付知峡のニホンカモシカ

私たちは、動物絶滅を調べているグループの代表として、ニホンカモシカについて発表します。
tsukechi01.jpg (24651 バイト) この写真を見てください。これは、私たちが来年の夏休みにキャンプしにいく付知峡という場所です。キャンプ場は森林キャンプ場といい、キャンプ場の真ん中に川が流れているところです。付知峡は岐阜県の恵那郡付知町というところにあります。森林キャンプ場の近くには不動滝という滝も見られるそうです。ここにはヒノキの原生林があり、ヒノキは昔からこの地方の産業の中心でした。
tsukechi02.jpg (36358 バイト) しかし、そこで問題が起こりました。それはニホンカモシカとの共存の問題です。ニホンカモシカは、カモシカという名前から鹿の一種と思われがちですが、分類上は牛科に属し、最も原始的な姿をしている日本にだけ住んでいる珍しい動物です。

中国地方を除く本州、四国・九州のごく一部の山岳地帯に住んでいます。肩までの高さが60から70センチメートル、体長は1.3メートル程度で角は少し曲がっていて毛皮はふさふさとしています。

ニホンカモシカは好奇心が強く、人間をおそれず昔から肉と毛皮の狩猟の対象になり、乱獲により絶滅の危機におちいっていたことがありました。そこで1955年に国の特別天然記念物に指定され保護されはじめました。その後、ニホンカモシカは森林、特にヒノキを食べるようになってしまいました。このことから自然の中で栽培してる苗木などが育たなくなり、ましてや枯れるというのが現状となっています。そのため1979年に天然記念物指定を一部の地域に限定し、個体調整として年間1000頭の捕獲が認められるようになったのです。

gakunen17.jpg (9590 バイト) そこで、付知町役場に先生が問い合わせたところ、付知町でもニホンカモシカの被害があることがわかりました。特に冬にえさがなくなるので、ニホンカモシカは伐採した後に植えたばかりのヒノキの苗木を食べてしまうそうなのです。そこで、その被害が大きくなる前に毎年付知町だけで20頭のニホンカモシカを撃ち殺しているそうです。
私たちが自然を楽しみに行くキャンプ場のまわりでは、このように天然記念物のニホンカモシカと、その食べ物であり人が材木にするために植えたヒノキの間で、いろいろな問題が起こっていることを知っていたいと思います。そして、人間と自然との関係をもう少し考えていきたいと思います。

これで動物絶滅についての追究グループの発表を終わります。