなくなって途中でやめてしまうこと

 

次にCelce-Murcia, et al (1995)の分類についても触れたい。彼らは方略的能力を次のような構成要素として捕らえている。

 

1.  回避・縮小方略Avoidance or Reduction Strategies 

トピック回避、メッセージ放棄など.

2.  達成・補正方略Achievement or Compensatory Strategies  

遠まわしな言い方、近似、造語、非言語的手段(マイム、絵を描くなど)1言語からの転移、など

3. 行き詰まり・時間かせぎ方略Stalling or Time-gaining Strategies    

フィラー、ギャンビット (well, actually) etc.

4. 自己モニター方略Self-monitoring Strategies

自己修正 (I mean )など

5. 相互作用方略Interactional Strategies  

援助要求、繰り返し要求、不理解の表明、反応、理解チェック、など.

 

下線を引いた語は、先の Taroneの分類にも用いられていた共通した要素である。本研究では、このように共通した要素の中から、中学生の実情に合わせていくつかを取り上げ、中学生に身につけさせたい3つの方略としてまとめてみた。これを「中学生のための3つのコミュニケーション方略(Communication Strategies for Junior High School Students 」と名づけたが、次に示す3つの方略である。以下CSJと表記する。

 

 

中学生のための3つのコミュニケーション方略

1、言い換え方略 …  遠まわしな言い方、近似、造語、非言語手段(マイム、絵を描くこと)、第1言語からの転移、など.

2、会話主導権方略 … フィラー、ギャンビット (well, … you know), 話題変換のためのトピック回避やメッセージ放棄など.

3、意味交渉方略 …  援助要求、繰り返し要求、反応、不理解表明、理解チェックなど.  

 

一つめの言い換え方略は、主にわからない言葉を別の表現でなんとか表す力である。二つめの会話主導権方略は、相手に次々に質問をさせず自分の言いたいことをうまくいう力や苦手な話題を避け自分の得意な話題で会話を展開するようにもっていく力をさしている。最後の意味交渉方略は、自分が理解できてないことを示したり、相手に言い換えを要求したりする力と考えてよい。

 

 

3 研究の概要

(1)生徒の実態

 本研究で扱う生徒は中学校2年生であるが、昨年度コミュニケーション単元「ペラペラ英会話(1分間英会話)」を実践した。そこで行われたある生徒とALTとの会話例を見てみたい。下の例1では、その会話時間の大半が、会話の挫折の回避で使われている。生徒が言ったplay crawl and butterflyがALTに理解されず、その意味を理解するやりとりで会話が終わっている。このように会話の挫折は多くの会話で表れた。

 

例1 S=student, A=ALT

S: I can swim very well.  Can you swim?

A: Yes, I can.

S: I can play crawl and butterfly.  Do you play crawl and butterfly?

A: Do I play? 

S: Do you play crawl and butterfly?

A: No, I don't think so.  Please show me.  Crawl?  I don't know.  Is it a game? … (ALT looked at the picture.) Oh, crawl and butterfly. (using gestures) Yes, yes.  I was very good at school.  Is butterfly your best?

S: Yes.

A: Me, too.

S: That’s great. 

 

もうひとつの例(例2)を見てみたい。これも典型的な会話例であるが、ALTから次々と繰り出される質問に生徒はなんとか答えているだけで終わってしまっている。

 

例2   S=student, A=ALT

S: You can play the musical instrument?
A: Yes. I can play the guitar a little.  How about you?
S: I can...
A: Can you play the musical instruments?
S: I can play the horn.
A: Horn?  Oh, I see.  Very good.  And do you play it very well?
S: No.
A: What music do you like?
S: ...? (thinking)
A: Do you like rock music?
S: ... (nod)
A: What rock do you like?
S: ... (smile)
A: Do you like B'z?
S: Yes, I do.
A: I see.  Very good.  Do you like GLAY?
S: Yes, I do.
A: Very good. Larc? Larc-An-Cel?
S: No, I don't.
A: No?

