20020529el-what
テーマ:What's this?の授業
日高小学校指導委員訪問資料
平成14年5月29日
刈谷東中学校 犬塚章夫
「What's this? It's a...の授業案のゲームの工夫」
1、小学校英語活動の授業の流れ
たくさんのインプット(入力)
・「ファッツ ディス?」ではなく、「What's this?」をいかに教えるか ALTがいれば、何度も発音を聞かせたい。ただ繰り返すだけでは、飽きてしまうので、いろいろな物や状況を変えて使ってみる。大げさに発音してもらう。すぐに児童にリピートさせることをせず、まずはじっくりと何度も聞かせて、音を頭にこびりつかせる。小学生の年齢では、そのままの音を認識し、発話する能力を備えている。(14歳くらいで、その能力は衰えていってしまう。大人は、ついついカタカナなど日本語の発音にたよってしまう。) ALTがいない授業では、ビデオやCD、テレビ番組「えいごリアン」などを使ってみたい。何度も繰り返し、いろいろな状況で使ってる場面を聞かせたい。(ビデオの紹介 三省堂Junior Crownビデオ10巻 にもWhat's this?の場面が何度も繰り返し出て、リズムでリピートもある。登場人物はいろいろな国の子供で国際理解にもなる。) ・「What's this?=これは何ですか?」ではなく、「What's this?って、何かを聞くときに使うのか」をいかに教えるか その言葉を使う状況を示して、What's this?という表現を聞かせたい。「今日は『これは何ですか』という意味の英語を勉強します。」ではなくて、自然な使用場面を提示して、「ああ、何かわからないときに、What's this?って言えばいいんだ。」と理解させたい。 |
意味のあるアウトプット(出力)
・ドリルからコミュニケーションへ トラの絵を見せて、What's this? It's a tiger.と答えさせることが最終段階ではいけない。それは、ドリルの初期の段階。さらに、絵を少しだけ見せて、What's this? と尋ね、児童に考えさせて答えさせるとか、絵を見せずにヒントを出してWhat's this?と尋ねるとか、会話の意味を持たせたい。そして、さらに児童同士が聞きたいことを聞きあえるような本当のコミュニケーションへと発展させたい。たとえば、児童に自分の一番好きな動物の絵を描かせ封筒に入れておかせて、お互いにWhat's this?と聞かせて当ててもらう。「あの子はどんな動物が好きなんだろう?そういえば家に犬を飼ってるって言ってたから、犬かな?」などと考えて、It's a dog.と言えたら本当のコミュニケーションになる。 ・十分口慣らしをして自信をつけてから、一人で発話する活動にもっていきたい 自信がないと、どうしても小さな声になってしまったり、日本語を使ってその場をしのいだりしてしまう。楽しいドリル活動で、十分大きな声で発音させたい。間違ってしまうことを恐れない雰囲気を持たせたい。(母語の習得時にも、何度も聞いて、まねして使って、間違って、訂正しながら覚えてきたはず。)リズムを使ったチャンツや、動作をともなわせた音読、英語の歌などを通して、楽しいと感じながらいつのまにかドリルになっているような活動を考えたい。 |
2、他校の指導案から(その1)
3・4年 小学校英語活動学習指導案
〈題材名〉 What's this? It's a butterfly.
時間 | 活動内容 |
5分 | 1、会話文の導入(二人の先生で) T1: How are you? T2: I'm fine, but I'm hungry. do you have a hamburger? T1: (箱の中に、食べるものを入れておき、その箱を見せながら) No, but I have something. Here you are. T2: What's this? T1: It's an apple. (箱の中身を出してみんなに見せながら) T1: How are you? T2: I'm fine, but I'm thirsty. T1: Oh, are you thirsty? I have something to drink. Here you are. T2: What's this> (においをかぐしぐさをしながら) T1: It's natto juice. |
15分 | 2、ビデオ「えいごリアン」を見る What's this? It's a butterfly. ★見ているだけで、おもしろい状況で何度もWhat's this?の表現が使われているので、聞いているだけで発音と使い方が理解できる。 |
10分 | 3、ドリル @モデルを見せる T1: What's this? T2: (封筒から絵の一部だけを見せながら)It's .... A単語の練習(3回リピートさせる) apple, banana, strawberry, orange, lemon, melon Aカードを見ながら、It's..を使ってリピートする練習 |
10分 | 4、ゲームをする 封筒に5個の窓を開けておき、その中に単語のカードを入れておき、その窓を1つずつ開けながらWhat's this?で質問する。隠れている単語がわかった者は、It's ...を使って文を言う。 T: What's this? (窓の1つを開けながら) S1: It's a pen. T: (首を横に振りながら) No,. It's not a pen. What's this? S2: It's a pencil. T: (首を縦に振って) Yes. It's a pencil. |
5分 | 5、まとめ |
3、他校の指導案から(その2)
4年 HELLO TIME 指導案
〈題材名〉 「これは何?」
時間 | 活動内容 |
5分 | 0、あいさつ ALTとHRTでそれぞれ半分の児童と英語であいさつを交わす |
