【ストーリー紹介】キカイダーによって倒されたプロフェッサー・ギルが、脳をハカイダーに埋め込み「ギルハカイダー」として復活。3体の新しいハカイダーとともにハカイダー部隊を結成し、再び世界征服を狙う。だが、時を同じくして一人の戦士が永い眠りから覚めた。彼の名はキカイダー01! 01は巨大な悪のエネルギーが動き出した時、誕生するようにセットされていたのだ……。
第1話「無敵!!人造人間ゼロワン誕生!!」
放送日:1973/05/12 プロフェッサーギルの脳を組み込んで復活したハカイダーは、ダークの科学者の脳を組み込んだハカイダー三人衆と共にハカイダー部隊を結成、世界征服を狙い行動を開始した。時を同じくして一人の戦士が永い眠りから覚めた。彼の名はキカイダー01! 01は巨大な悪のエネルギーが動き出した時、誕生するようにセットされていたのだ……。01は、ハカイダー部隊に襲われる記憶喪失の少年・アキラを救う。だが、ハカイダーに襲われる老婆の救出に向かう隙にアキラを奪われてしまう。アキラ救出の為にハカイダー基地に乗り込んだ01は爆発する基地の中から無事にアキラを救出する。ハカイダーに狙われる少年・アキラの秘密とは? 老婆に扮した謎の女の正体は? 謎が謎を呼びながら01とハカイダー部隊の壮絶な戦いが始まった。
本番組は、1972年〜1973年に放送された『人造人間キカイダー』の続編として、その翌週より放送が開始された。 第2話「ハカイダー四段攻撃とは何か!?」
放送日:1973/05/19 アキラが持っていた写真に写っていた謎の女・リエコ。リエコを探し病院を訪れたイチローとアキラをハカイダー部隊が急襲。遊園地に逃げ込んだイチローは01にチェンジ、激闘の末、逃走に成功する。しかし、取り付けられた発信器により居所を知られたアキラは、イチローに扮したシルバーハカイダーによってさらわれてしまった。看護婦に化けていたリエコを発見したイチローは、アキラがさらわれたことを知り救出に向かう。アキラを救い、ハカイダー基地を破壊する01。しかし、太陽電池で作動する01は太陽が沈んだ為に10分の1にパワーダウン。そこへ、ハカイダーと三人衆の「ハカイダー四段攻撃」が炸裂。両足を負傷し身動きがとれない01にハカイダーらが迫る。危うし、01!
冒頭、ハカイダー部隊に処刑されるハンター役のひとりは斉藤真氏。長坂作品では『快傑ズバット』(1977年)のレギュラー・東条進吾刑事、『ジキルとハイド』(1973年)第12話「偽りの園」、『特捜最前線』(1977年〜1987年)第44話「非情の罠・金、女、賭博!?」、第94話「恐怖のテレホン・セックス魔!」、第141話「脱走爆弾犯を見た女!」、第195話「殺人メロディーを聴く犬!」がある。 第3話「帰って来たジロー キカイダー」
放送日:1973/05/26 ハカイダー部隊に囲まれ絶体絶命の01。その窮地を救ったのは帰ってきたジロー=キカイダー!。その隙に両足を修理した01は日の出と共に復活。01とキカイダーの連携攻撃によってハカイダー部隊を撃退する。イチローとジローはアキラを幼稚園へ隠し、ハカイダー基地の本拠地を探索。しかし、ハカイダー部隊のアンドロボット達が、アキラの区別がつかない為に幼稚園児をまとめてさらった。駆け付けたイチローとジローは次々と現れるアンドロボットと激闘。その製造工場を発見した二人は工場の爆破に成功するのだった。
前作の主人公・ジロー=キカイダーが、第1話と第2話の2回分を休んだだけで早速復活。挿入歌である「ぼくらのキカイダー」と「キカイダーは行く」が歌詞付きで流れ、その存在感を引き立たせている。 第4話「怪奇!幽霊ロボット消滅!?」
放送日:1973/06/02 アキラと瓜二つの息子を交通事故で失ったばかりの久保母娘。それに目を付けたハカイダー部隊は娘・ミドリを捕らえて母を脅迫、イチローを罠にはめようと企む。脅迫されたミドリの母は写真を証拠にアキラとイチローを自宅に招待。そこをハカイダー部隊とシルバーハカイダーのもう一つの姿・銀エビが襲う。ハカイダー部隊の攻撃を潜り抜けたイチローはミドリを救出、母娘は無事に再会を果たした。続けて、銀エビはアキラを襲うが再び01が立ちはだかる。しかし、01はハカイダーの「サタンダークネス」によって太陽光線を遮断されパワーダウンし、絶体絶命の危機に。その窮地に駆け付けたキカイダーがサタンダークネスを打ち破り、復活した01は必殺技ブラストエンドで銀エビを撃破するのだった。
ミドリ役の佐久間真由美氏は『ケンちゃん』シリーズのトコちゃん役や、『がんばれ!!ロボコン』(1974年〜1977年)の大山みどり役があまりにも有名。長坂作品では『快傑ズバット』(1977年)第5話「花売り少女と白い粉」にミチル役で出演、この『01』第4話と同様、縛られ吊されているのは何かの偶然であろうか。 第7話「落雷!機能低下のゼロワン直撃」