 

これらの事実からも、主題設定で述べたように、語彙や文法の学習だけでは身につかないコミュニケーション方略の習得の必要性が表れている。

本校の2年生は現在英語の授業を少人数制で行っている。そのため昨年度行った1分間会話が2分間に延長して行える環境が整った。

 

(2)研究の構想

ア、コミュニケーション単元

下の表に示すようなコミュニケーション単元を構想した。8時間完了の単元中、3回ALTとの1対1の2分間会話を行う。その会話は、カセットテープに録音され、会話が終わると生徒に渡される。生徒は自分の席に戻って、各自与えられているカセットテープレコーダーとヘッドフォンを使ってそのテープを聴き、会話文を全て書き取る、いわゆるテープおこしの作業を行う。そして、次の授業までにその会話を振り返り(自己分析し)、クラスで発表しながら共通した問題点を取り上げ、ドリル活動や次の会話への準備活動へとつなげていく。

 

授業

活動内容

第1回ALTとの会話 会話テーマ: Golden Week (過去形)

テープおこし 自己会話分析

コミュニケーション方略ドリル 共通学習内容:follow-up questions

第2回ALTとの会話 会話テーマ: place I want to go(want to)

テープおこし 自己会話分析


コミュニケーション方略ドリル 共通学習内容:repetition requests, fillers, gambits, how to hold the floor


第3回ALTとの会話 会話テーマ: summer vacation (未来)

テープおこし 自己会話分析

 

イ、コミュニケーション単元を支える手立て=テープおこし

テープおこしは、次のような3つの利点が考えられる。まずは、その場で消えてしまって振り返ろうと思っても簡単な印象しか残らない会話内容が、具体的に文字として記録できることである。会話の時はわかっているようなつもりでいても、テープを聞き返してみると、わからない単語があったことが発見できたり、自分の会話がどのように進歩していくのかを具体的な例で比べることができたりできる。次に、会話を分析する材料が提供され、そこからコミュニケーション方略に関わる「気づき」が高められる。この気づきがあるからこそ、その後のコミュニケーション方略のドリル練習を通して習得へとつながっていくと考えられる。最後に、リスニング能力を高める練習となる。自分が実際に会話した内容なので、何を言いたかったのかは自分が一番よく知っているし理解しやすい。

 

(3)研究の仮説

次のような仮説をもとに、授業実践を行い、検証していきたい。

仮説:テープおこしを通して、生徒はコミュニケーション方略への気づきを高めることができ、それを使えるようになる。

 

(4)検証方法

 本研究は2つの追究で構成されている。追究1では、抽出生徒A子がいかに単元に取り組み変容していくかを調べ、テープおこしによってコミュニケーション方略への気づきが高められたかを検証し、追究2では、言語運用能力レベルの違う抽出生徒の3回の会話内容を分析することで、本単元を通してコミュニケーション方略が習得されたかを検証したい。

 

 

4 追究1:抽出生A子の単元における変容

(1)1時間目・・・第1回2分間会話

 

例3 ...A子の第1回ALTとの会話

 以下の例は全てA=ALT, I=生徒を示す

A: Good morning.

IGood morning.   

A: How are you?

I: I’m fine, thank you.  And you?

A: Very good.  Thank you for asking. Ah...  What did you do for Golden Week? 

I: I went to spa with my family and cousin and grandmother and grandfather.

A: You went where? 

I: Spa. 

A: Spa?  Oh, spa.  Where is the spa?  

I: Gero.

A: Gero?

I: Gero.

A: In Aichi?

I: No. 

A: No?  Where...  What prefecture is the spa is Gero in? 

I: Gifu 

.A: I see.  Was it very nice? 

I: Yes. 

A: I see.  Were there many people at spa?

I: ...

A: Many people? ...So so?

I: So so.

A: So so, I see.  And ah, let’s see.  Do you have a question for me? 

I: What did you do for Golden Week? 

A: I went to Kariya Sougou hospital every day.  

I: Why?

A: Because my wife was in the hospital.  Because she was pregnant.   And she had a baby boy.  Thank you very much.

