rubric

ルーブリック

リーブリックとは

 ルーブリックとは、成功の度合いを示す数値的な尺度(scale)と、それぞれの尺度に見られる認識や行為の特徴を示した記述語(descriptor)からなる評価指標のことを言います。
(田中耕冶編『よくわかる教育評価』ミネルヴァ書房2005より引用)



黒上晴夫(くろかみ・はるお)
関西大学総合情報学部教授の提唱する考え
http://www.justsystems.com/jp/school/academy/hint/rubric/ru01_01.htmlより引用

ルーブリックを使ったパフォーマンス評価

1で述べたルーブリックの考え方を使って、評価基準表を作ってみました。 
(単元『日本文化を紹介しよう』における2つのパフォーマンス評価:★ALTに日本文化を紹介する会話☆ALTに日本文化を紹介する英作文のための評価基準です。基本的に学習に入る前に生徒にも提示して学習の目標とさせ、自己評価ならびに教師によるj評価をルーブリックを用いて行うのに使います。したがって生徒の学習意欲を高めるための評価になるような表現にしてあります。)

★ALTとの会話において(会話の観察)

評価の観点 評価規準の考え方 評価規準 S
(評価Aの生徒へのさらなる目標)
ア、コミュニケーションへの関心・意欲・態度 @言語活動への取組 ALTに日本文化を紹介する会話に意欲的に取り組むことができる。  Aであげた@〜Cのすべてを満たすとともに、意欲的な態度や雰囲気を作ることができている。  @日本文化紹介の文を暗唱していてノートを見ずに話している。AALTとのアイコンタクトがある。B資料を指さしながら話している。C相手に十分聞こえる音量で話している。
 以上すべてが満たされている。
 Aであげた@〜Cのうち、2つは満たされているが、他は十分ではない。
 例)ALTとのアイコンタクトはあり、十分大きな音量で話しているが、残念ながら英文の暗唱が不十分でノートを少し見ながら英文を読んでしまい、そのために資料を指さすこともできていない。
 Aであげた@〜Cのうち、満たされているのは1つ、あるいはまったく満たされていない。
 例)ノートに書いた英文を大きな声で読んでいるが、ALTのほうを見たり、資料を指さすことができない。
Aコミュニケーションの継続 ALTとの質疑応答をスムーズに続けることができる。  まったく間を空けずに会話を継続していくことができる。会話の主導権を取り、相手の立場になって会話を進めることができる。  必要に応じて次のコミュニケーション・ストラテジーを使うことができ、間を空けずに会話を継続することができる。
 @質問内容がわからない時に聞きなおす。Aわからないときはわからないことを伝える。B言いたいことが言えないときに別の表現を探したり、ジェスチャー・絵などを使う。C間を空けないように、言葉をつなぐ。
 長い沈黙(間)ができることはあるが、なんとか会話を途絶えさせずに続けることができる。
 Aにあげた@〜Cのストラテジーを1つ以上使うことができる。
 Aにあげた@〜Cのストラテジーを使うことができず、会話が止まってしまう。会話が止まってしまうと自分から立て直せず、ALTの手助けが必要になる。
イ、表現の能力 @正確さ ALTに説明した英語の内容が十分相手に伝えることができる。  伝えたい内容のすべてが相手に伝わり、ALTがその内容に非常に興味をもってくれる。  伝えたい内容がすべて相手に正しく伝わり、ALTからの質問はさらなる疑問についてのものがほどんどである。  伝えたい内容はほぼ相手に伝わったが、不十分であり、ALTからの質問の多くがその内容の確認である。  説明している内容が分からないという様子が多く見られる。ALTからの質問も内容の確認のみである。
A適切さ ALTとの会話において、適切な英語表現を使うことができる。  ネイティブに近い発音と流暢さ、スピードで会話を進めることができる。  正しい発音で流暢に英語を話すことができる。  ほぼ正しい発音で英語を話すことができる。会話中、2・3の発音間違いやイントネーション等の乱れ・日本語のような発音がみられる。  正しく発音できない単語が多い。英文を読むとき、ごつごつと読むので意味が取れなくなる。
ウ、理解の能力 @正確さ          
A適切さ          
エ、言語や文化についての知識・理解 @言語についての知識          
A文化についての理解          

☆日本文化紹介の英作文(作品の評価)

評価の観点 評価規準の考え方 評価規準 S
ア、コミュニケーションへの関心・意欲・態度 @言語活動への取組 外国人に日本文化をわかりやすく説明しようとしている。  資料に図や写真以外の物を使ったり、説明のしかたにさらに工夫をこらして分かりやすくしている。  資料(図や写真)を使い、さらに外国人を意識した説明のしかた(日本と外国の比較など)をしている。  資料(図や写真)を使って日本文化を説明している。  日本文化を説明しているが、資料がない。
Aコミュニケーションの継続          
イ、表現の能力 @正確さ 文法的に正しい英文を書くことができる。  ネイティブのような豊富な表現を使いながら正しい英文を書いている。  書いた英文清書に文法的に間違った文がない。  書いた英文清書に間違いがあるが、つづりの間違いや簡単な文法ミスであり、意味は通じる。  書いた英文清書に大きな文法ミスがあり、意味が通じないことがある。
A適切さ          
ウ、理解の能力 @正確さ          
A適切さ          
エ、言語や文化についての知識・理解 @言語についての知識          
A文化についての理解 日本の文化について十分に知識をもっており、理解ができている。  日本文化についての知識が十分あり、外国人にうまく伝えるためのノウハウをもっている。  日本文化について興味をもち、詳しく調べたりして豊富な知識をもっている。  日本文化について一般的な知識をもっている。  日本文化についての知識が間違っているか、欠けている。