「人造人間キカイダー」長坂作品エピソード あらすじ・解説

【ストーリー紹介】

 アンドロイドによって世界征服を企むプロフェッサー・ギル率いるダーク破壊部隊。ロボット工学の権威である光明寺博士は、ダークと戦うためのロボット、キカイダー「ジロー」を作り出すも、記憶を失って行方不明になってしまう。ジローは博士の子供・ミツコやマサルと共に博士を探す旅を続けながら、ダーク破壊部隊と闘っていく。


第5話「イエロージャガーの魔の手が迫る」

放送日:1972/08/12
脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ゲスト:渡辺美智子、小松陽太郎、穂積隆信/平井政行、大田黒武生、前原久影

 東京に緑を増やす「グリーン計画」。ダーク破壊部隊・イエロージャガーは、死の爆弾デスポンの開発に邪魔となる緑を増やすこの計画を阻止する為、計画のリーダー・佐久間ミキの命を狙う。一方、友人であるミキの元に訪れていた光明寺博士の娘・ミツ子とその弟・マサルは、イエロージャガーの襲撃にあい窮地に陥るが、光明寺博士が作った人造人間・ジロー=キカイダーがその危機を救った。イエロージャガーは、邪魔なキカイダーを葬り去る為、小型爆弾を搭載した死神ベルトをミキの弟・ゲンに与えた。それは、ダーク製のロボットがベルト装着者を抱きかかえると爆発する仕掛けがしてあるのだ。何も知らずにゲンを抱きかかえるジロー。しかし、危険を察知したジローは間一髪でベルトを除去。襲い来るイエロージャガーを倒し、ミキ達を守り抜くのであった。

 後にメインライターとして活躍することになる長坂氏の、本番組の最初の担当作品。
 佐久間ゲン役の子役である小松陽太郎氏は、長坂作品では『仮面ライダーX』(1974年)第2話「走れクルーザー!Xライダー!!」のススム役が非常に印象深い。その他、『特捜最前線』(1977年〜1987年)第90話「ジングルベルと銃声の街!」にも出演している。
 イエロージャガーが変身した人間の姿を演じているのは穂積隆信氏。長坂作品では『それ行け!カッチン』(1975年〜1976年)の教頭先生(レギュラー)。他には、『日本沈没』(1974年〜1975年)第14話「明日の愛」のゲストがある。
 長坂氏お得意の爆弾シリーズ。その名も「死神ベルト」。ダーク製のロボットがベルト装着者を抱きかかえると5秒後に内蔵された小型爆弾が爆発するという仕掛け。何も知らないジローが、ベルトを装着した少年を抱きかかえようとするサスペンスが展開される。結果、その作戦は失敗するも、最後、キカイダーに破れたイエロージャガーが自らベルトを装着、キカイダーに組み付き道連れに自爆を図ろうとする。最後まで道具を巧みに活用し、通常ワンパターンと化してしまうキカイダーとダークのロボットとの戦いの中に変化をつけている点は見事である。
 (※佐久間姉弟の苗字の漢字表記は表札のシーンを参照。名前は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。)


第8話「カーマインスパイダーが無気味に笑う」

放送日:1972/09/02
脚本:長坂秀佳
監督:北村秀敏
ゲスト:藤江リカ/藤山律子、田村 円/佐藤栄助

 RH−の血液を持つ子供を次々と襲うダーク破壊部隊・カーマインスパイダー。100万人に一人しか持たないという特殊な血が、人間をダークの命令に従わせることができる新兵器・XR4号完成の為に必要だったのだ。XR4号の開発者であるダークのドクター・ユカは最適な条件を持つ少年・ケンイチを発見、医者に扮し接触を図るが、見破ったジローがそれを阻止。カーマインスパイダーの毒によって苦しむケンイチを救う為、ユカの持つ解毒剤をケンイチに打たせようとするジローだが、ハンペンがケンイチを山小屋へ避難させる為に連れ出してしまい、その行方が分からない。一刻も早く解毒剤を打たなければケンイチの命が危ない。ケンイチが生き別れになった弟かもしれないと悟ったユカが身を挺してケンイチを救い、キカイダーにチェンジしたジローはカーマインスパイダーを葬り去るのであった。

 ケンイチが属する「ぐみの木学園」の壁に貼られた一枚の写真(パネル?)。長坂氏も脚本を担当した『帰ってきたウルトラマン』(1971年〜1972年)のレギュラー・坂田次郎を演じた川口英樹氏の写真なのだが、なぜ貼られているのだろうか?
 「ぐみの木学園」の先生役は藤山律子氏。特撮作品の悪役が有名な女優であるが、長坂作品では『少年探偵団』(1975年〜1976年)の明智ちはる役など、なぜか(失礼)悪役に縁がない。
 (※ケンイチ、ユカの漢字表記は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。)