放送日:1973/06/23 ハカイダー部隊・ブラックドラゴンに襲われるイチローとアキラ。太陽が沈んだ為にパワーが低下し窮地に陥るイチローだったが、その窮地をキカイダーが救った。そして、リエコによって救出されたアキラを必死に探すハカイダー部隊とイチロー。ハカイダー三人衆によって捕らわれんとするアキラを救うイチローだったが、ハカイダーのサタンダークネスによって太陽の光を奪われ1/10にパワーダウン。ブラックドラゴンにチェンジしたハカイダーに襲われ絶体絶命の危機に。そこに駆け付けたキカイダーが、雷と雲の発生装置・サタンサンダーメカを破壊し、01のパワーは復活、ブラックドラゴンを撃破した。だが、ハカイダー四人衆は合体し、合体ロボット・ガッタイダーにチェンジ、死神ミサイルを使ってイチローに襲いかかった……。
第4話から第6話まで1話ずつ、ハカイダー三人衆の別の姿のロボットが登場するが、本話にてギルの脳を組み込んだハカイダーの別の姿が登場。「地獄の王者」という名の肩書きを持つブラックドラゴンである。だが、その名前とは裏腹に、胸パーツが黒色のみで、他はほとんど金色のような色である。 第8話「イチロー危機!四人衆合体!!」
放送日:1973/06/30 ガッタイダーが放った死神ミサイルによってイチローと離れ離れになったアキラだったが、その窮地をキカイダーが救った。執拗にアキラを狙うガッタイダーの前にキカイダーは苦戦するが、駆け付けたイチローと、謎の男の乱入により、ガッタイダーは一時撤退。その謎の男は、世界大犯罪組織シャドウ大幹部のシャドウナイトと名乗り、アキラの誘拐を企てるがイチローが阻止する。イチローは、アキラを守る為に太陽光線の届かない鍾乳洞の中でガッタイダーと戦うが、パワーダウンしたイチローは苦戦。助けに現れたキカイダーの力を借り、01はガッタイダーを粉砕した。リエコに諭され、自分の力で鍾乳洞を脱出したアキラだったが、イチローらの目前でシャドウナイトがアキラを連れ去った。
第8話〜第10話は山口県(秋吉台、下関)ロケ。前話(第7話)ラストにて被弾し、気を失っていたイチローが目覚めた場所が秋吉台の大正洞である為、第7話のラストにてダブルマシンは山口県を走っていたことになる。第7話の舞台が東京だったとして、ダブルマシンの設定は地上が時速500キロ、空中が時速800キロとのことなので、さほど時間はかからないといったところか。それにしても、なぜ彼らが山口県を訪れたのかは謎である。 第9話「大犯罪組織シャドウ出現の怪!!」
放送日:1973/07/07 アキラをさらったシャドウナイトを追跡するイチローとジロー、そしてその後を追うハカイダー部隊。01とキカイダーの前にシャドウロボット・赤面ガメまで出現し、アキラを巡ったキカイダー兄弟とハカイダー部隊、シャドウの三つ巴の戦いが繰り広げられる。その隙にアキラの身柄を確保したリエコは、偶然、恩師であるユザワ博士に再会、行動を共にするが、途中でレッドハカイダーがユザワ博士にすり替わりアキラを狙う。アキラを連れ去らんとするハカイダー部隊の前に現れたイチローとジローはハカイダー部隊と激突。ついにレッドハカイダーとブルーハカイダーを葬り去った。仲間を倒され怒りに震えるハカイダーは、復讐を誓うのだった。
本話のサブタイトルだが、「大犯罪組織シャドウ出現の怪!!」の「!!」は、第8話に放送された本話の予告編では「!?」になっている。 第10話「大首領ビッグシャドウの怪奇!?」
放送日:1973/07/14 ビックシャドウから部下になるよう持ちかけられたハカイダーは、それを拒否。そしてハカイダーは、アキラを襲うハカイダー部隊の前に現れたシャドウナイトと赤面ガメに対し、力を合わせて01を倒すよう提案し、その間にアキラとリエコを捕らることに成功する。アキラの体のどこかに隠された世界最強のロボットの設計図を求め、リエコとアキラを拷問にかけるハカイダー部隊だが、その前に01が現れ二人を救出。01は自爆スイッチにより全国のハカイダー基地すべてを爆破。シルバーハカイダーを葬り去り、ハカイダーをも倒した。だが、そのハカイダーの体はビッグシャドウの笑い声と共に謎の消滅を遂げるのだった。
ハカイダーによると、全国のハカイダー基地は3年ががりで築き上げたとのこと。この時点でハカイダー基地建設=ハカイダー部隊結成より3年が経過しているということなのか? それとも、ハカイダーにはギルの脳が組み込まれていることから、ダークの基地建設もカウントされているのか。謎である。 第11話「怪談 地下秘密基地の幽霊女」
