「ぼくら野球探偵団」全エピソード あらすじ・解説

【ストーリー紹介】

 少年野球チーム「ワンパクズ」――彼らには「探偵団」という別の顔があった。様々な悪事をはたらく怪盗赤マントに、彼ら野球探偵団「ワンパクズ」が立ち向かうのだ。


第1話「怪盗赤マント登場」

放送日:1980/04/22
脚本:長坂秀佳
監督:外山 徹
ゲスト:荻原 紀(警官)

 ある日、東京タワー一面に「パンダを盗む」との予告状が……。それは、世界的有名な怪盗赤マントからの挑戦状だった。警視庁窓際族・荒名堂郎と、多奈加進介が監督を務める少年野球チーム「ワンパクズ」のメンバーは、赤マントの企みを阻止すべく真っ向から立ち向かう。成田空港から上野動物園へ輸送されるパンダを護衛する荒名とワンパクズら。派手な輸送を装い、極秘裏に別ルートでパンダを輸送するが、パンダを乗せたワゴンがトンネルに入ったまま姿を消してしまう。呆然とするワンパクズの目前で、ワゴンを吊り下げたヘリコプターが爆発と共にトンネル上空へと飛び去って行く。ヘリを追うとするワンパクズらだが、リーダーの天馬がそれを阻止。ヘリコプターは囮でワゴンはまだトンネルの中にいるというのだ。直後、ワゴンを運転する多奈加がトンネルから出てくるも、赤マントの変装だと見抜いた天馬は仲間と共に赤マントを追い詰めた。結局、赤マントには逃げられるものの、無事にパンダを守り抜いたワンパクズらであった。

 冒頭、宍戸錠氏演じる荒名堂郎が「007」ばりに登場。きどったナレーションにふざけたフキダシ。最初から悪乗り度炸裂で本編は始まる。
 コジロウが東京タワーに取り付けられたレーザー光線投影装置をバッティングで撃破するという「名打撃」を披露。また、アリスが赤マントの腹話術を見破る「耳の良さ」も披露。第1話ということで、各メンバーの特技を盛り込もうとしているところがうかがえる。
 多奈加兄妹の家が古道具屋であることが判明。店名は「ANTIQUE-CARAVAN多奈加」。なおこの店は全く同じ店名で東京都調布市に実在。多奈加の苗字は、企画書の段階では「白鳥」であったのだが、これはロケ地であるこの店に合わせて変更したのだと思われる。
 赤マントが狙うパンダは、1980年1月29日に実際に日本へ贈呈された「ホワン ホワン」と同名。成田に到着するパンダの映像がいかにもニュースフィルムらしいが、実際のニュースフィルムを使用しているのだろうか?(※真相を知っている方情報募集中。当時、ニュースを見ていた方の記憶等情報を募集)ただし、ラストシーンが放送日である4/22かその直後と判明するが、事件よりラストシーンまで3か月近く経過したという解釈でマルだろうか……。
 荒名は本話の放送日である昭和五十五年四月二十二日付にて警部に昇進。それに伴い、「怪盗赤マント事件」専任捜査官に任命される。また、その辞令に書かれた警視総監の名前は土田国雄。第6話登場する警視総監と同一人物であろうか?
 荒名警部のユニホームはワンパクズのものではなく、「警視庁」(?)のもので、背番号は「110」である。
 毎回、ラストもしくは冒頭に対戦する相手チームは、台本にて「(相手チームは一般公募)」と書かれていることから、実在する少年野球チームと思われる。(※詳細情報募集中。どのようなカタチで公募していたか? また、実際にワンパクズと対戦した人はいませんか?(笑))なお、今回の対戦相手チームは「狛江ブラックデビルス」。
 毎回、「でもがんばるからまたみてね!」のフキダシで物語のラストを飾っている。ただし、誰がその台詞を喋るかは毎回異なる。なお、今回の「でもがんばるからまたみてね!」は荒名。


第2話「ねらわれた豆本」

放送日:1980/04/29
脚本:曽田博久
監督:外山 徹
ゲスト:堀田真三(桜 五平)、竹井みどり(若木みどり)/小坂生男(青田)、戸塚 孝(馬淵幸一)、大島光幸(江戸川 卓)

