ビデオによる授業公開発表要旨

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小学校における楽しい英語学習を求めて
村松小智子(西尾市立花の木小学校) 
 本校では、文部省指定を平成8年度に受け、外国の人と積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成をねらいとした英語学習の研究に取り組んでいる。
 1 授業時間数
  ・平成8?10年度  全学年 週1時間 年間35時間
  ・平成11年度?  継続  <1・2年のみ 週2/3時間(30分)に変更>
 2 授業形態
  ・学級担任が授業案を作成して行う。スキット場面のみTT(SAT制)
   ・隣の学級の先生がスキット場面で登場する。(SAT:スキット・アシスタン
    ト・ティーチャー)
   ・AET(年間12週来校)がいるときは、AETがT1、学級担任がT2となる。
 3 授業展開の基本
  @あいさつ  A歌  Bリズムチャンツ  C復習ゲーム  
  D本時のスキットと練習  E本時のゲーム  F感想(自己評価) Gあいさつ
 4 手作り教材の開発・工夫
  ・身近な生活場面でのスキット    ・チャンツの工夫(ウッドブロック)
  ・活動を取り入れたゲームやオリジナルゲーム・高学年のスキット作り
  ・視聴覚機器の活用(リスニングテープ) ・修学旅行や来校者との英会話体験

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生徒の活躍場面を目指した授業
二宮治男(海部郡佐織町立西中学校)
※ はじめに 
生徒は、教師が生徒に求めている以上に、英語でのコミュニケーションを気楽に楽しみたいと願っている。
※ 私が実践した授業
修学旅行で見つけたものをALTやみんなに紹介しよう!
「Show and Tell」ヒントになる英文を出しながら、あててもらう授業を展開。
※ 主な指導計画について
1 事前指導  修学旅行中に紹介したいものを見つける。写真にとる。 例 ユニークなもの 、伝統工芸品
2 何を紹介したいかテーマを班ごとに決める。
3 ヒントとなる英文を作成する。 スキャナーで、写真やパンフレットなどを読みとる。WORDに挿入し大きく拡 大する。発表の役割分担決め
4 ALTやみんなにヒントを出しながら当ててもらう。
※ 実践を終えて
○ 知らず知らずに、英語をしゃべっている。自然の内に雰囲気作りができた。
○ 自分たちが伝えたいことを「話す」活動にリンクさせることができた。
○ 質問内容が定型化してしまった。

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教師によるStory-tellingで生徒の英語受容態度の変化---NNS英語教師のrole modelとしての機能---
鈴木克彦(名古屋大学教育学部附属中・高等学校)
 授業始まりの5分間で、教師によるstory-tellingを行ない、生徒に若干の活動をさせた。
 story-tellingと聞くとnative ( NS ) でさえ特別の才能や技術が要し、non-native ( NNS )にはできるものではないと考えるかもしれない。また、EFL環境下における日本の学校英語の枠内では、listening能力が優秀な生徒でなければstoryを理解できそうにないとも考えるだろう。 EFL環境下でのstory-tellingの概念を緩やかに捉るべきである。Storyとして語ることができるものは何でもstory-tellingになると私は考える。また、指導法にさまざまな工夫をする必要があることは確かだが、決してNSでなければできないことはない。私の場合、英語は流暢でもないし、発音が良い訳でもないし、しかも英語教師でありながら、英語を話すのをあまり得意としない。それならば、NSによる英語のテープやビデオを聴視させた方が効果的ではないかという批判が出てきそうだ。しかし、生徒たちは、テープで聞くNSの英語に示したのとは明らかに異なった反応を私のstory-tellingに示した。
 生徒たちは私の個人的な失敗談やへたな創作物語を聞いて、笑ったり、話し合ったりした。英語を聞くことは彼らのnarrative mindを満たし、もっと聞きたいというリクエストを多く得た。とつとつとした語り口だが、身振りを大きく、話の内容を明快にすることで、私のパーソナルな話題を含むstory-tellingに生徒たちは大いに楽しんだ。
 この研究発表ではNNS英語教師ののrole model としての機能を中心にした議論と生徒の最近接発達領域( ZPD )と教師のscaffoldingについても言及したい

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衛星放送を用いた高専間双方向授業の実践
高橋薫(豊田高専) 亀山太一(岐阜高専)
 マルチメディア社会に対応できる高等教育システムを教育現場に導入しようという動きがインターネットの活用等により、ますます高まっている昨今、高専においても、「多様なメディアを高度に利用して行う教育の内容、方法等の研究及び開発」を目的として、衛星通信の映像交換による高専間ネットワークが構築された。
 東海地区では、鈴鹿・岐阜・豊田高専が、衛星放送による双方向授業を行ってから2年目に入る。
 そこで、今回は衛星放送による授業で、具体的に行われた授業形態についての実践報告を行う。
 とりわけ、パソコン等の電子機器を駆使してのプレゼンテーションである点、衛星授業のみならず、今後の映像による授業形態のあり方に幾分示唆的な部分を持つであろう。
 発表の前半では、インターネットによる教材の配信やら、パソコンによるプレゼンテーションのあり方、さらには双方向の授業形態について工業英語の文法講座を中心に豊田高専が紹介する。
 また、岐阜高専による後半では、最新の機能の持つパソコンにより動画編集ソフトを駆使し、人気映画のせりふを通して生の英語の聴き取りに挑戦してもらいながら、その映画のエピソードや文化的な背景についての解説を加える。