放送日:1973/07/21 01に倒されたハカイダーは、ビックシャドウによって助けられシャドウの傘下に加わった。シャドウは、「一千万人殺人計画」完遂の為、コンピュータ・ブラックサタンが選び出した人間を次々に殺戮。次に選び出された少年・アカネカズヒコを、シャドウロボット・幽霊女が襲う。それに気付いたイチロー、そしてジローがカズヒコを救出。ジローとイチローは、都内で急増する行方不明者を調査、シャドウの地下通路を発見する。その地下通路に追い込まれたカズヒコ、そしてアキラとリエコを幽霊女が襲うが、そこにイチローが参上。太陽の届かない地下の為にチェンジできないイチローだったが、助けに現れたキカイダーが天井に穴をあけ太陽光を確保。イチローは01にチェンジし、幽霊女、そして赤面ガメを撃破、地下通路の爆破に成功するのだった。
第11話より第14話は、テレビ番組では夏の風物詩である怪談シリーズが展開。長坂氏も多くのテレビ作品で怪談シリーズを手掛けている。 第12話「怪談 墓場の化猫呪いの生首」
放送日:1973/07/28 シャドウのコンピュータ・ブラックサタンに選び出された為に、シャドウロボット・化猫ロボットに狙われる少年・スギシタゴイチ。ゴイチは、母親・カズヨに化けた化猫ロボットに襲われるも、イチローが阻止。化猫ロボットは、人間の死体の怨念をシャドウ製殺人ロボットの頭脳回路に組み込み蘇らせる「死体改造計画」を遂行。その秘密を目撃したゴイチは、偶然その場に居合わせたリエコとアキラと共に再び化猫ロボットに襲われる。救出に現れたイチローは01にチェンジし、乱入したハカイダーと激闘。加勢に加わったキカイダーと共に、ハカイダーを敗退させ、そして化猫ロボットを粉砕した。
冒頭のビッグシャドウによると、スギシタゴイチは「死体改造計画」の邪魔になるという。なぜゴイチ少年が計画の邪魔になるのか、本編を見る限りいまいち理由が分からない。 第14話「怪談 ギルの亡霊が地獄で呪う」
放送日:1973/08/11 シャドウナイトは、アキラの秘密を得る為ハカイダーに死霊呼び戻しビームを浴びせ、プロフェッサーギルの霊を呼び戻した。結果、ギルの二人の子供であるアキラともう一人の子の背中に世界最強巨大人造人間・ジャイアントデビルの設計図が隠されていることが判明。コンピュータ・ブラックサタンによりアワジマユミという少女がギルの娘だと分析され、シャドウロボット・お岩フクロウがマユミを襲う。それをイチローが阻止するも、お岩フクロウによりお岩の幻影を見させられ、マユミと義母は恐怖に怯える。リエコとアキラと共に逃走するマユミ母娘を襲うお岩フクロウを、チェンジしたイチローとジローが撃破。そして、マユミはギルの娘では無いことが判明、また、リエコによりアキラの兄・ヒロシの存在が語られるのであった。
プロフェッサーギルが、死霊というカタチで登場。久々に安藤氏演じるギルの姿を拝見することが叶った。 第17話「大巨篇!!恐怖の巨人デビル始動」
放送日:1973/09/08 シャドウナイトは、ウラニウムの10倍の威力を持つハイセリウムの製造法を知るオオヌキを襲う。それは、ジャイアントデビルのエネルギー源に利用する為であった。窮地をジローに救われたオオヌキだが、設計図を隠した財布をそうとは知らないミサオにすられてしまった。シャドウはミサオとヒロシを捕らえ、ジャイアントデビルの体とハイセリウムの設計図を入手、ジャイアントデビルの完成を急いだ。残るは、アキラが持つ心臓部の設計図のみ。ハカイダーに襲われるリエコとアキラをジローが救出、囚われのミサオとアキラの前に駆け付けたイチローは01にチェンジし、シャドウロボット・コムソウドクロを倒すのだった。
第15話よりミサオとヒロシが登場。ミサオを演じた松木聖氏は、『人造人間キカイダー』、『キカイダー01』や『特捜最前線』(1977年〜1987年)でも監督を手掛けている永野靖忠氏の義妹。永野監督の妻であり、松木聖氏の姉である松木路子氏は、『特捜最前線』では高杉刑事の妻・陽子役を演じていた。 第18話「史上空前絶後!!人造人間大爆発」