第9話「断末魔!妖鳥レッドコンドル」

放送日:1972/09/09
脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ゲスト:夏 みやこ、肥土尚弘/五島義秀、劇団いろは

 ダーク破壊部隊・レッドコンドルは、生物兵器の開発に適した天神村を襲撃、村人を皆殺しにする。偶然、村に迷い込んだ光明寺博士はダークによって囚われの身となり、その父を追うミツ子とマサルも村を訪れるが、村人に扮したダーク破壊部隊によって捕らえられた。ミツ子とマサルを使って光明寺を屈しさせようとするプロフェッサーギルだったが、その前に光明寺は脱走。ミツ子とマサルも、基地に迷い込んだハンペンによって救出される。一方、ジローは村人に化けたダーク破壊部隊の変装を見破り、これを撃破。襲い来るレッドコンドルをも撃退し、再びいずこかへと去っていくのだった。

 天神村の生き残りの少年・リュウイチを演じている五島義秀氏は、翌年『キカイダー01』(1973年〜1974年)にて、アキラを演じることになった。
 (※天神村の漢字表記は看板(?)を参照。リュウイチの漢字表記は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。)


第11話「ゴールドウルフが地獄に吠える」

放送日:1972/09/23
脚本:長坂秀佳
監督:北村秀敏
ゲスト:坂口 徹、金沢ユミ、川瀬ミキ/小林邦治、軽込一夫

 父の行方を追い、記憶喪失症の権威である田所博士宅へ訪れたミツ子とマサルは、同じく光明寺を追っていたダークに襲われた。その二人を救ったのは、光明寺によって作られ、ジローと同様に良心回路が埋め込まれたダーク破壊部隊・ゴールドウルフだった。ミツ子に諭され、ダークから逃亡を図るゴールドウルフだったが、満月の光を浴び、体内の月光電池によって変身、凶暴化し二人に襲いかかる。そのゴールドウルフの前に立ちはだかるキカイダーであったが、ミツ子の制止に気をとられ負傷。ジローを修理する為、倒されたアンドロイドの部品の回収に向かいダークに襲われるミツ子とマサル。一方、田所博士宅へ身を寄せていた光明寺は故障したジローを発見し、無意識のうちに修理。復活したジローはキカイダーにチェンジ。やむなくゴールドウルフを倒すキカイダーの目には涙がこぼれるのであった。

 ゴールドウルフを演じるのは坂口祐三郎氏(オープニングクレジットは坂口徹)。坂口氏といえば、『仮面の忍者 赤影』(1967年〜1968年)の赤影役があまりにも有名。
 記憶喪失症の権威である田所博士。「田所」という名の博士といえば、本作の翌年である1973年に発刊された『日本沈没』の田所博士があまりにも有名。その後、1974年〜1975年に放送されたTVドラマ版では長坂氏も脚本を手掛けていた。
 (※田所の苗字の漢字表記は表札のシーンを参照。)


第14話「大魔神ギンガメが三怪物を呼ぶ」

放送日:1972/10/14
脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ゲスト:根本志津子、山口 享、佐藤吉蔵

 プロフェッサーギルは、今までの破壊部隊の5倍もの力を持つダーク新破壊部隊第一号・ギンガメを誕生させた。そして、今までキカイダーに倒された13体を復活させ、ギンガメの性能テストを実施、ギンガメはその圧倒的なパワーで次々と相手を葬り去る。行き残った3体の破壊部隊、グリーンマンティス、オレンジアント、ブラックホースをそれぞれ光明寺、ミツ子、マサルに化けさせジローに接近。ギルの笛の音の影響で闘うことが出来ないジローを3体の破壊部隊が襲う。辛うじて窮地から脱したジローはキカイダーにチェンジ、3体の破壊部隊、そしてギンガメを相手に辛くも勝利するのであった。

 本番組も2クール目に突入。本作では、第13話までに倒されたダークロボットが復活。そのうちの10体はキカイダーと闘うこともなくギンガメ相手に敗北。残ったグリーンマンティス、オレンジアント、ブラックホースの3体がギンガメと共にキカイダーと死闘を繰り広げた。


第16話「女ベニクラゲが三途の川へ招く」

放送日:1972/10/28
脚本:長坂秀佳
監督:北村秀敏
ゲスト:大宰久雄、高尾良岐、松谷紀代子/北見敏之、西村晴見、小林けい子、松田美登利

 ダーク破壊部隊・女ベニクラゲは、電気の光を当てると人間に襲いかかるミニ毒クラゲを開発。諸外国へ売りつけようと企んでいた。しかし、そのミニ毒クラゲが誤って川へ流出し、子供達の手に渡ってしまう。目撃者を抹殺するために現れた女ベニクラゲだが、駆け付けたジローが子供達を救出。クラゲを入手したボート屋の息子・タダシと、川を美しくする運動を行う女性・ミキは、光を浴び凶暴化するクラゲを目撃。それを証拠に川を汚染するダークの秘密基地へと抗議に向かう。女ベニクラゲに襲われるミキとタダシを救ったジローはキカイダーにチェンジ、女ベニクラゲを粉砕するのだった。

