「アクマイザー3」全エピソード あらすじ・解説


※俳優のキャスティングは、テロップではなく声から割り出したものの為、誤りがある可能性があります。ご了承ください。尚、もし誤りに気づかれた方がおりましたら、ご指摘いただけると助かります。

【ストーリー紹介】

 地底深くに存在する「ダウンワールド」に住むアクマ族が地上侵略を開始した。アクマ族と人間の血を引く戦士ザビタンはアクマ族を裏切り、人間界に脱走。彼を討伐する為に派遣されたイビル、ガブラもサビタンの志に同意し、共にアクマ族に対して反旗を翻した。3人はここにアクマ三銃士「アクマイザー3」を結成し、アクマ族の陰謀と闘うのであった。


第1話「なぜだ?!ザビタンの反逆!」

放送日:1975/10/07
脚本:長坂秀佳
監督:奥中惇夫
ゲスト:中野 健(光彦の友達)、勝山茂樹(光彦の友達)

 ある日、突如空飛ぶ幽霊船が現れ、次々に人々を連れ去った。地底=ダウンワールドに住むアクマ族の地上侵攻が始まったのだ。幽霊船に襲われた東都タイムズの記者・一平とジュン、そして一平の弟の光彦は、間一髪のところでアクマ族から脱走してきたザビタンに助けられた。しかし、ザビタンを追って来た討伐隊のイビルとガブラの前に、ザビタンは負傷する。ジュンに看病されるザビタンだが、眠っているうちにジュンたちはダウンワールドに連れ去られてしまった。そしてザビタンも、再び現れたイビルとガブラによってダウンワールドに連行される。しかし、わざと捕まったふりをしていたザビタンは無事に一平たちを救出。ザビタンとの戦いの中で彼の心意気に惚れたイビルとガブラは、共にアクマ族を裏切り、アクマ族に反旗を翻す。ここに正義の三銃士「アクマイザー3」が誕生したのだった。

 第1話である本作は様々な設定が語られている。
 まず、ザビタンはアクマ族連隊長・メザロードの持つ「アクマの紋章」の前で正しいことを考えた時、頭に組み込まれた「アクマ回路」が働き、頭に激痛が走る。これは『人造人間キカイダー』(1972年〜1973年)のジローと全くといっていいほど同じ設定である。(ジローはプロフェッサー・ギルの笛の音により不完全な「良心回路」が狂ってしまう。) また、「地底で暮らしよくするため、体に機械を組み込まれており、ダウンワールドに住む前は元は人間だった」という設定も登場。
 ガブラは「おなかに穴があくと水が流れてしまい、水がなくなると倒れてしまう」という弱点が語られ、あいた穴を絆創膏で止めるというコミカルな演出が見られる。
 イビルの弱点については第3話にて初めて語られる。
 なお、準備稿のタイトルは「アクマの子ザビタン反乱!」、『長坂秀佳シナリオ傑作集 さらば斗いの日々、そして』に掲載されている決定稿(おそらく)のタイトルは「走れ!アクマ三銃士」である。
 準備稿では、メザロードの名前がサタンジュニア、アグマーがアクママン、というような具合に決定稿及び放送版と若干の相違が見られる。


第2話「なぜ死んだ?!ザビタンの母」

放送日:1975/10/14
脚本:長坂秀佳
監督:奥中惇夫
ゲスト:森 秋子(白鷺千代)、堀 幸子(墓参りの女)、田戸岡 明(その子・カツミ)/山田俊司(現・キートン山田)(鉄面鬼の声)

 ダウンワールドから無事脱出した人々が、次々とアクマ族に襲われた。しかし、その前にアクマ三銃士「アクマイザー3」が立ち塞がる。辛うじてアクマ族を追い払う彼らだが、その間に一平の弟・光彦がメザロードに襲われた。間一髪で光彦を救うザビタン。しかし今度はジュンがダウンワールドにさらわれてしまった。ザイダベック号を駆り、救出に向かうザビタンら。しかしメザロードはザビタンの母を盾に降伏を迫る。ザビタンはアクマ族の父と人間である白鷺千代との間に生まれた混血児だったのだ。千代は「自分が正しいと思った道を進みなさい」とザビタンに語り、そして殺されてしまう。怒りに燃えるザビタンは、メザロードとアクマ族部隊長・鉄面鬼を粉砕するのだった。

 本作『アクマイザー3』は、長坂特撮作品の醍醐味の一つである「悩める主人公」という構図が多く盛り込まれた作品であり、特に初期作品の大半において非常に密度の濃い「人間ドラマ」が炸裂する。(ちなみに番組中盤頃、作風がシリアス路線からギャグ路線へと移行していく。)
 この第2話では、ザビタンが「おれたちは人間の親友にはなれないのか」と悩み、そして、目の前で母親を殺されてしまうというショッキングな展開へと続く。非常に密度が濃い話である。
 「敵か味方か、謎の美女……」というまるで『ルパンV世』の峰不二子のような設定(?)を持つ「ダルニア」が初登場する。自称「アクマの花の精」。
 また、本作は全38作中、唯一サブタイトルが「なぜだ?!」ではじまらない回である。
 ちなみに、『長坂秀佳シナリオ傑作集 さらば斗いの日々、そして』に掲載されている決定稿(おそらく)のタイトルは「ザビタンの母夕陽に死す」である。


第3話「なぜだ?!ガブラが消えた」

放送日:1975/10/21
脚本:長坂秀佳
監督:田口勝彦
ゲスト:河西真由美(先生)、佐野伸寿(野田オサム)、沢柳迪子(オサムの母)/酒井郷博(シンイチの父)、飯田悦子(シンイチの母)、小川昌純(シンイチ)、石井いさむ(同級生)/依田英助(アカニーダの声)、渡部 猛(アオニーダの声)

 子供達をアクマ族の手先・オニーダ隊員に作り変える「オニーダ計画」。アクマイザー3は、子供達に襲いかかるアクマ族部隊長・アカニーダの魔の手から子供達を救う。しかし、イビルとガブラは、その姿ゆえに子供達の親に化け物扱いされてしまい、アクマ族に生まれた自分の運命を呪う。再び襲われた子供達を救うガブラだが、人間達に化け物扱いされた挙げ句、銃で撃たれてしまう。自分を殺そうとした人間を助けることを拒否するガブラ。そんなガブラを置いて、ザビタンとイビルは「オニーダ計画」の本拠地・鬼が島へ向かう。ガブラは、自分を化け物扱いした少年・オサムに泣きつかれ、再びアクマ族と戦うことを決意。ザビタンとイビルに合流したガブラは、アカニーダとアオニーダを倒し、オニーダ計画を粉砕するのだった。

 第2話に続き「アクマ族に生まれたために悩む主人公ら」を描く。その姿カタチのために人間達から化け物扱いされ、挙げ句の果てに攻撃されてしまうイビルとガブラ。しかし、そのラストシーンでは、ガブラを化け物扱いしてしまった女教師が「人を姿カタチで判断しない人間になります」と語り、深い感動を残して物語を締めくくっている。長坂氏一流の「イキなラスト」である。
 イビルに「己の体を写し見ると動けなくなる」という弱点があることが判明。
 第3・4話ではオープニング冒頭のタイトルバックにてザビタン・イビル・ガブラらによる「アクマイザー3」という掛け声が入る。このタイプはこの2作品のみである。
 また、この第3話よりこの3人の掛け声のシーンに「ザビタン」「イビル」「ガブラ」のテロップが入る。