 荒名警部のもとに、赤マントから「桜五平が所有する日本一小さい豆本をいただく」との予告状が届けられた。この豆本は、暴力団さくら組の組長・桜五平が姪の若木みどりから盗んだものだという。みどりから話を聞いたワンパクズのメンバーは豆本のありかを見つける為、さくら組に野球の勝負を挑む。  試合中、天馬らはどさくさに紛れて五平の躰から豆本を探すがなかなか見つけられない。ワンパクズは、接戦に持ち込まれた為に暴力プレーで対抗するさくら組に痛めつけられるが、逆にそれをバネにし懸命に立ち向かう。さくら組の攻撃中、さくら組の助っ人メンバーである馬淵のバットが五平を直撃。馬淵は自分の車で五平を病院へ運ぼうとするが、馬淵は赤マントの変装であった。赤マントに襲われた五平を間一髪で救うワンパクズ。ワンパクズに救われた五平は罪を認めてみどりに豆本を返すのだった。

暴力団「さくら組」の野球チームの助っ人として「うめ組」よりやってきた二人は共にプロ野球選手のそっくりさん(?)。江川卓のそっくりさんの江戸川卓(演:大島光幸氏)と田淵幸一(演:戸塚孝氏)のそっくりさんの馬淵幸一。さらに長嶋監督のそっくりさん(演:寺島達夫氏)も登場。このナガシマのそっくりさんのみ、以降の回でも「謎の男」としてたびたび登場する、まさしく謎の男。
 「うめ組」の助っ人を含めた「さくら組」の野球チームであるが、馬淵幸一役の戸塚孝氏、江戸川卓役の大島光幸氏、青田役の小坂生男氏の3人は全員「若駒」所属のスーツアクター。1972年放送の『トリプルファイター』では、デーモンの怪人を小坂氏、戦闘員・デビラを戸塚氏と大島氏が演じていたが、その相手であるトリプルファイターの一人、グリーンファイターのスーツアクターは赤マント役の荻原紀氏であった。
 五平が盗んだ豆本「人魚姫」。見開きで計4ページ分映るシーンがあるが、これは実際にある絵本なのか、それともこの為に書き下ろしたものなのだろうか……。(※情報募集中。この絵本を持っている!という方。出版社、作画が誰であるか等教えて下さい。)
 今回は暴力団チーム「さくら組」との対戦がメインだった為か、少年野球チームとの対戦は無い。
 今回の「でも、がんばるからまたみてね!!」は荒名警部。


第3話「クイズ番組を守れ」

放送日:1980/05/06
脚本:阿部桂一
監督:外山 徹
ゲスト:宮尾すすむ(司会者)/秋元羊介(山本)、大矢兼臣(杉原)、俵 一(ガードマン)/竹内 靖(プロデューサー)、大橋一輝(警官A)、湯川 勉(警官B)

 クイズ番組の放送中、突如ブラウン管に現れた赤マントは賞品のオートバイを盗むと予告。荒名警部とワンパクズは万全の警戒態勢で赤マントに挑む。  番組の最中、クイズの優勝者に化けオートバイを盗み出そうとする赤マントだったが、天馬に見破られて包囲される。包囲網を突破し逃亡する赤マントを追う天馬達は、時を同じくしてテレビ局に運ばれていた5億円のダイヤが盗まれたことを知る。赤マントの本当の狙いはダイヤだったのだ。赤マントをアジトまで追い詰めた伝馬らは見事ダイヤを奪還。赤マントはアジトを爆破し、大空へと去っていった。

赤マントの23番のアジトが登場。本番組の企画書によると都内十数ヶ所、全国八十数ヶ所に電子工学の粋を集めたコンピュータルームを持っているらしい。
 ゲストの警官Bを演じているのは湯川勉。本番組と同じ制作会社「円谷プロ」による作品『スターウルフ』(1978年放送)にて、宍戸錠の付き人ということからダン役で出演。本作もその関係からの出演であろうか。
 今回の対戦相手チームは「貝取カントリージュニア」。
 今回の「でもがんばるからまたみてね!!」は荒名警部。


第4話「赤マント 人気まんが家誘拐作戦」

放送日:1980/05/13
脚本:曽田博久
監督:岡本 弘
ゲスト:なべおさみ(古川金太郎)

