浜松に較べると瀬戸内海では。山が海に迫っている所が多い。それが広島では太田川の下流に平地が拡がっている。
戦国時代まで、安芸の国はたたら製鉄の盛んな所で、それが災いして水害が重なったことがあったそうだ。太田川下流が急速に陸化したのは、たたらによる土砂の流下が大きいと言うから、大量の土砂が流されたのだろう。
都市計画法・建築基準法以前の「路地」が雨水排水系統と重ねられるのは普通に見られるものだ。
現代の開発と違うのは、それが機械力の無い頃の、ヒューマンスケールの、きめ細かなデザインで出来上がっている点だろう。
車を前提にしないので軽く、住宅内部と同じきめ細やかさで屋外空間が構成されている。ドアで屋内と屋外が厳然と区画された西洋の都市とは違う、屋内空間と屋外空間が解け合う心地よさも、これが土台になっている。
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