シンポジウム「日本の技術史をみる眼」第17回

地名の産業遺産と地域文化

−大井川流域初期の発電所遺構の歴史的価値と地域文化−(終了)



地名(じな)発電所

大井川中流の中川根町地名には、明治43(1910)年に発電が開始された地名発電所の遺構が残り
、赤煉瓦の発電所建物や隧道などの水路跡が当時の面影を偲ばせています。この発電所は明治の
財閥大倉喜八郎によって、島田に建てた東海紙料(現東海パルプ梶jに電力を供給するために建
設されたもので、大井川水系では上流の小山発電所(明治43年)に次いで2番目の発電所という
由緒あるものです。
 地名発電所は、下流の笹間渡に発電所ができたことにより、昭和6(1931)年にいったん閉鎖さ
れますが、第二次大戦後に再開され、昭和36(1961)年に閉鎖されるまで運転されました。
 地名に発電所が出来たことによって、地名地区は大井川中流域の物資集散の要所となり栄える
ことになります。とくに大正15(1926)年に開通した川根索道による物資輸送では中心地としての
役割を担い、地名の経済、文化に大きな影響を与えていきます。その索道の名残である保安用の
小トンネルも大井川鉄道の地名駅横の線路上に「日本一小さなトンネル」として残っています。
このように地名地区は、近代的な産業が大井川水系を体系的に利用する先駆の地として、かつ
その歴史の証となる産業遺産がまとまって残っている地として注目される地区です。また大井川
水系の初期の発電所群は、わが国の電源開発史上重要な意義を持っており、この点からも注目さ
れています。
本シンポジウムはこのような視点から、現存する産業遺産の歴史的価値について報告し、産業
遺産と地域文化について語り合いの輪を広めるきっかけにしたいと考えています。

  主 催 中部産業遺産研究会・産業考古学会
  協 賛 中川根町
  後 援 静岡県教育委員会、日本産業技術史学会、(財)中部産業活性化センター、(社)中部開発センター、大井川鉄道(以上予定)

開催期日:1998年9月26日(土)〜27日(日)

[26日]シンポジウム:13:30〜17:00 地名集会所(静岡県榛原郡中川根町地名)

        大井川鉄道・地名駅下車・徒歩3分
  (地名発電所遺構見学会:11:15 地名集会所集合)

 基調報告:「地名発電所遺構の歴史的意義」大河内信夫(静岡大学教授)
報告1 :「地名発電所の煉瓦造建造物」 水野信太郎(金沢学院大学助教授)
報告2 :「地名発電所の水路遺構」   平原国男(産業考古学会)
報告3 :「地名発電所の発電設備」   中住健二郎(中部産業遺産研究会)
報告4 :「地名の交通と運輸−架空索道と舟運と島田軌道および大井川鉄道−」
                 堤 一郎(小山職業能力開発短期大学校教官)
報告5 :「地名の産業と経済・文化」  板谷 幹(地名区 元区長)
パネルディスカッション:「地名の産業遺産と地域文化」
  パネラー:水野信太郎、平原国男、中住健二郎、堤一郎、板谷幹、
         地名地区から1〜2名
  コディネーター:大河内信夫    (敬称略)

座談会 9月26日 19:00〜21:00(会場:地名集会所)

[27日]見学会: 集合 8:00 大井川鉄道・地名駅前


  地名駅8:15発→千頭駅8:43着→バスで千頭8:45発→車中より日英水力小山発電所跡見学
 →井川線奥泉駅9:16発→アプト市代駅9:25着(アプト機関車・現存最古の鉄道吊り橋など
 見学)→アプト市代駅10:28発(アプト区間乗車、私鉄で日本一高い関の沢橋梁通過)→
 井川駅11:30着(昼食、井川展示館に林業、発電の歴史)→井川駅12:25発(61本のトンネル、
 長島ダム工事中見学)→千頭駅14:14着(イギリス式転車台、9600型SL、千頭森林鉄道
 の跡ディーゼル機関車など見学)→千頭駅14:50発SL乗車→金谷駅16:09着(解散)

1・シンポジウム

開催期日:1998年9月26日(土)−終了−
  会  場:地名集会所(〒428-0305 静岡県榛原郡中川根町地名・tel 0547-56-0507)

11:30〜12:30 見学会(地名発電所の煉瓦建物、水路跡、隧道跡、索道保安用トンネルほか)
                     (注)見学会参加者は弁当持参

[シンポジウム日程]   ※会場案内
13:00〜  受付(地名集会所)   地名集会所へは、
13:30〜13:40  開会行事 大井川鉄道地名駅下車、徒歩3分
13:40〜14:00  基調報告  
14:00〜15:15  報告1〜5 [交通案内] (大井川鉄道時刻表)
15:15〜15:30  休憩  金谷駅発 10:23→地名駅着11:05
15:20〜17:00  討論   11:27→ 12:07
17:00      閉会  12:30→ 13:11
 
[座談会] 19:00〜21:00(会場:地名集会所)      地名駅発 17:22→金谷駅着18:00
 17:58→ 18:36
2・宿泊先    18:33→ 19:05
「地名集会所」(tel 0547-56-0507)   (JR接続時刻は各自でお確かめください)
〒428ー0305 静岡県榛原郡中川根町地名
簡易宿泊 1泊2食付き 3500円(予定)
3・参加費用
 シンポジウム参加費:無料
10/27の見学会運賃他:6,000円(予定)
見学会昼食弁当:1,000円
 講演報告集:1冊 1,000円

4・参加申し込み
次の項目について、ハガキに貼付またはfaxか、E-mailで参加申し込みをしてください。

参加申し込み:氏名、郵便番号、住所、電話、シンポジウム参加の可否、見学会の参加の可否、座談会参加の可否、宿泊予約、報告集の希望の有無についてご連絡下さい。 

※申し込み締め切り   1998年9月20日(日)

 (当日参加もできますが、宿泊および見学会参加希望者は、この日までに申し込みをお願いします。


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Last Update:1998/7/22


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Update : 1998/7/20