 ワンパクズのライト・チビ助は自分のエラーでチームが負け落胆。そんな中、チビ助が愛読している野球マンガ「草野球ファイターズ」の作者・古川金太郎を誘拐すると予告してきた赤マント。ワンパクズは金太郎を赤マントから守ろうとするが、金太郎は殺人的スケジュールから逃れられるのなら誘拐されるほうがよいと考え、赤マントに対し「誘拐してくれ」とアピールする。  天馬とチビ助を除くワンパクズのメンバーは憤慨して金太郎の護衛を辞退、そして、金太郎は赤マントに連れ去られてしまう。誘拐され喜ぶ金太郎だったが、赤マントに自分の漫画を書くように要求され落胆。金太郎を追って一緒に捕らえられたチビ助を救う為、ワンパクズは再び団結、赤マントのアジトにたどり着きチビ助と金太郎を救い出した。その後、チビ助は試合で惜しくもエラーするが、チームメイトにその根性を讃えられ、改めてファイトを燃やすのであった。

ワンパクズが金太郎に赤マントの犯行を伝えに来たシーンの後、台本では赤マントが現れ「ここを動かず一分でかたをつける」とワンパクズに見得を切りながらリモコンのスイッチを押し、その後、金太郎の仕事場が揺れるシーンへとつながっている。
 金太郎が風船で「誘拐して」と訴えるシーン。台本ではモールス信号で「誘拐して」と訴えている。
 チビ助と金太郎が誘拐され、チビ助が金太郎に「チョロのファインプレーが見たい」と訴えるシーンの後、台本では金太郎がチビ助に「君みたいなファンがいたのに逃げ出したりした俺が馬鹿だった」と謝るシーンがある。
 今回の対戦相手チームは番組冒頭に「多摩リトルリーグ」、終盤に「狛江サンノヘファミリーズ」の2チーム。
 今回の「でもガンバルからまたみてね!!」はチビ助。


第5話「赤マントは宇宙人?UFO現わる」

放送日:1980/05/20
脚本:長坂秀佳
監督:外山 徹
ゲスト:灰地 順(香倉岩雄)/沼崎節子(香倉ユカ)、竹村洋輔(新城一也)、倉富勝士(警官)

 歴史学者の香倉岩雄の娘・ユカは、UFOに乗って現れた宇宙人が父親を殺害、そして父親になりすますさまを目撃してしまう。時を同じくして、香倉岩雄の所有する純金の塔をいただくという赤マントの予告状が舞い込み、それを知ったワンパクズは香倉家に向かった。香倉の助手・新城一也からの知らせで純金の塔に宇宙物質が含まれていることが判明し、宇宙人が塔を狙っているのではと推理。また、香倉を監視していたチビ助らは、忍び込んだ赤マントを香倉が殺害するところを目撃。そして、塔を守る警部らの目前で宇宙人が現れ、塔を消し去ってしまった!しかし、すべてのトリックを見破った天馬は宇宙人が映写機に映し出されたものだと説明、一也に化けていた赤マントを撃退する。自分の父親が宇宙人の化けた姿だと思い込み怯えていたユカの顔に、久々に笑みがこぼれるのであった。

 荒名警部の所属が警視庁8課だということが判明。
 今回の対戦相手チームは「調布サンライズ」。
 今回の「でもガンバルからまたみてネ!」は荒名警部。


第6話「赤マント 警視総監に挑戦」

放送日:1980/05/27
脚本:阿部桂一
監督:外山 徹
ゲスト:吉田義夫(警視総監/兄・隆三郎)/小島三児(小西)

 警視総監に対して「一番大切なものをいただく」と挑戦する赤マント。警察は警視総監が所有する宝の数々を警視庁が誇る大金庫に保管し、赤マントを迎え撃った。ワンパクズのメンバーも警視庁の大金庫なら安全だと安心する。  警視庁に現れた赤マントは警戒中の大金庫を尻目に警視総監に接近するも、すんでのところで逃亡。赤マントの狙いは警視総監が身につけているものらしい。床屋を経営する父から警視総監の宝が髭だと知ったハヤブサは天馬に報告。天馬は赤マントに罠をかける為、警視総監に瓜二つの兄に替え玉を依頼。そして、ハヤブサの父に化けた赤マントを追い詰め、無事に警視総監を守り抜いた。

ハヤブサの父親が登場。床屋であることが判明。
 今回の対戦相手チームは「渋谷レッドソックス」。
 今回の「でもガンバルからまたみてネ!!」は荒名警部。


第7話「赤マントが狙った寝小便ぶとん」

放送日:1980/06/03
脚本:曽田博久
監督:外山 徹
ゲスト:天草四郎(白球和尚)/小山昌幸(三球)、藤木武司(四球)/平井公彦(少年A)、大谷栄進(少年B)