第4話「なぜだ?!イビルの裏切り」

放送日:1975/10/28
脚本:長坂秀佳
監督:田口勝彦
ゲスト:今井美佐子(白川ユリ)、武田芳和(弟・ケンイチ)/依田英助(アカニーダの声)、渡部 猛(アオニーダの声)

 アオニーダとアカニーダはダウンワールドへのトンネルを作るため、無数のブルドーザーと作業員、そして建築技師・白川ゆりを狙うが、アクマイザー3に阻止される。イビルによって倒されたアカニーダだが、再びザビタンたちの前に現れ「イビルはアクマ族に忠誠を誓った」と言い放つ。アカニーダの姑息な罠によりイビルに対して疑心暗鬼になるゆりの弟・ケンイチ。落ち込んだイビルはザビタンらの前から姿を消してしまう。これがアオニーダとアカニーダの仕組んだ「アクマイザー分裂作戦」だったのだ。真相を知ったザビタンとガブラは失意のイビルを救い、アオニーダとアカニーダを粉砕するのだった。

 前作に引き続き、アカニーダとアオニーダが登場。前作にて倒されたはずのアカニーダは、アオニーダの使う「生き返らせ術」により復活を果たした。
 本作ではイビルがアオニーダとアカニーダの罠にはまり、子供から信用されなくなってしまう。誰にも信用されなくなってしまい、悩むヒーローを見事描き切っている。
 ゲストの今井美佐子氏は、本番組の後番組『超神ビビューン』(1976年〜1977年)第11話「壁が人をのむ?ステレオの秘密」でもゲスト出演している。


第5話「なぜだ?!闘わぬザビタン」

放送日:1975/11/04
脚本:長坂秀佳
監督:奥中惇夫
ゲスト:飯塚昭三(サイレーンの声)

 怪音波で人々を消滅させる「サイレーン計画」を実行するアクマ族部隊長・サイレーンの前に立ち塞がるアクマイザー3。しかし、なぜかザビタンはサイレーンに対して戦いを挑もうとしない。サイレーンはザビタンの子供のころからの親友だったのだ。ザビタン抹殺に失敗したために処刑されることになったサイレーンを救いに行くザビタン。しかし、罠にはまり囚われの身となってしまう。囚われのザビタンを抹殺しようとするサイレーンだが、ザビタンを殺すことが出来ずメザロードに反旗を翻すが、逆に殺されてしまう。ダルニアによって助けられたザビタンはサイレーンの形見の剣でメザロードを粉砕するのだった。

 ザビタンと旧友・サイレーンとの友情をテーマに描く。
 女科学者のヨシコ(演:吉田真野子氏)が本作より登場。銀座の科学研究所に所在という設定。
 本作より、オープニング冒頭のタイトルバックにて、主題歌を歌う水木一郎氏による「アクマイザー3」という掛け声が入る。


第6話「なぜだ?!ガブラの大逆転」

放送日:1975/11/11
脚本:長坂秀佳
監督:奥中惇夫
ゲスト:長谷川 誉(小学生)、古見則参(小学生)、新井仲一(小学生)/和久井節緒(カッパードの声)

 土を水に変え、東京を大洪水にする「東京洪水計画」を実行に移すアクマ族部隊長・カッパードの前に、アクマイザー3が立ち塞がった。カッパードはガブラと同じく水がないと死んでしまう弱点を持っており、それゆえにガブラを異様に憎み戦いを挑む。ガブラは逆に、自分と同じ体を持つカッパードを憎めず、カッパードを改心させようと試みる。ガブラは「改心した」というカッパードの言葉に騙され、水を土に戻す薬の開発を成功させたヨシコを連れ去られてしまう。ヨシコを救うためザイダベック号で水中基地に乗り込んだザビタンらは無事ヨシコを救い出し、カッパードを倒すのだった。

 同じ弱点=コンプレックスのため、片方は憎しみを、もう片方は同情を持つ二人、ガブラとカッパードの心の対比を描く。
 光彦が扇風機を使って花びらを舞い散らせ、ダルニアの登場を演出して見事に敵を騙すシーン。同じく長坂氏の脚本作品『キカイダー01』(1973年〜1974年)第37話「剣豪 霧の中から来たワルダー」にて、服部半平がギターとハープを使って、ジローとビジンダーの登場の真似をし、敵を追っ払うという似たような描写がある。


第7話「なぜだ?!逆襲の零下百度」

放送日:1975/11/18
脚本:久保田圭司
監督:加島 昭
ゲスト:丸山詠二(アイスマンの声)

 「ダウンワールドの死神」と恐れられるアイスマン処刑部隊が派遣されてきた。ザビタンはアイスマンの狙撃銃により負傷、そしてガブラ、イビルも倒されてしまう。ザビタンは地獄谷で処刑されようとする二人を助け、アイスマンを粉砕する。

アクマイザー3初の長坂氏以外の脚本家の作品。
 ザビタンが腰のベルトのボタンを押して、ザイダベック号を呼ぶという描写が登場。


第8話「なぜだ?!子供につかまったザビタン」

放送日:1975/11/25
脚本:久保田圭司
監督:加島 昭
ゲスト:増田康好(カツオ)、岸野一彦(佐久井アナウンサー)/西尾 徳(ドグラーの声)

 アクマ族部隊長・ドグラーにより油田工場が爆破された。付近を調査していたザビタンらは、子供達に爆破犯人と疑われてしまう。トグラーは、子供に正義の使者と偽り「トグラー少年突撃隊」を結成。そして、子供達を使いザビタンを捕らえる。子供らと共に処刑されようになるザビタンは、ダルニアの力を借り危機を脱するが、子供達は連れ去られてしまった。子供達を救うために敵の本拠地に乗り込んだザビタンらはトグラーを倒し、子供らを救うのだった。

第1話にて人間達を連れ去った「黄金の腕」が再登場。本作ではザイダベック号から発進し、子供達を救う。名前は「ゴールデンアーム」。


第9話「なぜだ?!ガブラが敵に」

放送日:1975/12/02
脚本:長坂秀佳
監督:折田 至
ゲスト:内藤みどり(隊長・マジョルカ)/山口奈々(マジョルカの声)、依田英助(バケネーゴンの声)

 猫サイミンを使い、相手を自由自在に操るアクマ族部隊長・バケネーゴは、新宿の高層ビルを本拠地・猫島に移動させ、大都市を作ろうとしていた。計画を察知し、阻止しようとするザビタンらだが、バケネーゴの罠にはまり空中戦車に閉じ込められてしまう。バケネーゴの猫サイミンにかけられたガブラの攻撃を避け、空中戦車から脱出するザビタンら。ザビタンらは猫島に向かいバケネーゴを粉砕するのだった。

 謎の女アクマ族部隊長・マジョルカが登場。その正体・秘密は次回の第10話にて語られる。
 イビルの持つアイテム、「フライヤー」が初登場。探査能力を持つ。


第10話「なぜだ?!ダルニアの危機」

放送日:1975/12/09
脚本:長坂秀佳
監督:折田 至
ゲスト:内藤みどり(隊長・マジョルカ)/山口奈々 (マジョルカの声)

