ボーイスカウトについて

ボーイスカウト名古屋第66団

ボーイスカウト運動は

   立派な青少年を育てるための

      公民教育である


 ボーイスカウトとはどんな団体なのか、何を目的としているのかというご質問をお持ちのことと思います。ここでは、ボーイスカウト運動についてご理解いただきたいこと、疑問点などについて解説をいたします。

 ボーイスカウト運動は、一般的に申しますと健全なる青少年の育成を目的とした青少年の社会教育運動であり、広い意味では数多い社会教育団体の一つと言えます。

 この運動が1907年に英国で創始以来、世界各国でなお発展を続けていることは、その目的と成果が等しく各国の社会で理解され認められているからです。では、その目的はと言いますと、この運動は明日の日本をになう立派な青少年を育てるため正しい社会生活習慣を身につけ、心身ともに立派な公民を養成する公民教育であるということです。

 日本は経済的に豊かにはなりましたが、近年の青少年の非行は規範意識の低下からか遊び感覚の傾向があり、家庭においても、また地域や職場においても青少年の扱いや指導に迷うような問題が多々あることと思います。また、学力や経済的利益を過度に追求し社会規範を軽視する一部の傾向に疑問を感じることもあるかと思います。

 人間の育成に最も大切な年頃である小学校のなかばから中学校高等学校年代の青少年たちを正しく導き、よい品性を身につけさせ、健康な身体を作り種々の技能を習得し喜んで社会に対する奉仕ができる、国際愛を持った人間=立派な社会人に育てることがボーイスカウト運動の目的です。しかも、この教育は画一的に押し付ける団体教育でなく、あくまで個性を伸ばす教育であり(ここが団体訓練を主眼とした戦前の少年団と異なるところです)、少年(スカウト)たちは野外の大自然の環境の中で綿密に組まれた訓育プログラムにより、また、愉快なゲームを通して楽しみながら将来の人生に有用な技能を修得していくのです。一口で言うならば、ボーイスカウト運動は、最も優れた公民教育と言えます。この教育の根本は次に掲げた「ちかい」と「おきて」にあります。スカウトは、このちかいとおきてとを毎日の行動の信条とし物差しとしてこれを守り実行するように心がけています。

 昔から鉄は熱いうちに打てと言われます。人間も、成人してからでは習慣もなかなか変わるものではありません。少年のうちによい習慣を作ることこそ立派な公民を育てる礎です。このことは、子どもの親としてまた社会人としても真剣に考えなければならないことではないでしょうか。


ちかい

私は名誉にかけてつぎの三条の実行を誓います。

.()と国とに誠を尽くし"おきて"を守ります。

.いつも他の人々を援けます。

.体を強くし、心をすこやかに、徳を養います。


おきて

 1.スカウトは誠実である。

 2.スカウトは友情にあつい。

 3.スカウトは礼儀正しい。

 4.スカウトは親切である。

 5.スカウトは快活である。

 6.スカウトは質素である。

 7.スカウトは勇敢である。

 8.スカウトは感謝の心を持つ。

標語       そなえよつねに

スローガン   日々の善行





ボーイスカウトの訓育法

「ちかい」と「おきて」

 ボーイスカウトは立派な人間を育てるため、人としての道を実践させる社会教育です。全世界ほとんど同一の「ちかい」をもち、「おきて」を守るよう心がけています。「ちかい」はスカウトである少年自らの生活信条であり、「おきて」はスカウトが当然やるべき毎日の行動の物差しであります。

班制

 少年の心理に適した小さい自治的な班(6〜8人)を作り、そのグループワークによって協力心と責任感を養います。指導者はスカウトそれぞれの個性に合わせて、なおかつ班の一員としての役割を果たせるように指導します。

進歩制

 スカウトは定められた課題をなしとげるごとに初級、2級、1級、菊、隼、富士と進度に応じた記章を着用することができます。それによって向上心が養われ、また有能な技能を身につけていくことができます。

技能章制

 スカウトたちが社会に対しても、自分自身に対しても役立つ各種の技能を自分で選んで、しかも興味を持って習得できるように工夫されています。

 以上3つの制度の中に「ちかい」と「おきて」の精神と少年の本能である遊び(ゲーム)とを取入れてボーイスカウトの訓育法ができています。






ご理解をいただきたい諸点


1.学校の成績に影響があるだろうと心配される方々に...