 ワンパクズは遠征試合の為、白球寺に宿泊。しかし、そこで待っていた赤マントはワンパクズに「おまえたちの寝小便ぶとんをいただく」と宣告。その不思議な挑戦の裏には何かあると睨む天馬。

円谷プロによる作品の為か、荒名警部が「シュッワッチ」と言う台詞がある。
 今回の対戦相手チームは、番組冒頭に「砧ファイターズ」、遠征先にて「喜多見スターズ」の2チーム。
 今回の「でもガンバルからまたみてネ!」は多奈加監督。


第8話「幽霊?絵から消えた美人姉妹」

放送日:1980/06/10
脚本:長坂秀佳
監督:外山 徹
ゲスト:伊沢一郎(一条直行)/田中筆子(老女中ヨシノ)

 満月の夜になると絵に描かれた女が絵から抜け出すという「お冬とお夏」の絵。その絵をいただくと挑戦してきた赤マント。絵にまつわる話のままに、荒名警部の前に絵から抜け出した女の幽霊が出現、驚いた警部は足を滑らして転倒し大怪我をしてしまう。話を聞いた天馬らは調査を開始、彼らの目前でも絵から女が消え、そして、女の幽霊が姿を現した。赤マントの犯行予告の時間、天馬らの目前で絵から女が消え、騒然の中、絵までも消えてしまう。しかし、すべてのからくりを見破った天馬は、絵から消えた女は月の光で消える特殊な絵の具で描かれていたと説明。赤マントは月光と同じ光を出すライトを使って、絵に描かれた女を消していたのだ。天馬らは、ほのかに化けていた赤マントを見事撃退するのだった。

 台本では、気を失ったほのかが発見されるシーンの後、ワンパクズの作戦会議で邪険にされる多奈加と、一言語って去っていく謎の男「ナガシマ」が現れるシーンがある。
 荒名と多奈加が崖から落ちる回数のテロップ表記は、台本には指示は無い。
 今回の対戦相手チームは、「笹塚ロイヤルズ」。
 今回の「でもガンバルからまたみてネ!」は荒名警部。


第9話「天下の魔球 赤マント三振」

放送日:1980/06/17
脚本:曽田博久
監督:外山 徹
ゲスト:梅津 栄(金井監督)/春田和秀(的場武志)

 ワンパクズは対戦相手「レッドジャガーズ」のエース・的場武志の投げる魔球の前に惨敗。そして、その魔球の秘密をいただくと挑戦してきた赤マント。一方、アリスは一人で魔球の秘密を解き明かそうとしていた。アリスにはマウンドに立つという夢があったのだ。その為に魔球を投げられるようになりたいと、練習を始めるアリス。  謎の男「ナガシマ」のコーチのもと、見事魔球を会得し、皆の前で披露するアリス。狼狽する「レッドジャガーズ」の監督は慌てて自分の研究所へと身を隠す。そして、それを追うナガシマ。アリスの魔球は、ナガシマに化けた赤マントがリモコンを使って仕掛けたトリックで、赤マントは監督が動き出すのを待っていたのだ。ショックを受けたアリスだったが、武志は自分の魔球も監督が仕組んだインチキだと白状。魔球の秘密である「魔球液」の瓶を赤マントに奪われるも、アリスの渾身の一球がその瓶を打ち砕いた。その後、グラウンドには正々堂々とプレイするアリスと武志の姿があった。

対戦相手チーム「レッドジャガーズ」の金井監督いわく「ワンパクズは野球としてはもうちょっとだけど探偵団としてはすごいんだってね」。ワンパクズは探偵団としては結構有名な存在らしい。ただ、野球チームとしてはやはりあまり強くないようだ・・・。
 今回の対戦相手「レッドジャガーズ」はテロップ表記がない為、おそらく実在の少年野球チームではないと思われる。監督のユニフォームも漢字で「監督」と書いた不思議なユニフォームであるし・・・。対戦相手の人物の登場が多い為に今回は架空のチームになったのではないだろうか。
 謎の男「ナガシマ」が、喫茶店「喫茶90」のマスターであることが判明。
 本作の主役はアリス。本番組ではレギャラーの子供達が多い割には天馬を除く各メンバーの主役の話が少なく、第4話「赤マント人気まんが家誘拐作戦」のチビ助、そして本作のアリスくらい。(第7話「赤マントが狙った寝小便ぶとん」はギリギリ、隼が主役か?隼は他のメンバーに比べると比較的出番、見せ場が多いキャラクターではある)
 今回の「でもガンバルからまたみてネ!」はアリス。