 アクマ族女部隊長・マジョルカの企んだ「大東京焦土計画」――赤い雨として降らせたA液と、ダムの水に混ぜ合わせ水道管を伝わせて東京中に運ばせたB液とを化合させ、東京中を火の海にするという恐ろしい計画だ。計画を察知したアクマイザー3は、マジョルカに闘いを挑むが、ダルニアによって邪魔されてしまう。マジョルカの本拠地を発見したアクマイザー3は、そこでマジョルカと対決。しかし、再びダルニアが立ち塞がる。ダルニアと、その姉・マジョルカには「双子悪魔回路」が組み込まれており、一方が正しいことをするともう片方が爆発してしまうのだ。マジョルカはわざとザビタンに敗れ、ダルニアの呪縛を解放するのだった。

 前回・第9話にて登場した女アクマ族部隊長・マジョルカがダルニアの姉だということが語られる。さらに、この姉妹には「双子悪魔回路」が組み込まれており、片方が正しいことをすると、もう片方が爆発するという仕掛けを持つ。今まで中立的な立場だったダルニアの謎が、ここに明かされる。
 メザロードの「おれは不死身だ」発言、何度も何度もアクマイザー3の前に敗れ去るが(爆発?)、すぐに何事もなかったように復活する。まさに発言のとおり、不死身である。


第11話「なぜだ?!子連れイビル」

放送日:1975/12/16
脚本:長坂秀佳
監督:奥中惇夫
ゲスト:星場美枝子(トシコ)、浜田城司(兄・ゲンタ)、相原巨典(警官隊・隊長)/清川元夢 (ミイラーゴの声)

 アクマ族部隊長・ミイラーゴによってミイラにされてしまった子供・ゲンタとトシコを救い出すイビル。しかし、ミイラーゴの罠にはまり、再びゲンタを連れ去られてしまう。ミイラーゴの顔にはイビルの弱点である鏡がつけられているため、イビルには手が出せないのだ。ゲンタ救出に向かおうとするイビルは、トシコにせがまれ一緒に連れて行くことに――。再び弱点をつかれ、捕らえられるイビルだが、トシコの機転によりミイラーゴの鏡を無効にし、ミイラーゴを粉砕するのだった。

 その姿のために少女・トシコに「お面をとってみせてね」とせがまれ苦悩するイビル。第3話同様に、人間でないことに苦悩するイビルの姿を描く。ミイラーゴの顔に取り付けられた鏡のため手が出せないイビルが、目隠しをして背中に背負ったトシコの指示により戦うというシチュエーションが非常に面白い。
 ジャンケルを合わせることによってアクマイザー3は3倍にパワーアップするという設定が登場した。


第12話「なぜだ?!ザビタン失明」

放送日:1975/12/23
脚本:長坂秀佳
監督:奥中惇夫
ゲスト:青森 伸 (ハンギョラーの声)

 ザビタンはアクマ族部隊長・ハンギョラーとの闘いで負傷、その後遺症として光るものを見るとしばらく目が見えなくなる体になってしまった。同じ頃、団地の水道から毒ガスが発生する事件が起こった。ハンギョラー部隊が、団地の給水塔に毒ガス装置を取り付けていたのだ。ザビタンは、ハンギョラーにさらわれたヨシコを救出すべく、湖の底の水中基地に向かう。一方、イビルとガブラは毒ガス装置を取り除いた。ザビタンは、イビル、ガブラ、ダルニアの助けを得て、無事にヨシコを救出し、ハンギョラーを粉砕するのだった。

 第1話にてザビタンが自分の体を治すために使用した謎のモノが再登場。名前は「むらさきゴケ」と判明。第19話「なぜだ?!ザビタン五つの謎」では人間に対しても使用しており、アクマ族だけでなく人間の怪我にも利く万能薬のようだ。
 第2話同様に自分が人間でないことに悩みこだわるザビタン、そして「ザビタンは人以上に立派な人」だと諭す一平、ジュン、ヨシコら人間たち。アクマ族であるザビタンと一平ら人間との友情を丁寧に描いているのが、この「アクマイザー3」全体の特徴である。


第13話「なぜだ?!ザビタンが化けた?」

放送日:1975/12/30
脚本:長坂秀佳
監督:内田一作
ゲスト:吉田さより(女の先生)、藤原哲也(ツトム)、岸本 功(男の先生)、伏木和章(ウエイター)、大家 博(ウエイター)/柴田秀勝 (トケイマンの声)

 アクマ族部隊長・トケイマンは、東京の全小学校すべての時計が時限爆弾となり同時爆発を起こす「東京全小学校当時爆破計画」を企てた。その秘密基地の入り口を偶然カメラに収めた一平は、トケイマンに襲われる。ザビタンは一平に化けてメザロードに接触、トケイマンの計画を察知する。そしてトケイマンを倒し、学校爆破を阻止するのだった。

 一平の名刺が登場。これには「東都タイムズ 島 一平 東京都 ??区代々木二―? TEL 379-5458」と記されている。
 ザビタンの新しい能力「変身術」が登場。この変身術、第13話は「ザビタンチェンジ」、第14話は「チェンジザビタン」、そして第15話以降より「かわるんだらぁー」の掛け声で変身する。
 ダルニアは、優しい心になればなるほど能力が消えて人間の女に近づくことが判明。以前、問題なく多用できたダルニアビームがあまり使えなくなってしまい、人間に近づいていると語られる。
 メザロードが一平をレストランに招待、そして食事を共にするという滑稽なシーンが――。
 長坂氏お得意の爆弾モノ「東京全小学校当時爆破計画」――すべての時計が時限爆弾となり、同時爆発を起こすというものである。
 ギャリバードは「トライキャッチ」の掛け声により合体、合体するとスピードアップするとの設定が登場した。


第14話「なぜだ?!一平がふたり?」

放送日:1976/01/06
脚本:長坂秀佳
監督:内田一作
ゲスト:蝦名由起子(超能力少女・千鶴)、赤津陽子(その姉)/加藤 修(現・加藤 治)(キングラーの声)

 天才科学者99人の頭脳と天才スポーツ選手99人の筋肉を体に組み込んだ、アクマ族部隊長・キングラー。キングラーは自分の脳みそに組み込むため、超能力少女・チズルを狙う。チズルはあるとき、崖から落ちたショックで超能力が身に付いたのだ。超能力があるようになってから友達と明るく遊んだことがないというチズルのため、その超能力を取り除こうとするザビタン。超能力を身に付けたときのように、再び崖から落ちればそのショックで超能力が無くなるというのだ。チズルのため、一緒に崖から落ちるザビタン。無事、超能力が無くなるが、直後キングラーにさわられてしまう。キングラーの本拠地に向かい、チズルを無事に救出、そしてキングラーを粉砕するのだった。

 超能力。その特殊な能力のために普通の女の子のように明るく遊べなくなってしまった少女。そして同じような境遇であるザビタンだけが少女の心を理解することができる――。常人ではない二人の心の交流を見事に描いている。


第15話「なぜだ?!一平がテングになった」

放送日:1976/01/13
脚本:赤石冬彦
監督:奥中惇夫
ゲスト:池田 勝 (テングラーの声)

 アクマ族部隊長・テングラーは、人間をさらって突撃兵に改造させる「テングラー作戦」を実行、そして一平がさらわれてしまった。一平は自ら脱出するが、テングラーに天狗の姿「ミニテングラー」に変えられてしまう。自分の変わり果てた姿に絶望する一平。ザビタンらはテングラーの本拠地を発見、テングラーを粉砕し、一平も元の姿に戻るのだった。

