20020531el-group
テーマ:グループ練習
小垣江小学校指導委員訪問資料

平成14年5月31日
刈谷東中学校 犬塚章夫

「基本文型や正しい発音を定着させるために子どもだけで行えるグループ練習のあり方」

、小学校英語〜効果的に進めるてめの5つの原則 平安女学院大学 斎藤栄二

原則1 体を動かす
原則2 音声に慣れさせる
 氷山の水面にでているのは30%、水中に70%隠れている。
これと同じように、インプット(英語の入力)を70%入れないと、アウトプット(英語の出力)にならない。早期英語教育でインプットを十分与えていくべき。無理して発音させると、カタカナ英語になってしまう。英語を聞かせるには、児童が理解可能な英語でないと効果がない。
原則3 コミュニケーション活動中心
 学習と習得 
  学習とは、言語についての知識を学ばせるもの。習得とは、使って覚えるもの。
原則4 評定は慎重に
 英語嫌いの増加   中1 27%  中2 28%  中3 41%
原則5 交流の場を作る
 国際理解として、実際に外国人とふれあいの場を

、小学校英語の授業10原則 平安女学院大学 斎藤栄二

@ インプット→プラクティス→アウトプットという順序で指導が組まれているか。
A 教師はモデルを示しているか
B 生徒と教師のやりとりは十分か
C 生徒一人ひとりの個人練習は十分なされているか
D 生徒相互の活動は活発か
E 英語をコミュニケーションに使う場面は十分あるか
F できるだけ授業は英語で進めよう 目安は3分の2以上
G ゲームは英語の力を伸ばすものになっているか 単なるお遊びになっていないか
H 絵やテレビは十分利用しているか
I 教材の作成・使い方に工夫がなされているか

3、小垣江小パターンはどうか

3・4年 小学校英語活動学習指導案
〈題材名〉 What's this? It's a butterfly.
活動内容
6年 小学校英語活動学習指導案
〈題材名〉 Where do you live?.
活動内容
英語の授業10原則
にあてはめてみると
1、会話文の導入(二人の先生で)
T1: How are you?
T2: I'm fine, but I'm hungry. do you have a hamburger?
T1: (箱の中に、食べるものを入れておき、その箱を見せながら)
   No, but I have something. Here you are.
T2: What's this?
T1: It's an apple. (箱の中身を出してみんなに見せながら)
0、英語の歌
 Head, Shoulders, Knees and Toes

1、会話文の導入
T: Hello! Panda.
P1: Hello! Tokoro.
T: Where do you live?
P1: I live in China.
T: Goodbye.
P1: Goodbye, See you.
★A教師がモデルを示している
★@インプット→プラクティス→アウトプットという順になっている
2、ビデオ「えいごリアン」を見る
 What's this? It's a butterfly.
2、ビデオ「えいごリアン」を見る ★H絵やテレビは活用されている
3、ドリル
@モデルを見せる
T1: What's this?
T2: (封筒から絵の一部だけを見せながら)It's ....
A単語の練習(3回リピートさせる)
apple, banana, strawberry, orange, lemon, melon
Aカードを見ながら、It's..を使ってリピートする練習
3、ドリル
@国名、都市名の言い方を練習する
A文型を練習する
動物カードを見せて
T: Where do you live?と尋ねる
P: I live in ..と住んでる国名を答える
都市名カードを見せて
T: Where do you live?と尋ねる
P: I live in...と都市名を答える
▲Cこのあたりに生徒一人ひとりの個人練習があるとよい
 ↓
ドリルのあとで、教師からの質問に英語で答えれるか一人ひとりと問答していく

★I教材の作成・使い方に工夫がある
4、ゲームをする
 封筒に5個の窓を開けておき、その中に単語のカードを入れておき、その窓を1つずつ開けながらWhat's this?で質問する。隠れている単語がわかった者は、It's ...を使って文を言う。
T: What's this? (窓の1つを開けながら)
S1: It's a pen.
T: (首を横に振りながら) No,. It's not a pen. What's this?
S2: It's a pencil.
T: (首を縦に振って) Yes. It's a pencil.
4、ゲームをする
@グループで「伝言ゲーム」をする
 8人で4グループに分かれる。動物カードを持っていない子が、持ってる子にWhere do you live?と尋ね、持ってる子がI live in ...と国名を答える。グループ全員が終わったら、黒板にカードを貼る。
A全体で、ペアマッチゲームをする
 8都市をそれぞれ4枚配る。
P1: Where do you live?と友達に尋ねる
P2: I live in ...と持ってるカードで都市名を答える。
早く同じ都市名カードを持った4人を見つけ、黒板にカードを貼ったら勝ち。
★B生徒と教師のやりとりが十分ある
★D生徒相互の活動がある
▲E英語をコミュニケーションに使う場面を作りたい
▲Gゲームが英語の力を伸ばすものになっているかどうか