ボーイスカウトになると学校の成績が下がる、あるいは成績を上げるために学習塾へ行かなければならないがボーイスカウト活動をしていては勉強時間がなくなるのではないか、と心配される方々が多いと思われますが、逆に成績が上がったというスカウトが多いというのが実際です。ボーイスカウトの教育は子供の余暇を利用し、子供の遊びを善導するものですから、学業の妨げになるほどの時間を必要とはしませんし、また社会教育でありますから学校教育とは少しも衝突しません。一週間は168時間です。この中にはもちろん寝る時間、学校で勉強する時間も含まれていますが、ボーイスカウトとして集会に出席する時間はせいぜい2時間か3時間です。このわずかな時間に子供たちの内に秘められた種々の才能や五感の働きを誘導する個性教育を行っていくので一般学業も次第に伸びてくるのが普通です。

 現在の社会、家庭の考え方は子供の教育は学校や塾に任せておけばよいとする風潮が強いと思われます。そして、有名校への進学入試に直結し、さらにそれが社会的に将来の人生を決定するかのような想念を抱かせるため、親はなるべく学校の勉強以外のことに子供の時間を奪われたくないと考えがちです。本来の教育という大切なものが成績向上、有名校進学と置き換えられる危険があります。人間は立身出世や親の見栄のためにのみ教育を受けるのではないはずです。健全なる精神、健全なる身体こそが21世紀をになう国際人の第一条件です。学校5日制の本格実施が定着して、ボーイスカウト運動のような社会教育へのより多くの参加が各地域の学校、教育委員会からも期待されています。お子さんの真の幸福を希望されるのなら、大きな観点に立ってお子さんを世界中で信頼される立派な公民に育て上げるべきではないでしょうか。ボーイスカウト運動は約100年前から世界各国で取り上げられ世界144カ国2500万人に広がっているということがこの教育が全世界で認められた公民教育、社会教育であるということを実証しています。






 

2.軍事訓練の予備機関ではないかとお考えの方々に...


少年がカーキ色の制服を着ていろいろな記章をつけ敬礼をし手旗信号をしたり救急法をやったり測量をしたりキャンプやハイキングをしたりするのを見て、あれは軍事訓練に似ているとか軍隊の予備訓練ではないだろうかと簡単にお考えになる方があろうかと思います。一見もっともに見えますが、実は大きな違いがあります。

 まず、服装の点ですが、これは創始者の考えたものに各国の指導者が工夫改善を加えて今日の形となったもので、この服装は野外活動に大変便利であり、世界各国類似のものになっています。したがって、世界のどこで会おうともこの服装を見れば国籍人種が異なっても世界平和の達成という大理想のもとに結ばれた友達であり、言葉は通じなくても親友のようないやそれ以上に兄弟のような親しい交わりができるのです。つぎに、種々の作業が軍事訓練に似ているという点でありますが、確かに、この教育法と組織を編み出した創始者である英国の軍人ベーデン・パウエル卿の軍務時のいろいろな経験がボーイスカウト運動のヒントになっています。しかしボーイスカウトが行うこれらの作業はこれに習熟することが目的ではなく、教育の手段としているということです。少年たちが救急法を知り信号を会得していた場合、例を挙げれば、海や川に溺れかかった人を救ううことができるし、山中の傷病者を救出する方法も心得ているのです。決して戦争に備えて訓練しているのでなく、いかなる場合にも世のため人のためになれる心構えと勇気と自信とそれを裏づける技能とを養っているのです。

 ボーイスカウトという名称も、ボーイは少年であり、スカウトとは斥候、先駆者という意味で、世の中の開拓者、自ら率先して切り開いていく者をあらわし、この名称が世界共通のものになっています。




3.親が手伝わなければいけないからと心配される方々に...


