「ザ・ゴリラ7」長坂作品エピソード あらすじ・解説

【ストーリー紹介】

 金の為からどんな仕事も引き受ける。草鹿龍が率いる7人の男女たち――彼らの名は「ザ・ゴリラセブン」。


第8話「誇り高き脅迫者」

放送日:1975/05/23
脚本:長坂秀佳
監督:三堀 篤
ゲスト:高品 格/嵯峨善兵/牧田正嗣、佐藤京一/松尾文人、桂 ルミ/[技斗] 日尾孝司、ジャパンアクションクラブ(JAC)/城 春樹、近藤涼子、山田光一、市場勝一

 風見が受けてきた仕事は、ポンコツ車の運搬、依頼料は7000円!? 渋る万年と南だったが、警戒厳重の中、果てには狙撃までされる始末。そして、苦労して盗み出したその車のトランクから、なんと依頼主が現れた。依頼主、ヤマジュウ建設の会計・伊奈村セイキチは、ヤマジュウ建設の社長であり黒い噂の絶えない国会議員・山崎竜全と取引。万年と共に金を受け取りに行くが、命を狙われる。伊奈村は、竜全にとっては悪事の証拠ともなる裏金帳簿の書類を元に、五千万円につり上げて脅迫。だが、その書類を外に持ち出すことが出来ず、社長の椅子に隠したままだという。風見らは、記者、修理者、刑事に化け潜入し、証拠の書類を入手。そして、書類を受け取りに来た人物に渡し、金も入手。だが、直後、伊奈村は狙撃され命を落とす。怒る万年らは狙撃者を撃退、そして、書類によってある新聞社がスクープし、竜全は逮捕された。いつの間に書類が新聞社に渡ったのか理解できない万年。実は、伊奈村は竜全との取引の土壇場で、取引相手を新聞社に変更していたのだった。

 千葉真一氏主演による東映・テレビ朝日制作のアクションドラマシリーズ。1974年から1976年かけて4番組が放送。この番組はその第2弾である。
 今回は緒方とミチが不在である。
 (※伊奈村、山崎竜全の漢字表記は新聞記事のシーンを参照。伊奈村セイキチ、ヤマジュウ建設の漢字表記は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。)


第9話「必殺!青きドラゴン」

放送日:1975/05/30
脚本:長坂秀佳、甲 幸司
監督:田中秀夫
ゲスト:山本麟一/成瀬昌彦、小林昭二/沢井桂子、下沢宏之、伊藤敏孝/高橋英三郎、石光 豊、山下勝也/[技斗] 日尾孝司、ジャパンアクションクラブ(JAC)/町田正則、白鳥まさ子、伊藤慶子

 金庫破りが多発。被害者である島田工業の社長はゴリラセブンに金を取り返すように依頼。彼らは、現場を目撃した冬木の証言から、空手道場・青雲寮の子供達をマーク、少年に化けたミチは潜入に成功する。しかし、町の掃除等の慈善事業を行う彼らに怪しい動きはない。そんな中、ミチは青雲寮で仲良くなった少年・健一が、島田工業の社長・敬介の家出した息子だと知る。その後、青雲寮の少年達が、黒幕達に「腐敗した金を強奪し、それを正義の為の軍資金へと変換させる」と吹き込まれ洗脳されていたと判明。ミチは体をはって少年達に間違いを正すよう説得するが、黒幕達に囲まれ、絶体絶命。だが、目を覚ました子供達は、反旗を翻し黒幕からミチを守る。助けに来た万年、冬木も乱入し、黒幕を撃退するのだった。

 ゲストの少年・健一役は少年時代の真田広之氏である。(テロップは下沢宏之)
 今回は緒方が不在である。
 台本のタイトルは「狼のいけにえに幸あれ−仮題−」、制作No.は19である。また、クレジットでは長坂氏と甲幸司の連名の脚本となっているが、台本では長坂氏の名前しか記述されていない。
 (※島田工業の漢字表記は島田工業の扉のシーンを参照、青雲寮の漢字表記は道場着を参照。健一、敬介の漢字表記は台本を参照)