第13話より登場の「変身術」、今作より「かわるんだらー」で変身するようになる。


第16話「なぜだ?!赤い傘の秘密」

放送日:1976/01/20
脚本:赤石冬彦
監督:奥中惇夫
ゲスト:土田里美(ユウコ)、岸野一彦(ユウコの父)/野島昭生(カサドラーの声)

 アクマ族部隊長・カサドラーの「死の奴隷計画」。少女を利用して傘を配り、その傘が人間達を誘拐してしまうのだ。傘を配る少女・ユウコを救うためカサドラーの本拠地に向かうザビタンらだが、催眠にかけられたユウコに銃を向けられ手が出せない。イビルは催眠の元凶であるペンダントを破壊、催眠をといてユウコを助け出し、カサドラーを粉砕するのだった。

光彦にユウコの方が「10倍はきれいだったよ」と言われ、マジで激怒するジュン・・・。


第17話「なぜだ?!もう一人のザビタン」

放送日:1976/01/27
脚本:長坂秀佳
監督:加島 昭
ゲスト:大塚朝光(マサオ)、鈴木陽子(めぐみ)、長田武士(同級生)、秋山篤志(同級生)、石井いさむ(同級生)/丸山詠二 (カマイタチの声)

 臆病な子供・マサオを狙う、アクマ族・部隊長カマイタチ。臆病な子供を捕らえて「臆病ガス」を作り、そのガスで人間たちを臆病にし、世界を混乱に陥れる「カマイタチ計画」のため、マサオの血が必要だったのだ。カマイタチが仲間に引き入れる「悪い」人間を探していると知ったザビタンは、人間の男「南雲健二」に変身、悪い人間のふりをして、カマイタチとの接触に成功する。カマイタチに仲間になる証しとしてアクマイザー3の抹殺を命じられ、イビルとガブラを殺害する健二。マサオの誘拐を実行に移すカマイタチだが、殺されたふりをしていたアクマイザー3によって阻止され「カマイタチ計画」は粉砕されたのだった。

 「太陽の子ザビタン」と名乗るザビタン。いつの間にか「太陽の子」という肩書きがついている……。謎である。ちなみにイビルは「正義の貴公子」、ガブラはその前より何度も「よいこの味方ガブラちゃん」と名乗っている。
 ザビタンは魔法力「作るんだらぁ」でケーキを作り出してしまう。万能な魔法力である。


第18話「なぜだ?!狙われたイビル」

放送日:1976/02/03
脚本:長坂秀佳
監督:加島 昭
ゲスト:大山いづみ(先生)、中井 徹(シンジ)、梅川典子(アイコ)/つかせのりこ (ダイヤンガーの声)

 部下が落とした200カラットのダイヤモンドを拾った少年・シンジを執拗に追う、アクマ族女部隊長ダイヤンガー。このダイヤは、山ひとつを吹き飛ばすほどの破壊兵器を完成させる為に必要なものなのだ。阻止するザビタンとガブラだが、ダイヤンガーの正体がイビルの恋人のダイアナだということを知る。だが、そのことを知らないイビルは、ダイヤを持ち、ダイヤンガーを誘き出そうと……。それを知ったザビタンは先まわりし、ダイヤンガーと対決、そして説得に成功する。ダイヤンガー基地に乗り込むザビタンらだが、ダイアナはイビルの目の前でメザロードによって処刑されてしまう。怒りに燃えたイビルの反撃がメザロードに炸裂するのだった。

 前回、「太陽の子」と名乗ったザビタンは、今回は南雲健二の姿で「太陽の子南雲健二」と名乗る。いったい、太陽の子とは?


第19話「なぜだ?!ザビタン五つの謎」

放送日:1976/02/10
脚本:長坂秀佳
監督:奥中惇夫
ゲスト:星野浩司(タケル)、秋本圭子(エリカ)/依田英助 (ハンニャードの声)

 ザビタンが山道で助けた少女・エリカ。「アクマ病」にかかってしまったという彼女は、このままではあと3日の命だという。この病気を治すのは「仙人の石」と呼ばれる石を砕いてその粉を飲ませるしかないのだ。また、アクマ族部隊長・ハンニャードも、地球上の人間を一発で全滅できるという「ハンニャード爆弾」完成のために、「仙人の石」を探していた。「仙人の石」の在り処を示すという伝説の花「矢印草」を巡り、ザビタンらとハンニャード部隊が激突。「仙人の石」を見つけたザビタンらはハンニャードを葬り、エリカを救い出すのだった。

 ザビタン五つの謎が語られる。
 第1は「変身術」。「かわるんだらぁ」の掛け声により、他のモノに姿を変えることができる。
 第2は「透明術」。「消えるんだらぁ」の掛け声により、自分の姿を消すことができる。
 ダルニアに医学の心得があることが判明した。


第20話「なぜだ?!ザビタンの秘密能力」

放送日:1976/02/17
脚本:長坂秀佳
監督:奥中惇夫
ゲスト:佐藤賢司(太郎)、鈴木美咲(いち子)、上田正雄(同級生)、田辺昌一(同級生)、富山匡人(同級生)/星 純夫(車の男)、大矢兼臣(アナウンサー)、河村明子(猫が化けた少女)/池田一臣(ドラキューダの声)

 アクマ族部隊長・冷血紳士ドラキューダは、10億人に一人しかいないという「こうもり型の痣」を持つ少年、タロウの血を狙っていた。さわられたタロウを追ってドラキューダ基地に向かうザビタンらはドラキューダを粉砕、タロウを無事に救い出すのだった。

 弱虫な少年が自分に自信を持つようになるまでを描く。
 ドラキュラが「おじ」だというアクマ族部隊長・ドラキューダ。『アクマイザー3』の続編である『超神ビビューン』の敵である妖怪達に僅かながら関わりがあるのだろうか……。
 ザビタン五つの謎、第3は「変形術」。「つくるんだらぁ」の掛け声により、あるものの姿形を変えることができ、「もどるんだらぁ」で元に戻る。


第21話「なぜだ?!東京がカチンカチン」

放送日:1976/02/24
脚本:赤石冬彦
監督:奥中惇夫
ゲスト:和久井節緒(大東京製氷冷凍株式会社・社長)/山口奈々 (ユキオンナの声)

 アクマ族女部隊長・ユキオンナの「東京冷凍作戦」―東京中にくまなくはりめぐらされているガス管に冷たい空気を送り、東京中の人間を氷付けにしてしまう恐ろしい作戦だ。計画を察知したアクマイザー3。しかし、ガブラは幼馴染みであるユキオンナに手を出すことができない。製氷会社を占領し、計画を遂行するユキオンナ。ガブラは私情を捨て、ユキオンナを粉砕する。

焼き芋が大好物だというダルニア。アクマ族も人間と同じものを好むようである・・・。
 雪だるまに潰され紙のようにぺしゃんこになるガブラ。まるでマンガチックのような演出が光る。


第22話「なぜだ?!インチキ天才計画」

放送日:1976/03/02
脚本:久保田圭司
監督:内田一作
ゲスト:大泉 滉(ミツメ天才塾・塾長)、藤原哲也(ユウサク)/丸山詠二 (ミツメドーサの声)

