20071017jh-kyodou

 1 テーマ「協同学習・学習意欲・英語でディベート」
 2  刈谷市立富士松中学校の研究発表会に助言者として参加しました。富士松中学校の研究主題は「学ぶ楽しさを実感する授業を求めて」で、@強い問題意識や達成意欲をもって学習に臨ませる、A友達とのかかわり合い、考えを錬り合いながら学習を深めさせる、B分かった・できたという成就感・満足感・達成感を感じさせる授業を目指して実践を積んでみえました。
 私は左のような内容で話をさせていただきました。
 3  学習形態には左の3種類があります。研究授業は、簡易ディベート(プロコンゲーム)のための英作文の授業でしたが、「個別学習」ならもくもくと各個人で英作文をしていく授業が考えられます。「競争学習」なら班対抗でいかに多くの正しい英文を書けるかの戦いが仕組めますが、できる子が英作文をし、他の子はひたすらそれを書き写すことになるでしょう。しかし、「協同学習」なら、班で教え合い学習が展開できることでしょう。ただ単にグループで活動させればいいのではありません。そこには次のような活動を展開する必要があります。
 4 (1)協同学習
 ミネソタ大学のJohnson兄弟は、協同学習を左のように定義しています。Cooperation is give and take.という言葉にあるように、お互いに利益のある活動をいかに展開させるかが大切になってきます。
 5  まず一人一人が学習のめあてを持ち、学習に取り組めるようにしなくてはいけません。そしてグループでお互いの考えの伝え合いが生まれるような活動を仕組み、そのグループ活動があわさってクラス全体の学習になるように授業を仕組んでいきたいものです。
 6  グループで活動するときの約束事として次のようなことを考えました。特に、正解のみを追求するのではなく、グループのユニークな考えを期待し、その成果としてできた答は、誰でもが説明できる(英作文なら英文を読める)ようにさせることで、教え合い、助け合いの活動を仕組みます。そしてグループ全員の同意を示す署名(みんなで答えを紙に書く)という活動をさせます。そうすることで、できる子が一人で作った英文ではなく、グループみんなで作った英文としてグループの誰でもが自信を持って発表できるようにさせます。
 7  グループ活動は、左のような手順で行います。活動をリードする生徒を作り、一人一人の生徒の意見を出させ、グループとしての意見をまとめていきます。大切なのは、「同意による署名」の場面をどういう形で仕組むか、そして「活動のふりかえり」の場面をどう仕組むかが大切です。
 8 (2)学習の動機づけ
 ドルニュイは、「動機づけを高めるストラテジー35」をまとめました。そこには、@学習の成功への期待感を高める、A仲間同士の協力を推奨する、B学習者の満足感を高める、など、富士松中の主題にある過程が含まれています。
 9 (3)英語ディベートに向けて
 中学3年で英語でディベートができるようにさせるのは、私たちの夢(目標)です。そのためには、中1から段階を踏んで、実践的コミュニケーション能力をつけていく授業を展開していかなくてはなりません。
 自分の思いを素早くそして正確に英語にすることができるようにするために、英作文をする機会を何度も作り、言いたい文を知っている英語で表現する力をつけていきたいものです。
10  愛知教育大学附属名古屋中学校の研究で、左の3つのポイントが指摘されています。英作文の指導の中で、例を出しながら指導していきたい内容です。
 いかに自分の知っている、英語表現を使って、自分の今言いたいと思っていることをなんとか表現できるのか、体験させたいものです。
11  英作文をする時、生徒は和英辞典を使いますが、最近では、電子辞書やインターネットを利用する場合もあります。中には家で翻訳サイトを利用して、日本語を英語に訳してくる生徒もいます。しかし、それには、左のような指導が必要になります。インターネットの翻訳サイトを使ってできた英文は必ずしも正しくないこと、そしてさらにどうしたら正しい英文なのかをチェックする方法も教えていきたいものです。
12  Googleの検索機能を使うと、正しい英文かどうかをチェックすることができます。たとえば「迷子になる」という英語がget lostだとわかったら、それがどう英文として使われているのかを、" "で囲んで"get lost"を検索することで知ることができます。「携帯でメールを送る」では、どんな前置詞を使うのか知りたいときは、"send mail * cell phones"とアステリスクを使うことで検索できます。すると、*のところにusing, withなどが入った例文を手に入れることができます。