憲法学者と歴史学者が来たので、浜名湖の湖岸を散策し、天丼を喰った。 帰りにシラスを持たせたのだが、心配になって、後から喰い方をファックスしておいた。 このところの浜名湖の水揚げはシラス・アサリ・カキ・クルマエビ等であるらしい。 黒潮冷水隗の具合でフグも捕れ、はえ縄に出ている船もあるあるらしい。 こちらは直に築地に出しても値が付かないので下関に送っているようだ。

シラスを煮干したものを世上「チリメン」と称するが、あれは販売面からきた呼び方だろう。 生産者は製造工程から「煮干」と呼んでおる。漁協に行けば「シラス百珍」みたいなものもあるだろうが、以下は私の喰い方だ。

そのまま食う
  • 大根おろしにかけて食う。
  • 玉葱をスライスした上にかけて食う。
  • ポン酢、和風ドレッシングなどかけて食う。
  • 福島の海岸では大根おろしの上にシラス干しを乗せ、味噌を付けて食っていた。ひなびた味がした。
  • ゴチャゴチャサラダの仕上にかけて和風ドレッシング。
  • 冷ややっこに乗せる、こうなると鰹節の代用品である。
炒める
  1. しし唐辛子をザクザク切る。
  2. 胡麻油を中華鍋に入れて煙が出るまで熱する。
  3. しし唐辛子と、同量のシラス干しを入れて炒める。
  4. 上から醤油をかけて出来上がり。
    澁谷の「龍の髭」とかいう台湾料理屋で別の料理を食べていて、ふと思い付いたレシピであるが、結構ビ−ルに合うと思う。
卵焼き
  1. ほうれんそうを浅く茹で、3センチくらいに切る。
  2. 鶏卵と混ぜ、シラス干しを入れてスクランブルエッグにする。


冷蔵庫は干物加工場である

売っているシラス干しは「釜上げ」に近い生っぽいものなので、 そのまま食うには良いが、炒めたりすると崩れやすいのが問題。 買って来たシラス干しは紙袋、紙箱のまま冷蔵庫に保管して適当に乾いた頃使うのが良い。 同じ原理が有効な魚類塩干品は結構ある。代表的なのは塩鮭。 コ−ルドチェ−ンの発達でこれほどまずくなった魚もないと思うが、 まずい塩鮭を冷蔵庫の氷温室に2週間も入れておくと熟成されて昔の味に近くなる。 ただし、チリの養殖モンがまずいのは配合資料の味の所為であって、熟成させても意味がない。 メザシも同様。2パック168円の特売のメザシも、 特選旨いものコ−ナ−4串388円のメザシも実は同じものである。 2パック168円のラップを破いて10日程乾かしてから食べると良く解る。

このほか、最近凝っている食い物に「ブラジル風腸詰」がある。 浜松市周辺の外国人人口は2万人程、ということだが、ブラジル人がかなりの割合いを占めている。 で、ブラジル系食料品店に行くと、「腸詰」の美味いのが手に入るのだ。 さすがに肉を喰う文化のある国の食べ物は魚食人種の我々とは違う。 「ブラジル風腸詰」から見れば最近はやりの「荒引きソーセージ」も 「マルハの魚肉ソーセージ」の類い、というところだろうか。 韓国・朝鮮料理、タイ料理などもあるので、 浜松でもシアトルにあるような「国際飲食街」というのも出来そうに思える。