 遊んでいても天才になれるという「ミツメ天才塾」。アクマ族部隊長・ミツメドーサは子供達を天才製造機にかけインチキ天才を作り上げる。ザビタンは、天才製造機にかけられた光彦の友人・ユウサクが持ってきた天才製造機を自ら試し、そして洗脳されてしまった。ミツメドーサの本拠地に連れて行かれるザビタンだが、洗脳されていたふりをしていたザビタンは子供達を救出し、ミツメドーサの悪事を阻止するのだった。

楽をして天才になりたがる子供たちを指し、そして、「偽りの天才に何の喜びがあるだろう」と視聴者である子供たちに語りかける、メッセージ性の強い作品。長坂氏脚本作品以外の作品では珍しいテーマ性の強い作品である。


第23話「なぜだ?!魔法力がきかない」

放送日:1976/03/09
脚本:伊上 勝
監督:内田一作
ゲスト:藤井敏夫(タケル)、田辺節子(ミチコ)、石津康彦(警察官)/長谷川 弘 (オオカミーダの声)

 アクマ族部隊長・オオカミーダが現れた。イビルはかつての自分の師匠であるオオカミーダに剣を向けることが出来ず、オオカミーダの言うままに、一平の家に魔法力封じのアクマ像を取り付けてしまう。悪魔力を使って街中で暴れまわるオオカミーダに闘いを挑むザビタンだが、アクマ像の影響で魔法力が使えず、ピンチに。アクマ像を発見、無事に魔法力を取り戻したザビタンは、捕らわれのイビル、ガブラを救い出し、オオカミーダを粉砕するのだった。

戦闘シーンにて、新しいBGMとして挿入歌「無敵のジャンケル」のインストが使用される。
 ザビタンが乗ろうとしたオートバイが突然木馬になったりと、コミカルな演出が炸裂。
 捕らわれのガブラが死を覚悟して「全国の少年少女諸君よ、あばよちゃ〜ん」と視聴者(?)に語りかけるくだりは、TVアニメーション作品「タイムボカンシリーズ・ヤッターマン」(1977年)にての、ガブラの声を担当している八奈見乗児演じるボヤッキーの名台詞「全国の女子高生のみなさぁ〜ん」を彷彿とさせる。もしかするとこの「アクマイザー3」(1975年)がきっかけなのかもしれない・・・。


第24話「なぜだ?!親馬鹿ノッペラー」

放送日:1976/03/16
脚本:長坂秀佳
監督:内田一作
ゲスト:沙川霧里(ミチヨ)、古川さとし(ジュニア)、名塚新也(村人)、竹内 喬(村人)/町田幸夫(村人)、酒井郷博(村人)/永井一郎(ノッペラーの声)、古川さとし (ジュニアの声)

 アクマ族部隊長・ノッペラーは、とある村で人間達を使い、地下水脈を探していた。「日本沈没作戦」――ダウンワールドにつながる地下水脈を溢れ出させ、大洪水にさせようというのだ。しかし、ノッペラーはそれが善なのか悪なのか分からずに作戦を遂行していた。ザビタンは、探り当てた水脈に水脈調整装置を取り付け、洪水を阻止する。そして、メザロードを粉砕、図らずして洪水の阻止に協力したノッペラーは村人に感謝され、ダウンワールドに帰っていった。

 メザロードと同じ小学校を出た仲というノッペラー。そのノッペラーは、子供の頃にダルニアにラブレターを送ったことがあるとか。
 ラストシーンにて、村を去るノッペラーが村人に土産として貰ったらしい大根を手にしているなど、非常に芸が細かい。


第25話「なぜだ?!ガブラが鳥になった」

放送日:1976/03/23
脚本:長坂秀佳
監督:奥中惇夫
ゲスト:北原ひろみ(美川アケミ)、脇谷 透(その弟・大八)/[声の出演] 潮 建志(ドラゴンダー)

 アクマ族部隊長・ドラゴンダーは、石膏像のモデルにするため、少女・アケミを狙っていた。ドラゴンダーの立てた計画、それは爆薬で作った彫刻を遊園地に送り込み、大勢の人間を殺すというものだ。ザビタンらは無事に爆破を阻止、ドラゴンダーを粉砕するのだった。

 ザビタンの魔法力をうらやましく思ったガブラは、魔法力を試し摩訶不思議なダチョウ「ガブラッチョ」に変身。そしてイビルも魔法力に挑戦、なぜかコップやバケツに変身してしまう。
 長坂氏お得意の爆弾モノ――「彫刻爆弾」。彫刻を載せた台車の車輪が止まると爆発する仕掛け。アクマイザー3が台車を止めようとすると爆発してしまうというもの。爆弾の仕組みを知ったアクマイザー3とドラゴンダー部隊が台車を奪い合う追いかけっこが非常に滑稽である。


第26話「なぜだ?!踊るガブラッチョ」

放送日:1976/03/30
脚本:長坂秀佳
監督:奥中惇夫
ゲスト:朝比奈順子(幼稚園の先生)/[声の出演] 槐 柳二(ナマズーン)

 闘うだけがアクマイザー3の使命ではない――子供達の人気者のガブラッチョは、毎日毎日幼稚園まわり。そんなガブラッチョの人気を妬んだアクマ族部隊長・ナマズーンは、ガブラを大悪人に仕立て上げて評判を落とす「ナマズーン作戦」を開始する。ナマズーンはガブラの訪れた幼稚園に局地的大地震を発生させるが、駆け付けたザビタン達が阻止。そんな時、地震の秘密を探る一平は、地震の中心にガブラッチョがいることから、彼が地震の犯人だと疑う。それを利用しようと企んだナマズーンは、ガブラッチョの貧乏揺すりが地震の原因だと一平に信じ込ませることに成功。ガブラッチョは近所の住民に追われる身となってしまう。濡れ衣を晴らそうとするガブラッチョは幼稚園でナマズーンを待ち伏せ。現れたナマズーンと闘うアクマイザー3だったが、ナマズーンの起こす大地震の為に思うように闘えない。地震の影響を受けない空中に大ジャンプしたイビルはナマズーンの急所を破壊、そしてナマズーンを葬り、ガブラッチョの疑いを晴らすのだった。

 ガブラッチョとなったガブラの魔法力「ダチョウの湖・まねるんだらぁ〜」。テープを聞いたアクマ族戦闘員・アグマーは、体が勝手に動き出してしまい、一緒に踊り出すという、コミカルな必殺技(?)である。


第27話「なぜだ?!ザビタンが吹っ飛んだ」

放送日:1976/04/06
脚本:伊上 勝
監督:奥中惇夫
ゲスト:轟 謙二(大久保博士)、田中和洋(その子・マサル)/[声の出演] 大竹 宏(フランゲン)

 世界の頭脳と呼ばれる大久保博士の脳味噌を狙って、アクマ族部隊長・フランゲンが現れた。二つの顔を持つフランゲンは、一つには世界で一番のワルの脳が入っているが、もう一つは空っぽ。その為に天才的頭脳の脳が欲しいのだ。その前に立ちはだかるザビタンらだったが、フランゲンは逃走。次に、フランゲンは大久保博士の息子・マサルを狙うが、間違えて光彦がさらわれた。光彦を救う為に闘うザビタン達だったが、フランゲンの怪力の前には歯が立たず敗北してしまう。ザビタンは、フランゲンの弱点が書かれているというアクマ名簿を求めダウンワールドのアクマ図書館に侵入。その間、時間稼ぎの為にイビルとガブラがフランゲンに立ち向かう。フランゲンに歯が立たないイビルとガブラだったが、その前に大久保博士に変装したザビタンが登場。フランゲンの急所である後ろの頭をイビルが破壊、魔法陣アタックでトドメをさしたのであった。