放送日:1973/09/15 心臓部の完成を残すのみとなったジャイアントデビルは、まず頭部のみで出撃。街に壊滅的打撃を与えるその威力に震え立つシャドウ。さらにシャドウナイトがアキラの姿をした爆弾ロボットをジローとイチローに接触させ、ジローとイチローはギターとトランペットを残して吹っ飛ぶ。ついにアキラを捕らえ図面を手にしたシャドウは、ジャイアントデビルの完成を急いだ。そして、万一キカイダー兄弟が生きていた場合に備え、基地に人造人間用の特殊な仕掛けを施した。そこに現れるイチローだが、仕掛けが動作しなかったためにアキラを奪取する。そのイチローはリエコによる変装だったのだ。変装が見破られ窮地のリエコの前に、罠を脱していたイチローとジローが登場。二人の合成エネルギー・ダブルブラザーパワーによって完成目前のジャイアントデビルは葬り去られた。 第1話より続いていたジャイアントデビルを巡る戦いが、完成目前のジャイアントデビルの破壊とシャドウが手にした図面コピーの消失によりここに終結を迎えた。第17話のサブタイトル「大巨篇」や第18話「史上空前絶後」といったやや大げさな文句に負けない壮絶なクライマックスであった。ただし、アキラとヒロシの体には変わらず図面が残されている為、ビッグシャドウは本話最後にてジャイアントデビル完成の野望は捨てずアキラとヒロシを狙い続けると語るが、結果的にこの回を境にシャドウが積極的に兄弟を狙うことが激減した。第24話のハカイダーの台詞によると、悪魔の使者・ザダムを完成させた為ジャイアントデビルはどうでもよくなったとのこと。シャドウの目線ではジャイアントデビル<ザダムということか? 第20話「大狂乱シャドウ首領の正体判明」
放送日:1973/09/29 ビッグシャドウは、秘密基地・奇岩城建設の邪魔となる「自然を守る会」のメンバーをハカイダーに命じ残虐。続けて会長のミタムラユミコを襲うハカイダーだがイチローが阻止。01打倒に燃えるハカイダーは、ビッグシャドウの命令を無視し、01を執拗に狙い続ける。ハカイダーは、アキラを催眠術にかけ、イチローのオイル交換カプセルを偽物にすり替えさせ01の全機能を停止させようと企むが、ハカイダーの企みに気が付いていたアキラがそれを阻止。そして、シャドウ基地に侵入したアキラとヒロシをジローが救出する。シャドウに襲われるユミコを守り抜くイチローとジローは、チェンジしてハカイダーと対決。ついに、ハカイダーを五体バラバラに破壊した。だが、ビックシャドウによって復活を遂げたハカイダーはシャドウの最高幹部としてビッグシャドウに忠誠を尽くすのだった。
今まですれ違いが続いていたアキラとヒロシだが、第18話のラストでは「二人が巡り合える日は……」と思わせぶりなナレーションだったものの、本話では何の説明もなく、自然に知り合いになっている。本番組では複数の脚本家が手掛けている為、二人の出会いのシーンを入れるのが困難だったのであろうか。 第21話「吸血の館 美人女子寮の恐怖!!」
放送日:1973/10/06 優秀な血液を持つ女性の体を利用してロボットを製造する為、女性を襲い続けるシャドウ。最適な血液を持つ女子高生・ユカを発見したシャドウは、ユカを狙い学園寮に侵入、ユカを捕らえてロボット・吸血コウモリを誕生させた。その現場を目撃した為に襲われるリエコとアキラを救うイチローは、01にチェンジし、ブラストエンドで吸血コウモリを撃破する。しかし、新たに捕らえられた女性の血によって第二、第三の吸血コウモリが誕生。ハカイダーと共にユカらに襲いかかる。駆け付けた01は吸血コウモリを次々と撃破。ハカイダーの片腕を損傷し敗退させるのだった。
人々が襲われているところをイチローがトランペットを吹いて登場というお決まりのパターン。今作では、そのお約束のトランペットをマネキンが変わりに吹き、それにハカイダーらが気を取られている隙に人々を救うといったパターン崩しが展開されている。同様に、第25話ではトランペットの自動演奏(アキラが操作?)、『人造人間キカイダー』で数度見られたハンペンによる演奏や、第18話ではジローとイチローが互いの楽器を演奏するという展開など、お決まりのパターンの中にパターン崩しを入れるのも長坂氏の作風の一つであるといえよう。 第24話「悪魔の業!?地球ブタの惑星計画」
放送日:1973/10/27 シャドウは、ブタを反乱させ地球を支配させる「ブタの惑星計画」を遂行、ブタから成長した人間型ロボット・ピッグマンが人々を襲う。そして、シャドウロボット・マッドピッグは、平和電気社長に化け、工場をシャドウの兵器工場に作り替えた。社長の娘・ミドリは父親の突然の変貌からその正体に気付き、ミサオらと共に逃走。正体を現し襲いかかる2体のマッドピッグの前にイチローが現れ救出するが、その隙にミドリが本物の両親を探してシャドウの基地に潜入した。その後を追うリエコたちはミドリと共に捕らえられ、そして、セットされた時限爆弾の爆発が迫る。イチローがミドリの両親に化けたマッドピッグと戦う中、覚悟を決めたリエコは自分が人造人間であることを明かし、ミドリ達を逃がし基地と共に爆発を遂げた。一方、シャドウでは悪魔の使者・ザダムが誕生しようとしていた。
