2007.8.1
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・和風の住宅地

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建替え?

土地を取得して新築、という時には予算が土地にも必要なのであきらめていたことが、20年から30年後には実現されます。

必要な建物を容れるだけの余裕が敷地にあるかどうかが問われるのはこの時です。

昭和40年代、まだ住宅を建てた人々が自家用車はレジャーの為のものだと考えていた時代、住宅の敷地は60−80坪あれば充分でした。しかし現在ではそうした住宅街の多くが自家用車に取り殺されつつあります。庭付き一戸建ては自家用車の駐車スペースに取られてしまいます。





・物置が必要
・子供部屋が欲しい
・隠居屋を建てたい

という要求を満たす為、先ほどの図の全ての住戸に2間x3間=6坪の増築をしてみました。

図は12月20日午前8時30分の様子です。

日没までを動画で見てみましょう。
南東から
北西から

敷地が充分にあれば余裕で増築が出来るのですが、100坪程度の敷地では困難です。今までは敷地境界線まで距離に余裕を見ていたものが、敷地ぎりぎりの建物が建ち始めます。

母屋が平屋の小さめのものであっても、敷地内に他の建物が建つと、敷地内での日照条件が悪化します。

母屋が都市型の総二階であれってもこれは変わりません。12月20日午前5時半には地面には殆ど陽が当たらなくなります



屋敷の中に空き地が無いのですから、新しい建物を建てる為には、場合によっては今ある建物を除却しなければなりません。

住宅としての初期性能ではなく、物置としてでも良ければ100年以上は持つ様に造られた建物が、物としての寿命が来る前に、敷地面積が足りない為に30年ごとに建替えを繰り返して膨大な産業廃棄物を発生させているのが、現代日本の都市住宅敷地と言っても良いでしょう。

到底サステイナブルな国土利用とは思えません。

近年になって、都市部の昭和40年代に開発された住宅地では、建替えが上手く進まず、まちなみが丸ごと「姨捨山《になってしまうケースが目に付きます。商店街が衰退して、郊外型ショッピングセンターに客が流れてしまうのと同じ現象です。

こうした情報はハウスメーカーからはなかなか出てきません。物としての寿命が来る前に、建て主の都合で建替え、ということで売上が伸びるからです。

国土交通省というより総務省・財務省からもそうした住宅地形成の情報は出てきません。言うまでもなく小さな敷地に住民がひしめいていれば道路・上下水道といった公共施設整備が少なくて済み、同じ面積から所得税・住民税が期待出来る、という「反別収量《の考え方です。