第10話「赤マントに消された美少女チーム」

放送日:1980/06/24
脚本:長坂秀佳
監督:岡本 弘
ゲスト:西川ひかる(オバサン監督)/斉藤浩子(めぐみ)/高橋淳子(百恵)、安藤美智子(真子)、ニューヤンキーズ

 ワンパクズはチーム全員が女の子のチーム「ニューヤンキーズ」と対戦。その試合中、赤マントが「九つの宝をいただく」と挑戦。そして、その直後からニューヤンキーズのメンバーが次々と姿を消してしまう。ワンパクズは、唯一残っためぐみを守る為、赤マントに対して替え玉作戦を遂行。替え玉のハヤブサが姿を消し、作戦成功と思いきや、さらにその裏まで読んでいた赤マントによってめぐみまで拉致されてしまう。赤マントはワンパクズに対し、「ニューヤンキーズを返して欲しくば、白旗と共にTVで敗北宣言すること」と要求。しかし、ハヤブサが仕掛けた目印によってアジトを発見したワンパクズはアジトを急襲。赤マントの裏の裏、さらにその裏の裏まで読んだ作戦でニューヤンキーズのメンバーを助け出すのであった。

 今回の対戦相手である「ニューヤンキーズ」は、1978年にフジテレビの企画で3000名を超える応募者の中から選び出されて結成された実在した野球チーム。アリス役の菅照美氏(後に花井その子に改名)も在籍していたことがある。
 めぐみ役の斉藤浩子氏は、長坂作品では『人造人間キカイダー』(1972年〜1973年)第29話「カイメングリーンは三度甦える」、『キカイダー01』(1973年〜1974年)第14話「怪談 ギルの亡霊が地獄で呪う」、『快傑ズバット』(1977年)第21話「さらば瞼の母」、『宇宙の勇者スターウルフ』(1978年)第14話〜第17話に出演している。
 ハヤブサが落としていった目印のボール。あんなにたくさんのボールをどこに持っていたのかは少々謎。また、ボールが割れる仕組みも謎。何がきっかけで割れるような細工なのだろうか……。
 赤マントのアジトが登場。コンピュータやビデオカメラ等を装備した近代的なアジトのようだ。
 今回の「でもガンバルからまたみてね!」は荒名警部。


第11話「赤マント 世界ちん記録を盗む」

放送日:1980/07/14
脚本:阿部桂一
監督:外山 徹
ゲスト:東 龍明(山田記者)、伊達三郎(川村所長)/ウィリー・ドースィー(ガルー大統領)、萩原賢三(随行者)

 多奈加監督は荒奈警部にそそのかされて、縄跳び世界一の記録に挑戦すると豪語。早速トレーニングを開始した監督の前に赤マントがあわられ「日本にあるギネスブックの記録のひとつをいただく」と宣言。  ワンパクズらが見守る中、多奈加の記録への挑戦が始まった。同時刻、ギネスブックにも載っているという世界一高額の「ナポレオンの帽子」を持ってガルー大統領が日本に入国しているという情報を知った天馬らは、ガルー大統領の元へ急行。天馬らは、一度は帽子を奪われるものの、見事取り返した。事件が解決した直後、ワンパクズの前に多奈加が駆け付け、挑戦の失敗を報告するのだった。

「JOH SHISHIDO」と書かれたTシャツを着用している宍戸錠や、「ガッツガッツ」との声援を受けるガッツ石松、ありとあらゆるスポーツの一例として「ボクシング」をあげるガッツ石松等、オフザケネタ(?)が多々見られる。
 今回の対戦相手チームは、「伊達ライオンズ」。
 今回の「でもガンバルからまたみてネ!」は荒名警部。


第12話「ドクター赤マント 恐怖の大手術」

放送日:1980/07/21
脚本:曽田博久
監督:外山 徹
ゲスト:村松克己(宮田医師)、木田三千雄(柳川鍋造)/竹下江里子(看護婦A)、熊谷真利子(看護婦B)/浦 信太郎(医師A)、村山竜平(レントゲン技師)、遠藤卓也(柳川茂夫)

