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Exhibition 2007



ナナ・ディッツェル 回顧展 動と美の感色
国際デザインセンター・デザインギャラリー 2007年3月21日-4月2日

 デンマーク人デザイナー、ナナ・ディッツェルのデザインには、女性ならではのやさしさが感じられる。木製のゆりかごは、穏やかに揺れて赤ちゃんを眠りに誘う。もちろん、安全性を考えてロックもかかる。大人も「Hanging Egg-shaped Basket Chair」に揺られて、昼寝を楽しめそうだ。年を追うごとに、ますますその創造性は増していく。晩年の「Butterfly Chair」は、アゲハチョウがそっととまった姿を思わせる。赤と黒を放射状に用い、まるでオプ・アートのようだ。82歳でこの世を去るまで生涯デザインし続けた。



ル・コルビュジエ展 建築とアート、その創造の軌跡
森美術館  2007年5月26日-9月24日  

 20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエの展覧会。世間の評価はさておき、本人的には芸術家+建築家であり、午前中はアトリエで絵を描き、午後は事務所で設計した。会場には、ナンジェセールのアトリエ、集合住宅「ユニテ・ダビタシオン」の部屋、カップマルタンの休暇小屋が実物大で再現されている。国立西洋美術館しか行ったことがない私にとって、コルビュジエの建物を3次元で体験できる貴重な機会だ。ユニテの部屋はウナギの寝床のように細長いメゾネットタイプで、割と広く100平米だ。開口部から六本木ヒルズ53階からの景色が見えたらおもしろいのに、残念ながら絵だった。カップマルタンの休暇小屋は狭く、窓も小さい。トイレのドアもなくカーテンがあるだけだ。究極のミニマル住宅。



スキン+ボーンズ 1980年代以降の建築とファッション
国立新美術館 2007年6月6日-8月13日

 
表参道のTodsビル、せんだいメディアテークなどで有名な建築家、伊藤豊雄さんの講演会に残り数人のところで入れた。ラッキー! 展覧会場は、ミュージアムレストランで列をつくっていた人種と違って、若者たちが多かった。建築とファッションを結びつける試みは、画期的だだ。ただ、ファッションは華やかで目立つのに対して、小さな建築模型はあまりにも地味なのが残念だった。そういえば、フンデルトヴァッサーは、第1、第2、第3の皮膚の概念を唱えた。その意味では、第2の皮膚であるファッションと第3の皮膚である建築は、切り離せないのかもしれない。



アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌
東京国立近代美術館  2007年6月19日-8月12日


 人生の「決定的瞬間」をとらえたカルティエ=ブレッソンは、ロバート・キャパの友人だったが、派手な戦争の写真を好まなかった。光と影の微妙なコントラストのなかで日常生活の瞬間をとらえている。本人が見ている世界はカラーだが、写真はモノクロなのだ。瞬間的に、頭のなかでカラーの世界をモノクロの世界に置き換えられるのが不思議だ。



元祖インダストリアルデザイナー クリストファー・ドレッサー
東京国立近代美術館工芸館  2007年6月2日-7月8日




映画「スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー」
伏見ミリオン座



マーティン・パー FASHION MAGAZINE展
東京都写真美術館 7月7日-8月26日

 マーティン・パーはマグナム・フォトのメンバーだが、ロバート・キャパやカルティエ=ブレッソンの次世代の写真家であり、彼らとは異なる鮮やかなカラー写真を特徴とする。ときにはドギツイ色の対比のなかで、彼流のアイロニーを表現する。スーパーマーケットやオフィスなど日常の場面を背景に、ありえない配色のモデルたちが登場する。有名な「ブタのケーキ」の写真は、今回は展示されていなかった。残念!



モノづくり文化交流フォーラム 基調講演  隈 研吾「水による街の再生」
名古屋港ポートビル 2007年9月15日


 建築家の隈研吾が、水際を大切にした世界の街づくりを紹介する。代表例はヴェネツィア。その魅力の原点は、人間が住んでいること、モノづくりの伝統があること、時間をかけて少しづつつくること、だという。他に、ロンドン、バルセロナ、ビルバオ、パリ、長崎、オランダ、ブザンソン(フランス)、ブダペスト、ジェノヴァ、オランダのボルネオ島の水を活かした街づくりの成功例をスライドをまじえて紹介。他の建築家の講演に比べて、かなり観客の年齢層が高い感じだ。名古屋の都市計画の明日を担う若者たちにこそ、もっと聞いてほしかった。有名建築家の講演の場合、自らの作品紹介に徹して最後に無理やりテーマにこじつけることがあるが、今回の講演は、きちんとテーマに沿ったものであり自身の作品をあまり紹介しないところに好感が持てた。



TAKENAKAデザイン展2007名古屋HERITAGE & INNOVATION
妹島和世 講演会 「近作について」
朝日ホール 2007年10月25日




茶の湯 インテリアデザイナー 内田繁の世界
古川美術館分館 爲三郎記念館 2007年10月20日-12月16日


 新旧の出会い。伝統的な茶の湯に対して、内田繁が新感覚・新時代の茶の湯を提案した。内田自身または現代作家による奇抜な作品が、昭和初期の数寄屋空間を演出する。竹を模したガラス製花入は、薄暗い和室のなかで神々しささえ漂わせている。茶道の世界では茶道具以外のものを代用することを「見立て」という。チェコのガラス製品が水指として、オランダのナプリンリングが蓋置として、和の空間になじんでいる。庭園には、内田がデザインした仮説の茶室「受庵」が設置された。竹の格子で四方を囲まれた2畳の空間であり、中に入ると、包まれている安心感がありながら、自然の風や光を感じられる。まさに小宇宙だった。この移動式茶室は、もしかしたらモンゴルの遊牧民のテントにインスパイアされたのかもしれない。この展覧会を通して、内田の語る日本の「靴を脱ぐ文化」に改めて誇りのようなものを感じた。



見て 触れて 感じる ユニバーサルデザイン展
トヨタテクノミュージアム産業技術記念館 2007年10月16日-12月2日


常設展の入口から、繊維機械館、自動車館、自動車館2階を進むが、一向にたどり着かない。入口を間違えたのか、と不安に思っていると、最後の最後にユニバーサルデザインコーナーが現れた。握力のない人でも使えるハサミやコンセントのプラグなど小さなアイテムの展示に続き、トヨタ自動車のユニバーサルデザインへの取り組みが紹介されている。「聞く」「見る」「操作する」「快適性」の視点から、高齢者などの身体機能低下を補助する機能を開発し、やさしいクルマづくりに取り組んでいる。ペーパードライバーの私でも運転できる車をぜひ開発してほしい! 
常設展では、かつて仕様書や取扱説明書を数多く訳した「射出成型機」の実演を見ることができた。そのインダストリアルな美は、実に感慨深かった…。



愛知県立芸術大学サテライト講座「写真によるコラージュ」講師:今井瑾郎
 愛知芸術文化センター  2007年11月24日

 
雑誌のなかから気になる写真を切り取る→それを厳選し再構成する→タイトルを考える。
いつもは見る側だが今回はつくる側だ。クリエイター気分で主にTASCHENのカタログを利用して下記の2作品を制作。
左は自分的作品。右は先生の巧みな言葉にのせられて(?)できた想定外の作品。

 
       《Modern》  《Organic & Inorganic》

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