 

生徒はそれぞれ2分間、ALTと1対1で会話を行った。A子とALTの会話を見てみよう。A子は、「ゴールデンウィーク何したの?」というALTの問いに対して、I went to spa with my family…と答えた。しかし、このspaがうまく理解されなかったことから始まり、さらに詳しく質問されると、A子はなんとか返事をしているだけの会話パターンに陥っていった。逆に質問をする番になり、用意しておいたWhat did you do for Golden Week?と質問したが、長い答えを言われ、whyと一度言えただけで、会話時間が終わってしまった。

 

(2)2時間目・・・会話分析

生徒たちは、ALTとの会話のテープおこしを行った。A子は、最後までALTとの会話を書き出すことができていた。A子は、ALTとの第1回会話について、次のような感想を授業日記に書いていた。

 

 

会話をする前に話題を考えていたから、よかったと思う。トレビー(ALTの名前)の顔を見て話せたから良かった。途中でトレビーの言っていることが分かんなくて会話が止まってしまったところが失敗してしまったと思いました。だから今度の会話の時は止まらないように、分かんなかったらそのことについてトレビーに何て言っているか聞きたいです。 

 

A子は、会話の挫折の理由をALTの言っていることがわからなかったことであると分析し、そのことについてきちんとALTに聞きたいとCSJの3番目にあった意味交渉方略の重要性に気づいているようだ。

 

(3)3時間目・・・Follow-up Questionsの学習

この時間は、生徒の自己会話分析をペアで共有しあうことから始まった。隣同士で、自分の会話の良い所と改善すべき所を紹介しあった。その後クラス全体で気づいたことについて話し合いをもった。多くの生徒があげた改善点は、同じ話題でいくつも質問を続けていくこと(follow-up question)であった。そこで、教師がモデル会話を示し、生徒にもペアでfollow-up questionの練習ドリルを行った。ペアで会話をしながら、会話文を紙に書き出していく。相手の答えを聞いて、さらにつっこんだ質問を考え、同じ話題で会話が続くように練習をした。次にA子がペアであるB子と会話をした例(例4)を載せる。

 

例4 A子とB子の会話練習

Where do you want to go?

Where did you go?

S1: Where do you want to go?

S2: I want to go to Okinawa.

S1: Why do you want to go there?

S2: I wan to go play swim.

S1: Do you play swim well?

S2: Yes.

S1: Who went to go with?

S2: My family.

S1: Are you have been to in Okinawa?

S2: Yes. 

S1: Where did you go?

S2: I went to Hokkaido.

S1: Why did you go there?

S2: I went to travel.

S1: Who did you go with?

S2: with my family.

S1: How long were you there?

S2: I don't remember.

S1: What did you play in Hokkaido?

S2: Travel.

 

(4)4時間目・・・第2回ALTとの会話

2回目のALTとの会話では、「どこに行ってみたいか」という話題で2分間会話をさせた。例5を見てみたい。

 

例5 A子の第2回ALTとの会話

A: Good morning.

I: Good morning.

A: How are you?

I: I'm fine, thank you.  And you?

A: Very good.  Thank you for asking.  Ah, where do you want to go?

I: I want to go to America.

A: Ah, very good.  Why?

I: Because I want to Disney World.

A: Disney World in Florida?

I: Yes.

A: I see.  And ah, do you want to go to Universal Studios Florida? 

I: No.

A: No.  Why?

I: ...I don't know.

A: OK.  I see.  What food will you eat in America?

I: Hamburger.

A: Hamburger?  I see.  And do you like hamburgers?

I: Yes.

A: Which do you like better, Mac or Moss?

I: Mac.

A: Mac.  I see.  And ah, do you have a question for me?

I: ...Where do you want to go?

A: I want to go to ...Kobe.

I: Why?

A: Because Kobe is very clean and beautiful city and there is a very nice night view and I want to go to China town.  Where do you want to go in Japan?

I: I want to go to Okinawa.

A: Very good.  Thank you very much.

 

この会話は、ALT主導で行われていた。ネイティブスピーカーと生徒の会話であるので、なかなか会話主導権を取るのは難しいと感じた。

 

(5)5時間目・・・2回目の会話分析

A子は、テープおこしをきちんと行うことができた。授業日記にA子はこう書いている。

 

 良かったところ

前は会話が途中で止まってしまったり少ししかできなかったけど、今回の会話は会話があまり止らないでできたと思うし、けっこういっぱい話ができたと思います。トレビーが言っていることも分かったと思いました。

 不満足なこと

質問をして答えがかえってきたら、その次何を質問したらいいか分からなくてその話が終わってしまったから、1つの話題についてくわしく話しがしたかったです。だからもっと会話が続くように質問したらどんな答えがかえってくるか考えて、次に何を言うかまた考えたいです。

 