 健康診断を受ける多奈加監督の前に赤マントが現れ「腎臓をひとついただく」と挑戦。赤マントの罠にはまり入院する羽目になった多奈加監督に、宮田医師に化けた赤マントが迫る。  天馬の機転で手術は中断、そして、同じ病院に腎臓の移植手術が必要な少年・茂夫がいることを知る。茂夫の祖父・柳川鍋造が元宝石商だったことを突き止めた天馬は、赤マントの狙いが柳川の持つ「太陽の涙」という宝石だと推理。宮田医師に化けた赤マントが手術の必要の無い茂夫に手術が必要だと思いこませ、さらに、その手術の交換条件として「太陽の涙」を要求していたのだ。すべてのカラクリを見破った天馬は「太陽の涙」の取引を阻止、手術に怯えていた茂夫の顔に、笑顔が戻るのであった。

「森の石松が使ってたさらし」?「ガッツ石松が世界チャンプになった頃、寝冷えしないようにいつも腹守ってた腹巻」???悪乗り度、さらに悪化。
 ゲストの宮田医師を演じているのは村松克己氏。本番組と同じ制作会社「円谷プロ」による作品『スターウルフ』(1978年放送)ではヨローリン大尉役で出演。同じく、キャプテン・ジョウ役で出演して宍戸錠氏とは、まさに久々の再会となった。
 今回の対戦相手チームは、「渋谷コンドルクラブ」。
 今回の「でもガンバルからまたみてネ!」は天馬。


第13話「シージャック 海を行く赤マント」

放送日:1980/08/04
脚本:阿部桂一
監督:岡本 弘
ゲスト:久遠利三(船長)、日和田春生(航海士)/小坂生男(脱獄囚A)、西内 彰(脱獄囚B)/時田 優(脱獄囚C)、横手房江(謎の女)

 赤マントは「豪華客船スカンジナビア号を頂く」と予告。ワンパクズはスカンジナビア号に乗り込み調査を開始した。その最中、ワンパクズのメンバーはピストルを持った脱獄犯3人組に襲われてしまう。  追い詰められるワンパクズだったが、その窮地を救ったのは何と赤マント!?赤マントの活躍で脱獄囚は逮捕されたが、赤マントの挑戦が終わった訳ではない。引き続き船を守ろうとするワンパクズだが、赤マントの罠にはまり閉じ込められてしまう。何とか抜け出したチビ助は荒名の力を借り仲間を無事救出。船長に化けた赤マントを追い詰め、無事にスカンジナビア号を守り抜いたのだった。

ピストルを持った脱獄囚に命を狙われたワンパクズを救う赤マント。赤マントのあくまでもフェアーな精神が最大限に表現されたシーンである。
 今回の対戦相手チームは、「多摩愛宕ヤンキース」。
 今回の「でもガンバルからまたみてネ!」は荒名。


第14話「珍ロボット ウルトラ28号の秘密」

放送日:1980/08/11
脚本:辻 真先
監督:深沢清澄
ゲスト:汐路 章(おもちゃ屋の主人)/小坂まさる(店員)、西平守代(男の子)、横山奈央(女の子)

 おもちゃ屋の看板ロボット「ウルトラ28号」を頂くと予告してきた赤マント。ロボットに何か秘密があると睨んだ天馬は、近所で起こった宝石泥棒の犯人が、盗んだルビーをロボットに隠したと推理、ロボットに近づきルビーを入手する。一方、ロボットの正体が人間が中に入った着ぐるみであることを知った荒名は、ロボットの中に入り赤マントを迎え撃つ。  夜――ルビーを持つほのかを守るワンパクズ。と、そこに轟音と共に巨大なロボットが現れた!驚き、飛び出したほのかからルビーを強奪する赤マント。しかし、天馬はすべてを見破っていた。巨大なロボットは、スピーカーによる轟音と、小さなおもちゃのロボットをライトで大きく見せていただけだったのだ。赤マントはワンパクズに包囲されるもルビーを手にしたまま逃走を果たす。しかし、実は天馬らがロボットからルビーを持ち出したのは演技で、荒名が身につけたロボットに本物のルビーが隠されたままであったのだ。

