【ストーリー紹介】紫房の十手を手にした岡っ引・黒門町の伝七親分が、江戸にはびこる悪人どもをこらしめていく。
第15話「油地獄の女」
放送日:1974/01/15 前科持ちの男・蝮の権次が殺された。権次が油問屋・江戸屋を強請っていたということから、岡っ引・赤っ鼻の五平は江戸屋の女将・お葉を捕らえるが、江戸一番の油問屋・板倉屋の証言で釈放。しかし、不審に感じた岡っ引の伝七はお葉と板倉屋を調べ始める。権次の強請のネタが江戸屋の仕入先だと突き止める伝七。今、江戸では油が品不足の状態で、その中、江戸屋だけが細々と売っていた。仕入先の情報は他の問屋にとっても重要な情報なのだ。江戸屋の油が、菜種油一辺倒だった油を安くて日持ちのよい魚の油を混ぜたものだと突き止めた板倉屋は、江戸屋の取引先の道中で江戸屋を待ち伏せる。江戸の油不足の実態は、板倉屋が油を買い占め、値上がりを企んだものだったのだ。値上がりに邪魔な江戸屋の商売を妨害するために江戸屋の油に火をつけようとする板倉屋だったが、すべてを見通した伝七が立ち塞がる。伝七の活躍により、江戸の夜に久々に明かりが戻るのであった。
本番組『伝七捕物帳』では、長坂氏がテロップに表示されている作品は無い。ただし、台本では、本作である第15話「油地獄の女」に、テロップ表記されている神坂京一氏と共に長坂氏の名前が連名で載っているというハナシである。なぜ、テロップ表記に名前が載らなかったのかは不明。どこまでが長坂氏が手掛けたものかは分からないが、ラスト、今まで何度か映されていた「入荷」や「休業」の張り紙が、「婚礼につき休業」としているあたりが、いかにも長坂氏的な「イキなラスト」だと思うのは筆者だけだろうか? もちろん、中盤に伏線が張られた「暗闇での営業」、笑いを誘うネタながら暗闇の店内から明るくなるくだり等、きれいに物語を締める手腕は長坂氏ならではだと思われる。伝七のおきまりの一本締め「よよよい、よよよい、よよよい、よい。」に負けない締めであろう。 |