本話にてリエコが降板。少々思わせぶりに締めくくられおり、仮に生きていてもおかしくない感じではあるが、結果的に復活することはなかった。リエコ役の隅田和世氏は、本番組の降板後、翌年1月4日に放送された『ダイヤモンド・アイ』第14話よりレギュラー・蘭花役として活躍した。急に降板が決まったのか、当初全く格闘シーンが無かったのが、第23話と第24話で急に格闘できるようになったり、第18話にて人造人間に反応する仕掛けに感知しないなど、当初は人間として設定されていたが、急遽人造人間としての設定に変更されたのではないかと思われる。 第25話「悪魔の子ザダム 月世界基地発進」
放送日:1973/11/03 シャドウの月世界基地で最高幹部ザダムが誕生、ビッグシャドウの命を受け地球へ降り立った。月世界基地の存在を隠す為、月から発進したその姿を目撃した天文学者を襲うシャドウ。目撃者であるツキコとその父親がさらわれ、救出に向かうイチローだが、罠にはまりロケットに閉じ込められ月世界基地へ飛ばされてしまった。地球へ戻ろうとするイチローの前に、ザダムの超能力によって月に運ばれたハカイダーとシャドウナイトが出現。イチローはツキコと父親の乗ったロケットを発射させ、月に残ったイチローはハカイダーとシャドウナイトを撃退する。エネルギーを使い果たし、地球へ帰るすべを失ったイチロー。そこへ、ジローによって届けられたダブルマシンが到着。シャドウの月世界基地を爆破したイチローはダブルマシンで地球へと帰還するのであった。
シャドウ製ロケットに「SHADW」というロゴがある。シャドウのスペルは「SHADW」なのであろうか? ちなみに、「影」という単語のスペルは「SHADOW」であり、少々異なる。 第26話「南紀の死斗!!ザダム超能力発揮」
放送日:1973/11/10 ウチヤマ博士の一人娘・カツラは、亡くなったばかりの父が遺した念力遮断回路を学会に発表すべく南紀勝浦に向かっていた。念力を扱うザダムは、それが01に取り付けられることを恐れ、シャドウロボット・テングムササビを派遣、カツラの命を狙う。しかし、イチローがその窮地を救った。カツラを守るため、ミサオを替え玉にしてシャドウの目をくらまそうとするが、見破られる。ザダムと対峙した01は、ザダムの超能力により切断された自らの左手に襲われ窮地に。しかし、学会での発表よりイチローに使ってほしいと願うカツラによってイチローに念力遮断回路が取り付けられた。カツラらを襲うザダムら。テングムササビを倒す01だが、カツラを連れ去られてしまう。
第26話〜第28話は和歌山県南紀勝浦ロケ作品(第5話のロケでも使われた千葉の勝浦ではない)。南紀勝浦ロケといえば、特撮作品では『仮面ライダー』(1971年〜1973年)第72話「吸血モスキラス対二人ライダー」、第73話「ダブルライダー 倒せ! シオマネキング」や映画『ロボコンの大冒険』(1976年)が有名。 第27話「秘境の激戦!!ザダムの地獄の罠」
放送日:1973/11/17 ザダムが仕掛ける恐るべき「地獄の罠」作戦が開始された。捕らえたカツラに地獄ベルトをはめ、イチローの元へ返すザダム。午後3時になると爆発するというそのベルトは、それまでに峡谷・瀞峡(どろきょう)の吊り橋の下に行けば外れる仕掛けになっていたのだ。その為、ウォータージェット船に乗って吊り橋に向かうカツラ。カツラを追うイチローは、爆破直前に解体に成功。しかし、そこへ現れたシャドウロボット・地獄ガッパが01の背中に取り憑いた。地獄ガッパは一度背中にへばりついたら死んでも離れないのだ。そして、シャドウナイトの眼力殺人光線が地獄ガッパに炸裂、水爆ガッパへと姿を変えた。これこそがザダムの仕掛けた「地獄の罠」であった。危うし、01! しかし、01ドライバーで地獄ガッパを振り落とした01はシャドウナイトと激闘。ついにシャドウナイトを葬り去るのであった。
第26話に続き和歌山県南紀勝浦ロケ。瀞峡を舞台に、ウォータージェット船上で01の戦いが繰り広げられる。 第30話「悪魔?天使?ビジンダー出現!!」
放送日:1973/12/08 シャドウロボット・公害ナマズはナマズガスを使って自然を破壊、そして人々を白骨化させていった。そんな中、イチローの前に突然現れた謎の女性型アンドロイド。その敵か味方か分からない振る舞いに戸惑うイチロー。そしてイチローは、シャドウマンに襲われる少年達を救う謎の少女・マリに出会うが、マリは公害ナマズに連れ去られてしまう。マリを使って01を誘き出し、仕掛けた液体爆弾で01抹殺を謀る公害ナマズだが、その罠を突破した01は公害ナマズを撃破した。だがその時、マリが激痛に苦しみ出し、イチローにブラウスのボタンを外すよう哀願。これこそがシャドウが仕掛けた01必殺作戦の要であり、シャドウが作った人造人間であるマリのブラウスの第3ボタンを外すと体内の核爆弾が爆発する仕掛けなのだ。危うし、イチロー!
