台湾の有権者は李登輝、陳水扁2代の民主化を多として、再び国民党総統を国家元首に選んだ。独立は遠退き、両岸関係は改善に向いつつあり、「奥運大会では一緒に加油中国しよう」という空気である。

悪いことに世界中が原油高で殺気立っており、もともと実入りの少ない漁民達にとっては死活問題となっているのであろう。韓国漁船が日本海で問題海域に突っ込むのと同様、台湾漁船が魚釣島海域で「違法」操業を続け、日方監視船が「軍艦あたご」をやってしまったらしい。



駐日大使召還とともに、「馬英九総統不惜一戦是最後的手段」というのは些か穏やかでない。

しかし新聞社のウェブページで「夏天的北海道是紫色的…」というCMと並んでいるのを見ると、北京は現在日中友好促進モードなので、今は事を荒立てたくない。そこで大陸棚油田の調査を強行する北京政府への援護射撃、リップサービスという匂いもする。

普通の漁船かと思いきや、報道によれば游漁船とのことで、筋書きが丸見えである。 台灣の新聞紙面では、 「富良野彩色花田」「小樽港町風情」はともかく、「毛蟹無限食べ」というのは凄過ぎて腹をこわしそうだ。大陸棚油田無限食べか?

ウェブページで楊三郎を追いかけていて、良い参考になるヴィデオがあったので書き留めておく。李明典先生の「台灣的歴史ー戦後與228事件篇」である。楊三郎の青春時代、つまり第二次大戦が終わって、

日本には戦後民主主義を、
朝鮮には内線を、
台灣には戒厳令を、
与えられた頃の民情を理解する良いヴィデオだと思う。残念なことに李明典先生のお話は私にはチンプンカンプンなのだが、ヴィデオの有難さで、画面を追ってゆくと、粗筋は解ろうというものだ。そしてBGMがこれまた、この時代の台湾歌謡の情感の因って来る所を、痛すぎる程解らせてくれる。タイトル画面のにリンクを置いた。

どうも戦前のものらしきフィルムを交えたこのヴィデオを見ると,この世に「台灣国」なるものがあったとすれば、それは「イヌが去ってからブタが暴れるまで」1945年8月15日から1947年2月28日までのことだったのではないか、という気がして来る。