本話をもって、ジュンが何の説明もなく降板。
 ザイダベックのコンピューターがその高性能ぶりを発揮。フランゲンの居場所を突き止め、さらに、弱点までも突き止めてしまう。恐るべき科学力(アクマ力?)である。
 フランゲンは、ザビタンいわく「悪魔族の中で一番のガラの悪さ」だとか。
 ダウンワールドにも「アクマ図書館」という名の図書館があることが判明。


第28話「なぜだ?!恐怖のテングあやつり」

放送日:1976/04/13
脚本:長坂秀佳
監督:内田一作
ゲスト:安東結子(いずみ)、萩原 純(子供たち)、小沢雅裕(子供たち)、根岸智夫(子供たち)/加藤 修(オニテングの声)

 かつてアクマイザー3に倒されたテングラーの仇を討つ為、その父・オニテングが「アクマイザー皆殺し作戦」を開始した。気を失っていた女性・イズミを救うザビタンだが、オニテングのアクマ力「天狗操り」によって操られたイズミがザビタンを襲う。イズミをダルニアに任せ調査を開始するザビタン。その元凶であるオニテングを追い詰めるが、アクマ力「夜になっちゃうのよぉ」で辺り一面真っ暗闇に。その暗闇で襲われるザビタン達だが、それはアクマ力「天狗操り」によって操られた子供達だった。冷静に対処したザビタンはその攻撃を回避するが、その隙にオニテングに逃げられてしまう。一方、ダルニアが目を離した隙に、操られたイズミに術をかけられてしまう光彦。そして、ダルニアや一平達までもが「天狗操り」に操られ、ザビタン達を襲う。ザビタンのアクマ力によって危機を脱した彼らは、イズミから聞き出したオニテングの本拠地へ向け出陣。オニテングを倒し、操られた子供達も元に戻るのであった。

 本編では、オニテングが「アクマイザー皆殺し作戦」「アクマイザー撃滅作戦」と別々の作戦名を使っているが、ザビタンは「人間操り作戦」とさらに違う作品名を使っている。統一性はまるで無し……。
 オニテングは、第15話のテンクグラーの父親という設定である。なお、本作の脚本は長坂氏だが、第15話「なぜだ?!一平がテングになった」の脚本は長坂氏ではなく赤石冬彦氏によるもの。
 鬼天狗の本拠地にある巨大な面。(向かって)左が赤、右が青が塗り分けられており、まるで『人造人間キカイダー』のようである。(ただし、キカイダーとは赤青が逆)


第29話「なぜだ?!裁かれるザビタン」

放送日:1976/04/20
脚本:長坂秀佳
監督:内田一作
ゲスト:松岡まり子(峰川ミサキ)、平井岐代子(老婆)、大久保 悟(その孫)/野島昭生(コマイヌーンの声)

 転んだ老婆を救った女性・ミネカワミサキがアクマ族部隊長・コマイヌーンに襲われ、アクマ裁判にかけられた。アクマ憲法では正しいことをした人間が処罰されるのだ。死刑を求刑されるミサキだったが、それはザビタンがすり替わった姿だった。コマイヌーン第1基地に侵入を果たすアクマイザー3だが、コマイヌーンが仕掛けた爆弾により基地は大爆発を起こす。一方、ミサキを警護するダルニアの前に再びコマイヌーンが急襲。だが、その前に爆発から難を逃れたザビタンが立ちはだかり、コマイヌーンは撤退する。その後、新兵器金ボールミサイルを完成させたコマイヌーンはアクマイザー3と決戦、アクマ力「こま回し」によってアクマイザー3の捕獲に成功する。捕らえられたアクマイザー3はアクマ裁判によって死刑を求刑され、同じく捕らえられた一平達と共に処刑寸前。だが、迫り来る金ボール爆弾を回避したザビタンは、イビル、ガブラと共にコマイヌーンを討ち滅ぼすのであった。

 コマイヌーンの台詞で「アクマイザー3を始め38人の人間を死刑」とあるが、台詞でさらっと(アクマイザー3を除いた)35名が殺されていることが判明。ザビタン達はアクマ族の作戦をすべて阻止できている訳では無いようである。


第30話「なぜだ?!眠る少女の謎」

放送日:1976/04/27
脚本:伊上 勝
監督:内田一作
ゲスト:鈴木真代(少女ネム)/山田俊司(ハリスフィンクスの声)

 アクマ族隊長・ハリスフィンクスの基地で眠り続ける少女・ネムが姿を消した。その行方を追うハリスフィンクスの前に立ちはだかるアクマイザー3は、その目的がネムだと知り身柄を確保する。ネムを狙うハリスフィンクスはアクマ力「謎かけの術」で一平を操ってザビタンを誘い出し、その隙にガブラにも「謎かけの術」をかけて操り、ネムを強奪する。問いかけられたなぞなぞの答えを出さなければ術が解けない為、苦しむガブラ。一方、ネムを眠らせておく為のアクマタイマーが無いことに気がついたハリスフィンクスは、再びガブラを使ってタイマーを強奪する。ハリスフィンクスが少女を狙った理由――それは、術を解く鍵であるなぞなぞの答えをネムが知っていたからだったのだ。ザビタンがタイマーを偽物にすり替えていた為に眠りから覚めるネム。ガブラの術が解け、3人揃ったアクマイザー3はハリスフィンクスを撃退するのだった。

ガブラがアクマ国立大学出身であることが判明。第24話にて小学校があることが判明するが、今回は大学もあることが判明。ダウンワールドは地上の世界とかなり似ているようである。


第31話「なぜだ?!地獄からの挑戦状」

放送日:1976/05/04
脚本:田口成光
監督:佐伯孚治
ゲスト:名川貞郎(八百屋の親父)/増岡 弘(ゴルゴンの声)

 東都タイムズに鳴り響く電話。それは、アクマ族隊長・ゴルゴンからのアクマイザー3に対して挑戦状だった。ゴルゴンを追うザビタンは、イビル、ガブラと共にゴルゴンを追い詰め、魔法陣アタックを使うまでもなくあっけなく撃破。しかし、左腕の蛇が死なない限り不死身な体を持つゴルゴンはフレッシュジュースを飲んで復活。まずはガブラを襲うが、ザビタンとイビルの邪魔が入り失敗。次に、一人で銃の練習を勤しんでいたイビルを捕らえたゴルゴンは、ザビタンに対し処刑を宣告する。死ぬときは3人一緒――死を覚悟したザビタンとガブラはイビルの救出へ向かう。イビルとの友情を優先し、ゴルゴンの前に現れたザビタンとガブラはイビルの代わりに爆死! しかし、それは囮に使った「たい焼き」だった。その隙にイビルの救出に成功したザビタンとガブラは、3人力を合わせゴルゴンとその左腕を葬り去るのであった。

本作では時事ネタが目立つ。
 一つは「たいやき」。本作では数度に亘り登場し、ザビタンとイビルの替え玉に使われるなど出番も多い。これは1975年12月に発売され大ヒットしたシングル『およげ!たいやきくん』から。本作の放送時はちょうど大ヒットの真っ最中であった。
 もう一つは「ピーナッツ」。一平が編集長に対して「我が社特ダネのピーナッツ事件」と報告しているが、これは1976年2月に発覚した「ロッキード事件」が元ネタであると思われる。現金である賄賂のことを「ピーナッツ」と呼んでいたのがその理由である。なお、ピーナッツ1個は100万円。


