エコかあ? その2

2014.9.12

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エコかあ?
その2
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「エコカー」はエコかあ、というのをもう少し考えてみよう。二酸化炭素・NOXなどの廃棄物を除き、エネルギー効率の問題だ。

左はガソリン車のエネルギー効率。燃料となるガソリンを燃やして、発生する熱を全て動力に変えた場合に較べ、どの程度のエネルギーが車を動かす力になっているかと言うと、20%から30%なのだそうだ。

残りは熱や震動に変わっている。空気震動のある部分はマフラーで熱に変換しているのだろうが、それでは勿体無いということで、空気震動を周囲にまき散らしたいやつはマフラーを改造したりする。

右側は電気自動車のエネルギー効率。ガソリンシャと違うのは発電所で燃料を電気に変える。車に積んだ電池から電気を取出してモーターで推進力に変える、とエネルギー変換を2回やっている。

2008年の全世界の全ての発電所のエネルギー変換効率が33%だそうだ。そして電気自動車に取り込んで電池に蓄えた電気を動力に変えるときの効率が70%となると、システム全体では23%程のエネルギーが電気自動車のエネルギー効率になるだろう。

自動車メーカーが「燃費」を自慢するのもこの辺りだ。それ以上に「重い」車より「軽い」車の方がエネルギー効率を向上させる可能性があるのではなかろうか。ホンダスーパーカブは100km/Lだそうだから、「燃費」は良いぞ。

詳しくはWikipediaで「エネルギー効率」の勉強をしてくれ。

福島県の東電事故で、日本だけでなく各地で原発の見直しが進んでいる様だ。

Stewart Brandtなどが描いているのはマイクロ原発だ。東電事故が過酷だったのは一カ所の発電所で100万軒の電気をまかなう、という点に無理がある、という考え方。

遠隔地への送電では送電ロスが10%以上となることもあり、効率が悪くなる。それなら住宅一軒分の原子力発電機が作れないか、という考えだ。

これなら故障が起っても、とりあえず発電機を電気会社に持って行って、発電機ごと水槽に入れて水で冷やせば良い、ということになるから、大事故には至らない、というもの。

太陽熱・風力・潮力などの環境エネルギー利用は、エネルギー源が希薄すぎて、効率が悪いのだが、太陽電池などのロットを大きくして、安価に製造出来るよう、各国が競争している。

それよりも、1987年のバブル発生以後、日本の電力需要は50%も増加しているというのを、なぜ振り返ってみないのかが不思議だ。バブルが崩壊したのだから、苦しみを不動産業界だけに押付けず、バブル以前の電力消費に戻せば、原発が無くても電力は有り余っているのだ。

国が電力会社に太陽光電力の買い上げをさせようとしたら、すぐにパワーグリッドがパンクというのも電力の難しさを表しているのだろう。

先年、市内のレストランのカウンター(不良中年専用)で、メーカーのバイクデザイナー数人が話をしていた。

 自転車のデザインて羨ましいよね。
 そうだよね。美しさを競える。
 だよね。人間の力をいかに美しく大地に伝えるか、だからね。
 そうだよ、バイクなんてお客さんは「馬力」しか言わんからね。
 美しくないよねー。
 アグリー。

最近は四輪までアグリーになって来た。

フォルクスワーゲンはディーゼルエンジンとのハイブリッドで110km/Lというツーシーターを開発したが、1500万円で200台限定であり、米国ではまだ認証試験がされていないそうだ。米国の石油産業がおかしくなるのを避けるため、という説もある。
thespiritscience.net

そして各社の触れないのが蓄電池の製造/廃棄に、ガソリン車以上の地球温暖化負荷が生じるという課題。ここに投資を呼びかけているのがTeslaだ。

Tesla Might Have A Solution For Electric Vehicles' Enormous Dirty Secret
http://jalopnik.com/tesla-might-have-a-solution-for-electric-vehicles-enorm-1794852353

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