「プロハンター」長坂作品エピソード あらすじ・解説

【ストーリー紹介】

 元記者・竜崎と元刑事・水原は、その前歴を生かし調査事務所を開設した。横浜を舞台に、彼らふたりが依頼された事件を解決していく。


第13話「北北西に向って走れ」

放送日:1981/06/30
脚本:長坂秀佳
監督:小池要之助
ゲスト:内田朝雄/堀川まゆみ/丹古母鬼馬二、加藤大樹、池田まさる/長尾美雪、畑中 猛、吉宮愼一、檀 喧太/前田哲朗、赤羽 明、速水 隆、トニー・マートブー、井原啓介/村川めぐみ、川瀬小夜子、桜井恵美子、佐々木由起恵、近江信行/若駒、クロキ・プロ、[カースタント] スリー・チェイス、[擬斗] 國井正廣/今井健二

 大使館からダイヤが盗まれ、犯人は身代金を要求。その取引がある5日後までにダイヤを奪還するようCIAから依頼を受ける水原だったが、その取引が急遽明日に変更、それまでにダイヤを奪還しなければ、水原と竜崎の命は無いという。竜崎は、ダイヤと接触する機会のあった女である同時通訳官・九条奈津子に接触するが、目前で奈津子は刺殺され、現場に居た竜崎は警察に手配されてしまう。さらに、九条の弟・敬太郎に接触した水原も、目前で敬太郎が銃殺され、同じく手配の身に。敬太郎の仲間である宝石専門ドロの安田洋介・通称ムッシュに当たりをつけた水原は、ムッシュと連れの女・怜子と共に逃走。執拗にダイヤを狙う糸口組、そして警察の手から逃げる水原は、ダイヤの隠し場所を突き止め入手するが、誤って近くにいた鶏がダイヤを飲み込んでしまう。鶏を抱え逃走を続ける水原だが、鶏運搬車と事故を起こし、鶏が混ざって大混乱! だが、あらかじめ印を付けていた鶏を連れ、CIAの元へ。そこで、竜崎は突き止めた真相を語る。それは、CIAと名乗っていた組織は実は国際的なダイヤ窃盗団で、彼らが九条姉弟を殺害した犯人だったのだ。真相を知られ、水原らを殺害しようとするダイヤ窃盗団。そんな彼らの窮地を尻目に、本物のダイヤを持ったムッシュと怜子が走り去って行くのだった。

 本作『プロハンター』では長坂氏はこの1作のみを担当。主人公達のコミカルな台詞が多い本番組に合わせたのか、長坂氏の脚本はそのコミカルさを最大限に活かしたドタバタ劇を展開。ダイヤを飲み込んだ鶏が、鶏を積んだトラックの大量の鶏と混ざって大パニックになるシーンなど、長坂氏の真骨頂。ドタバタの中にも格好良さがある、洒落たドラマに仕上がっている。
 (※九条奈津子と敬太郎の漢字表記は表札のシーンを参照、早瀬は表札のシーンを参照。安田洋介、怜子、糸口組の漢字表記は台本を参照)