シャドウが作り出した女性型人造人間・ビジンダー、そして、その人間体であるマリが本話より登場。本番組は、主人公のイチローが精神的にはほぼ欠点が見られない設定(言い方を変えれば、当時32歳という年齢だった池田駿介氏の成熟したイメージ)の為か、前作『人造人間キカイダー』をはじめとする長坂作品の特徴である「苦悩する主人公」というパターンがあまり見られず、代わりに大河ドラマ的な血沸き肉踊る冒険活劇的なドラマ展開であった。前作の悩める「暗い」主人公・作風から、とにかく「明るい」イメージへのチェンジである。しかし、ここでジローと同様な「不完全な人造人間としての悩み」を持つキャラクターを配置。第3話から登場していたジローはあくまでも主役として振る舞うことがなく心情描写が少なかったが、本話より登場するマリは悩める主人公像として配置。アクション的な主人公を01に任せ、心情的主人公を一手に引き受け、本番組後半を大いに盛り上げていった。 第31話「哀れ人造人間ビジンダー爆死」
放送日:1973/12/15 マリのブラウスの第3ボタンに手をかけるイチロー。しかし、それを制止したマリはその場を立ち去った。作戦が失敗し激怒するザダムはマリを処罰。ビジンダーにチェンジしたマリは、再び01打倒の為に出撃、囮にする為にミサオらに襲いかかった。その為に、ミサオはヒロシとアキラを守って吊り橋から落下し、生死不明に。ミサオの行方を捜すイチローは、マリに助けられ手当を受けたミサオを発見した。だが、その間にヒロシとアキラがミサオの仇を討とうとシャドウに戦いを挑みに出かけ、逆に窮地に。その窮地をマリが救った。マリは、自らに与えられたその宿命に悩み、そしてビジンダーにチェンジし01に戦いを挑む。ビジンダーを倒したイチローは、彼女に良心回路を取り付ける。再び対峙する01とビジンダーだが、身をもって自らを庇うヒロシとアキラの心に触れ、ビジンダーは涙する。だが、ビジンダーはザダムの超能力によって、摩訶不思議な爆発を遂げるのだった。 イチローは、完全な良心回路にはならないながらも、ジロー並みな良心を持たせてやりたいと願いビジンダーに良心回路を取り付ける。前第30話にて述べたように、中盤より降板したキカイダーに変わるポジションとしてもあるだろうが、精神的欠点の無い完全体であるイチローに対し、不完全なジローと同様なポジションとしてビジンダーを配置。今後は、ビジンダー主体で話が展開することが多くなっていった。 第32話「地獄に呼ばれるビジンダー」
放送日:1973/12/22 ビジンダーを修復し服従させようとするシャドウ。しかし、ビジンダーは反逆し逃走を果たした。一方、シャドウロボット・インクスミイカはその体内で作り出したインク爆弾による「小中学生大量殺人作戦」を遂行。それは、そのインクを使って文字を書くと爆発する仕掛けなのだ。インク会社のトラックを襲撃し、各文房具店にインク爆弾をばら撒くシャドウ。だが、作戦を嗅ぎつけたイチローはインク爆弾を回収、爆破する。いじめられっ子・ケンジに出会ったミサオは、亡くなった父の形見だという彼の万年筆にインク爆弾を注入、使おうとするが、マリがその万年筆を川に投げ捨てた。事情を知らないミサオに責められ苦悩するマリは、川に入り爆発した万年筆の破片を回収、修復してケンジに返す。激痛回路によって苦しみインクスミイカに襲われるマリを救ったイチローはインクスミイカを撃破。そして、強くなると誓うケンジを見送るマリの顔には笑みがこぼれるのであった。
子供を守る為に起こした行動を結果的に責められ、そして人造人間であるがゆえに両親や子供時代の存在が無いことに苦悩するマリ。そして、その後のマリの行動の健気さが心を打つ一作。マリの心の葛藤、そして少年の成長までも描いている非常に密度の濃い作品である。 第34話「呪いの大時計 ビジンダー危機」
放送日:1974/01/05 突如、人々が狂い暴れ出し、暴徒と化す事件が続発。それは、シャドウロボット・キチガイバトの発信するセコンドサイクル電波が、腕時計を通して装着者の人間を狂わせている為であった。マリは、腕時計を持っていない為に友人たちから疎外感を抱いていた少年・ダイスケが腕時計欲しさに万引きしようとする様を目撃、それを諭す。電波によって乱闘を始めたダイスケ達を止めるマリだが、それを目撃した少年の母親らが誤解し、マリを犯人だと非難。苦悩するマリだが、駆け付けたイチローと共に身を持って人間を守る姿に母親達は誤解を解いた。イチローは、電波の発信源であるキチガイバトを発見、危機に陥ったビジンダーを救い、キチガイバトを撃破するのだった。
本話中盤、「01のように、強く正しい人造人間になりたい」と願っていたマリが、ラストシーンで少年から「ビジンダーみたいな立派な人間になる」と言われ微笑む展開が非常に巧みで、第32話に続きマリの心の葛藤、そして成長を見事に描いている。 第35話「振袖娘ビジンダー地獄絵巻」