前半、A子は順調に会話をスタートさせた。彼女の興味のあるアメリカについての話題であったからか、感想からもその会話内容には満足していることがわかる。しかし、後半になって、「神戸に行きたい」と答えたALTに対して、whyと聞いただけで、話題を転換されてしまい、それ以上連続した質問ができなかった。感想にあるように、もっと会話を続けたいという意思はあるが、なかなか難しいので、前もって準備をし、会話の主導権を取れるようにしたいと考えているようだ。

 

(6)6時間目・・・第3回会話の準備

第3回会話に向けての最終準備の授業である。生徒の自己会話分析を先回同様紹介しあいながら、クラス全体の共通点を話し合った。なんとか会話の途中の間をなくし、スムーズに会話が進むようにしたいというのが、改善点であった。そこで、下の資料のようにそのポイントをまとめてみた。その後、生徒は次の会話の準備として、次の会話のテーマであるWhat are you going to do in summer vacation?やその答え、さらなる疑問文など予想させた。

 

 

 資料 「会話の間をなくそう」

1、相手の言っていることがわからないときは、

 すべてがわからない場合は Pardon? Excuxe me? Sorry? などと言い、もう一度繰り返して言ってもらう。

 わからない単語がある時は、 What is ...? とか、分からない単語を繰り返して尋ねる。

 ぜんぜん分からない場合は、I don't understand.のように自分が分からないことを相手に知らせる。

2、自分の言いたいことが英語にできないときは、

 完全な文を言おうと思わずに、思いつく短度を並べて、なんとか表現しようとしてみる。

 ジェスチャーを使ったり、絵を描いたり、写真を見せたりする。

3、言いたいtことがあるのに、相手にしゃべられてしまうときは、

 今からしゃべりたいことがると意思表示する。

 たとえば、Ah,などの言葉を発する、ジェスチャーで伝える、物を見せたりして話がしたい様子を示す。

 

(7)7時間目・・・第3回ALTとの会話

 A子の3回目の会話は、次の例6のようであった。

 

例6  A子の第3回ALTとの会話

A: How are you?

I: I'm fine, thank you.  And you?

A: Very good.  Thank you for asking.  So where are you going for summer vacation?

I: I'm going to go to Guam.  

A: Guam?  Fantastic.  For how long?

I: 3 nights 4 days.

A: Who are you going with?

I: ...

A: Who.. with?

I: Pardon?

A: Who ... who OK?  Who are you going with?

I: My family.

A: With your family?  How many people in your family?

I: Four.

A: Four people?  Oh, great.  And ah, do you like the ocean?

I: Yes.

A: Will you swim in the ocean?

I: Yes.

A: Oh, very good.  Do you have a question for me?

I: What are you going to do in summer vacation?

A: I'm going to go to Nagoya.

I: For what are you going to go?

A: I'm going to go for shopping.  I want to buy some CDs at HMV and some books at Kinokuniya and I want to eat garlic ryori at Ninnikuya.  Do you know Ninnikuya?

I: No.

A: No?  It's a very good restaurant.  Do you like garlic?

I: No.

A: No?  I can't believe it.  Thank you very much.

 

会話の前半で、A子は、ALTにWho are you going with?と質問されたが、その意味がわからず会話の挫折が起こってしまった。しかし、今回は、Pardon?とコミュニケーション方略を使って回避できていた。そのためALTは別のわかりやすい言い方に直してくれ、理解をすることができた。後半、A子はALTの答えにさらに疑問文を続けるなど、会話内容の向上も見られている。

 

(8)8時間目・・・最終会話分析

A子は、テープおこしをした後の感想で次のように単元を振り返っている。

 

 できるようになったこと

前回よりも間が少なかったと思います。あとトレビーの言ってる内容もほとんどわかりました。

 テープおこしの感想

よかったところは、会話をしていてどこが悪いのか気づけたし、どんな会話をしていたかが分かったのでよかったです。気づいたところは、前の2回よりも会話の中で笑いながら話していたことです。それと前よりもスムーズにできていたと思います。テープおこしは役にたったです。

 

A子はALTとの会話に徐々に慣れ、リラックスして会話に臨めるようになったようだ。3回の会話を比べてみても、だんだんと間も減ってきておりスムーズに会話ができるようになってきたと振り返っている。ALTと会話をしている最中は、うまく聞き取れなかったことも、テープをじっくり聴いてみることで、理解できたようである。彼女にとってテープおこしは役立っていたようだ。

 