第12話「恋と王女と弾丸と」

放送日:1975/06/20
脚本:長坂秀佳
監督:小山幹夫
ゲスト:純 アリス/八名信夫、江幡高志/大月ウルフ、小林真琴、佐藤晟也/セテラトニー、金井進二、久米勲夫/[技斗] 日尾孝司、[技斗] 西本良治郎、ジャパンアクションクラブ(JAC)/美原亮二、松下昌司、高野隆司、[振付] 西村篤三

 日本に訪れていたモリビヤの王女・マリーシア。公務に疲れた彼女は、「TODAY IS MY HOLIDAY」と残して逃げ出した。王女に偶然出会った緒方は、「警察と麻薬シンジケートに追われている」と嘘付く彼女と一緒に逃亡。王女は、今まで体験したことのない「自由の世界」を堪能する。一方、モリビヤ大使館より九千万の依頼料で王女の捜索を依頼された草鹿は、緒方が王女と一緒にいることを知り、驚喜。翌朝、緒方に接触した草鹿は10時までに大使館へ連れて行くよう命令する。しかし緒方は「海が見たい」という王女を連れ、海へ。だが、モリビアでクーデターを企む組織に依頼されたある組織が王女を連れ去り、大使館に身代金を要求した。組織の後を追った緒方は王女の救出に成功し、逃亡。「知らない街へ行く」という王女に対し、「一緒に行く」と答える緒方だったが、王女の前には、緒方の連絡によりモリビヤの使いが迎えに来ていた。王女は、日本で覚えた辛い別れの言葉を緒方に贈り、日本を去ったのであった。

 ストーリーは、「ザ・ゴリラセブン」版「ローマの休日」、もしくは長坂作品的には「だから大好き!」のリメイク版といったところで、逃げ出した王女が、偶然出会った男性と恋に落ちるというもの。派手なアクションものというよりかはラブロマンス的な作りになっており、それが理由なのか、アクションには欠かせない千葉真一氏が、この回は欠席している。
 緒方とマリーシアが踊っているシーンのバックに流れる歌は、緒方役のにしきのあきら氏の歌「熱い涙」。


第13話「胸に弔いの白い花」

放送日:1975/06/27
脚本:長坂秀佳
監督:若林 幹
ゲスト:中条静夫/津田亜矢子/佐原健二/新井つねひろ、青木淳也/[技斗] 日尾孝司、ジャパンアクションクラブ(JAC)/亀山達也、畠中猛重

 ゴリラセブンの今回の仕事は大物ジャーナリスト・徳森サネアツの護衛。しかし、冬木は徳森の顔写真を見るなり仕事を降りると言い捨て姿をくらましてしまう。徳森をガードする風見らだが、複数の暴力団が徳森を狙い襲いかかる。そんな中、隙を見つけて徳森を襲う影――それは冬木だった。3年前、冬木の息子は通行人に跳ね飛ばされ、石段から落ちて死に、妻もショックで病死。その通行人が徳森だったのだ。徳森の命を狙う冬木を力ずくで止める風見。そして、その冬木に謝罪する徳森。5年ががりで大河内代議士の悪事を暴こうとしていた徳森は、数日後に控えた大河内の入閣を阻止すべく、早急に悪事を露呈する必要があったのだ。3年前、大河内代議士の金脈追求の重要な証人の追跡中に冬木の子供を突き飛ばしてしまった彼は、調査をやり遂げたら自首をするという。徳森を暴力団から守る風見ら、そしてその窮地を救う冬木。彼らの活躍で大河内は逮捕されたのだった。

 風見と冬木の出会い、そして冬木の悲しい過去が明かされるエピソード。
 今回は緒方とミチが不在である。
 (※徳森の漢字表記は表札シーンを参照、大河内の漢字表記は新聞記事のシーンを参照。サネアツの漢字表記は不明の為、ここではカタカナ表記で表している。)