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汐川干潟生き物たち・カニの仲間

干潟のカニの多くは、スナガニの仲間とのベンケイガニ仲間です。スナガニの仲間は、平坦な干潟で、砂や泥の中に穴を掘って暮らしています。一方、ベンケイガニの仲間は、葦原の縁や土手などにいます。乾燥に強く水から離れて暮らすことのできるカニたちです。
スナガニの仲間は、砂や泥に含まれる様々な有機物やデトリタスを濾しとって食べています。砂や泥から栄養を濾しとる力は、泥に住むヤマトオサガニよりも砂に住むコメツキガニの方が高いのだそうです。泥の方がたくさん餌となるものが含まれているから、濾しとり能力は低くてもヤマトオサガニは、十分暮らしいてけるのでしょう。

汐川干潟で簡単に見つけられるカニたち


マメコブシガニ(30KB)

丸い甲羅をしたカニで、潮の引かない少し深いところ(潮間帯より少し下)が好きです。巣穴を掘らず、歩き回っていますが、危険が迫ると、むぐむぐっと砂の中に潜り隠れることもできます。
カニと言えば、横に歩くと思いがちですが、マメコブシガニは、真っ直ぐ前に向かって歩きます。見た目は、ユーモラスなカニですが、雑食性で弱った生き物を襲って食べてしまう、ちょっと恐いカニです。
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イシガニ

少し沖の方に生息するカニで足も歩くよりも泳ぐのに適した形をしています。汐川干潟周辺では、「藻ガニ」と呼ばれて、食用になります。汐川干潟では、専門に捕っている漁師さんはいませんが、捕れたら「ごちそう」のようです。
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ケフサイソガニ(25KB)

巣穴を掘らず岩やカキのからの下に隠れ暮らすので、ヤマトオサガニと同じ様な泥状の干潟で、しかも石のごろごろしている所に生息します。他の干潟のカニとは異なって、巣穴を掘らず、石やカキ殻の陰に隠れ暮らしています。オスのハサミの付け根に房状に毛が生えているのでケフサイソガニと言います。汐川干潟では、個体数の少ないカニです。
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アカテガニ

河口より上の土手や田圃の回りに住むカニで、雌はお腹に付けた卵から幼生(プランクトンです。)が誕生する時にだけ、海あるいは河口に行って、幼生を水に離します。夏の大潮の満潮時には、雌ガニが幼生を離すのを見ることができるそうです。残念ながら私はまだ見たことがありません。
カニの幼生は水中で幼生期を過ごし、子ガニになると陸で暮らすようになります。ハサミが赤くなるのは、大人になってからで、若いカニは、他のベンケイガニの仲間によく似ています。
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クロベンケイガニ

汐川干潟では、河口付近の葦原の中で暮らしています。足に黒くて太い毛が生えていて、ちょっと恐そうに見えますが、葦の根などの植物質を餌とするおとなしいカニです。
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アシハラガニ(KB)

ある日、ヤマトオサガニの穴の多い所に住むアシハラガニに似たカニを見つけました。アシハラガニは、葦原に穴を掘って住み葦原で生活するカニだとどの図鑑にも書いてあります。私の見つけたのは、葦原から遠く離れた所です。再び図鑑を見ると、アシハラガニに似たカニに、ヒメアシハラガニと言うカニがいます。では、これがヒメアシハラガニかと思って詳しく照らし合わせてみると大きさからしてずいぶん違います。このカニはいったい何なのか?見た目は、アシハラガニそっくりです。悩んでいたところ偶然、和白干潟の生物を調査している方の本(和白干潟の生き物たち 逸見泰久著 海鳥社)に、アシハラガニの中には夏になると葦原を離れてヤマトオサガニに混じって暮らすものもいる・・・と言う記述を見つけました。私の見つけたカニは、やっぱりアシハラガニだったのです。
アシハラガニは、青灰色の甲羅が丸くてすべすべした感じで、太いハサミを持っています。主に植物質のものを餌にしているそうです。
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コメツキガニ(43KB)

泥っぽい所の多い汐川干潟では、コメツキガニのように砂地を好むカニは、数が少なく、ごく僅かしか姿を見ることはできません。全長は、1センチ程で、砂粒によく似た模様をしています。甲羅の形は、おにぎり型でごつごつした感じです。
このカニもハサミを振りますが、チゴガニのように、ご近所のカニたちと動きを合わせないで、個々のカニが別々に振るため、それほど目立ちません。 チゴガニは、行動よりも、巣穴の回りに作った砂団子でその存在を知ることができます。
汐川干潟には、砂状の所は、ほんの少ししかありませんから、このカニは、極狭い範囲でしか、見ることができません。
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チゴガニ(28KB)

ヤマトオサガニよりは、やや砂混じりの泥質を好むようで、少し陸寄りで暮らしています。小さな一センチ程のカニです。白いハサミをバンザイでもしているかのように下に動かしているので、とても目立ちます。上下に振るのは、雄たちで雌のカニは、ほとんど餌ばかり食べています。そのため、ハサミ振りは、雌に対する雄のプロポーズではないかと、言われていますが、繁殖期以外でも、結構頑張って振っているので、この行動は、まだ謎のに包まれた部分が多いようです。
せっせと餌を食べて砂団子を作るので、チゴガニの住んでいる所は、干潟の表面がフォークでひっかいたようにぼろぼろして見えます。カニの姿は、小さくて堤防の上からだと肉眼ではわかりませんが、食べ滓の砂団子で、どこに住んでいるのかよく分かります。
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ヤマトオサガニ(27KB)

干潟を代表するカニです。長細い甲羅と、潜望鏡のような目、特徴的なハサミを持っています。甲羅の大きさは、5センチ程です。地元では、「げた(下駄の意か)」とか、「泥ガニ」と呼んでいます。軟泥地を好み、巣穴を掘って暮らしています。
ゆっくりとした動作で泥を集めてのんびりと食べている姿は、草食獣を思わせます。ダイシャクシギやホウロクシギに食べられないように、しっかり回りを警戒しているので、こちらのちょっとした動きには、敏感に反応し、巣穴に隠れてしまいます。じっとしていれば、すぐに穴から出てくるので、じっと静かに観察しましょう。
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汐川干潟を守る会(eriko@tcp-ip.or.jp)