20021010el-tanoshiku
テーマ:楽しく学習
東刈谷小学校学校訪問資料

平成14年10月10日
小学校英語活動指導委員
刈谷東中学校 犬塚章夫

「小学校英語活動で、楽しく学習するにはどのような方法があるか」

、市のALTの授業で先生が楽しもう 

(1)市のALTの授業中・・・先生が消極的では、生徒も楽しめません
 まず是非担任の先生がALTの授業を楽しみにしてください。
  ALTの国の文化に興味を持ってください。・・・外国と日本の文化の違いを楽しんでください。
   授業中に文化の違いについて聞く機会があったら、先生が一番驚いて感動して異文化を楽しんでもいいはず。
   授業で用いたテーマで、ALTの国の文化や特色ある物などについて触れてもらうのもいいですね。
  ALTから無料で英語が習えます。・・・担任の先生が一番熱心な生徒であってもいいはず。質問したりして。
   発音がわからないから「もう一度言って下さい。」
   この発音でいいのかな「先生、この発音でいいですか。」と参加してもいいはず。

(2)市のALTの授業が終わってから・・・先生が楽しんでたら、生徒も楽しくなります
 楽しくゲーム感覚で復習する場面を作りながら担任の先生が生徒といっしょに楽しむことだってできます。
   復習のパリエイションを理解しましょう。・・・雑誌「kids com」アルク出版、「小学校英語セミナー」明治図書
   ビデオを見るだけでも。・・・備品に是非入れたいNHK[えいごリアン」、松香フォニックス研究所「Hi Bye English」など
   CDで歌やリズム読みを楽しむことも。

、学年に応じた活動を

@ 1・2年・・・単語で遊ぼう
A 3・4年・・・単純な会話パターンで遊ぼう
B 5・6年・・・コミュニケーションしている実感を

 毎年、学習が積み重なっていくので、昨年この表現をやったから、今年はもっと難しい表現をしゃべらせようと思っていると、どんどん子どもに負担がかかります。年に何度も英語活動の授業がないのに、前やったことを覚えていることを期待しないで、何度も同じパターン(表現)を違った場面設定やゲーム、言語活動で楽しんでいくことが大切。

 低学年では、単語だけでいろいろなパターンで遊べます。カルタにしたり、工作したり、ゲームにしたり・・・

 高学年では、会話活動に徐々に意味を持たせていきたいですね。「どこに行きたいか?」の会話でも、与えられた国だけを使って会話パターンをしゃべっている段階から、本当に自分が行きたい場所をお互いに尋ねあうような本当のコミュニケーションが行われる段階にもっていきたい。(授業が終わったあとも、「○○君はフランスに行きたいんだ。どうしてなの?」と本物の会話が続いていくような活動にしたい。)

3、お願い

(1)たくさんのインプットを与えてください
  私たちだって、1度や2度フランス語の単語を聞いても発音できないように、子どもたちにとっても、何度も何度も繰り返し英語を聞かせることから始めたい。NHK「えいごリアン」などは、ひとつの表現を、場面を変えて繰り返し繰り返し見せてくれる。その中で子どもは発音を吸収していくもの。
  ましてやカタカナなどをふってしまってはせっかくの発音が台無し。カタカナの代わりに発音を繰り返し20回聞かせてください。もちろん、ALTの先生やビデオ・CDなど活用をしましょう。
  ただ、聞かせているだけでは飽きてしまうので、ゲーム性を持たせて聞かせることが大切です。歌を聞かせる。リズムで繰り返し聞く。ある動作を示す英語を聞かせて行動で示させる(TPR)などがあります。

(2)すぐに発話させること、正しい英語を話すことを要求しないで
  子どもは文字を介さずに英文を理解しています。大人が文字を思い浮かべて、文法の知識を加えて英文を理解しているのとは違います。なんとなくそれに近い発音ができることが大切です。1つ1つの単語としては発音が間違っていても、もっと大切なイントネーション(文を1つの音の流れとしてとらえるもの)をつかむことが大切です。
  細かい文法的な間違いは、中学で英語を勉強したときに気づけます。しかし、文全体を音の流れとしてとらえることができるのは小学校の時が最適です。文字が導入されてしまうと、どうしてもその影響で単語と単語がばらばらに認識されて、いくつかの単語がくっついて1つの音のかたまりとして聞こえることに注意が向きません。

(3)すぐにみんなの前で一人で発音させないで
  自信がないのに、みんなの前で発音させてしまって、恥ずかしい思いをしてしまったら、・・・・もう、英語がいやになりますよね。みんなで何度も繰り返し発音させてあげてください。そのときには言えなくてもいいと思います。
  十分なドリルが必要です。ALTが3回くらい発音してリピートさせただけでは覚わりません。飽きずに繰り返し練習するドリルには工夫が必要です。リズムボックスやタンバリンなどリズムをきざんでリピートさせたりすると、練習に変化がつきます。楽しみながらドリルをしているうちに、自然に覚わってしまうのが一番いいですね。

(4)複雑なゲームだけで楽しまないで
  ゲームだけに集中させないで。今やっているゲームは、本当に今学習している表現を覚える(使う)ために有効なのか、考えてみてください。あまりに勝負にこだわりすぎるようなゲームや、複雑でルールを理解するのに時間がかかりすぎては無駄な時間になってしまいます。

(5)家になにかおみやげを
  家の人もどんな英語の授業が展開されているのか興味があるはず。家に帰ってきた子どもに「今日の英語の授業で何勉強してきたの。何か英語でしゃべってごらん。」と質問されたら子どもは何と答えるのでしょう。学校で口頭で英語を学び、ゲーム活動をしただけで、親が満足いくような英文をどれだけの子どもが家で話せるでしょうか。「わからん。」などと答えたら、親も不安になり、「塾にいかせたほうがいいかしら。」ということになりかねません。学校で勉強した単語の絵がプリントになったものを持ち帰ったら、子どもは、「apple, grape, banana,..」など発音してくれるかもしれません。親も、「うちの子、英語しゃべれるようになった。」と思ってくれるかもしれません。英語活動で、楽しみながら工作のようにカードを作らせ、おみやげとして持ち帰らせたり、教室掲示として授業参観に見せたり、学習の成果として残る「ものづくり」も有効だと思います。

4、いくつかの例

(1) 「はじめておぼえるえいごのたんご Around the world in English」 下薫著 The Japan Times CD1枚つき 2500円

(2) 「子どもを夢中にさせる英語のレッスンプラン」 増尾美恵子著 ピアソン・エヂュケーション CD1枚つき 2200円