 
ドリル的活動から本当のコミュニケーションにレベルアップしていく
(▲F英語で授業を・・・これはできる先生はどうぞ。主にALTとのTTでALTにお願いしましょう)

4、正しい発音を定着させるための活動

2つのリスニング能力がある
@ 内容を正しくつかむ。情報を逃さす聞き取る。
A 正しい音を認識する。音の違いを区別する。

@を育てるには、TPR(指示を聞かせて動かせる活動)などをさせる。It's hot today. Will you go to the window and open it? などジェスチャーとともに英語を聞かせ、動かせる。理解できたかどうかは、動きで判断できる。ほぼ理解される程度の英文を聞かさないと効果がない。ALTとの授業でワンポイントに活用したい。「○○先生の言うとおりに動いてみようコーナー」など作ってみたい。

Aフォニックスなどで使われている単語カードを活用する。mapとmop、capとcup、などのペアでALTに発音をしてもらい、どちらのカードかを当てるゲームなどできる。文字を見せずに、絵だけで表すこともできるが、なにげなく絵の下に文字を書いておいてもよい。これもALTの授業でワンポイントに活用できる。「○○先生のどっちの音だゲーム」など作ってみたい。

5、基本文型を定着させるための活動

(1) 使用場面をモデルで示し、意味を理解させる。

(2) 発音を覚えさせるドリル・・・どんどん活動パターンを変えながら飽きさせず何度も練習させる。
 @ まずは聞くだけドリル
  例) 生徒一人ひとりに単語カードを配り、教師が発音したカードを、上にあげる。
  すぐにリピートさせない、何気なく発音してくるのを待つ。活動に変化を持たせながら多くの回数聞かせる。
  正しい発音を身につけさせる意味でもALTにやってほしい活動。ALTが新出単語や文型を導入するときに、
  お願いしておきたい。
 A 同じ活動で、リピートさせながら行う。動きがあると楽しいので、動きを工夫することもできる。
 B 同じ活動で、教師はカードを見せる、児童が発音しながらカードをあげる。
  リピートではなく、自分で発音できるかチェック。
 C ペアで、同じ活動をさせる。
  自分たちで学び合える活動を仕組む。教師は活動の様子を把握し、必要があれば助ける。
  個人の理解度もその時チェックする。
 D 全体で一人で発話させる。
  十分活動をして自信をつけさせたら、みんなの前で一人で言わせる活動をする。
  あやふやの状態でやらせて、恥をかかせると英語嫌いになる。できる子が自慢できる場面でもある。

(3) 使って身につけさせる(習得させる)。
 レベル1 ドリル的な活動
  例) Sapporo, Tokyo, Nagoya, Osaka, Hiroshimaなどのカードを持たせ、Where do you live? I live in ...と会話をさせて自分と同じ都市名のカードを持った者を探す。
 レベル2 コミュニケーションを意識した活動
  例) 自分の住んで見たい都市(国内でも海外でもOK)をカードに書かせる。Where do you live? I live in...と会話をさせて、誰がどこに住みたいと思っているのかを調べさせる。自分と同じ場所に住みたいと思っている子はいるのか、探させる。

資料1

コミュニケーション活動の特徴  静岡大学 三浦孝
(1)「言葉」を実際に使用することによって言葉は習得される。
(2)コミュニケーション活動は、言葉を使って意味のある情報を伝達すること。
(3)目的・必要があるところにコミュニケーションが起こる。
(4)コミュニケーションの目的を教室にどう作るかが鍵。
(5)情報は未知だからこそ聞く必要がある。

資料2

生徒は話したがっている、それをどう引き出すか 静岡大学 三浦孝
(1)生徒にとって意味のある人物・事物を用いる。
(2)適度なコントロールを与えて、安全・簡単に自己表現させる。
(3)英語をネタにして、出会いを実現する。
(4)意見の違いを許容する活動
(5)想像の世界を取り入れて、発想を開放する。