公害がテーマ。放送時は公害が世間を騒がしていた時代であり、例えば『ゴジラ対ヘドラ』(1971年)など、公害をテーマにした作品が多々あった。
 ミキ役の松谷紀代子氏は『ウルトラマンタロウ』(1973年〜1974年)のZAT隊員・森山いずみを演じた女優である。
 ボート屋の大宰久雄氏(太宰久雄)は『男はつらいよ』シリーズのタコ社長役があまりにも有名である。
 (※タダシ、ミキの漢字表記は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。)


第19話「死神獣カブトガニエンジ参上!」

放送日:1972/11/18
脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ゲスト:松沢のゝ、エディ・アラブ/大山 豊、槙峠 美知子、山田貴光

 宝石店店員ミツモリレイコが持つ母の形見のエメラルドを狙うダーク破壊部隊・カブトガニエンジ。その50カラットのエメラルドは、命中したものを爆弾化させてしまう死神光線銃に使うレンズとして最適であったのだ。カブトガニエンジから執拗に追われるレイコは、エメラルドの保護をハンペンに依頼。しかし、カブトガニエンジに追われるハンペンはそのエメラルドをミツ子に託す。ミツ子を襲うカブトガニエンジの前に現れたジローは、未完成の死神光線銃に狙われ窮地に陥るが、ミツ子の機転で手にした鏡を使って死神光線を反射させ、光線銃を破壊。続けてカブトガニエンジも葬り去るのだった。

 長坂氏お得意の爆弾シリーズ。第5話の「死神ベルト」に続くその名前は「死神光線銃」。なぜか「死神」のネーミングにこだわりがあるようである。この「死神光線銃」は、発射された光線を浴びたものを爆弾化してしまうというもので、ギルはキカイダーを「人造人間爆弾」にしようと企んでいた。
 (※ミツモリレイコの漢字表記は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。)


第20話「冷酷アオタガメのドクロ計画!!」

放送日:1972/11/25
脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ゲスト:宇南山 宏、簾内慈之、二階堂 剛、大田黒 武生、石橋暁子/林 幸子、渡辺啓子、平井政行

 ダーク破壊部隊・アオタガメの「ドクロ計画」。それは、ドクロ草から作った毒液を貯水池に流し込み、街中の人々をダークの命令通り動くようにする恐ろしい計画だった。流れ出した毒薬が少なかったために街の人々は腹痛程度で済んだが、貯水池の所長の息子が、父の代わりに人々から非難される。一方、貯水池の所長は解毒剤を開発、貯水池へ運び込もうと奮闘。急がなければ、水門が自動的に開いて、ダークによってさらに増量された毒が街へ流れ出してしまうのだ。所長の前に立ち塞がるアオタガメであったが、それをジローが阻止。父に代わって解毒剤を運ぶ息子を、毒に冒され狂ったハンペンが妨害するも、光明寺によって解毒剤が流され解毒に成功。そして、キカイダーにチェンジしたジローはアオタガメを粉砕するのだった。

 ハンペンがジローさながらにギターを弾いて登場。しかし、ジローのように格好良くいかずに怪我をして「危険だからやっちゃあいけないなぁ」と一言。後の『快傑ズバット』(1977年)のナレーションのようである。また、その後も第35話「ジローデンジエンドの最期!」や第43話「ジローの最期かダーク全滅か!?」、『キカイダー01』第37話「剣豪 霧の中から来たワルダー」でもギターを弾きながらジローに扮し、ミツ子らの窮地を幾度となく救っている。
 今作ではそのシーンはあるも「……笛の音をカットした」のナレーションが無い。


第21話「残虐!ムラサキネズミの毒牙」

放送日:1972/12/02
脚本:長坂秀佳
監督:北村秀敏
ゲスト:松村良子、関戸純方、杉 義一

 新型ペスト開発の為に伝染病研究室を襲うダーク破壊部隊・ムラサキネズミ。調査の為に研究室に訪れたハンペン、そしてミツ子とマサルはムラサキネズミに襲われるもジローが救出。ムラサキネズミのペスト菌に冒されたミツ子を救う為、ジローは体内の熱エネルギー電池を取り外してミツ子の体を温め、そして、光明寺博士を拉致したムラサキネズミの後を追う。しかし、熱エネルギー電池を外した為に1/10の力にパワーダウンしたジローは窮地に。意識を取り戻したミツ子はジローの危機を知り、ジローの元へ駆け付け電池をセット。復活したジローはキカイダーにチェンジし、ムラサキネズミを葬り去った。