おもちゃ屋の看板ロボット「ウルトラ28号」。これは、本番組と同じ制作会社「円谷プロ」による作品『恐竜戦隊コセイドン』(1978年〜1979年放送)に登場するレギュラーロボット「ビックラジィー」を改造したものと思われる。
 アヤメは自称「メカ名人」とのこと。企画書ではキューリーが「メカの名人」として記されているが、中盤頃降板したキューリーに代わり、設定も受け継いだらしい。なお、アヤメ役の増田恵美氏は、同年12月放送の『電子戦隊デンジマン』第47話「朝日に消えた人魚」では増田めぐみ名義でゲスト出演、のちに立花愛子に改名した。(本名は増田恵美)改名後のメジャー作品には「宇宙刑事シリーズ」(1982年〜1985年)3作すべてに出演した星野月子役等がある。ちなみに、『特捜最前線』にも3度ゲスト出演しているが、長坂氏の脚本作品は無し。(357話「OL・疑惑の完全犯罪」、374話「真夜中の殺人エレベーター!」、396話「万引少女の告白!」)
 今回の対戦相手チームは、「新子安南部ニューパワーズ」。
 今回の「でもガンバルからまたみてね!!」は天馬。


第15話「熱狂赤マント ロックスター人質作戦」

放送日:1980/08/18
脚本:阿部桂一
監督:深沢清澄
ゲスト:ノヴェラ/古今亭朝次(支配人)

 人気ロックスター「ノヴェラ」のコンサートの最中、赤マントが「ノヴェラ」を頂くと予告。コンサート会場を警護する荒名とワンパクズだったが、コンサート会場の支配人に扮した赤マントは見事「ノヴェラ」の誘拐に成功し、アジトに連れ去ってしまった。  「ノヴェラ」の行方を懸命に追うワンパクズだったが、夜になっても足取りが全くつかめない。しかし、「ノヴェラ」のメンバーに扮していた天馬はアジトの場所を伝書鳩によってワンパクズに知らせることに成功する。赤マントは、自分だけの為にと「ノヴェラ」に演奏を強要。正体がばれた天馬は赤マントに監禁されてしまう。しかし、ワンパクズは無事アジトまでたどり着き、天馬と「ノヴェラ」の救出に成功するのだった。

主題歌を歌うノヴェラがゲスト出演。持ち歌を2曲演奏する。曲は「イリュージョン」(作詞、作曲:平山照継/編曲:ノヴェラ)、そして番組のエンディング曲「アイム・ダンディ」。なお、メンバーは結成時メンバーである以下の6人である。テル=平山照継(ギター)、トシ=永川敏郎(キーボード)、エイジロウ=秋田鋭次郎(ドラム)、モック=山根基嗣(ギター)、アンジー=五十嵐久勝(ヴォーカル)、ヨシロウ=高橋良郎(ベース)。(赤マントによる紹介順) もちろん、影のリーダー・タロウは存在しない(筈である)
 今回の対戦相手チームは、「戸山イーグル」。
 今回の「でもガンバルからまたみてね!!」は天馬。


第16話「恐怖のタマゴ爆弾 大爆発0秒前」

放送日:1980/08/25
脚本:酒井あきよし
監督:深沢清澄
ゲスト:渡部 猛(アナウンサー)、倉富勝士(警官)

 工事現場で発掘された巨大な謎のタマゴ。そのタマゴをいただくと予告してきた赤マントはまんまと盗み出すことに成功する。しかし、その後の調査でタマゴの正体が第二次世界大戦中に落とされたボール爆弾であることが判明した。  爆弾を掴まされ怒る赤マントだったが、それを逆用しようと企み、爆弾を爆破させると予告。天馬は、盗んだ爆弾が偽物であると赤マントに思いこませる為、偽物を使って警視庁に護送するふりをする。まんまと騙され護送中の偽爆弾に接近する赤マントだが、その最中、本物と偽物が混合。さらに、舞台は遊園地へと移り、二つの爆弾が行ったり来たりの大混乱。結果、赤マントが最後に手に入れた爆弾は天馬が用意した偽物。本物は図らずも荒名が爆破させてしまうが、不発に終わるのだった。

番組冒頭に「小金井キングジャガーズ」、終盤に「要コンドルズ」の2チーム。
 今回の「でもガンバルからまたみてね!!」は天馬。


第17話「コピー人間 赤マント誕生?」

放送日:1980/09/15
脚本:酒井あきよし
監督:岡本 弘
ゲスト:三谷 昇(黒野博士)、花房 徹(助手)

 黒野博士が発明した世紀の大発明、複写人間製造マシーン。自分のコピーを誕生させたい赤マントはその強奪を予告。迎え撃つワンパクズは複写マシーンのダミーを作って赤マントに対抗する。  赤マントをダミーのマシーンに閉じ込めたワンパクズは、マシーンごとスクラップにしようと鉄屑屋へ運ぶが、そのマシーンには赤マントではなく荒名が閉じ込められていた。間一髪助け出される荒名。一方、黒野博士に化けた赤マントは、天馬を騙して本物のマシーンのありかを聞き出し、自らがマシーンの中に入ってコピー人間を作り出そうとする。誕生するコピー人間!と思いきやマシーンから出てきたのは黒焦げ赤マント。実は、マシーンは博士とマスコミの勘違いで、全く完成していないのだった。