第32話「なぜだ?!アクマの逃亡者」

放送日:1976/05/11
脚本:伊上 勝
監督:佐伯孚治
ゲスト:増田順二(阿久麟平)、佐久間真由美(その娘・キリ子)/河村信子(隣の主婦)/増田順二(キリンダーの声)

 たこ焼き屋の老人を襲うメザロード親衛隊。だが、その老人はいとも簡単に親衛隊を撃退。その老人の正体はダウンワールドからの逃亡者・キリンダーだったのだ。キリンダーの前に出現したメザロードは、孫娘の命と引き替えにアクマイザー3の抹殺を命令する。一方、アクマ反応をキャッチしたザビタンはメザロード親衛隊に追われていた少女を救出、その少女を一平に託す。メザロード親衛隊と闘うアクマイザー3だが、その前にキリンダーが出現、その圧倒的な力の前に敗北する。孫娘の命の為にメザロードに従うキリンダーはまずガブラを捕獲。そして、ザビタン、イビルを誘い出した。ダルニアと合流した一平は、助け出した少女がキリンダーの孫娘だと分かり、メザロードの手から少女を守りながらザビタンらの元へと走る。激闘の末、キリンダーを追い詰めたザビタンらの前に少女が止めに入り、孫の無事を喜ぶキリンダーは戦いを終結。そして、現れたメザロードをザビタンらは撃退するのだった。

本作は、翌年である1977年1月26日に放送された『忍者キャプター』第43話(最終話)「暗闇忍堂の最期」とほぼ同じストーリーである。脚本は本作と同じく伊上 勝。この両作品、プロットが似ているというレベルではなく、同じ台本と言えるほどその展開から台詞回しまでほとんど同じである。
 役の違いは以下。
 ・キリンダー(たこ焼き屋)=狼丸(焼き芋屋)
 ・メザロード=暗闇忍堂
 ・さらわれる孫娘を救う:ザビタン=火忍と花忍
 ・孫娘を保護:一平=服部警官
 ・キリンダー・狼丸に捕らわれる:ガブラ=土忍
 ・捕らわれた仲間を救いに行く:ザビタンとイビル=火忍と水忍
 ・老人の正体を説明:ダルニア=戸隠白雲
 ・孫娘を連れて決戦場に向かう:ダルニアと一平と光彦=雷忍と花忍と金忍と風忍
 自分の作品の焼き直しをする脚本家はよくいるが、もはや焼き直しとは言えないくらいのレベル。よほどの事情があったのだろうか? あまりにも締切が「ギリチョン」過ぎたのか? 謎である。それにしても、メザロードの口癖(?)である「おれは不死身だ」の台詞まで暗闇忍堂に言わせるほど……である。
 なお、この『忍者キャプター』最終話は、書籍「仮面ライダーがエントツの上に立った日」(奥中惇夫監督著)によると、第42話と第43話の撮影中に放送の打ち切りが決定し、本来第42話として撮影していた本作が急遽最終回として手直しされたとある。確かに本作では敵の忍者を倒すというシチュエーションが無いため、自然に暗闇忍堂への最終決戦へ話をスライドすることが出来たといえるだろう。
 ちなみに、『忍者キャプター』最終話の孫娘役は金月真美。半年後には『小さなスーパーマン ガンバロン』でロングを演じることになる。


第33話「なぜだ?!ザビタン釜ゆで」

放送日:1976/05/25
脚本:長坂秀佳
監督:内田一作
ゲスト:鈴木美江(チャイナ服の少女)、飯田テル子(売店のおばさん)/山口奈々(キツネーンの声)

 木の葉を一万円札に化けさせる一万円札製造機械を開発したアクマ族隊長・キツネーンは「東京メチャメチャ作戦」を開始。だが、その前にザビタンが立ち塞がった。キツネーンは、作戦に邪魔なアクマイザー3を先に始末する為、アクマ族だけを溶かしてしまうというドロドロ液を使ってザビタン達の抹殺を目論む。ドロドロ液を仕込んだ銃でイビルとガブラを狙うが、ガブラの魔法力「ダチョウの湖」によって失敗に終わる。キツネーンは次に囮作戦を開始。アクマ力「きつね化かし」によってザビタンをおびき寄せたキツネーンは、まんまとドロドロ液の入った釜の中にザビタンを誘導することに成功した。溶けるザビタンの体……のはずがその体は全く溶けない。実は、ザビタンは魔法力「作るんだらぁ」によって一平をザビタンの体に変形させて騙していたのだ。アクマイザー3はキツネーンを追い詰め、撃破するのだった。

 キツネーンが化ける少女は鈴木美江氏。この年の10月より放送された『円盤戦争バンキッド』の白鳥ほのか=スワンを演じた。


第34話「なぜだ?!2+3はへのへのもへじ」

放送日:1976/06/01
脚本:長坂秀佳
監督:内田一作
ゲスト:松崎 真(ガンテツ先生)、折原真紀(その娘)/八代 駿(ナメナメーダの声)

 評判の学習塾「ガンテツ塾」の先生が突然おかしくなった。生徒に教える勉強は「2+3=へのへのもへじ」。これこそが、アクマ族隊長・ナメナメーダの「日本中おばかちゃん作戦」の成果だった。その作戦を妨害するザビタンだが、ナメナメーダのアクマ力「舌縛り」の前に苦戦。しかし、そこに加勢に来たダルニアに一目惚れしたナメナメーダは、ダルニアには手が出せず撤退する。ナメナメーダからラブレターを送られるダルニアだが、悪事をはたらく彼を非難。先生を元通りにすれば好きになってくれると思い込んだナメナメーダは先生達を元通りに戻していく。その為にメザロードから仕打ちを受けるナメナメーダだが、諦めずにダルニアに求婚。だが、ダルニアの意中の人がザビタンであることを知りショックを受ける。その怒りをザビタンにぶつけ両者は激突。ダルニアは窮地に陥ったザビタンを体を張って守り、ナメナメーダを説得。そして、ナメナメーダを処刑しに現れたメザロードをアクマイザー3が撃破した。味方を増やすと誓ったナメナメーダはダウンワールドへ帰って行くのだった。

 予告では、「ナメナメーダ」のことを「ナメナメダー」と発音している。


第35話「なぜだ?!人間がロボットに」

放送日:1976/06/08
脚本:伊上 勝
監督:佐伯孚治
ゲスト:菅野 裕(一郎君)、藤森政義(光彦の友達)、下井かおり(光彦の友達)、中村まゆみ(光彦の友達)、稲川善一(医師)/大宮悌二(ムササビーダの声)

