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インターネットの教育利用(参加・交流)のまとめ

1 先行研究から学ぶ

◎沖縄市立美東小学校 甲斐 崇

 交流学習のねらい
   @問題解決的なアプローチが網羅されている。
   A価値を共有・比較でき、多様な考え方を知り、自らの考察を高めることができる。
   B相手を意識した表現力が身に付く。
 交流学習の実践の方策
   ホームページをベースにした交流学習では、お互いの考えや課題を出し合うことで、離れた学級が1つの学級として「共通の学習」を作ることができる。子ども達は、お互いの意見や考えを比較したり、共有したりすることを通して、価値の多様化を図ることなどが期待できる。こうした交流を支える情報手段として、電子メールや電子掲示板、テレビ会議システムなどが有効だと考える。
 交流ホームページ
   交流ホームページには、紹介ビデオ、両校のこれまでの学習過程、テレビ会議などの様子、子ども達がまとめたことなど、すべてが見えるように工夫した。
 今後の課題
   @コミュニケーション能力の育成 相手に自分の考えを伝えるなどのコミュニケーション能力は日常的な活動でも指導が必要
   Aデジタルポートフォリオの活用
   B情報モラルの継続的な指導
   CITを活用した「確かな学力」を 「ただ使えばいい」のではなく、「子ども達にどのような力をつけさせたいのか」「ねらいを効果的に達成するためにはどうしたらよいのか」という発想に立ち、ITを活用した授業開発・教材研究が必要。

◎小中学校のインターネットの活用に関する研究 広島市教育センター

 インターネットを活用した交流学習の基本的な考え方(留意点)
   @インターネットの特性を生かす ・・・地理的な隔たりや時間的な制約を解消することが可能。子どもの視野を広げたり、柔軟な発想を養ったりすることができる。
   A交流学習のテーマを明確にする ・・・学習の深まりが期待できる。
   B相互に意味のある交流学習にする ・・・相手の期待している内容を十分に理解し、相互に情報交換が行われる必要がある。このことで、継続的な深まりのある学習が可能になるとともに、相手意識をもって情報を発信・伝達する力を育成することが可能となる。
 コーディネーターの役割
   @交流を希望している学校の交流テーマにふさわしい交流相手を紹介する。
   A地域間の法令、慣習、文化等の違いを把握し、双方の教師に周知させる。
   B交流学習を学習指導過程のどこにどのように位置付けていくのか、その目的と学習指導計画について双方の教師と調整する。
   C教師間のコミュニケーションがスムーズに図れるような手立てを提案し、実施の際の支援を行う。
   D必要に応じて電子メール、掲示板、テレビ会議等の情報手段の特性を教師に周知させ、活用の支援をする。
   E交流学習の実施に際しては、必要に応じて事前準備や授業に立ち会い、実施のための技術的な支援を行う。
 打ち合わせ会の実施とその目的
   @交流校の相互の教師が面会することで、相手を知り、今後の打合せのきっかけを作るとともに、今後打合せがスムーズに行えるようにする。
   Aコンピュータ研修室を用いて、テレビ会議を実演し、テレビ会議システムの操作法とシステムの概要を理解する。
   B双方の学校の実践を交流し、相互理解を図るとともに交流の内容を吟味する。
 テレビ会議システムの留意点
   @動き回って教室が振動すると画像が乱れる。
   A音がはっきり聞き取れないことがあるので、ゆっくり、はっきりと発言する。
   B映像や音がうまく出ないときもある。音が出ないときはチャットで対応する。
 テレビ会議の成果
   @意見が広がるので小規模校には有効な手立て
   A相手の顔が見えているので、相手に伝えようという工夫が生まれた。
   B集中できていた。

◎中学校におけるマルチメディア活用〜テレビ会議システムを活用した学校間交流学習の実践 徳島市 コンピュータ教育研究グループ中学校班

 テレビ会議システムを活用した交流学習「平和学習」
  役割 カメラワーク2名 司会進行2名 問題提起2名
  進行表(司会者等のセリフ例)
   司会 これから、○○中学校と「平和学習」をテーマにテレビ会議を始めます。まず、○○中学校から発表してください。
   発表@ 「戦時中の人々のくらしと食文化」
   司会 では、○○中学校の司会の方にかわります。
   司会 つづいて、○○中学校より発表します。
   発表@ 「戦争中の人々のくらし」
   司会 ありがとうございました。つづいて、○○中学校より発表します。
   発表A 「第2次世界大戦と戦争の恐ろしさ」
   司会 ありがとうございました。
   司会 では、話し合いに移りたいと思います。どちらの学校からでも結構です。
   司会 はい。こちら○○中学校です。意見があります。よろしいですか。
   司会 はい、どうぞ。 
    (中略)
   司会 たくさんの意見をありがとうございました。今日は学校のわくを越えて、意見を交換できてよかったです。
   司会 これから、平和掲示板について、使い方を説明します。本校のホームページにアクセスしてください。(中略)
       これからも掲示板を使って、平和についての交流をしていきましょう。
 テレビ会議システムを活用した授業の成果
   @相手校の学習内容を知ることができ、視野が広がった。
   A学習課題に対する興味・関心を高めることができた。
   B相手の思いを受け止め、それに対する自分の考えを表現できるコミュニケーション能力の育成が図れる。
 今後の課題
   @交流したい学校にテレビ会議システムがないなど、限られた学校同士の活動になってしまう。
   A準備・打ち合わせにかなり時間がかかる。
   B意見交換をしやすくするためのカメラワーク(どこを映すか)や音声が明瞭に伝わるような配慮、生徒の座らせ方、証明の工夫、資料提示の工夫等が必要である。
   C単発的な授業にならないよう、事前、事後指導を計画的に行う。
   D会議というより、お互いの学習した内容の発表会になり、意見交換が少ない。
   E意見交換では、話し合いの進行を教師主導にするのか、生徒に任せるのか、教師の支援をどうすか、検討が必要。

