蓬莱学園の冒険!! 日記
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9月24日、ノクターン(夜想曲)
 今日は戦術研カウンターテロ訓練の日。最近テロ活動も従来のシステムでは対応できなくなってきている。巡回班や、銃士隊では対応できない銃火器を使ったテロが頻発してきている。学防軍では、インドア戦に長けているとはいいがたい。戦術研はカウンターテロに絞った特種部隊。そのために特殊な装備、戦術訓練が必要なのである。

 18:00弁天図書館集合。戦術研メンバーが定刻に集合。A・B・C斑メンバーと共に館長に挨拶。D斑は別室。弁天図書館の第13会議室に集められていた。委員会メンバーにも手伝ってもらって弁天図書館を閉館。周辺から一般生徒退去させる。CA(クライシスエリア)にテープを張り巡らせ、警備を巡回班にまかせる。安全を確認した後、装備点検。ブリーフィングがはじまる。  戦術研では、SASに習ってフォーマンセルを基本的に採用している。つまり4人一組なのである。ちなみにESWATはツーマンセル。

   A斑は、矢木沢 美由紀。長門秋穂バッテリングラム、フーリガンツール。北条幸和。西家聖。

 B斑、大河原順平。橘義明。如月ジョニー。市村秋螺、ファイバースコープ。

 C斑「ナイトメア・チーム」、神崎涼、M4A1、スタングレネード。高槻マリア、C斑はM4A1で援護。三村弥助。深町 れいふ。

 D斑はテロリスト役。楠橋浩太朗、装備は貧乏なテロリストということで、銃はAK47。手榴弾を2個にコンバットナイフ1本。  李永秀、AK47-Sと予備マグ4つ、F1手榴弾3つ、トカレフ&予備マグ1つ、コンバットナイフで行こうと思います。あと手榴弾は3.2秒フューズに統一しておいた方がいいでしょう。  浜丘麻矢私はイングラムM10とベレッタ。  有栖川は、AK47-Sと、ガバ。
 人質ロボのAIアルゴリズムは図書館によくいる「病弱な眼鏡っ娘」図書館で充電中の「ドジな掃除好きな女の子」を用意。  

060 18:30より訓練開始。D斑展開。ブリーフィング開始。
 楠橋浩太朗班長から有り難いお話。
 「我々の要求は食料と逃亡用のヘリだ。しかし、要求が通る見込みはない。おそらく連中は特殊部隊を突入させ、事態を一気に解決するつもりだろう。そこで作戦は、この建物からの脱出を第一に考える ことにする。まず、退路の確保。トイレや宿直室を探し下水道に繋がるマンホールを探す。なければ裏口の付近にあるはずなので確認しておく。次に警備装置を確認、これは宿直室にあるはずだ。スプリンクラーをいつでも使える状態にする。退路にある物は水が出ないようにしておく。配電盤を確認、メインのブレーカーをオフ、その他を全部オンにする。各部屋のコンセントにコードを付けておく。むき出しにした電線はなるべく部屋の中央に置いておく。次に、全ての階段に机や椅子でバリケードを作り、2階からの進入を防ぐ。玄関や各部屋の窓も同様に塞いでおく。人質は退路近くの部屋に置き、部屋にはトラップを複数用意する。ここまでを可及的速やかに行う。作業中に敵が侵入した場合には遅延行動をとりながら退路まで下がること。 最初の敵が侵入したらその約10秒後、スプリンクラーを作動させる。作動後20秒でブレーカーをオン、速やかに撤退する。人質は出来るだけ連れて行くが、最低1名は遅延行動のため置いていく。退路が裏口外のマンホールしかない場合、発煙手榴弾を室内で使用、ドアを開けてその煙に紛れて脱出する。狙撃手が必ずいるので頭は低くしておく。その他の場合は各人の判断に任せる。戦闘は出来るだけ派手に見せること。居場所を特定させないこと。成功の可能性は低いが、決して最後まであきらめないこと。」
「生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪過の禍根を残す無かれ」
以上

18:50より、戦術研A・B・C斑、各配置につく。
 深町はファイバースコープを仕込もうと思ったが、ふと嫌な予感が……。思ったとおり、感圧式のセンサーが仕掛けてある。壁にもたれ掛かると、壁ごと吹き飛ばされるやつだ。こいつは厄介。他にも特種部隊がポジション的に壁に張り付き易いところには仕掛けてありそうだ。
「ナイトメア2。仕掛けバカがいます。窓やドアからの突入は諦めた方が良さそうです。神崎涼さん、デト・コード(PE)で、爆破突入。」
 C斑が壁に腸を人が通れる形に仕掛ける。 あの調子だと、入り口の爆破は難しいだろう、人質まで爆破しかねない。万一爆薬が効かなくて、C斑の援護なしでA・Bが突入では犯人に射殺されるかもしれない。
 「Aチーム、テログループ2名確認。人質1名確認。移動しています。」