 アクマ族隊長・ムササビーダはロボットガスのテストを遂行、ハイキングに訪れた光彦たちが襲われた。テストを完了したムササビ−ダは作戦を開始。街中に噴出されたガスの影響で、街中の人々は暴れ、殺し合いを始めた。次に一平の家にガスを充満させるムササビーダ。ダルニアは、そのガスにやられた光彦を救い出した。ザイダベックのコンピューターにより、解毒ガスがムササビーダの基地にあると知ったザビタン達は基地を探索。アクマ族の隊員を尾行するが、ムササビーダに感づかれ、爆撃を受けたザビタンとイビルは生き埋めに。一方、基地を発見し、乗り込んだガブラも窮地に陥る。そこへ魔法力「変わるんだらぁ」で難を逃れたザビタンとイビルが参上。しかし、ロボットガスの補給を完了したムササビーダは東京中にガスをまき散らす。が、何も起こらない。それは、ザビタン達がロボットガスと解毒ガスをすり替えていた為だった。街の人々元に戻り、ムササビーダもアクマイザー3に倒されるのであった。

本人いわく、ムササビーダは「アクマ族のハンサム、ミスター ムササビーダ」だとか。


第36話「なぜだ?!のみこまれたガブラッチョ」

放送日:1976/06/15
脚本:長坂秀佳
監督:佐伯孚治
ゲスト:吉川朝美(井原千草)、加藤武志(子供たち)、小川昌純(子供たち)、濱田城司(子供たち)/作間 功(ガマーダの声)

 次々と人間を玉に変え飲み込む、アクマ族隊長・ガマーダ。既に50人の子供と49人の美女を飲み込んだガマーダが次に狙うのはアキハラチグサという少女。それは、あと一人の美女を飲み込めば世界一のハンサムになれるからだった。そのことを知りチグサを護衛するアクマイザー3。一方、偵察に向かったガブラは銃撃に傷つき倒れた。そのガブラを救ったのは何と敵であるガマーダだった。容姿に劣等感を抱いていたガマーダが、自分と同じように醜いガブラに親近感を覚えていたのだ。逃亡するガブラだが、体を小さくされガマーダに飲み込まれてしまう。再び襲われるチグサの前に立ちはだかったザビタンとイビルはガマーダと対決するが、3人揃っていない為に苦戦。そこへ、ガマーダの中でガブラが大暴れ! ガマーダが苦しむ隙に脱出に成功する。3人揃ったアクマイザー3は魔法陣アタックでガマーダを倒し、飲み込まれた人達を救い出すのであった。

 本作では、1975年に発売されたキャンディーズのシングルのA面曲「ハートのエースが出てこない」が頻繁に流れている。なぜだ?!


第37話「なぜだ?!アクマ族総攻撃!」

放送日:1976/06/22
脚本:長坂秀佳
監督:内田一作
ゲスト:小倉茂義(ジュニア)/飯塚昭三(大魔王・ガルバーの声)、増岡 弘(総師団長・ゲベルの声)、神谷 明(平和党四人衆リーダー・バスカルの声)、永井一郎(ノッペラーの声)、古川さとし(ジュニアの声)、八代 駿(ナメナメーダの声)

 幽霊船=ザイダベック号が何者かに盗まれた! それはアクマ族総師団長・ゲベルの仕業だった。アクマイザー3に挑戦状を叩き付けたゲベルは総攻撃を開始。その前に立ち塞がったアクマイザー3は、ゲベル、そしてメザロードと激突! だがその前にノッペラー、ノッペラーJr、ナメナメーダ、バスカルの4人からなる「平和党4人衆」がダウンワールドから助けに現れた。共に力を合わせ、メザロードを撃破する。しかし、アクマ力「メザロード復元」により、メザロードは何度でも甦ることが出来るのだ。パワーアップしたメザロードと闘うアクマイザー3は、魔法陣アタックが効かずに敗北。今のメザロードに勝つには、バスカルが知る必殺技「ニューライトアタック」しかない。負傷したザビタン達に代わり、死を覚悟した平和党4人衆がメザロード基地に侵入。その後を追うアクマイザー3は、取得した「ニューライトアタック」をメザロードに炸裂させる。ついに、メザロードを葬ることに成功するのであった。

 第24話のノッペラーとノッペラーJr、第34話のナメナメーダがまさかの再登場。それに新キャラクターのバスカルを加え、平和党4人衆として復活を遂げる。ノッペラーとジュニアはともかく、時期的に見てナメナメーダは最初から再登場が考えられていたのだろうか。
 今まで不死身であったメザロードの秘密がついに明かされる。今まで、言葉だけで「おれは不死身だ」と言っていたメザロードであったが、それが「アクマ力・メザロード復元」によるものだったと説明された。
 黒幕、大魔王ガルバーが登場。今作及び次回である最終話でも倒されることなく、後番組『超神ビビューン』でも続投することになる。その正体の秘密は『超神ビビューン』第26話にて驚愕の事実が明かされることになる。


第38話「なぜだ?!明日へのカプセル!」

放送日:1976/06/29
脚本:長坂秀佳
監督:内田一作
ゲスト:飯塚昭三(大魔王・ガルバーの声)、増岡 弘(総師団長・ゲベルの声)、神谷 明(平和党四人衆リーダー・バスカルの声)、永井一郎(ノッペラーの声)、古川さとし(ジュニアの声)、八代 駿(ナメナメーダの声)、大平 透(平和党大臣の声)

 大魔王ガルバーから不滅の楯を受け取ったゲベルは地上で破壊の限りを尽くす。その前に立ちはだかるアクマイザー3と平和党4人衆だったが、不滅の楯の前には全く歯が立たない。そこへ現れたダルニアは、ザビタン達を救う為にゲベルを誘い出すが、自慢のダルニアビームを持ってしても不滅の楯には敵わなかった。万策尽きた彼らの前に、平和党の大臣でもあるダルニアの父から不滅の楯を破るたった一つの必殺技「アクマイザーアタック」が伝えられた。しかし、それは自分達の命を引き替えにするという諸刃の剣であった。決心し、特訓するアクマイザー3だが、彼らを死なせたくないダルニアは、単身でゲベルに戦いを挑む。が、その前に平和党の3人が現れ、「アクマイザーアタック」でゲベルと対決するが、失敗に終わる。彼らの決死の行動でコツを掴むことが出来たザビタンらは「アクマイザーアタック」を決行、不滅の楯と共にゲベルは消滅した。同時に封印されたアクマイザー3の魂と引き替えに、ついに地上に平和が訪れたのだった。

 本作の台本は『さらば斗いの日々、そして 長坂秀佳シナリオ傑作集』に収録されている。その台本と映像はほぼ同じ。しかし、準備稿はシナリオ集に収録されている(おそらく)決定稿及び映像とは異なる点が何点かある。
 ・映像での「平和党4人衆」は、準備稿では「鳩派4人衆」。
 ・映像で、ダルニアがザビタン達を救うためにゲベルに副師団長はいらないかと持ちかけるシーン、準備稿では「まだたしか独身だったわね」と色仕掛けを用いている。そして、その後に続くナメナメーダの台詞「恋に生きるぼくちゃんを捨てて」という台詞が光っている。
 ・必殺技「アクマイザーアタック」の名は、準備稿では「三段ジェットアタック」。まるで『機動戦士ガンダム』(1979年〜1980年)でモビルスーツ・ドムが3機で仕掛ける「ジェットストリームアタック」のようなネーミングであるが、このアクマイザー3の方が時代は前である。
 本番組の最終話では、主人公であるアクマイザー3の3人が、その魂が小さなカプセルに閉じ込められ物語の幕が閉じる。その後、次週から始まった『超神ビビューン』の第1話にて、その主人公達がザビタン達の魂を受け継いだと語られた。なお、『超神ビビューン』にてアクマイザー3が登場したのは、オープニング冒頭を除くと第1話のみである。