今年の日本放送協会の大河ドラマは赤穂浪士だそうだ。
(見たことは無い)勘ぐるとなかなか面白い。
要するに日本人は「討ち入り」というのが好きなんだね。
で、気になるのは隣の殿様である。浅野邸へ赤穂浪士が討ち入る、
という訳で梯子を掛けさせてやったり、暗くては討ち漏らすといけない、
というわけで塀越しにガンドウで照らしてやったりしている。
しかし何も討ち入りが好きなのは日本人に限らない。
テレビでやっている西部劇だって討ち入りばっかりだ。
そういうのを見て育った連中がクリスマスの花火代わりにバグダッドへミサイルをぶち込む、
ドナウ河沿いで数千年前から面子の張り合いをしている人々の所へ、
二丁拳銃で乗り込んで行って片方の肩入れをするから、たまったもんではない。
真珠湾奇襲攻撃も同じ様なものでは無いかという気がしてくる。
あれも戦争に負けるまでは「大日本帝国海軍伝統の奇襲攻撃」とかいうことでえばっておったが、
後になって「卑怯な騙し討ちだ」と海の向こうからインネンを付けるやつがいて、
ビクビクしている向きもあるが、なーに戦争に「卑怯な騙し討ち」は付き物で、
得意技のお株を奪われて悔しがっている程度ではあるまいか。
とにかく討ち入りであるっ。コソボとバグダッドだけでは足りないんであるっ。
うまい工合に金成日である。現人神はタタキやすい。
というわけで先ずガンドウのでかいのを買わされることになった。
ま、攻撃的兵器では無い、ということは言えるが、
これがなんと我が輩の住む街に配備されることになってしまった。
旅客機の改造品なので、戦闘機の如くうるさくは無い。
「地獄の黙示録」の類いのヴェトナム戦映画で解る様な軍用ヘリの様に、うるさい上に生殺し的うざったさもない。
しかし、なにせ、隣の殿様のガンドウである。
討ち入りの時にはしっかり隣家の覗きをやるわけであるから、
いざ、「いくさ」という時には真っ先に目暗ましをくらうわけである。
これでわが街も世界の幾つかの国の戦略ミサイル標的スクリーンに十字マ−クと共に登場することになった訳である。
しかしガンドウだけでは討ち入りは出来ません。
梯子も掛けさせてもらわなくちゃならんし、荷車も置かせてほしい、出来れば炊き出しも、
と忠臣蔵の頃に較べると討ち入りもなかなか大袈裟である。隣の殿様は何せ殿様なので、「良きに計らえ。」デアル。
主権者があれよあれよと見るうちに梯子・荷車・炊き出しの三点セットをプレゼントしちゃうという気前の良さである。
おまけに、というか法案成立の景気付けに主権者の皆様はこれでも御覧下さい。
というのが今年の日本放送協会の大河ドラマのテーマという気がして仕方が無い。
ついでに言っておくと「殿様」ってやつは面白そうである。志村ケンである。
「何もしないでゴロゴロしている」-「殿様」-「高殿・寝殿」-「高床式建物」
となって小田原の松本 茂さんが展開しておられる床の考察にぴったりつながるのである。
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