◎小学生における英語活動と中学校選択英語の異校種間交流学習 仙台市教育センター

 テレビ会議の実施タイプ

タイプ <遠隔授業型>
一方にゲストティーチャーを招き、その様子を中継する。
<発表会型>
お互い発表資料を準備しておいて、発表・質疑を行う。
<討論型>
テーマを決めてお互いの立場から討論をする。
<打合せ型>
共同制作・企画などに向けて、お互いの活動を報告・調整する。
メリット 遠方の人をゲストティーチャーにできる。 自分たちのことを知らない相手に伝え・評価される経験ができる。相手に伝えるために学習が深まる。 地域や取組の違いをいかした話し合いができる。相手を説得するために学習が深まる。 目的意識をもった話し合いができる。相手の役に立つ実感をもてる。
デメリット ゲストティーチャーに任せっきりになり教師が介入しづらい。 その場で質疑をするのが難しく、一方的になりがちである。 意見の対立で終わらない展開の工夫と関係づくりへの配慮が必要。 具体的なゴール設定が必要になり、長期間の交流が前提となる。

 テレビ会議を行う際の留意点
   (1)機器の設置について
     @テレビの向うと視線を合わせる:相手の映像を写すスクリーン、テレビ会議システム、話者が一直線に並ぶようにする。スクリーンの相手を見ると、自然にカメラ目線になる位だと話しやすい。
     A事前の接続チェックは本番同様に:事前に接続はうまくいっても、本番でマイクやスピーカを接続すると音声がハウリングを起こしてしまうことがある。本番同様の環境でテストするようにする。
   (2)話し方・進め方について
     @ゆっくり大きな声で話す:相手の顔を見て、伝わっていることを確認しながら話せるように指導する。
     A聞いていることをアピールする:返事・相づちなどは画面を介しても伝わるように大げさに返す。
     B一方通行にしない:一方が延々としゃべるのではなく、途中で相手に確認したり、一旦回線を切ってそれぞれで話し合う場面を作ったりするなど、じっと聞いている時間は多すぎないようにする。
     C使用形態を使い分ける:学習のまとめの発表ならクラス対クラス、活動の打ち合わせなら課題別のグループ間で、自己紹介は1対1にするなど、学習課題と相手意識のもたせ方によって形態を工夫する。

 交流学習を始めるためのチェックリスト

準備 1、交流相手を見つける
 □見つける手段(教師向けメーリングリスト・学校のWebサイト・知り合いの教師)
 □地域・学年・教科・児童生徒の人数など基本的な情報を交換する。
2、交流の素材・テーマを考える
 □地域・学年・取り組みなどの違いが引き立つ素材やテーマ
 □共同調査・観測・栽培など、比較することで学びが深まる素材やテーマ
3、使用できるメディアを選ぶ
 □テレビ会議・Web掲示板など、使用できるツールと、その使用可能な頻度・タイミングをリストアップする。
 □タイピング、プレゼン、コミュニケーションに関する児童生徒の事前スキルを確認する。
4、具体的な交流の流れをイメージする
 □共同調査・観測・栽培、共同制作など、一緒にできる活動は何か。
 □お互いのメリットになる活動は何か。
 □交流のおおまかなスケジュールを立てる。
5、ねらいを位置づける
 □交流によって特に育てたい力・気づきを明確にする。
 □コミュニケーション力・情報活用能力を交流活動に位置付ける
 □教科・総合のカリキュラムに交流テーマを位置づける。
実践 6、学習者のコミュニケーション・スキルを磨く
 □メディアの特性を理解させる(文字・音声・映像・実物/ リアルタイムかどうかなど)
 □伝わること、伝わっていないことに気付かせる工夫(相互評価など)
 □繰り返し体験・練習できる機会をつくる
7、学習者間の仲間意識を育む
 □自己紹介カード、直接交流などで相手を知る機会を設ける。
 □相手の役に立った成就感を味わわせる。
 □感謝の気持ちを相手に伝える。
8、コミュニティをデザインする
 □学び会が成立するようにグループを調整する。
 □自分の役割を意識させる・活躍の場を与える。
 □交流相手との情報共有だけでなくクラス内での情報共有を図る。
9、追究の質を高める
 □お互いの地域・活動でしか得られない情報を発見させる。
 □比較することで違いに気づかせる・つながりを考えさせる。
10、振り返る・展開を見通す
 □自己評価、クラスで活動を振り返る時間を設ける。
 □ステップ6〜9の達成度合い・進捗状況を確認して、スケジュールを見直す。
前提 0、教師間の連携を図る
 □活動の状況、児童生徒の様子を報告し合う。
 □相手校の児童・生徒を含めて、教師のかかわり方・役割を確認する。

2 愛知県総合教育センターでの「参加・交流」研究における知見

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