【ストーリー紹介】十一代将軍家斉の御落胤で双子の弟である松平鶴次郎は、乳母の死を契機に今戸の屋敷を飛び出し浪人暮らしをはじめた。 浪人となった鶴次郎は「桃太郎」と名乗り、この世の鬼(=悪人)を退治していく。
第84話「無言で許す親心」
放送日:1978/05/21 十手持ちの仁王の徳次は、息子・卯吉に十手を譲り、今は隠居の身。しかし、矢場(江戸時代に流行った、弓を射つ娯楽施設)の看板娘・お直との祝言を徳次に認められない卯吉は、十手よりも女が大事だと言い捨て、徳次に十手を返す。返された十手を手に、息子の代わりに十手持ちに出戻った徳次は、そば屋が殺された事件の下手人を追い始める。廻船問屋・上総屋に当たりをつけ夜分遅く見張る徳次を心配する卯吉だったが、お互い不器用な為に素直になれない。父親に認めてもらう為に上総屋に乗り込む卯吉だが、十手を持たぬ卯吉は上総屋が雇った用心棒に痛めつけられる。一方、上総屋と旗本・織部が共謀して行っていた禁制の品の抜け荷の取引現場を突き止めた徳次だったが、張り込みがバレて殺されてしまう。桃太郎は、傷ついた体で父親の仇を討とうとする卯吉を制止し、上総屋と織部を成敗。その後、江戸の町では、再び十手を手にした卯吉の姿があった。
長坂氏が本番組で担当した話は本作のみ。しかし、本番組第27話から登場した桃太郎の名台詞「ひとつ、人の世生き血をすすり、ふたつ、不埒な……」は長坂氏が考えた台詞である。 |