放送日:1974/01/12 ハカイダーは、振袖を着用した人間を操り殺人を起こさせる「大東京襲撃キモノドクガ作戦」を遂行、犠牲者が続出する。そんな中、両親のいない少年・サブは、成人式を控えた姉・かおるに着せようと、苦心して貯金したお金でシャドウ製の着物を入手する。それを知った姉は、弟の気持ちだけで十分だと語り、サブと知り合ったマリに着てほしいと振袖を勧める。振袖を着る為、爆弾のスイッチと化しているブラウスの第3ボタンにマリが手をかけたその時、イチローがそれを制止。着物の正体=シャドウロボット・キモノドクガを見破り、そして葬り去るのであった。
姉思いの少年・サブの姉・かおるを演じるのは歌手・小林幸子氏(当時は小林さち子)。 当時はテレビドラマの出演もあり、長坂氏の脚本作品ではないが、『刑事くん(第1シリーズ)』(1972年〜1972年)第19話「冬の旅 青春の旅」(脚本:佐々木守氏)に出演もしている。 第37話「剣豪 霧の中から来たワルダー」
放送日:1974/01/26 超一流の殺し屋ロボット・ワルダーを雇ったシャドウ。ビッグシャドウの命を受け、ワルダーが苦手とする犬を次々と抹殺するハカイダーは、その命令を不服に思いワルダーに戦いを挑むが、完敗する。アキラとヒロシが可愛がっていた犬を殺戮したハカイダーに対し、マリは勝負を挑むが、ハカイダーは犬の仇を討つ為に現れたヒロシを人質にとる。そこに、ハカイダーのやり方が気に入らないワルダーが現れマリを救った。そしてついに始まった01とワルダーの決闘。しかし、ハカイダーが連れてきた犬により弱ったワルダーは01に苦戦。01のブラストエンドが炸裂する瞬間、ビジンダーは思わず01に攻撃し、ワルダーは窮地を脱するのだった。
シャドウの雇われ殺し屋ロボット・ワルダーが登場。犬が苦手という「オバケのQ太郎」のような設定があるが、犬には自分が持ち合わせていない「モノの善悪を見極める心」があることに恐ろしく感じる、という理由づけがされている。 第39話「強敵宇宙人は空飛ぶ円盤で来る」
放送日:1974/02/09 ザダムの「宇宙人ロボットの円盤作戦」。空飛ぶ円盤を出現させ、調査に来た科学者を捕らえて働かせるのが目的だ。街を攻撃する円盤に戦いを挑む01だが、ブラストエンドも効かない相手に苦戦、負傷し、一彦・ヨシ子兄妹に救われる。円盤から降り立った宇宙人ロボットを目撃した少年達は、塾の成績で勝てない一彦を邪魔に思い、ワルダーを利用して宇宙人ロボットの前に誘き出し、一彦は氷漬けと化した。罪の意識に苦しみ改心した少年達は、一彦を助ける為にワルダーに協力を要請するが、ワルダーは少年達が改心したと思わず、罠にかけて少年達は氷漬けに。ワルダーは、善悪の区別がつかないために二度に亘り子供を傷つけた己に悩み、円盤に体当たりをするが、円盤は無傷。01とビジンダーは合成パワー「ブラストレザー」を使い、円盤を撃破するのだった。
冒頭、夜ではチェンジできない設定であるはずのイチローがチェンジするシーンがあるが、書籍『変身ヒーロー大全集』によると、『テレビランド』1973年11月号に、ダブルマシンに取り付けられたサーチライトが月光線を放射、月が反射する太陽光で活動できるという記述があるとか。 第42話「同志討ち 火を噴く影法師銃」
放送日:1974/03/02 影法師製造機によって影からロボットを作り出すシャドウの「シャドウ作戦」。作り出されたロボットは、本体とは正反対の心を持ち、二倍の強さを持つのだ。街で次々と暴れ出す影法師。影法師に襲われた少年・孝は、母にそのことを告げるが、母は息子の言うことを信じない。母親に信じてもらう為影を捕まえようとする孝は、影法師によって囚われの身に。次々と出現する影、そして己の二倍の強さを持つ影に苦戦する01。そして、ワルダーとビジンダーの影も誕生し、混戦に。01とビジンダーは、孝を助けるためにハカイダーと対峙。そこへ加勢に現れるワルダーだが、作り出された己の影と対決する。隙をついて影法師製造機を破壊した01は、無事に孝を救い出したのだった。
本体とは正反対の影を作り出すという設定が絶妙。正義の戦士・01からは正反対である悪のロボットが誕生するのはともかく、自分の影=正義の戦士が誕生すると自ら推測したワルダーからは、正反対でも善と悪が分からず中途半端な影が誕生、勝手気ままに暴れ出すという展開が見事である。ワルダーの設定を最大限に活かした絶妙な筋書きである。 第43話「ビジンダーに恋した若者」
放送日:1974/03/09 オイルショックにより石油タンクが底をついて来たシャドウは、海水エネルギーで活動するロボット・アクアラングマンを開発。アクアラングマンは、父をロボットに殺された少年・行夫とそこに居合わせたマリを襲った。そこに現れ、マリと共にアクアラングマンと戦う青年・峠英介。英介も、父をロボットに殺され、憎んでいたのだ。英介に好意を寄せられたと感じたマリは、ロボットを憎む英介に対して悩む。アクアラングマン改良の為に囚われの身となった行夫を救うためにシャドウ海底ロボット工場に乗り込む英介。そこで、行夫と英介は、父の仇がハカイダーだと知る。アクアラングマンに襲われ窮地の二人だったが、01とビジンダーが救出。爆発する海底工場を後にした。英介は、正義のロボットがいることを理解するのだった。