(9)追究1の結論

A子はALTとの最初の会話では苦労していた。ALTの発話の後に多く間も観察された。最初の感想に、「ALTの言っていることがわからない。わからないときは、もう一度聞いてみたい。」とCSJの意味交渉方略への気づきが見られる。2回目の会話では、Pardon?と言うことはできなかったが、I don’t know.と自分がわからないという意思表示はできていた。そして3回目の会話では、Pardon?も使えるようになっている。また、2回目の会話後の感想で、もっと会話を続けるために会話を予想して準備をしておきたいと言っていたが、3回目の会話では、準備しておいた会話をうまく使って会話を続けることができるようになっている。

テープおこしで、会話を書き出すことによって、A子はコミュニケーション方略のいくつかに気づくことができ、気づいた内容は着実に次の会話で効果を発揮している。このことからも、仮説にあるテープおこしがコミュニケーション方略の気づきにつながると言ってよいのではないだろうか。

 

5 追究2:3人の抽出生の会話分析

ここでは、3人の抽出生徒を扱う。C子は、言語運用能力下位群の代表として、D男は中位群、E男は上位群と代表として選んだ。どの生徒も性格的には積極的であり、会話に楽しそうに取り組めていた。

 

(1)下位生徒C子の変容

次の例7から9は、C子の会話内容である。彼女の発話のほとんどが、1語文であるのは特徴的である。また、文法的間違いも多く、いくつかの場面でALTからの小声での助けを必要としている。したがって、会話のほとんどはALT主導のパターンになっており、C子はYesとかNoとか答えるのが精一杯であった。1、2回目の会話ではコミュニケーション方略の使用は見られないが、3回目の会話(例9の*1参照)では、Library?と相手の言ったことを繰り返す、理解の確認が行われている。これは意味交渉方略のひとつであり、前時に学習した内容でもある。その意味で、C子もこの単元を通してコミュニケーション方略を習得し始めたと考えてよいであろう。 

 

例7 C子の第1回会話

例8 C子の第2回会話

例9 C子の第3回会話

A: How are you?

I: I'm fine, thank you.  And you?

A: Very good.  Thank you for asking.  Ah, so what did you do for Golden Week?

I: Ah,.... Nabananosato.

A: I

I: I go went to Nabananosato.

A: I see.  Did you go to the begonia garden?

I: Yes.

A: And was it nice?

I: Yes.

A: I see.  What flower do you like?

I: Ah, ... cosmos.

A: Cosmos.  I see.  And who did you go with?

I: ... ...

A: One time I went, I went with my girl friend.  Who did you go with?

I: family.

A: With your family?  I see.  And did your father go?

I: No.

A: No.  So please tell me who in your family went.

I: ... ...

A: my mother (in a small voice)

I: My mother and

A: brother (in a small voice)

I: brother

A: Your brother?  So three?

I: Yes.

A: Was it fun?

I: Yes.

A: I see.  All right.             

A: Good morning.

I: Good morning.

A: How are you?

I: I'm fine, thank you.  And you?

A: Good.  Thank you for asking.  Where do you want to go?

I: I went to go to ... Australia.

A: Australia.  Why?

I: ... ...

A: because (in a small voice)

I: Because ... kangaroos.

A: Because of kangaroos.  Ah, do you want to eat kangaroos?

I: No.

A: No?  Ah, do you want to see kangaroos?

I: Yes.

A: I see.  Do you like koalas?

I: ... Yes.

A: Do you want to eat a koala?

I: No.

A: OK.  Let's see....  Do you like swimming?

I: .. Ah, No.

A: Ah, it's too bad.  In Australia there are many good places to swim.

I: OK.

A: Do you have a question for me?

I: ... ...

A: Where do you want to go? (in a small voice)

I: Where did you went to go?

A: I want to go to ... England.

I: Why?

A: Because I want to go to punk rock show and I want to visit Shakespeare’s house, and maybe I want to go to Buckingham Palace.  Thank you very much. Good work.

A: Good morning.

I: Good morning.

A: How are you?

I: How are you?  I'm fine, thank you.  And you?

A: Very good.  Thank you for asking.  So how are you today?  Ah, I have just asked you.  I'm sorry.  So where are you going for summer vacation?

I: ...ehhhh, ehhhhh,

A: I'm going..

I: I'm going to house.

A: You going to your house?