 ジローの自己犠牲的姿と、それに対するミツ子の想いが感動を呼ぶ、ラブロマンス色の強い作品。


第23話「キイロアリジゴク三兄弟見参!」

放送日:1972/12/16
脚本:長坂秀佳
監督:永野靖忠
ゲスト:菊 容子、植村謙二郎/稲川善一、柳沢則雄

 結婚の為に日本に戻って来るロボット工学の若手権威・ヨコエガワヒサハルを将来的驚異に感じたギルは、彼を日本から追放する為に婚約者のカトウアヤコの抹殺を図る。アヤコに迫るダーク破壊部隊・キイロアリジゴク三兄弟だが、ジローが阻止。そして、入院中の父に結婚式を見せる為に病院の窓から見える丘の上から式を挙げるというアヤコを守る為、ジローとミツ子たちが護衛する。新郎に扮したジローは、挙式を襲うキイロアリジゴク三兄弟と対決。キイロアリジゴク三兄弟必殺のアルファベット作戦に苦戦するキカイダーだが、ハンペンの加勢により危機を脱し三兄弟を撃破。無事に結婚式を挙げたアヤコを、ジローを想うミツ子が羨望の眼差しで見つめるのであった。

 カトウアヤコを演じているのは、同年3月まで放送されていた『好き! すき!! 魔女先生』(1971年〜1972年)で主人公・月ひかるを演じた菊容子氏。
 第21話に続き、ジローに対するミツ子の想い、感情表現が強調して描かれている。
 キイロアリジゴク必殺のアルファベット作戦は、以下の5つの作戦からなっている。
 A号ダイヤ作戦:エアークラフトを磨耗させ飛行不能にする
 B号超短波作戦:電子頭脳に破綻を生じさせる
 C号電磁石作戦:身動きを封じる
 D号放電作戦:放電する
 E号フッ化水素作戦:キカイダーの体を融解する
 これらは、そのテストを偶然目撃したハンペンによって妨害された。
 ちなみに、テスト中に作戦を説明するキイロアリジゴクが、ギルに説明する為なのか「ですます調」の説明になっているのがおかしくもかわいい。
 (※ヨコエガワヒサハル、カトウアヤコの漢字表記は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。)


第27話「バイオレットサザエの悪魔の恋」

放送日:1973/01/13
脚本:長坂秀佳
監督:北村秀敏
ゲスト:進 千賀子、小山源喜/安達君子、清水知子、近藤世津子

 良心回路の設計図を完成させたアラキ博士を襲うダーク破壊部隊・バイオレットサザエ。駆け付けるジローだがギルの笛の音により身動きが取れず苦戦。博士は、ジローを助ける為にバイオレットサザエに罠をかけるが、激怒したバイオレットサザエに殺されてしまう。自分の為に博士が殺されたことに苦悩するジロー。そこへ、負傷した人間の女性に扮したバイオレットサザエが出現、ジローのようになる為に良心回路が欲しいと懇願する。バイオレットサザエを匿うジローに嫉妬したミツ子は、ジローの言いつけを聞かず博士が残した設計図を求め彷徨う。バイトレットサザエ、そしてダーク破壊部隊・カイメングリーンに襲われるミツ子だが、その窮地をジローが救った。キカイダーによって倒されたバイトレットサザエは、美しい女の姿で死にたかったと言い残して絶命。だが、一人になったマサルがダーク破壊部隊・アカオニオコゼに追われピンチに……。

 静岡県伊豆・河津温泉郷ロケ。第27話〜第29話は1話完結ではなく、3話連作である。
バイオレットサザエの人間体を演じているのは進千賀子氏。長坂作品では『特捜最前線』(1977年〜1987年)第267話「裸足の女警部補!」のゲスト主役がある。
 バイオレットサザエ必殺の「サザエ焼き」(?)にやられたキカイダーの左胸に渦状の焼けた跡が残っており、なかなか芸が細かい。ただし、デンジエンドのシーンは使い回しの為に渦は無い。
 (※アラキ博士の漢字表記は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。)


第28話「赤子を泣かすアカオニオコゼ!」

放送日:1973/01/20
脚本:長坂秀佳
監督:北村秀敏
ゲスト:高 毬子、宇近晴見、潮 健児/羽田末男

 アカオニオコゼに襲われるマサルを救うジローだが、アカオニオコゼの毒吹き矢にやられ負傷。修理するミツ子の姿をラブシーンだと勘違いしたハンペンからそのことを聞いたマサルは、自分が置き去りにされたと勘違いして傷心し飛び出す。一方、アラキ博士の娘・タエコに設計図の在り処を問うミツ子。だが、タエコの赤ん坊の持つお守りの中に設計図が隠されていることを知ったアカオニオコゼとカイメングリーンが襲撃。タエコは、偶然拾った赤い靴に設計図を隠し投げ捨てるが、その靴をマサルが拾う。そのマサルを襲うアカオニオコゼとカイメングリーンだが、ジローが駆け付け撃破。再び姿をくらましたマサルを、再度復活したカイメングリーンが後を追っていた……。