5分 | 1、会話文の導入(ALTと担任のTT) ALT: What's this? HRT: It's .... ALT: You are right. / You are wrong. ALTとHRTでそれぞれ半分の児童と英語で上の会話をする 物は児童の持っている文房具 book, eraser, pencil, ruler, pen, scissors, glue, highlighter, paper clip |
10分 | 2、チャンツでドリル CDをかけ、リズムに合わせて T: What's this? T: It's .... T: You are right. / You are wrong. 動作をつけさせる。○カードならYou are right. ×カードならYou are wrong.と言う |
20分 | 3、ゲームをする「これは何?はてなボックス」 @男女3人ずつ、前に出る。 AALTが箱の中に文房具を1つ入れる。 B箱の中に手をいれ、5秒間中の物をさわる。 C全員がさわり終わったら、一人ずつ会話をする。 ALT: What's this? S1: It's a pen. D箱の中の物を出す。 5人終わったら交代する。 |
5分 | 4、まとめ |
4、こんなふうに授業してみたら(犬塚案)
前の時間にALTとのTTでWhat's this? It's a ...が導入してあるとして、
時間 | 活動内容 |
10分 | 1、会話文の導入(前時の表現の復習をかねて、担任だけで) (BGM)「ピンクパンサーの音楽」 教室の前から入ってきて、きょろきょろして、机の中から封筒を取り出し、つぶやく。 What's this? 封筒から竹とんぼを取り出し、Oh. It's a Taketonbo.と言い、黒板に貼る。 さらに教室をきょろきょろ見ながら探し、机の下から封筒を拾って、つぶやく。 What's this? 封筒から赤いリボンと鈴を取り出し、It's a bell.と言い、黒板に貼る。 さらに歩きまわって、封筒を取り出し、つぶやく。 What's this? 封筒から白いポケットを取り出し、Oh, it's a pocket.と言い、黒板に貼る。 そこで、児童に日本語で尋ねる。 「私は名探偵○○、ここは殺人現場。いろいろ調べてみたら犯人が残していったと思われるこれら3つの物を見つけることができた。私には犯人が誰だかわかった。さあ、君は犯人がわかるかな?」と、生徒を指差す。 |
15分 | 2、チャンツでドリル @リズムボックスかウッドブロックなどでリズムを打ちながらリピートさせる あわせて単語の練習(復習)も行う。(前時までに学習した単語のカードを見せながら) T: What's this? (S: What's this?) T: It's a pen. (S: It's a pen.) T: What's this? (S: What's this?) T: It's a banana. (S: It's a banana.) A先生が質問、児童が答えるパターンで T: What's this? (j児童にカードを見せる、先生は見えてない状態で) S: It's a pen. B児童が質問、先生が答えるパターンで S: What's this? (先生はカードを見てるが、児童には見えない状態で) T: It's a pen. C先生が質問、カードを少しだけ見せて児童に当てさせる T: What's this? S: It's a pen. T: Yes. It's a pen.(間違ってたら、No, It's a pencil.などと言う) 3、ペア練習でドリル 児童をペアにして、小さいカードを配布。(今まで使ってたカードの縮小でもいいが、違う描き方の絵の方がおもしろい)ペアで片方が、カードの一部を見せて質問、もう片方が、答えるという会話をさせる。できたら、ペアで役割交代。 教師はまわっていって、どの児童も言えているかチェック。できてない児童には個別指導をする。 4、みんなの前でひとりひとりに英語で質問 児童を立たせて、左右2つのグループに分ける。教師が各グループ順番にひとりひとりにWhat's this?とカードを少し見せて尋ねる。It's a pen.などと正しく答えたら、Yes, It's a pen. One point. Sit down.と言って座らせる。正しくなかったら、No. It's a pencil. No points. Sit down.と言って座らせる。正しければ1ポイント。全部終わったらどちらのグループの勝ちとする。(勝負はどうでもよく、児童が正しく自信をもって答えているかをチェックする。) |
15分 | 5、ゲームをする「犯人グループは誰だゲーム」 (BGM)「ミッション・インポシブル」の音楽 ルールの説明をする。「さあ、今度は君たちが名探偵だ。教室のあちこちに封筒が隠してあるから、まずひとり1つの封筒を探してくる。(おっと、まだだ。説明をよく聞きなさい。先生が、GOと言ったら動いていいぞ。)その中に入ってるカードが君の持ち物だ。先生の調査では、この3つの物をもっているグループが犯人だ。 犯人グループ1 pen, banana, dog 犯人グループ2 pencil, ? ? (あとで発表) 歩き回って、友達に「What's this?」と尋ねなさい。自分が聞かれたらちゃんと自分の持っているもので、「It's a pen.」と言う事。ちょっとやってみよう。(児童を使って見本を見せる。お互いに会話をして相手が何を持っているのか尋ね、メモする。)やり方、わかったかな。この音楽が流れているうちは、活動できるが、音楽が止まったら時間だ。その場で座りなさい。それでは、検討を祈る。GO!」 音楽を15分くらいたったら、終わるように編集するか、繰り返して流しておく。時間がきたら、活動を止め。犯人の答え合わせをする。犯人グループ2も発表する。 |
5分 | 6、まとめ 活動のまとめとして、新しい絵カードを少し見せて、What's this? It's a ...と会話しながら表現を振り返っておく。(時間がなくなれば省略、あまれば時間いっぱいまで行う。) |