【ストーリー紹介】南太平洋にあるパール王国のサラバヤ王の娘・サヤカ王女は、隣国であるダイヤ王国の王・ブザマ国王との政略結婚を避けるため、今は亡き母の国である日本へ向かった。日本への上陸直後にダイヤ王国秘密警察のゴーモン長官によって囚われの身になるさやかだったが、その窮地を偶然一人の青年・伊集院隼人が救った。サラバヤ王とダイヤ王国の先王との約束でさやかの婚約者と決められていた隼人=ダイヤ王国のハヤト王子は、自分が助けた女性がサヤカ王女であることを知り、自らの正体を隠しながら彼女を守っていくと誓うのだった。
第3話「お金ないんだもン」
放送日:1972/04/15 行くあても金も無く腹を空かしていたさやか。「蟻んこ学園」という名の孤児院の少年・ジロウと出会ったさやかは、彼に気に入られ保母として住み込みで働くことに。しかし、孤児院の経営は圧迫しており園長・柳生平右衛門は借金取りから追われていた。一方、ダイヤ王国秘密警察のゴーモン長官は国王にとって邪魔な存在であるハヤト王子の抹殺を目論み、ハヤトがさやかの前に現れると睨み秘密警察サソリ隊の女スパイ・二条エミ子にさやかの監視を命じた。滞納した家賃の為に立ち退きを迫られていた孤児院の現状を知ったさやかは、賞金目当てにスターのオーディションに向かうが、隼人はそれがチヤホヤされる為の行動だと勘違いし、さやかに対し失望して絶交を宣言。ジロウから真相を聞いた隼人は、オーディションに落選して落ち込むさやかに詫びた。さやかの行動力に感銘を受けた園長は、借金から逃げていた自分を恥じ書道教室を開いて金を稼ごうと決意するのだった。
本番組では長坂氏は4本を執筆。 第7話「ゴーゴー大混線!!」
放送日:1972/05/13 日輪高校の「あすなろ寮」の管理人を勤めて初めての給料を貰ったさやか達。そんな時、寮に合宿中の茶道部のあき子ら3名が夜中に抜け出していることを知る。ウスラとサブは不良ではないかと疑うが、さやかは3人を信じた。娘の夜遊びに激怒した父親から逃げるあき子らは「どうしても行かなければならないところがある」と自らの身代わりをさやかに懇願。女装させたウスラとサブを従えたさやかはあき子らに扮して茶会に出席するが、結局バレてしまい茶会は大混乱に。その間、ゴーゴー喫茶で踊るあき子ら。それは、養老院に寄附するお金を工面する為のアルバイトだったのだ。お淑やかで素直な大和撫子を理想とする父親は、着物姿の他の茶道部の面々を見習えと迫るが、逆にあき子らの行動を見習いたいと思っていた茶道部員はその思いをぶつけるように踊り出し、父親は愕然となる。考えを改めた父親は寄附に協力、すべて丸く収まるのだった。
第2話は花屋、第3・4話は孤児院「蟻んこ学園」の保母と職を変えてきたさやかは、第5話から日輪高校の専属寮である「あすなろ寮」の管理人として働くことになった。(ただし、名義上ではウスラとサブが管理人でさやかがお手伝いである) 第8話「飛んで火に入る恋の虫」
放送日:1972/05/20 さやかがまだ見ぬハヤト王子を想い書いたラブレター。そのラブレターをさやかに恋心を抱いているパン職人の甚田次郎兵衛が偶然入手。次郎兵衛はハヤト王子になりすましてあすなろ寮を訪れた。自分の描いていたイメージとの違いにショックを受けるさやか。そんな時、急に寮に50人の合宿の予約が入り食事の支度に困るさやからだったが、次郎兵衛が手際良くパイを作り始める。そこへ、次郎兵衛が本物のハヤト王子だと信じたエミ子が仕向けた殺し屋が乱入。いつの間にかパイ投げ合戦がはじまり、やってきた50人の生徒も巻き込み大騒動。さやかと次郎兵衛は車で逃げ出すが殺し屋も車で追跡。壮絶なカーチェイスの末、殺し屋を振り切ったさやかだったが、この騒ぎで付けぼくろがとれてしまった次郎兵衛はニセ者だとバレてしまう。嘘をつかずありのままの自分で勝負するのが男だというさやかの言葉を受けた次郎兵衛は、恥ずかしくない男になって帰ってくると告げ立ち去るのだった。
ゲストで殺し屋を演じたのはタレントの泉アキ氏、そしてその夫の桂菊丸氏とその兄の桂高丸氏。ちなみに、泉アキ氏と桂菊丸氏はこの放送の同年に結婚式を挙げている。 第11話「私もあなたも逃亡者?」
放送日:1972/06/10 マスコミから逃れる為にあすなろ寮を後にしたさやかは、南紀勝浦のホテルでメイドとして働き始めていた。そこへ宿泊に来た隼人が船上で知り合った女性・ハルミ。彼女の寂しげな姿に対し、さやかは元前の明るさで元気づけようと尽力する。実はハルミはスター歌手・ミカゼハルミであり、その後を週刊誌のトップ屋・山田が付け回していた。そのことを知ったウスラとサブは、ハルミの部屋で遺書を見つけ大慌て。事情を知ったさやかはハルミと共に山田から逃げ回るが、山田はさやかの正体がパール王国の王女だと知り、標的をさやかに変更し追い回す。逃げ切ったさやかは飛び降り寸前のハルミを説得。今まで小児麻痺の弟を助ける為に歌ってきた、その唯一の希望であった弟を亡くし絶望したというハルミに、さやかは人形劇を使って語りかける。「弟は君の心の中に生きている、君が歌い続ける限り、君の歌は僕たち聴く者の心の中にいつまでも生きて行くんだ」と――。そして、明日からは楽しい歌を歌うと約束するハルミだった。
第10話で「あすなろ寮」を後にしたさやかは第11話では紀州・勝浦のホテルのメイド、第12話では南紀・白浜のレジャー施設ハマブランカ(2005年閉園)の司会・踊り子、第13話では南紀・白浜で芸者と職を変え、最終話である第14話は和歌山市で活動している(職は無し) |