 前回に続く3部作の2作目で、前回同様、伊豆・河津温泉郷ロケ作品。
 前回3体登場したアンドロイドのうち、前回倒されたバイオレットサザエ以外の2体であるアカオニオコゼとカイメングリーンが続けて登場。
 カイメングリーンの人間体を演じているのは潮健児氏。長坂作品では、『忍者キャプター』(1976年〜1977年)の雷忍キャプター1・袋三郎兵衛役がある。
 (※タエコの漢字表記は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。)


第29話「カイメングリーンは三度甦える」

放送日:1973/01/27
脚本:長坂秀佳
監督:永野靖忠
ゲスト:潮 健児、沖 順一郎、斉藤浩子/大貫一幸、猪垣泰佑、平野 稔

 カイメングリーンに追われるマサルは、運転手付きの車に乗る令嬢のカオルに救われ難を逃れる。マサルを家出少年と勘違いしたカオルは、共に家出をすると決意し都会を離れた。しかし、マサルを執拗に追うカイメングリーンに襲われ再び東京へ。その最中、設計図が隠された赤い靴は偶然ハンペンの手に渡るが、カイメングリーンの攻撃により灰と化した。駆け付けたキカイダーはデンジエンドによってついにカイメングリーンを葬り去ることに成功。良心回路の設計図は失われたが、良心回路の完全化によって人間以上の機械になるよりも、少しでも人間に近い現状を望むジロー。そして、ジローとミツ子の心を理解したマサルは二人と和解、カオルも向かいに来た父の元へと帰るのであった。

 山梨県の精進湖ロケ。ストーリー的には前回の続きからそのまま山梨へ向かうのではなく、一旦伊豆から東京へ向かったのちに山梨へ向かい、また東京へと戻っている。
 カオル役の斉藤浩子氏は当時子役として活躍。長坂氏参加作品にも多数出演している。(『人造人間キカイダー』(1972年〜1973年)第4話「悪魔のブルーバッファローが罠をはる」、『キカイダー01』(1973年〜1974年)第14話「怪談 ギルの亡霊が地獄で呪う」(長坂作品)、『仮面ライダーX』(1974年)第4話「ゴッド恐怖の影!!」、『快傑ズバット』(1977年)第21話「さらば瞼の母」(長坂作品)、『宇宙の勇者スターウルフ』第14話〜第17話(長坂作品)、『ぼくら野球探偵団』(1980年)第10話「赤マントに消された美少女チーム」(長坂作品))
 (※カオルの漢字表記は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。)


第30話「アカネイカ美人女子大生を狙う」

放送日:1973/02/03
脚本:長坂秀佳
監督:永野靖忠
ゲスト:松木 聖、真咲美岐/中村万理、高尾明美、菊地祝子、小野冨士子

 各分野の天才女子大生を次々に襲うダーク破壊部隊・アカネイカ。それは、キカイダーの良心回路の判断能力に対抗する為、天才女子大生の脳を電子化して組み込み、その能力を得るためだった。ロボット工学の能力が必要と考えたプロフェッサーギルはロボット工学の天才・島村チドリを襲わせる。アカネイカからチドリを救ったジローは、ミツ子たちと共に自宅へ誕生パーティーに招待される。そこでチドリをさらうアカネイカだったが、それはジローの指示でチドリに変装したハンペンだった。キカイダーにチェンジしたジローは、アカネイカを見事打ち破るのだった。

 島村チドリを演じている松木聖氏は、本番組の続編『キカイダー01』(1973年〜1974年)にて、レギュラーのミサオを演じることになった。
 サブタイトル直後、バイオリニスト(音楽の天才)が演奏している曲はモーツァルトの「ディベルティメント第17番 ニ長調 第3楽章」。この曲は『特捜最前線』(1977年〜1987年)スペシャル「疑惑のXデー・爆破予告1010!」のラストシーンでも効果的に使われた曲である。
 (※島村の漢字表記は表札のシーンを参照。チドリの漢字表記は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。)


第31話「ジローの死を呼ぶタコヤマブキ」

放送日:1973/02/10
脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ゲスト:轟 謙二、遠藤 薫

 ミツ子とマサルは新聞記事で父の姿を発見、その記事を頼りに鳥取県の米子を訪れていた。その道中にミツ子らと知り合ったツカハラ親子は、ダークの秘密実験場建設の現場を目撃した為にダーク破壊部隊・タコヤマブキに命を狙われる。窮地の父娘の前に救いに現れるジローだったが、父親は海へ転落し行方不明に。その父親を、漁師として生活していた光明寺が救った。父親と光明寺を執拗に狙うタコヤマブキとダークによる空中からの爆撃。キカイダーにチェンジしたジローはタコヤマブキを撃破するが、直後、次なる刺客・アオデンキウナギが出現。キカイダーをアオデンキウナギの光線が襲う。一方、海岸へ父を捜しに訪れた娘・カズコがそこで拾ったものは、切断されたキカイダーの片腕だった……。