I: hai, Yes.

A: Really?  So you are not going to Osaka?

I: No.

A: Tokyo?

I: No.

A: Nowhere.  Ahhh.  So will you come to school?

I: Ah,... No.

A: No?  Will you come to school?

I: Ah, yes, yes, yes, yes.

A: Why?

I: ... bukatsu (in Japanese).

A: bukatsu. Oh, your club.

I: Yes.

A: Oh, I see.  What club are you in?

I: Kendo.

A: Kendo.  I see.  All right.  Do you have a question for me?

I: ...

A: What are you..

I: What are you

A: going to do

I: going to do

A: for summer vacation?

I: for summer vacation?

A: Very good.  I'm going to go to Kariya city library.

I: library? *1

A: library.  You say toshokan in Japanese.  OK.

 

(2)中位生徒D男の変容

次の例10から12は、中位生徒D男の3回の会話内容である。例10において、会話の挫折が見られる。ALTの「ゴールデンウィーク何していた?」の質問に対し、D男は、I drew illustration.と答えたが、発音が日本的だったためか、ALTにうまく通じず、何度も繰り返しを要求されてしまった。D男は言い換えをすることもできず、ただ同じ言葉を繰り返すことしかできなかった。もし、D男が言い換え方略を知っていればもっとうまく対処できたのかもしれない。

その後、D男は2回目の会話ではうまくコミュニケーション方略を使っている。例11の*1にあるように、「珊瑚礁って何?」と尋ねてくるALTに対して、少し考えたが、結局I don’t know.と言い回避している。そのまま黙って間を作るのではなく、自分がわからないことを表明できる力は必要であろう。また同じ例11の*2では、相手の言った単語がわからなくて、What is Russia?と援助要求をしている。意味交渉方略が使われている。さらに同じ例11の*3では、ロシアの話題から、新たな質問を持ち出すことができており、会話主導権方略が使われていると考えることができる。例12の中でも前もって準備されていた疑問文が発話されており、会話主導権方略が使われていると考えてもよいだろう。

D男は2回目の会話でかなりコミュニケーション方略を使い出し、3回目の会話ではよく準備をして会話をスムーズに進められるようになっている。

 

例10 D男の第1回会話

例11 D男の第2回会話

例12 D男の第3回会話

A: How are you?

I: I'm fine, thank you.  And you?

A: Very good.  Thank you for asking.  Ah, what did you do for Golden Week?

I: I drew illustration.

A: I'm sorry?

I: Illustration.

A: Illustration?

I: I drew illustration.

A: I'm sorry?

I: I drew illustration.

A: Ah, drew an illustration.  What illustration did you drew?

I: I drew game character.

A: Game character?  What game?

I: Final Fantasy.

A: I see. Final Fantasy 9?

I: Yes.

A: I see.  Now when I buy Coca Cola, I get Final Fantasy character?  So I will give them to you.

I: ...

A: I will give you Coca Cola Final Fantasy characters.

I: ......... OK.

A: OK.  Ah, do you have a question for me?

I: What did you do for Golden Week?

A: For Golden Week I went to Kariya Sougou Hospital every day.

I: ...

A: to see my wife because she was a pregnant.  Thank you very much. Good work.

A: Good morning.

I: Good morning.

A: How are you?

I: I'm fine, thank you.  And you?

A: Pretty good.  Thank you for asking.  Where do you want to go?

I: I want to go to Okinawa.

A: Okinawa.  Why?

I: I want to see a Sangoshou.

A: Sangoshou?

I: Yes.

A: What is Sangoshou?

I: ... ... I don't know. *1

A: OK.  Do you want to go swimming?

I: Yes.  Yes, I want.

A: And do you like Okinawa food?

I: ... I don't know. *1

A: I don't know?  OK.  I ate Okinawa food one time.  I don't like it.  It's not delicious, I think.  Ah, do you have a question for me?

I: Where do you want to go?

A: I want to go to Russia.

I: What is Russia? *2

A: Roshia. (in Japanese pronunciation)

I: Ah, Russia.  *2 Why?

A: Because it's a very mysterious country.  There are many interesting places and there is a lot of interesting history and I want to try Russian food.

I: How long were you there? *3

A: I want to stay for maybe two weeks.  Thank you very much.

A: Good morning.

I: Good morning.

A: How are you?

