20030528jh-kokoro
テーマ:心通い合う会話活動
刈谷南中学校指導委員訪問資料
平成15年5月28日
刈谷市英語指導委員
刈谷東中学校 犬塚章夫
「ドリル的会話活動から、心通い合う会話活動へのつなぎ方」
1、たくさんインプット
現在進行形の導入を例にすると・・・
まず「状況」を設定する。・・・友達を映画に誘いたい。何人かの友達に電話をしてみる。
(おもちゃの電話を片手に、会話をしてみる)
@ボブへ Hello. What are you doing now? ...
Ah, you are playing tennis with your friends now. So
you are busy. OK. See you.
Aトムへ Hello. What are you doing now?
Ah, you are driving a car now. Are you in Tokyo? OK.
See you.
Bミキへ Hello. What are you doing now?
Good. So you are doing nothing. Let's go to the movies together. OK. See you then.
なんども進行形の文を聞かせて、状況から意味を考えさせる。
次に、プリントの半分に英文を、もう半分に絵を描いた物をわたす。
OK. What is he doing? と言いながら、絵の一つを指す。
生徒が「play tennis」とか言ったら、Yes. He is playing tennis. So
choose this sentence.と言い、英文を指さす。
同様にして、絵と英文を線で結ばす。
そして、共通した英文の特徴について生徒に聞き、
どの英文も、is ...ing があることを気づかせる。
こうして、進行形を導入し、その形式上の特徴もまとめる。
つまり、多くのインプットを「状況」を支えとして導入していく。
2、パターン・プラクティス=機械的なドリル
同じ進行形を例にすると・・・
He is playing tennis now.を基本形として、
キューを与え、変換練習を行う。
動詞を替える
play baseball ... He is playing baseball now.
study English... He is studying English now.
drive a car ...... He is driving a car now.
eat a hamburgber ... He is eating a hamburger now.
主語を替える
She .....................She is eating a hamburger now.
I .......................... I am eating a hamburger now.
you .................... You are eating a hamburger now.
疑問文にする
question .......... Are you eating a hamburger now?
what .................. What are you eating now?
などと、疑問文にする練習なども行う。
つまり、決まり文句のようにして、口ぐせにしてしまう。
しかし、ここでは、機械的なドリルになりがちので、時々日本語を聞くとか
日本語を言って、英語に訳させるなど、意味を意識させたい。
また、この活動は、教師対生徒だけの活動ではなく、生徒同士のペア練習にも組み込みたい。
3、ドリル的会話活動=意味を考えたドリル
同じ進行形を例にすると・・・
4行×4列のグリッドを用意し、16種類の動作を示す絵を描いておく。
What are you doing now?
I am studying English.
という会話文を練習し、暗唱させておく。
生徒はそれぞれ、今自分がしているもの(好きな絵を1つ選ぶ)に○をうっておく。
教室内を歩き回り、友達に What are you doing now?と尋ねる。
聞かれたら、自分が○を打った動作を英語で言う。 I am studying English.
質問した生徒は、16個の絵の中から、該当の絵を○で囲む。
この会話をお互いにやって、次の友達と会話しに移動していく。
5分間の活動で、多くの生徒と会話をし、○が縦横斜めでビンゴになったら勝ちというゲームにする。
つまり、自分が今何かをしていることにしておいて、何をしているところかを尋ねる会話を体験させる。
しかし、その意味よりも、機械的なドリルの雰囲気がまだまだ強く、相手が
I am playing tennis. と答えようが、 I am driving a car.と答えようがあまり気にもせず会話は進んでいく。=あまり意味が考えられていない「ドリル的会話活動」となっている。
では、これをいかに、次のステップである「心通い合う会話活動」にもっていくのか、考えてみたい。
4、心通い合う会話活動=本物のコミュニケーション
(1)先の会話活動を応用してみると・・・
本物のコミュニケーションになれば、会話活動が終わってからも、「へー、お前○○なのか」と生徒同士が会話活動で得た情報を話題に会話しだすことができるようになる。つまり、相手の「本当の何かを聞き出すことができる」ことが心通い合う会話活動に必要な条件であろう。
まず「まず本物の状況」を作ってみよう。
「今この瞬間が、昨日の夜の8時としましょう。」と言って、黒板に8時を指している時計をつるす。
先ほどの4×4のグリッドに1つだけ空欄を作っておき、
「今、自分がやっていることに○をうちなさい。絵の中になかったら、空欄に描き○を打ちなさい。」と指示をする。
そして、上と同じ活動をしたらどうだろう。
「へー、お前、塾に行ってたのか。」「おい、テスト前にテレビ見とっていいのか?」などの会話が聞かれるかもしれません。
(2)もっと「状況」を優先してみると・・・
(1)のように、「今、この瞬間を、昨日の夜の8時としましょう。」という状況で、自由に会話させることもできます。
「あなたは、今暇でしょうがありません。友達に電話をして今何をしているか聞いてみましょう。」という課題で、次ような会話をさせます。
会話 A: Hello. This is A. May I speak to B?
B: Hi, speaing.
A: What are you dong now?
B: I am studying English now. Are you studying English, too?
A: No, I'm not. I do nothing. Bye.
B: Bye.
「じゃあ、夜の10時にしてみましょう。」「夜中の12時にしてみましょう。」「深夜2時にしてみましょう。」などと展開すると、友達の夜の生活ぶりがわかったりしておもしろいかもしれません。
「お前、いつまで起きてるんだ。」「そんなに遅くまで宿題してたの?」などと会話が弾むかもしれません。
この電話での会話は、最近生徒が慣れてきた「メールのやりとり」に変えることで、筆記による会話にもできます。
1枚の紙に英文を書いて、隣の生徒と交換させながらチャットさせることもできます。
(3)英作文にコメントを書く
別の活動を考えてみましょう。
たとえば、過去形を学んだ時に、「先週の日曜日何をしてたのか書きなさい。」と英作文をさせたり、未来形を学んだ時に「夏休みに何する予定か書きなさい。」と英作文をさせる場合があります。
ただ、英作文させて、先生が添削して返すこともできますが、生徒同士で読み合わせることもできます。
そして、お互いにコメントを書かせてみます。もちろん、英語でです。簡単なコメントの書き方を指導します。
例)二行コメント
感想 I went to Higashiura AEON, too.
疑問文 What did you buy there? 名前
こんな感じで、簡単なコメントをノートに直接書かせます。
生徒同士、友達の英文を読んで参考になることもありますし、友達が「○○してたんだ。」と知ることもできます。それを話題としてコメントを通して会話のきっかけができます。きっと授業が終わってからも、その話題が続くことでしょう。
(4)まだまだ方法はあるでしょう
ぜひ、オリジナルな会話活動を考えてください。