 本作と次作である第32話は鳥取県米子(皆生温泉)、鳥取砂丘にてロケ。劇場版である『飛び出す人造人間キカイダー』(1973年3月17日公開)と同時進行で撮影が行われたとか。
 (※ツカハラ、カズコの漢字表記は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。なお、ツカハラという名前は第31話では登場しないが、第32話にて語られている。)


第32話「アオデンキウナギ魔の腕が光る」

放送日:1973/02/17
脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ゲスト:轟 謙二、遠藤 薫

 左腕を失ったキカイダーは、アオデンキウナギの片腕を切断し危機を脱した。偶然、倒れていたジローと、残されたアオデンキウナギの片腕を発見した光明寺は、ジローの腕にアオデンキウナギの片腕を結合する。一方、父親に化けたアオデンキウナギに襲われるカズコ。そこへ駆け付けたジローはキカイダーにチェンジするが、自由がきかない左腕の為に苦戦する。苦しむジローを発見したミツ子は、ジローの左腕を修理。左腕を取り戻したジローはツカハラ親子を襲うアオデンキウナギと対決。見事撃破し、秘密実験場も木っ端みじんと化したのだった。

 前作に続き鳥取県(鳥取砂丘、出雲大社、皆生温泉)にてロケ。話も前作からの続きである。


第35話「ジローデンジエンドの最期!」

放送日:1973/03/10
脚本:長坂秀佳
監督:北村秀敏
ゲスト:千崎ゆか

 農夫として働く光明寺を襲う黒いカラスの群れ。カラスから光明寺を救うジローだったが、合体したカラスはダーク破壊部隊・クロガラスに変身。立ち向かうキカイダーだが、必殺技・デンジエンドが効かない相手に敗退する。損傷したジローと負傷した光明寺を発見したミツ子らは、迫りくるダークから救出し身を隠した。このままではクロガラスに勝てないと悟ったジローは、自らの体内に高圧電流を流しパワーアップを図る。発見され襲い来るクロガラスと対峙したキカイダーは、会得した新必殺技・キカイダースパークによってクロガラスを見事葬った。しかし、光明寺はダークに追われてミツ子達とはぐれ、再び離れ離れに。そして、ダークの秘密基地では一人の悪の戦士が誕生しようとしていた……。

 第35話より最終話(第43話)まではすべて長坂氏による脚本作品。
 本話より悪の戦士ハカイダーが登場。本話ではシルエットのみだが、第34話終了後の予告ではシルエットと共に実際の姿が、テーマソングである「ハカイダーの歌」をバックに先行して登場。また、本話の予告でも実際の姿が先行して登場している。


第36話「狂ったジローが光明寺をおそう」

放送日:1973/03/17
脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ゲスト:長尾英彦、佐藤吉蔵

 良心回路と逆の働きを持つ悪魔回路の開発資金を得るために銀行を襲い続けるダーク破壊部隊・クワガタブルー。銀行襲撃現場を目撃した為にクワガタブルーに襲われた女カメラマン・マリを助けたジローだったが、クワガタブルーの攻撃により損傷。ミツ子の修理によって復活したジローはキカイダーにチェンジしクワガタブルーを撃破する。一方、農協で働いていた光明寺はダークに発見され、ダーク破壊部隊・ヒトデムラサキに襲われた。そして、その最中に頭を打ったショックで記憶を取り戻す。そこへ助けに現れたジローだったが、ギルの笛の音によって操られ光明寺に襲いかかる。笛の音に抵抗するジローだったが良心回路が絶えきれずオーバーヒートを起こし、ジローの全機能は停止してしまう……。

 第1話より記憶喪失になり、子供達と離れ離れになった光明寺博士の記憶がついに回復、今まで続いていた放浪の旅に終止符が打たれた。
 前話である第35話より最終話まで、すべて長坂氏の脚本により大河ドラマ的に連続ドラマが展開しているが、その中で、本作よりセミレギュラーが2名登場。大前均氏演じる刑事が第36話〜第38話および最終話、小田まり氏演じる女カメラマンのマリが第36話〜第38話に出演している。なお、大前氏演じる刑事だが、長坂氏のシナリオ集「さらば斗いの日々、そして 長坂秀佳シナリオ傑作集」(朝日ソノラマ刊)収録の最終話のシナリオでは大名刑事となっているが、書籍「人造人間キカイダー 超人バロム1 変身忍者嵐 3大テレビヒーロー シークレットファイル」(ミリオン出版刊)では「熊野刑事は脚本上では「大名」という完成作品とは異なる名前が表記されていた」という記述があり、この書籍によると「熊野」が正式の名前のようである。


