あなたは、番目の訪問者です。

TIPS for Vocabulary

中部地区英語教育学会愛知県支部月例会(平成15年7月実施)において、「語彙」指導のこつ・留意点などについて話し合い、次のようにまとめてみました。

1語彙サイズと読解力には相関関係が成立している。
 読解力をつけるには、語彙が豊富であることが大きな要因になっていることは間違いない。それだけに、日頃の授業(特に読解の授業)において語彙指導を定期的に行うことは大切である。
 Nation (1990)は、英文の95%の語彙がわからないと、読み進めるのに苦痛を伴う。98%の単語がわかってはじめて気持ちよく読書が楽しめると言っている。

2まずは単語を覚えるドリルが必要。
 昔からある単語カードでの暗記も有効(特に、個人で学習するときには)。単語カードも自分で作らせて、ペアでカードを交換させ、問題を出し合うような活動として授業中に展開できる。また、授業では、単語の一覧表を使って、読んだり、日本語から英語に直したりのドリル練習が展開できる。また、新出単語など、単語のフラッシュカードとして、毎時間最初にドリル練習することも必要であろう。ただ、単語を英語とその訳語1つという1対1対応で覚えることになるので、次の項目にあるような練習も必要となる。

3単語のいろいろな意味や使い方(品詞)にも注目させる。
 例)promotionという単語=「昇進」とだけ覚えていては、promotion videoが「昇進ビデオ」になってしまい、何のことかわからなくなってしまう。単語にはいろいろな意味があることを辞書指導などで教えたい。また、同じstudyでも動詞での使い方、名詞としての使い方がある。単語の意味だけでなく、例文としてノートに記録させる(英作文ノートとか例文ノートとして)ことも必要になる。単語は、文の中で固まりとして覚えて初めて、使える語彙となる。上に述べた、意味のわかる語彙と、ここで言う使える語彙の両方を意識することが大切。

4授業の中で新しい単語を覚えさせるには、インプットを工夫する。
 小学校英語などでよく使われるTPR(Total Physical Response)も使ってみたい。英語で指示をしながら、実際に動作をさせて、新しい単語を理解させるとともに、何度も聞かせて耳から定着させる方法である。TPRでは、いかにおもしろい内容で生徒を動かすかが大切となる。否定文なども入れながら、正しく動作させることへの難易度を上げるとおもしろい。(サイモンセッズゲームの要領で)
 文脈のなかから考えさせるような導入もおもしろい。ある単語をまとまった文の中で提示し、前後関係の意味からその単語の意味が何であるのか考えさせる機会も作ってみたい。

5語彙マップなどで、テーマごとの単語をまとめて覚える(確認する)。
 「夏休みの思い出を語ろう」のようなテーマで会話させたり、スピーチをさせたり、作文を書かせる前に、夏休みに関連する語を書き出してみる。最初、黒板にsummer vacationなどとキーワードを書き、それに関連した単語をどんどん言わせて黒板に英語で書いていく。多くの生徒が使うであろう語彙の確認にもなるし、単語の関連の中で、生徒もどんなことを話そうか(書こうか)考えるきっかけにもなる。書かれた英語でつづりの確認にもなる。ある程度クラス全体で書いたら、後は、個人でそれに付け足した自分だけの語彙マップを作らせ、それから作文の構想などを考えさせるとよい。

6単語の練習ドリルの宿題や、単元のテストも行いたい。
 多くの語彙があれば読解に役立つとわかっていても、人間、ある程度強制されなければ、なかなかやれない。そこで、毎日の宿題で、どんどん単語を書いて覚えさせる練習プリントを与えたり、範囲を示して単語100問テストなどに取り組ませたい。お互いに競いながら単語を楽しく(?)覚える機会も必要だろう。(

7辞書にも興味を持たせたい。
 辞書には、いろいろある。英和辞典、和英辞典、英英辞典、それに最近は電子辞書もでてきた。それぞれに特色があるわけだから、それを生かした使い方に慣れさせたい。英和辞典では、1つの単語にいろいろな意味があることを確認させたい。(最近では、WISDOMのようにコーパスを使って使用頻度順に訳語が並んでいるものもある)英和辞典の特徴などを教えることも、言葉に興味を持たせるひとつになるかもしれない。和英辞典では、その訳語をどう使ったらよいのか、英和辞典やコロケーションの辞典(活用辞典)などにあたらせる習慣をつけさせたい。また、電子辞書には、紙の辞書にはない機能(ジャンプ機能でいくつかの辞書の間を行き来することができる、など)。教師が辞書のおもしろさを授業で示すことで、生徒の言葉への興味も喚起されるだろう。

8単語で遊んでみよう。
 語彙を確かにするためにも、単語を使ったゲームなども興味付けによい。単語を覚えたり、リスニング練習のためのBINGOとか、クロスワードパズル、ハングマンゲームや、スクラブル(ボードゲーム)などがある。クラスサイズ、生徒の実態に合わせた活用をしたい。

9インターネットには教材がいっぱい。
 上で述べた単語を使ったゲームなど、インターネットのホームページにいろいろ紹介されているので、活用したい。 
ESL関係の活動紹サイト
http://a4esl.org/
http://www.manythings.org/
単語テストができるサイト
http://www.tangoriki.com/
http://www.perapera.co.jp/toppage.asp

10"Definition Quiz." by Tetsu Suzuki

Target: To enhance vocabulary and to let the word definitions known
Tool to use: learners' English-English dictionaries, electronic or paper
Number of participants: any, individuals or teams
Level applicable: from introductory up to advanced
Dictionaries recommended: Longman Dictionary of American English, ISED
Procedures:
1. First player gives the initial of the word that he or she chooses from a dictionary.
Example: "It begins with 'v'."
2. First player gives the part of speech of the word.
Example: "It is a noun."
3. First player reads the definition of the word in the dictionary.
Example: "all the words that someone knows or uses" (Answer: vocabulary)
4. A player who answers first get a point, and play for the next round.
5. A player or a team who gets a highest point is a winner.
Remarks:
1. Those who made a second mistake for a round may lose one point.
2. Beads may be used for counting points.
3. Numbers of team may vary for competence of players.
4. Players should choose words that they know.
5. Demonstration may be done by Tetsu Suzuki upon request.

11

12

13

14

15

あなたのTIPSを募集中 メールで ainuzuka@tcp-ip.or.jp 犬塚まで送ってください。 上のTIPSについての意見も歓迎です。