19:13、突入。
 突入訓練が開始された。A斑は窓から突入。まずグレネードでガス弾を打ち込む。もちろん気管支の弱い人質もいるので偽装擲弾。だが、煙りを見た人質が条件反射でで咳き込むが、実際は無害なガスだ。
 「人質がいるのにガス!!」と慌ててガスマスクに手をのばそうとした時。しまったと思ったがすでに遅かった。慌てて右手を差し出してしまった。次の瞬間、窓から飛び込んでくる。グリップに手をかけていなかった分遅れてしまった。
 「しまった!ハンドガン!!」Ak-47にスリングをつけていたのがまずかった、肩からかけていたので、つい手を離してしまったのだ。しかも、相手が悪かった。長門秋穂が着地するまでに、有栖川は右手から脇腹にかけて、派手に撃ちこまれてしまった。長門は無理な姿勢で飛び込んだ分、派手に頭から落ちてしまったが、プロテクターのおかげで着地と同時に、すぐに身を隠す行動が出来た。先ほどの着地した場所に銃弾が。すかさず牽制の3点バースト。楠橋は慌てて頭を低くする。続けざまに矢木沢が着地して来る。と同時にダッシュ。その時館内の照明が落ちる。B斑が予定通り電源を落としたようだ。矢木沢の発砲がなかったので、西家、北条の二人が同時に突入。ロープが絡まないように高度な操作が必要な突入。二人が回り込む。
 楠橋は少人数である以上トラップに頼らざるを得なかったのであるが、短期間にこれだけ良く仕掛けれたと自分では思っていた。しかし、予想以上にこれ程早く突入してくるとは……。もうあと2分……。頼りの電流トラップは無効化されるとは思ってもいなかった。先に照明を落としていれば、主電源を落とすような事はしないと思っていたのだ。が防犯システムが次々と沈黙していく。壁が吹き飛ぶ映像が一瞬写ったが、今は砂の嵐だ。無停電電源でどれだけ持つか。予備の自家発電も殺されていた。自ら幕をひくか……。ツーマンセルは人質とるには不利か。なんとか合流出来れば。
 追っ手の人数を減らすために楠橋は人質をA斑に解放しての足を撃った。そして浜丘たちに合流すべく逃走を試みる。
 「A斑です。すみません、人質が犯人に撃たれました。」死人では意味がない。撃たれた怪我人なら最低二人は拘束出来るだろう。援護と応急手当て。通常CAには救急隊員は入っては来れない。長門が周囲を警戒する。矢木沢が止血などの応急手当てを施す。

   同時にB斑も突入。爆破された壁に二人通れるほどの穴があく。サポートの市村が弁天図書館全体の電源をカットする。館内が曇り空の中薄暗がりに包まれる。警備室が占拠されている以上防犯システムを利用されては突入は危険だ。穴の中へ、グレネードがさらに撃ちこまれる。これも偽装擲弾。閃光と大音響が響き渡る。ノンリーサルウェポン。非殺傷兵器は犯人を生かしておきたい場合も有効だが、人質がいる場合でも比較的安心して使用出来る。

 浜丘は突入してきた特種部隊に対して、ひたすら弾をばらまいていた。もともと狙って撃っても当たらないイングラムを手だけを出してそこら中にばらまいていた。壁際に跳弾がチュンチュン音をたてる。だが、3本目のマガジンを装填したイングラムが顔を出した時、高槻によって狙撃された。浜丘も手の痛みを我慢して、左手でベレッタのセイフティーをはずす。その隙に大河原と如月が展開する。橘が人質までダッシュする。李が人質を盾にAK−47で応戦するが人質が邪魔でうまく当てられない。その時思わぬ方向から神崎によって狙撃されてしまった。橘は決死のアタック、人質まで走り、棒立ちの人質を突き倒して伏せさせる。その上にかばうようにサポートに入るが、浜丘がそのチャンスを見のがさない。ベレッタを3発連謝する。利き腕以外のシューティングも練習していた甲斐があってかなんとかヒットさせる事が出来たが、ボディーアーマーとレッグアーマーにヒットしてる。無事に人質は守ったようだ。そして、三村によって浜丘も射殺された。

 残る楠橋は他のメンバーと連絡がとれないので、合流を諦めてひとり逃走。なんとか一般生徒に紛れ込めれば……しかし、西家、北条に追跡されていた。
 「御苦労さん。バイバイ、テロリスト」あと少しと云うところで背後から楠橋は声をかけられた。しかし、振り返る事なく背中に二人分の銃弾を浴びる事になる……。
19:25、テロリスト排除確認。12分で排除出来た訳だが、まだまだ遅い。SASならものの数分。だが日頃の訓練を十分に生かせたと思う。射撃のセンスも良くなってきたし、初めてのインドア戦というメンバーもいる事を考えると上出来か。

19:50、スイーパー訓練。テロリストの仕掛けたブービートラップ等解除、お掃除。図書館の備品の損害報告。ガラスや蛍光灯などの応急処理、清掃。
21:10、お疲れ様でした。

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