第37話「ジローの弟強敵ハカイダー!」

放送日:1973/03/24
脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ゲスト:池田浩子、秋元羊介、内田 嵐/菊地輝男、大山 豊、藤沢洋二郎

 全機能が停止したジローは、マリの証言によって光明寺誘拐の疑いをかけられ警察に追われるが、ハンペンの機転により逃走。ミツ子により修理を受けるジローだったが、自責の念が声帯回路を麻痺させ、声が出せなくなってしまった。ダークを目撃した為に追われる少女を救うジローはダーク破壊部隊・ヒトデムラサキを撃退するが、ギルの笛の音に操られたジローは刑事らの目前で少女を襲い、捕らえられてしまう。声の出せないジローは釈明することもできず、光明寺殺害の疑いをかけられ分解の危機に。一方、ダークの秘密基地では薬によって操られた光明寺によって悪魔回路が完成、ついに、悪の戦士ハカイダーが誕生するのだった。

 第34話の予告よりその姿を見せていたハカイダーが本話終盤についに誕生、登場した。
 第37話と第38話にてダークの科学者(?)を演じているのは、のちに声優として名を馳せる秋元羊介氏。長坂作品では『特捜最前線』(1977年〜1987年)118話「子供の消えた十字路」で登場する交通事故の加害者・町田乙彦役が印象的である。
 言葉が話せなくなったジローであるが、キカイダーへのチェンジのシーンは流用のシーンの為に言葉を話せている。また、チェンジ後の掛け声も通常通りである。


第38話「ハカイダーがジローを殺す!」

放送日:1973/03/31
脚本:長坂秀佳
監督:永野忠
ゲスト:入江正徳、須永かつ代、秋元羊介

 分解直前に逃走を果たすジローだったが、その目前にハカイダーが立ち塞がる。その圧倒的な強さでキカイダーを追い詰めたハカイダーであったが、血液交換の時間が来た為に一時撤退。一方、ミツ子らの前にジローの弟と名乗る青年・サブローが出現、襲い来るダーク破壊部隊・ヒトデムラサキからミツ子らを救った。ジローが光明寺を襲う瞬間を写した証拠写真を見たマサルは、ハンペンと共にジローを捕獲するが、そこへヒトデムラサキが急襲。危機を知らせる為、必死の思いで声を取り戻したジローはヒトデムラサキを追ってダークの秘密基地へ潜入。そこで、ハカイダーに光明寺の脳が組み込まれていることを知る。襲い来るヒトデムラサキを葬り去るキカイダーであったが、その前にハカイダーが立ちはだかった。

 前話で誕生したハカイダーがキカイダーと初対峙。一か月程前より顔見せして焦らしていたライバルキャラクターであるハカイダーは、その圧倒的な強さとカッコよさを視聴者に披露、キカイダーとの第1ラウンドはハカイダーの圧勝に終わった。
 ダークだけではなく警察からも追われ、さらに父の仇として誤解したマサルにまで責められ敵視されるジロー。長坂氏が得意とする追い詰められる主人公の図式の究極のカタチがここにある。


第39話「父の仇ジロー全国指名手配」

放送日:1973/04/07
脚本:長坂秀佳
監督:永野忠
ゲスト:ラッキーセブン、吉沢信子、モニカ、栗嶋 宏

 ハカイダーと対決するキカイダーだが、光明寺の脳を持つハカイダーに対して全力で攻撃することができず撤退。そして全国に指名手配されたジローは、父を殺したと思い込んだマサルに父の仇として責められる。その場に現れたサブローを信じるマサルは、機械の動きを停止するデスホイッスルを受け取り、ジローの破壊を誓う。そんな中、ダークの新しい戦士を作る為に子供達の誘拐を繰り返すダーク破壊部隊・アンコウブラウン。ダークの秘密基地から逃げ出した少年を救ったジローは、基地に潜入し捕らわれた子供達を救出。アンコウブラウンを撃破するも、警察に追われ再び姿をくらますのだった。

 漫才コンビ・コントラッキーセブン(ポール牧氏、関武志氏)が警官役で出演。本番組のコメディリリーフ的存在のハンペンとの絡みは、徐々に重くなっていく本編のドラマと非常に対照的にコミカルなものとなっている。


第40話「危しジロー!機能完全停止!!」

放送日:1973/04/14
脚本:長坂秀佳
監督:北村秀敏
ゲスト:佐藤一臣

 日本中の市民を狂わせる「市民キチガイ計画」を遂行するダーク破壊部隊・キリギリスグレイは、計画に必要なアンテナを写生した少年とその絵を狙う。その少年を救い、コンクールに出すという絵を代わりに運搬するマサルらだが、キリギリスグレイに襲われ窮地に。駆け付けたジローだが、キリギリスグレイのマッドサイクルによって3000倍に増幅されたギルの笛の音がチェンジしたキカイダーをも苦しめる。ギルによって操られたキカイダーは命ずるままハカイダーと激突するが、ミツ子の機転によってギルの呪縛から解放され、キリギリスグレイを撃破。マサルに疑われてまでも生きていたく無いと告げるジローの言葉を信じたマサルは、ジローの胸に飛び込み泣きじゃくるのであった。

