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Exhibition 2010



石上純也―建築のあたらしい大きさ
2010年9月18日-12月26日 豊田市美術館

第12回 ヴェネチア・ビエンナーレ建築展 展示部門 金獅子賞に輝いた新進気鋭の建築家、石上純也の個展。 
建築の概念がことごとく覆された。建築展といえば、図面、模型、写真がセットになって展示されるのが普通だが、石上の作品はまるで現代アートの作品を見ているような感覚だ。とにかく軽い。白い。存在感がない。そしてこの上なく繊細だ。ギリギリのバランスで立っている緊張感が伝わってくる。オープニング直前で作品が倒壊したのもうなずける。その作品《雨を建てる》は無事修復され、微妙なバランスを保ちつつ存在していた。
別の展示室では、ふと来館者が展覧会のちらしを落とした。ちらしが床を滑る。周囲の人々は、思わずはっと息を飲んだ。幸い、作品を直撃しなかった。紙一枚が作品を壊しかねないくらいのはかなさなのだ。
ヴェネチアでは作品が崩れたにもかかわらず金獅子賞を受賞したのは異例だが、既存建築に対する石上のチャレンジが認められたということだろう。






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