今回の対戦相手チームは、「広尾ジャンボ」。
 今回の「でもガンバルからまたみてネ!」は荒名。


第18話「ミイラの呪い?透明人間赤マント」

放送日:1980/09/22
脚本:長坂秀佳
監督:外山 徹
ゲスト:高崎蓉子(水泉奈保子)/高松政雄(老執事)、倉富勝士(警官)

 「水泉家のツンタカルメラをいただく」と予告してきた赤マント。水泉家に向かった天馬らは、ツタンカーメン像によく似たツンタカルメラには、ミイラの呪いの言い伝えがあることを知る。水泉家を警護中のワンパクズの前に、土の中からミイラが出現! 後を追ったワンパクズは、ミイラが包帯を外す現場を目撃。その中身はなんと空っぽ!? ミイラの正体は透明人間だったのだ。赤マントと透明人間の両者からツンタカルメラを警護する荒名らだが、多奈加が透明人間に襲われ、ツンタカルメラを奪われてしまう。しかし、トリックを見破った天馬は、透明人間の正体がピアノ線で操られたものだと説明。ツンタカルメラも部屋の中に隠されたままでまだ持ち出されていなかったのだ。多奈加に化けた赤マントを追い詰めるが、赤マントは再戦を宣言し、いずこかへと去っていくのだった。

 今回の対戦相手チームは、「上原タイガース」。
 最終回の為、「でもガンバルからまたみてネ!」は無く、代わりに「おわり」のテロップが入っている。
 かなり悪乗り度が炸裂している数々の合い言葉。撮影現場のアドリブのおふざけかと思いきや、最後の合い言葉以外はほぼ台本通りである。(荒名「ガッツ石松」→多奈加「ツブレダンゴ」、警官「宍戸錠」→天馬「中年カボチャ」、荒名「宍戸錠」→天馬「天下の二枚目」)
 なお最後の合い言葉、荒名「ぼくら野球探偵団」→多奈加「東京12チャンネル 月曜日7時半」は、台本では、荒名「ぼくら野球探偵団」→多奈加「視聴率二十八パーセント!」となっている。
 ちなみに、台本上に書かれた本作の制作bヘ第13話。また、台本のラストで「来週もまた見てネ」と書かれているように本作は最終話として作られたものではなく、映像上のラスト「でもガンバルからまたみてネ!」のテロップを「おわり」に差し替えただけで、物語としては最終話らしい話にはなっていない。台本より差し替えられた「視聴率二十八パーセント!」が現実になっていたら、ここまで早い終幕にはならなかったのではないだろうか?






未放送作品(未制作かどうかは不明)制作q18話「恋をしたキザ警部(仮題)」

放送日:1980年9月22日
脚本:長坂秀佳
監督:深沢清澄(予定)

 ※本作は、台本は作られたものの実際には放送されなかった作品である。
  なお、映像として制作されたかどうかは不明。

 荒名に恋人がいた?! 名は綾小路小百合。しかし、彼女が持つバラのペンダントを奪うと赤マントが挑戦。この身にかえてもペンダントを守るといきまく荒名は、ほのかが用意した偽物を小百合に渡し、本物のペンダントを胸につけ赤マントを待ちかまえる。
 しかし、赤マントの巧妙な罠にはまった荒名は、捕らえられてペンダントを奪われてしまう。悲観し、自殺までしようとする荒名。だが、それを天馬がとめた。本物だと思っていたペンダントは実は偽物で、本物のペンダントは小百合が身につけたままであったのだ。再戦を誓い立ち去る赤マント。事件も無事終わり、小百合をデートに誘う荒名だったが、ペンダントの制作者だといってフィアンセを紹介される。恋人というのは荒名の単なる思いこみにすぎなかったのだった。

 綾小路小百合のフィアンセの名は潰谷(ツブレヤ)明。本作のプロデューサーでもある円谷粲(ツブラヤアキラ)氏のもじりであろうか。
 今回の対戦相手チームは、「(相手チームは一般公募)」表記。
 今回の「でもガンバルからまたみてネ!」は、「≪フラれちゃったけど≫≪また見てネ≫」で荒名。