書籍「ビジュアル全集 人造人間キカイダー」によると、長坂氏曰く「千葉治郎氏のイメージで漁師を連想した」とのことである。 第44話「ビジンダーの美しく悲しき別れ」
放送日:1974/03/16 シャドウは運送用ミカンを襲い、品不足によって値が高騰したミカンを求めた人々は、我先にと買い求め、お互いを憎しみあっていった。果物屋の息子・啓太は、友人達がミカンを求めいがみ合う姿に悲しみに暮れる。一方、父の仇であるハカイダーに戦いを挑む英介だが、ハカイダーの手にかかり命を落とした。心臓の停止した英介を助けるため、己のほとんどのエネルギーを使い蘇生を図るビジンダー。ミカンの大安売りでハカイダーを誘き出したイチローはハカイダーと対峙。マリの助けを借り、英介はついにハカイダーを撃破した。マリに愛の告白をする英介だったが、その目前でマリはビジンダーにチェンジ。己の正体を晒し、英介の前から去っていくのであった。
シャドウの作戦により品不足になったミカンの為に、人々がお互い憎しみ合うようになるという、プロットだけを見るとコミカルな作品・作風に受け取られるかもしれないが、本編のビッグシャドウが、我先にと買い溜めを急ぐ子供達の姿を受けて吐く台詞「友達を憎み、他人を信用せず、自分のことだけしか考えない子供になる」にあるように、実は非常にストレートかつ深いメッセージが込められている。『キカイダー01』では、前作『人造人間キカイダー』に比べ一見コミカルな要素が目立ち、そこばかりがクローズアップされ取り上げられることもあるが、コミカルな要素の中にも実は深い描写が秘められているのも本番組後半の特徴であるといえるのではなかろうか。特に本番組の後半は、長坂氏の作風に加え、第28話から参加した脚本家・曽田博久氏の作風(第24話以降、長坂氏と曽田氏以外の脚本家は降板している)の特徴とも言える、奇想天外な着眼点と展開の中にしっかりとした骨格とツボが散りばめられている筋書きが相まって、絶妙なバランスの傑作群が生まれたといえよう。なお、『01』の後半で何かと話題になる「第3ボタン」と、「ビジンダーとワルダーの文通」であるが、第3ボタンは長坂氏のシナリオだが、文通は曽田氏である。なぜか、文通も長坂氏のシナリオだと誤解している人も多いようであるが……。 第45話「サムライワルダー暁に死す」
放送日:1974/03/23 ハカイダーによって特殊なインクを付けられたイチロー。そのインクを探知することが出来る刀・暗殺血風刀を持った5人の浪人武士ロボットが、イチローをどこまでも追い続ける。片腕を切り落とされ、窮地の01をビジンダーが救出。マリは、インクを消す唯一の手段である初恋花を探すが、激痛回路で苦しめられる。現れたワルダーは、マリの体内の水爆に気が付き、自分の命をかけて自らのエネルギー回路を使って水爆を取り除き、初恋花とワルダー家に伝わる名刀・風神村正を渡す。だが、初恋花が01の為のものだと知ったワルダーは逆上。浪人武士ロボットをけしかけ、01に最後の戦いを挑む。名刀・風神村雨で浪人武士ロボットを撃破した01は、名刀・雷神村正を手にしたワルダーと対峙。闘いの末、ワルダーは01に敗れ去るのだった。
本作で、番組後半を大いに盛り上げたワルダーが悲しい最期を遂げた。 第46話「よいこの友達 人造人間万才!」
放送日:1974/03/30 イチローやジローの生みの親である光明寺博士は、ついにロボット再生装置を発明した。しかし、シャドウは光明寺を誘拐し、ロボット再生装置を完成させる。光明寺をギロチンにかけ、イチロー達を誘き出すシャドウ。ギロチンに取り付けられたロープの先のリンゴを籠の中のハムスターが食べ終わる時、ギロチンが落ちる仕掛けだ。光明寺の危機に駆け付けたジローと共に、イチローとビジンダーはシャドウの罠に飛びこむが、ロボット再生装置によってキリなく出現するシャドウマン、ハカイダー、ザダムによって苦戦。だが、光明寺は装置に30体再生すると爆発する仕掛けを施し、30体をカウントした装置はシャドウの基地ごと大爆発を起こした。済んでのところで光明寺は救出され、そしてついにシャドウは壊滅、世の中に平和が戻ったのだった。 ついに最終話を迎えた本番組。本番組の後半を盛り上げたキャラクターである二人、ビジンダーは第44話にてその物語に(一応の)決着を、ワルダーは第45話にてその死を持って終結。本話ではシャドウの壊滅にスポットを当て、どちらかといえば本番組の前半に近い「明るく清々しい」展開で『人造人間キカイダー』『キカイダー01』と続いた『キカイダー』シリーズは幕を閉じた。最終話という記念の意味か、『イナズマン』の撮影で忙しいはずであった伴氏が久々の登場、そして光明寺博士も前作の最終話以来の登場となり、本番組のクライマックスを大いに盛り上げた。 |