I: I'm fine, thank you.  And you?

A: Nmm, pretty good but a little hot.  Well, what are you doing for summer vacation?

I: I am going to go to see fireworks.

A: See fireworks?  Where?

I: I am going to go to Toyota.

A: Toyota?  Ah, Toyota fireworks festival.

I: Yes.

A: I saw it one time two years ago.  I was in Toyota and it is fantastic from five thirty p.m. to nine p.m.  They shat fireworks.  It was great.  So do you have a question for me?

I: ... ...Where are you going to in summer vacation?

A: I'm going to go to Nagoya.

I: What are you going to go to do there?

A: I'm going to go shopping.

I: How long are you going to stay there?

A: Probably I will stay maybe two or three hours or maybe longer maybe four hours.  And of course I want to buy some CDs and books.  Thank you very much.  Good work.

 

(3)上位生徒E男の変容

下の例13から15は、上位生徒E男の3回の会話内容を示している。第1回や第2回の会話でE男は多くの間を作っていた。(例13の*1や例14の*2参照)しかし、3回目の会話では、例15の*3のように、間を作るだけで終わらないで、Sorry?などと回避する方法を習得している。これは相手に繰り返しを要求する意味交渉方略にあたる。また、同じ例15の*4に見られるように、I don’t know.  How about you?と、自分がわからないことを述べた後で、話題を転換している。会話主導権方略も使われていると見てよい。

このようにE男も、徐々に会話の間に対する動きが変わってきており、コミュニケーション方略が身についてきていると言えよう。

 

例13 E男の第1回会話

例14 E男の第2回会話

例15 E男の第3回会話

A: Good morning, Mr. E.  How are you?

I: I'm sleepy.

A: Sleepy?  Why?

I: Nmm...

A: What time did you go to bed?

I: ... It was ... ten thirty.

A: Ten thirty?

I: Yes.

A: Ah, what time did you wake up?

I: ... At seven.

A: At seven.  So you slept ... eight and a half hours.  It's a long time.

I: Yes.

A: Oh, OK.  Anyway what did you do for Golden Week?

I: ... My mother caught a cold.  Then I made dinner.

A: You made dinner.

I: Yes.

A: Wow. What did you make?

I: ...Yakisoba.

A: Yakisoba?  Oh, very good.  All right.

I: What did you do on April twenty-eighth?

A: April twenty-eighth?  What day of the week is April twenty-eighth?

I: ... *1

A: What day of the week was April twenty-eighth?

I: ... Saturday.

A: I see.  Ah, Saturday.  Probably I woke up at about ten thirty, watch the news, maybe drunk some coffee, then took a shower, went to Kariya Sogo Hospital to see my wife.  Thank you, Mr. S5.          

A: Good morning, Mr. E.  How are you?

I: I'm hungry.

A: Ah, very good.  Me, too.  What do you want to eat?

I: ... Ah, ... it's hamburger.

A: Hamburger? ... And where in the world can you eat hamburger?

I: ... Sorry?

A: Where ... in the world... can you eat hamburger?

I: It's America.

A: Yes.  Ah, so where do you want to go?

I: ... I went to go Hokkaido.

A: To Hokkaido? Why?

I: I like ski.

A: You like skiing?  I see.  Do you like the food in Hokkaido?

I: ... For example, corn and Chinese noodle.

A: Oh, like rahmen?

I: Yes.

A: Sapporo rahmen?

I: Yes.

A: I see.  Very good.  And do you like crabs?

I: Yes, I do.

A: And do you like a sashimi?

I: Yes, I do.

A: Do you like sashimi burger?

I: ....

A: It's a joke.  Do you have a question for me?

I: Where do you want to go?

A: I want to go to Amsterdam.

I: What is Amsterdam?

A: Amsterdam is ah in Holland.

I: ...  *2

A: Oranda (in a small voice).

I: Why?

A: Because it's very interesting and fun city and I had good time there.  Thank you very much. Good work.

I: Good morning, Trevy.

A: How are you?

I: I'm fine, thank you.  And you?

A: Very good, but a little hot. Are you hot?

I; Me, too.

A: Yes.  So ah,...What are you doing for your summer vacation.

I: I play table tennis.

A: A table tennis?  I see.  So you're in the same club as Noriko?

I: ...

A: You're in the same club.

I: Sorry? *3

A: You're in the same club as Noriko.

