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TIPS for Evaluation

中部地区英語教育学会愛知県支部月例会(平成15年11月実施)において、「評価」実施のこつ・留意点などについて話し合い、次のようにまとめてみました。

1最小限の労力で最大限の効果をあげよう。
 毎時間評価に追われて指導が十分できないのではいけない。あくまでも十分指導した成果をチェックするのが評価。効率よく評価するシステムを考えよう。

2成績をつけるだけの評価でなく、次の指導に生かせるような評価にしたい。
 評価の役割は、自分の力のレベルを知ることができることと、次へのステップを考える材料となること。

3中学校の評価は絶対評価。勝手な評価にならないこと。
 学習指導要領にある目標を、毎時間、毎単元におろしてきて、何を指導の目標とするのか考えて、それをどの場面でどう評価するのか決めてから指導計画をたてよう。

4評価の場面でABCで評価する。
 しっかりした(具体的な、わかりやすい)評価基準を作ろう。評価する段階でどの状態が「おおむね満足」=Bなのか考えよう。
 ABCを判断する2つの考え方
(1)授業中、観察などを通して評価する時などは、複数回評価をし、B基準を多くクリアーしていればA、ほとんどクリヤーしてなければCと判断する。(例)「コミュニケーション活動で積極的に自分から話をしようとしている。」という評価基準では、授業中×の者のみ観察でチェックする。5回やって、3回以上○ならA、1,2回ならB,○がなければCと評価する。
(2)実技テストとして評価する時などは、B基準とA基準を考えておく。ただし、A基準はいろいろな条件があっていいとする。(例)日本文化の紹介では、B基準として、「日にち、使う物など2つ以上のキーワードを使って日本文化を紹介できる。」、A基準として、「自分で調べた内容について自分の言葉で説明できる。」などと考えられる。

5高校では、各学校ごとにその学校のレベル・状況に応じた評価規準を作る。
 同じ学年、同じ学校で評価規準がまちまちにならないように教師間の話し合いが必要。

6大学では、各授業ごとに評価規準を作る。
 生徒に評価規準を示し、生徒の意欲を喚起させるとともに、何にがんばればよいのか理解させる。テスト、レポート、プレゼン、出席度、参加度など、いろいろな評価を組み合わせたい。

7ペーパーテストを絶対評価ABCで評価するには、得点の80%でA,40%でB。
  もちろん、テストの難易度が変わるとこの割合ではABCと評価できない。そのために、次のようにテストを作ることにする。問題の50%は、基本問題、50%は、発展問題とする。評価Aの80%の意味は、基本問題が全てでき、発展問題の中の5分の3ができているということなので、「十分満足している=A」と判断するのは妥当である。評価Bの40%の意味は、基本問題の中の5分の4ができているので、「おおむね満足=B]と判断することは妥当と考えられる。したがって、このようにテストを作る前提のもと、80%以上でA、40%以上でB,それ以外はCと判断できる。

8評価の結果に応じて指導方法・内容を変化させる。
 たとえば、関係代名詞を教えたら、それがわかったかどうか小テストしてみる(評価してみる)。この得点でABCを判断する。もちろんCの生徒には、Bにするための指導が必要なのだが、他の生徒がいる中でCの生徒だけを教えるのは難しい。そこで、たとえば「Cの生徒がクラスの1割以上いたら、クラス全体でドリルなど復習の活動をする」などと決めておくとよい。テストの結果をざっと見て、その場で判断し、指導に生かしていけるような指導過程を組みたい。

9中高では8つの観点で評価をする。
 4つの観点は次の2つずつの下位観点がある。(高校は( )内はない)
ア、(コミュニケーションへの)関心・意欲・態度
 @ 言語活動への取り組み A コミュニケーションの継続
イ、表現の能力
 @ 正確さ A 適切さ
ウ、理解の能力
 @ 正確さ A 適切さ
エ、(言語や文化についての)知識・理解
 @ 言語についての知識 A 文化についての理解

10中高では、地区の先生と評価規準について研修を深めたい。
 自分だけで評価規準を考えていても、一人よがりになってしまう。情報交換をしたり、いっしょに評価規準を作っていく仲間を作りたい。

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