しかしどうしてセリオなのか？幾つかあげてみますと。まず、マルチのシナリオにエキストラとして登場するのですが、二次制作者としては非常に腕の見せ所のあるキャラクターです。細かい設定や性格描写などが少ないので自由度は高いです。またマルチがいるおかげで色々比較して描写しやすいところもあります。その自由度の高さから非常に優れた二次作品が生まれています。たまたまリーフさんの伝言板でＣＧのことを書いたところ、あるセリオの話なのですが、「おねーさんの耳はロボの耳」に出てくるセリオだと云う感想をいただきました。実はその時私はインターネット上でＳＳというものをまったく知りませんでした。とあるＳＳのセリオのイメージだと言われて、その話を読まないわけにはいかないですから、すぐに教えていただいて読んでみみました。その話非常に良い話なんですね。この話がそれほどでもなかったらここまでセリオにセリオにこだわることも無かったんですが、とにかく他のキャラクターと比較したらとてつもなく良い話が多いです。

　あとは、セリオがメイドロボだという点も見逃せません。やはりＳＦ好きの蒼騎としては、メカに弱いですね。しかもメイドです。メイドロボらしさはマルチの比ではありません。クールで役に立ちそうな顔立ちはなんともいえません。マルチと比較すると年齢は高めです。マルチは小学生っぽいので、それと比較すると可愛そうですけど、おねーさん系が好きな人はマルチはちょっと年齢低すぎますね。その反動がセリオに来てるんじゃないでしょうか？

　そしてまたマルチと比較される点ですが、表情が乏しいともいわれます。もちろんマルチが感情表現に優れたメイドロボなので、その比較としてセリオは感情が無いといわれています。そして人間らしさが乏しいとされています。
　しかし本当にそうでしょうか？私はそうは思いません。
　まずマルチは感情豊かな点から人間らしいと云われています。私もズバリその通りだと思います。ですから彼女は既にメイドロボの設定を活かしきれていません。人間らしいを通り超えて、人間の女の子そのものです。マルチのシナリオは物凄く泣ける話なんですが、素晴らしいシナリオではあるけれども、普通の一人の女の子の話としてです。

　セリオの話は感情表現は乏しいけれども、非常に人間らしいところがあります。良くいるじゃないですが、凄くにこにこしてるのに、ぜんぜん心のこもっていない作り笑いの女の子。逆に普段人づきあいは下手だけど、親身になって心配してくれる娘とか。あと、スタートレックＴＮＧのデータ少佐みたいに、表情は全くないのに人間らしさは人以上です。あとは、機械である、コンピュータのマックではこいつ感情あるんじゃないかという印象を受けることはしばしばです。人間らしい感情とかは、表情だけでは表されるものではないのです。表情は表の感情であって、セリオから感じる心の内情の豊かさ、人間らしさはなかなか読み取りにくい半面、その温かさを知ったときは表情より嬉しく思うことでしょう。