7月7日、星祭り最終日
宇津帆新町は星祭りの最終日とあって、町並はすっかり七夕の飾りつけだ。願い事の書かれた笹の葉がカサカサと音を立てている。ふと願い事に目をやると「iMAC欲しい(赤)」 「かわいい女の子が欲しい!」 「アイテムちょーだい」 通りは仲の良いグループでごった返している。出店も軒を連ね、トウモロコシや、綿菓子、蓬莱焼きに、タロ芋焼き。実弾を使った射的に、ストリートファイトの賭けにロボットバトル。騒げるならなんでもありっていう感じ。
そんな中、レストラン『アフタヌーン』ではパーティーの準備は着々とすすめられていく。
お料理研の由良さん、環さん、砂羽さんがケーキを作ってる。 |
カラ〜ンと入口ドアのベル。 「あっ!美佳さんいらっしゃ〜い。やっぱり来てくださったのね。嬉しいわ。でもよくあの地雷源全て回避できたわネ。」 「え?そんなのどこにもなかったわよ。」 「リナ、そういえば、サバゲーの格好した人達が、もったいない仕掛け方!!貰ってかえろーぜって、処理してもって帰っちゃったわよ。」ガ〜〜ン(;_;) 美佳さんが来るっていうから奮発して歓迎用のクレイモア対人地雷を七つも仕掛けたのに〜 「まぁまぁ気を取り直して、これあげるから。」 と、由良の手から差し出されたものは、怪しげな民俗人形だ。恋のインディアン人形?夜、知らないうちに自分のベットの横にいたら怖いタイプだ。こっそり寮のフレンドのベット脇に飾っておいてあげようと思った。 なんで〜?と突っ込みそうになったけど、由良さんにお疲れの様子なのに、ニコッとされたら、思わず和んでしまったわ。 さすが大和撫子の魅力ネ。わたしもナデシコの修行してるけど、ぜんぜんかなわないわ。サムライ、ゲイシャガール、オカミ、クノイチ。どれも素晴らしい文化だわ。
思わず、その場でわいわいがやがや。
と騒いでいると、男子が二人そろってやってきた。
北城葵さんと、柏木光輝さんがおそるおそると云う感じだ。二人ともおとなしめでちょっと可愛い感じ。
「光輝さんもお誕生日のメンバーね、お待ちしてました。」
「そろそろ時間ね、もう席は出来てるから。立ち話もなんだからさっそく始めましょう。」
さっそくプレゼントが手渡され始めた。
モモさんからオルゴール。
柏木光輝さんから、フレームに入った写真。ネコ好きなら思わずにやけてしまうような写真だ。3匹の兄弟ネコが仲良く川の字になってのびている。ニャ〜とか云うのは反則ネ。そんな幸せなキモチにさせる写真がみんなにプレゼントされた。今日誕生日のメンバー同士でもプレゼント交換。わたしも花束を葉月さんから手渡されてなんとなく照れちゃったりして。
「Hey! Dearマイフレンド、ハッピーバースデー」 そろそろ、ちょっと早い時間だけど、お料理の方も出さなきゃネ。 森野モモさんの差し入れで、鶏の唐揚げや、ローリーさんのソルトパイ。シェフお手製のフルーツサラダでゆっくりとお食事。 みんなぺろりと平らげていってくれるわ。シェフもココの生徒達の食いっぷりを見てると、つくり甲斐があるよって云ってたし。
しばらくしてまた遅刻者が……冴澄透流さん、クラスメートよ。 今度は砂羽さんが、自家製のハーブティーを煎れてきてくれて、おしゃべりタイム。食後にティータイムはリラックス出来てしあわせネ。 蓬莱学園の食べ物ってちょっと心配なところがあるけど、砂羽さんが手塩にかけて育てたハーブだもの、安心ね。色々効能とか聞きながら今度またティーパーティーしたいわねって。
「リナさん、それは趣味の手作り人形ね。」
デザートには、良く冷えた桃ネ。切るのは学園銃士隊の諏訪野葉月さんにお願い。刀包丁を手渡されてちょっと緊張。 最後に簡単なゲームをしてパーティーはお開き。でも、最後にわたしに罰ゲームがくるなんてネ。一番負けた人が優勝した人の云うことをなんでも聞くって云うんだけど、よりによって優勝者が美佳さん。予想がついてあきらめてたけど、急にピンクの照明になって美佳さんショーのはじまり。でも幸せそうな美佳さん見てたらまぁ良いか、なんてネ。
帰り道、もうすっかり時間は夜更け。
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