 自営の方、介護や育児中のご家庭、保護者の休日が週末でない、などでは集会のお手伝いをいただく必要はありません。しかし、どんなわずかなことでもけっこうですから、ご都合のつくときにできる範囲でお手伝いいただければ幸いです。ご存知のようにボーイスカウト運動はボランティアの指導者や団委員の奉仕で成り立っております。ご父兄の少しずつのお手伝いが集まって大きな力となり、スカウトたちの活動と団の運営を支えていただいております。また指導者としてお子さんといっしょに参加していただくことで、我が子の成長と他のお子さんの成長に家庭とは違った形で参加できる喜びがあると思います。


4.費用がかかると心配される方々に...


入団時:加入登録費5000

 日本連盟への初期登録費用などです。

毎月の費用:3000(ビーバーは2000)

 活動に必要な資材購入などの費用です。

日本連盟登録費の一部 年1回2000

制服:ビーバー約4000円 カブ約11000円、

   ボーイ約14000

 スカウトの体の成長はたいへん速いので、小さくなった制服を譲り受けるなどして費用の節約をしています。

 当団では夏のキャンプ参加費20000円程度、スキー訓練(任意参加)30000円程度となっています。これ以外の通常の活動では参加費は不要です。

 キャンプ用具などは各自が必要に応じて順次買い揃えていきます。


5.女の子でもやっていけるかと心配される方々に...


 学校にも男子校、女子校、男女共学校があるように、団によっていろいろな形態で活動しています。当団では女子の受入れをしており、すでに何人かの女子が男子と同等に活躍しています。女子のみのガールスカウトをご希望の場合はそちらをご案内いたします。ガールスカウトはボーイスカウトと創始者を同じくする社会運動です。




成長に合わせた編成()


 
ボーイスカウト活動は、年齢に適した内容の活動ができるよう、5つの編成(隊)に分けて行われます。それぞれつぎの目標を持って活動をしています。


ビーバースカウト 小学校入学前の1月から

 隊の活動に参加することによって自然に親しみ、基本的生活技能や社会性、表現力を伸ばしカブスカウトへ上進をめざす。



カブスカウト 小学校3年から

 家庭や近隣社会での生活指導および組や隊の活動に参加することによって、よい社会人としての基本を修得し、ボーイスカウトへの上進をめざす。



ボーイスカウト 小学校6年から

 班および隊の活動に参加することによって自分の責務を果たし、野外活動を主とした体験学習を通してよき社会人たる資質の向上を図り、ベンチャースカウトへの上進をめざす。



ベンチャースカウト
 中学校3年の9月から

 隊および活動チームの仲間とともに高度な体験を自ら企画し、実行することによって自己の特性を伸ばし、「自分で考え、自分で行動し、自分で責任を持つことができるスカウト」となりローバースカウトへの上進をめざす。



ローバースカウト  大学生年齢から

 「ちかい」と「おきて」を各自の生活により強力に具現化し、自らの有為の生涯を築き、社会に奉仕する精神と体力を養う。



指導者
  20歳以上

 「ちかい」と「おきて」に基づき、各自が担当する隊のスカウトが上記目標を達成できるよう隊を運営し訓育を行う。また、常に自己の研鑚に務め資質の向上を図る。




お問い合わせ先

  ボーイスカウト名古屋第66団 事務局

    464-0804 名古屋市千種区東山元町2−74−1
         有元方   電話052−781−4550

 もしくは 加藤 電話052−781−7725


  団ホームページ
   http://www.tcp-ip.or.jp/~harada/index.htm

   E-Mail