 ジローを信じたい気持ちと信じることができない気持ちの中で葛藤していたマサルが、ジローを理解し、ついに和解。本番組クライマックスのひとつの肝であったジローとマサルのドラマがここに完結を迎えた。
 本作ではギルの笛の音が3000倍に増幅され、キカイダーがチェンジ後も苦しめられた。ちなみに、『キカイダー01』第6話「魔術師対ゼロワンの秘密能力!!」では、1000倍にパワーアップしたギルの笛によりチェンジできずにいたが、チェンジ後は特に苦しんでいなかったようなので、1000倍では特にチェンジ後に影響を与えないようである。


第41話「壮絶ジロー空中分解!」

放送日:1973/04/21
脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ゲスト:木下陽夫、前原久影、藤村茂男、猪垣泰祐

 ダークの秘密基地へと続くダーク道路の目撃者の命を奪うダーク破壊部隊・アカ地雷ガマは、ギルによりキカイダー及びハカイダーの暗殺を命じられ行動を開始。同時に、ギルはミツ子らに光明寺の写真と居場所の地図を送り、基地へと誘い出す。ミツ子らを制止するジローであったが、ハカイダーに襲われ苦戦を強いられる間、父の元へと向かったミツ子らはダークによって囚われの身となった。ミツ子らを救う為に基地へ向かったジローは、立ちはだかるアカ地雷ガマと対決。全身地雷の体を持つアカ地雷ガマに組み付いたキカイダーの体は、その瞬間バラバラに吹き飛んでしまった。

 主人公であるキカイダーが文字通り五体バラバラになるという、サブタイトルの言葉通りにまさに壮絶な映像が展開。それを目撃したハンペン同様に、全国の視聴者の度肝を抜いたであろう。主人公が人造人間だからこそ出来た衝撃的なストーリー展開である。


第42話「変身不能!?ハカイダー大反逆!」

放送日:1973/04/28
脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ゲスト:−

 キカイダーを倒したアカ地雷ガマを葬り去ったハカイダーは、自らの存在意義を失い、自分の創造主であるギルを呪い襲う。しかし、ギルによって自分の産みの親が光明寺だと知らされたハカイダーは、基地の地下牢に捕らわれている光明寺の元へ向かう。一方、ハンペンによって回収されたキカイダーのパーツを受け取ったミツ子は、復活させたキカイダーのコンピュータの指示に従い修理を開始するもそこをハカイダーが襲う。修理中の半身の体で立ちはだかるキカイダーを見たハカイダーは、キカイダーの修理を待って再戦。しかし、ジローは変身回路の故障でチェンジ出来ず苦戦。そこへアンドロイドマン、そしてダーク破壊部隊最後の戦士・白骨ムササビが急襲。白骨ムササビによってハカイダーは倒され、ジローの腕の中で絶命する。ハカイダーの脳を入手し、光明寺の脳の移植手術を目前としたミツ子らだったが、そこにハカイダーをも倒した白骨ムササビが迫りくる……。

 本番組のクライマックスを盛り上げたハカイダーが今作にて退場。キカイダーを倒す為に作られたハカイダーに用意された結末は、そのキカイダーが自分以外の者によって倒され、さらに自分もまた別の者によって倒されるという皮肉で悲しい物語であった。


第43話「ジローの最期かダーク全滅か!?」

放送日:1973/05/05
脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ゲスト:−

 ジローとハンペンの陽動作戦の隙に、ミツ子は光明寺の脳移植を完了。ミツ子の涙によって意識を取り戻した光明寺は、ギルの追っ手から逃れ脱出。白骨ムササビによって倒されたジローを発見した光明寺はジローの修理を果たすが、ギルによって再び囚われの身となる。処刑寸前の光明寺親子の前に現れたジローは、親子を救出、迫り来る白骨ムササビを葬り去った。そして、ジローに追い詰められたギルは基地を自爆させ、ついにダークは全滅した。ダークとの闘いも終わりスイスへと旅立つ光明寺親子を見送るジローは、不完全な良心回路に負けない精神力を身に付けるべくひとり旅立つのであった。

 前話にて、クライマックスを盛り上げたハカイダーのドラマが終了した本番組は、本最終話にて悪の組織・ダークの壊滅と、光明寺親子の再会をもってついに大団円を迎えた。なお、次週より放送された本番組の続編『キカイダー01』(1973年〜1974年)では、ジローが第3話より出演。光明寺博士は最終話のみでハンペンは第36話と第37話の2話のみの出演。残念ながらミツ子とマサルの登場は無かった。