2007.05.02
Living With War

しばらく"Living With War"を聞いていて、"Harvest"と"Tonight's The Night"のcdを買っちまった。いずれも30数年前のアルバムなので、若返ってしまう。

知人に末期ガン患者がいるのだが、手術後ピースボートで世界一周などなさった後、「病気で死ぬくらいなら、飲み過ぎで死んでやる。」と覚悟を決めたらしく、夜毎に街中を荒らしている。呼び出しを食らって出かけると、カラオケで演歌など流れ、「オイ、コヤマ、おまえもやれ。」というので、"Heart Of Gold"でぶっ飛ばしてやった。相手が不死身の女だとこのぐらいがちょうど良い。



車で聞いていると、"Harvest"だけでなく、"Tonight's The Night"も結構気に入って来た。特に
"Mellow My mind"
"Roll Another Number"
"Albuquerque"
がヨイ。
これまたHopperの絵で"El Palacio"というのが気に入っているのだが、この3曲がちょうどこの曲調なのだね。

などと思いつつ、ウェブで"Prairie Wind"のアートワークを見かけたのを思い出し、「あ、なるほど。」と思ってcdを買ってみた。期待通りの素晴らしいアルバムだ。"Living With War"のように「ぷっつん親父」でなく、年相応のアルバムである。ということでオススメ。

cdのオマケにDVDが付いているのだが、これを見て反射的に吹き出してしまった。cdを聞けば解ることで、考えてみれば当然なのだが、ニールヤング始め、30数年前に悩みを抱えた青春を共に送ったバンド全員がぢぢいなのだね。"Living With War"という、年令無関係のアルバムを聞いていた後なので、よけいに驚きだったのかも知れない。それも30数年間の歳月が切れ目なく続いてゆくのも快感だ。どの曲も素晴らしいのだが、"It's A Dream"なんて特にぢぢいっぽくてよい。お試しはこちらから。ヴィデオもあります。

ひとつだけ難クセをつけるならば、このアルバムでも、次の"Living With War"でも最後にゴスペルを入れていることだ。「Southern Man でなく、White Man がイカン」と最近のインタビューで言っているニールヤング君だが、旧約聖書の十戒と曹洞宗の十重禁戒を比べてみると、戦争の無くならない訳が良く解る。日本にとっての20世紀前半が戦争の時代であったのも、明治の初年に、一神教に基づく西欧の絶対王政を手本に、近代的な国体を定めたのが始まりではないだろうか。

旧約聖書の十戒

  1. I am the Lord thy God
  2. Thou shalt have no other gods before me
  3. Thou shalt not make for thyself an idol
  4. Thou shalt not make wrongful use of the name of thy God
  5. Remember the Sabbath and keep it holy
  6. Honor thy Mother and Father
  7. Thou shalt not murder
  8. Thou shalt not commit adultery
  9. Thou shalt not steal
  10. Thou shalt not bear false witness
  11. Thou shalt not covet thy neighbor's wife
  12. Thou shalt not covet thy neighbor's property.
曹洞宗の十重禁戒
  1. 不殺生戒
  2. 不偸盗戒
  3. 不邪淫戒
  4. 不妄語戒
  5. 不酤酒戒
  6. 不説過戒
  7. 不自讃毀他戒
  8. 不慳法財戒
  9. 不瞋恚戒
  10. 不謗三宝戒

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2007.11.16

先日お寺で和尚に"Prairie Wind"のヴィデオを見てもらいながら,ふと気付いて歌詞カードを良く読んでみたら,"Falling Off The Face Of The Earth"っつうのは「追悼詞」ではないですか。そう思ってみるとこのアルバム全体が,そのための曲ではないにせよ,追善アルバムとしても聞けるのですね。バックに流しながら順番に思い出など語れば,そのまま「音楽葬」になる仕掛けです。...mmm...ニールヤング君もそんな歌を書く歳になったのね、、、ということは私も,,,

続いて来年は1976年にRepriseにケられたという幻の3枚組"Chrome Dreams"のナンバーでツアーをやるんだと。きっと観客もじじい・ばばあの同窓会なんだろうな。そういえば「いちご白書」にでてきたぽっちゃり気味の可愛い子も、今頃はばばあと化して近所のスーパーで新聞広告の品をあさっているんだろうな、と感傷にふける私であった。


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