I: Yes.

A: Nmm, I see.  And can you play table tennis with Noriko?  Together?

I: No.

A: No? I see.  Are your a good player?

I: Yes.

A: Oh, wow.  OK.  You have much confidence.  That's great.  And so are you going to take a trip?

I: I don't know.  How about you?  *4

A: Yes, in fact, I'm going to go to my home town, New Orleans.  I'm going to go in about two weeks.

I: ... ... How long?

A: Maybe ah not maybe I'm going to go for two weeks from July twenty-fifth to August tenth.

I: Why?

A: Well, of course, I want to see my family and my friends, and of course, I want to go shopping.

I: Oh,

A: I must buy new shirt, new pants, and new shoes.  All right, Mr. S5. Good work.

 

 

(4)追究2の結論

3人の抽出生徒の会話内容の特徴をまとめると次の表のようになる。

 

言語運用能力レベル

傾向

下位

文法的ミスがある。ほとんどの発話は1語文である。

ほとんどの会話でALTの援助が必要。

ALTが質問をし、生徒が “Yes”  “No”で答えていることが多い。

生徒はほとんどコミュニケーション方略を使っていない。

中位

発話されたほとんどの文は、前の授業であらかじめ準備したものである。

生徒が質問をしだして、いくらかの追加質問が可能。

生徒はコミュニケーション方略を使っている。

上位

会話は自然で、生徒は会話をおもしろくしたいと思っている。

生徒は質問をしだして、会話をリードする場面もある。

生徒はコミュニケーション方略を使っている。

 

どの生徒も徐々にコミュニケーション方略が使われているようになっている。特徴的なのは、コミュニケーション方略にも難易度があるということである。3人の抽出生徒全員に使われているのは、CSJの3番目、意味交渉方略である。相手が言っていることがわからないので、繰り返しを要求したり、自分がわからないことを表明したりしている。これは一番習得しやすい方略と言える。次に、中位や上位の生徒に見られた会話主導権方略が習得しやすいと言えよう。中位生徒のようにあらかじめ準備しておいた疑問文を連続して言うfollow-up questionのような段階から、切り替えして会話主導権を獲得していく上位生徒のような段階が見られる。そしてどの生徒にも表れなかったのが、CSJ1番目の言い換え方略である。今後、習得できるように指導していかなければならない方略であろう。

 

7 結論と今後の課題

今回抽出生徒として紹介したのは4人にすぎず、全てを一般化するのは難しいが、A子の変容から、テープおこしを使っての自己会話分析がコミュニケーション方略への気づきを高めたと考えることができるし、他の3人の抽出生の会話内容から見て、単元を通して徐々にコミュニケーション方略が実際に使われるようになっている。言語運用能力によって差はあるが、今回提案したCSJ(中学生のための3つのコミュニケーション方略)は、意味交渉方略、会話主導権方略、言い換え方略の順に中学生に習得されるようになることがわかった。

 今後は、言い換え方略をより効率的に習得させるための手立ても考えていきたい。また、今回のようなALTとの会話をどう評価していくのかについても研究を深めていきたい。

 

 

参考文献

 

Bachman, L.F. 1990. Fundamental Considerations in Language Testing New York: Oxford University Press

Canale, M. & Swain, M. 1980. 'Theoretical bases of communicative approaches to second language teaching and testing' Applied Linguistics, 1, 1-47

Canale, M. 1983. From communicative competence to communicative language pedagogy. In J. C.Richards & R. W. Schmidt 1983 Language and communication New York: Longman

Celce-Murcia, M., Dornyei, Z, and Thurrell, S. 1995. 'Communicative Competence: A Pedagogically Motivated Model with Content Specifications.' Applied Linguistics, Vol.6 No.2: 5-35

Savignon, S.J. 1983. Communicative Competence: Theory and Classroom Practice. Reading, MA: Addison-Wesley

Tarone, E. 1977. 'Conscious Communication Strategies in Interlanguage: a Progress Report' in Brown, H. D., Yorio, A. and Crymes, R.C. (eds.). On TESOL '77, Teaching and Learning ESL, Washington D.C.:TESOL, 194-203

Tarone, E. 1983. ‘Some thoughts on the notion of 'communication strategy' in Faerch, C. & Kasper, G. (eds.) Strategies in Interlanguage Communication. New York: Longman