彼岸花
【ヒガンバナ(彼岸花)】

≪分類≫
 単子葉植物−ユリ目−ヒガンバナ科−ヒハンバナ(リコリス)属の一種。


≪学名≫
 Lycoris radiata var. radiata (リコリス)


≪名前の由来≫
 秋の彼岸頃に咲くことから−。


≪別名≫
マンジュシャゲ(曼珠沙華=「美しい赤花」の意)、シビトバナ(死人花)他数百の呼び名がある。
(近日中に数十程度の名前を掲載予定。現在資料収集中)


≪花言葉≫
 「悲しい思い出」
 「思うのはあなたひとり」 など


≪ヒガンバナの一年≫
 9月初旬頃、茎だけが地面から顔を出し、秋の彼岸(9月下旬)頃に花を咲かす。
  ↓
 10月頃、花・茎が枯れ、球根(鱗茎−りんけい)から直接葉が出てくる。
その時デンプンを作り、作った栄養分を球根にためこむ。
  ↓
 春頃、葉が枯れる。地面には何も無い、地下の球根だけの状態である。
  ↓
 秋の彼岸頃、そしてまた花が咲く・・・。


≪繁殖≫
 日本に自生しているヒガンバナは種子の出来ない三倍体(染色体数33)しかなく、球根の分球により繁殖を行う。
 なお、中国では三倍体に加え、種子の出きる二倍体(染色体数24)も自生している。


≪原産地≫
 東アジア・東シナ海周辺にのみ自生。(特に中国−長江の中下流域と日本)
 日本に自生するヒガンバナは有史以前に中国大陸から渡来したものといわれ、大陸から人が運び込んだ「人為的分布説」、また球根の漂着や中国大陸と陸続きだったころに広まった等の「自然分布説」など、いくつかの説が存在する。


≪日本国内の分布−人里植物≫
 日本への渡来後、食用などの用途により人間の手により各地に広がったが、より効率のよい農作物にとってかわり利用されなくなり放置、雑草となったといわれている。
 ヒガンバナは、前述のとおり種子を風や動物が運ぶ植物ではなく球根の分球による繁殖によるために人間の生活圏外へは広がらず、そのため、現在では田んぼのあぜ道や川の土手、墓地等、人間の生活圏内にのみに自生している。


≪特性≫
『有毒性と食用』
 球根の芯の部分にはリコリン、セキサニンなどのアルカロイド=有毒物質が含まれいる。
 また、球根には大量のデンプンが含まれており、水にさらす等して毒抜きをすれば食べることもできる。
 昔は実際に食用として使われていたという話もあり、特に毒のために人間以外の生物が食さなかったことから、飢饉時の非常食として用いられたとされる。

『薬用・そのほかの用途』
 球根をすりおろした貼り薬は炎症、腫れ物などに効くとされ、また、糊や防虫材、漢方薬として用いられるなど様々な用途があったとされている。



参考文献−というよりかはほとんどがこれらの本の丸写し(汗)
 ・「日本のひがんばな」(著:松江幸雄)
 ・「ヒガンバナの博物誌」(著:栗田子郎)
 ・「ヒガンバナのひみつ」(著:かこさとし)
 ・「ヒガンバナの履歴書」(著:有薗正一郎)




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